JPH0349424Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は曲げ加工されたリード線を有する電子
部品を自動半田付けするための導電性パターンを
有するプリント基板の改良に関する。

従来の、この種のプリント基板として第１図及
び第２図で示すようなものがあつた。図面におい
て、Ａは基板で、この基板Ａの裏面には円形或は
小判形状の導電性パターンＢが形成されている。
そして、導電部品のリード線Ｃを挿入するための
挿入穴Ｄが形成されている。ここで、リード線Ｃ
の下端は「く」の字形状に折曲された曲げ加工が
施されている。

そこで、基板Ａの表面から挿入穴Ｄにリード線
Ｃを挿入した後、自動半田付け装置により導電性
パターンＢと基板Ａの裏面から突出したリード線
Ｃの下端とを半田Ｅで接続するのである。

従来のプリント基板ではリード線Ｃの下端が
「く」の字状に折曲されて曲げ加工されている場
合には、基板Ａの挿入穴Ｄにリード線Ｃを挿入し
た場合、リード線Ｃが挿入穴Ｄの片側によつてし
まい、挿入穴Ｄの他側とリード線Ｃとの隙間に半
田Ｅが吸い込まれて半田Ｅが乗らなくなり、それ
によつて穴が発生してピンホールの状態になるこ
とがあり、信頼性において問題であつた。

本考案は上記のような欠点を解決するために成
されたもので、次のように構成したものである。

下端部が曲げ加工された電子部品のリード線
と、このリード線が挿入される挿入穴を穿設した
プリント基板と、このプリント基板の裏面側で上
記挿入穴の周辺に導電性パターンを形成したプリ
ント基板の半田付け部形状に関し、上記の電子部
品のリード線の曲げ方向と同方向、又は曲げ方向
と反対方向に挿入穴周辺の導電性パターンから先
細りの突出部を形成し、上記電子部品のリード線
とプリント基板の導電性パターンとを接続するよ
うに組み合わせたことにより、リード線の曲げ加
工方向に対してピンホールをなくして確実な半田
付けができるようにしたプリント基板を提供する
のが目的である。

以下、本考案を図面の実施例に基づいて説明す
る。第３図は本考案に係るプリント基板の裏面図
で、第４図は同プリント基板の使用状態を示す拡
大した縦断面図、第５図は他の使用状態を示す縦
断面図、第６図は本考案に係るプリント基板のリ
ード線の挿入穴に半田が吸い込まれるときの力の
強さを示す説明図である。

上記の図面において、１は電子部品のリード線
で、その下端部は「く」の字状に曲げ加工により
折曲されて形成されている。２は基板で、その裏
面にはリード線１を半田付けするための導電性パ
ターン３が形成されている。この導電性パターン
３の形状は第３図のＦで示すように、円形の一部
に先細りの突出部４を形成したもの、あるいはＧ
で示すように小判形状の一部に先細りの突出部４
を形成したもの等が用いられる。要するに導電性
パターン３の一部に挿入穴周辺から先細りの突出
部４が形成されていればよく、導電性パターン３
自体の形状は不問である。また、導電性パターン
３の中央及び基板２には電子部品のリード線１を
挿入する挿入穴５が形成されている。

次に、作用について説明する。まず、基板２の
表面から挿入穴５にリード線１を挿入するが、こ
の際、リード線１の折曲方向が導電性パターン３
の突出部４の方向か、あるいは突出部４と反対方
向に向けて挿入する。次いで、自動半田付け装置
により導電性パターン３と基板２の裏面から突出
したリード線１の下端とを半田６で接続するので
ある。この半田付けが行われると、導電性パター
ン３には突出部４の面積分だけ余分な半田６が乗
る。また、第６図の矢印で示すように、挿入穴５
の隙間に半田６が吸い込まれる力、即ち、表面張
力は突出部４からの力が、その他の方向からの力
より強く、しかも、突出部４からの半田量が多い
ので、半田６が吸い込まれることにより生ずる穴
ができにくくなり、ピンホールの発生を防止する
ことができる。

第７図は本考案に係るプリント基板の他の実施
例を示す裏面図で、第８図は同基板の使用状態を
示す拡大した縦断面図である。上記の実施例では
基板２の裏面に専用の導電性パターン３及び突出
部４を形成したが、この実施例では基板２の裏面
に形成された銅箔７上に塗布するレジスト８によ
り突出部４を有する導電性パターン３を形成する
のである。即ち、導電性パターン３及び突出部４
を形成する部分にはレジスト８を塗布しないので
ある。その他の点については上記の実施例と同様
である。

本考案は叙上のように、下端部が曲げ加工され
た電子部品のリード線１と、このリード線１が挿
入される挿入穴５を穿設したプリント基板２と、
このプリント基板２の裏面側で上記挿入穴５の周
辺に導電性パターン３を形成したプリント基板の
半田付け部形状に関し、上記の電子部品のリード
線１の曲げ方向と同方向、又は曲げ方向と反対方
向に挿入穴５周辺の導電性パターン３から先細り
の突出部４を形成し、上記電子部品のリード線１
とプリント基板２の導電性パターン３とを接続す
るように組み合わせたものである。

従つて、リード線１の曲げ加工方向に合わせて
半田６が吸い込まれることによつて、半田６の付
着を向上させることができると共に、ピンホール
の発生を防止することができ信頼性を向上させる
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のプリント基板で、第２図は同プ
リント基板の使用状態を示す拡大した縦断面図、
第３図は本考案に係るプリント基板の裏面図で、
第４図は同プリント基板の使用状態を示す拡大し
た縦断面図、第５図は他の使用状態を示す縦断面
図、第６図は本考案に係るプリント基板の穴に半
田が吸い込まれるときの力の強さを示す説明図、
第７図は本考案に係るプリント基板の他の実施例
を示す裏面図で、第８図は同基板の使用状態を示
す拡大した縦断面図である。 １……リード線、２……基板、３……導電性パ
ターン、４……突出部、６……半田。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 下端部が曲げ加工された電子部品のリード線１
   と、 このリード線１が挿入される挿入穴５を穿設し
   たプリント基板２と、 このプリント基板２の裏面側で上記挿入穴５の
   周辺に導電性パターン３を形成したプリント基板
   ２の半田付け部形状に関し、 上記の電子部品のリード線１の曲げ方向と同方
   向、又は曲げ方向と反対方向に挿入穴５周辺の導
   電性パターン３から先細りの突出部４を形成し、 上記電子部品のリード線１とプリント基板２の
   導電性パターン３とを接続するように組み合わせ
   たことを特徴とするプリント基板。