JPH058950B2 - - Google Patents
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- JPH058950B2 JPH058950B2 JP60112592A JP11259285A JPH058950B2 JP H058950 B2 JPH058950 B2 JP H058950B2 JP 60112592 A JP60112592 A JP 60112592A JP 11259285 A JP11259285 A JP 11259285A JP H058950 B2 JPH058950 B2 JP H058950B2
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Landscapes
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Epoxy Resins (AREA)
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- Organic Insulating Materials (AREA)
Description
[産業上の利用分野]
本発明は耐熱自己融着性エナメル線に関するも
のである。更に詳しく述べれば、本発明はテレビ
の偏向ヨークコイル等のコイルエナメル線として
用いることができる耐熱自己融着エナメル線に関
するものである。 [従来の技術] テレビの偏向ヨークコイルは自己融着性エナメ
ル線をコイル巻してから、加熱融着することによ
り製造されている。従つて、偏向ヨークコイルの
耐熱性は自己融着性エナメル線の耐熱性に依存し
ている。 偏向ヨークコイルはテレビのブラウン管の背面
に設置され、テレビ画面を写し出すのに重要な役
割を担つているものである。一般に、テレビ受信
中の偏向ヨークコイルの温度は50〜90℃に達す
る。このため偏向ヨークコイルがこのような温度
で熱変形すると磁束密度分布が不均一化し、その
結果カラーテレビの色ずれを起こす原因となる。 このようなわけで耐熱性に優れた自己融着性エ
ナメル線が要望されている。しかしながら従来の
ポリビニルブチラール樹脂系自己融着性エナメル
線や6ナイロンユニツト〜66ナイロンユニツト系
重合ポリアミド樹脂系自己融着性エナメル線では
耐熱性が満足できるものでなく、吸湿性も劣るも
のであつた。 一方、フエノキシ樹脂系自己融着性エナメル線
やポリスルホン系自己融着性エナメル線では耐熱
性が良好なものの接着力がやや劣るのが難点であ
つた。 [発明が解決しようとする課題] 本発明はかかる点に立つて為されたものであつ
て、その目的とするところは前記した従来技術の
欠点を解消し、エナメル線の状態では熱融着性が
優れ且つ熱融着したコイル状態では優れた耐熱性
を発揮することができる自己融着性エナメル線を
提供することにある。 [課題を解決するための手段] 本発明の要旨とするところは、12−ナイロンを
含む共重合ポリアミド樹脂()、その共重合ポ
リアミド樹脂()より低い融点を持つ共重合ポ
リアミド樹脂()及びエポキシ樹脂とから成る
混合物を主成分とするワニスを導体上に直接もし
くは他の絶縁物を介して塗布、焼付けして成る自
己融着性エナメル線において、12−ナイロンを含
む共重合ポリアミド樹脂()は分子内に12ナイ
ロンユニツトを60〜90モル%含み且つ熱軟化点が
145〜155℃の共重合ポリアミド樹脂であり、共重
合ポリアミド樹脂()は6ナイロンユニツトと
12ナイロンユニツトとをそれぞれ20〜50モル%含
み且つ熱軟化点が125〜135℃の共重合ポリアミド
樹脂であり、しかも共重合ポリアミド樹脂()
と共重合ポリアミド樹脂()とのブレンド比
()/()が5〜45/95〜55重量部であり、
エポキシ樹脂は熱軟化点が90℃以上で且つ平均分
子量が3000以下のビスフエノール系エポキシ樹脂
であり、しかもそのビスフエノール系エポキシ樹
脂の配合量は共重合ポリアミド樹脂()と共重
合ポリアミド樹脂()との混合物100重量部に
対して20重量部以下であることを特徴とする耐熱
自己融着性エナメル線にある。 本発明において、12ナイロンユニツトを60〜90
%含む熱軟化点145〜155℃の共重合ポリアミド樹
脂()としては12ナイロンユニツトの他に一成
分を含む二元系でも、或いは二成分を含む三元系
でもよいが、望ましくはイソホロンジアミンとア
ゼライン酸によるユニツトを含む二元系の共重合
アミド樹脂が適切である。 また本発明において、6ナイロンユニツトと12
ナイロンユニツトをそれぞれ20〜50%含む熱軟化
点125〜135℃の共重合ポリアミド樹脂()とし
ては、これら二者だけによる二元系の共重合ポリ
アミド樹脂でも、或いは他の成分を含む三元系の
共重合ポリアミド樹脂でもよい。 本発明において共重合ポリアミド樹脂()と
共重合ポリアミド樹脂()とのブレンド比
()/()は5〜45/95〜55重量部であると
限定したのは、共重合ポリアミド樹脂()のブ
レンド比が5重量部未満では150℃のような低温
領域での加熱接着性が優れているものの高温での
熱変形性が劣るためである。また、共重合ポリア
ミド樹脂()のブレンド比が45重量部以上では
150℃のような低温領域での加熱接着性が急激に
劣るようになり、その結果電力代が増加すると共
に補修作業が増加して生産性が低下するためであ
る。 本発明において12−ナイロンを含む共重合ポリ
アミド樹脂()と、その共重合ポリアミド樹脂
()より低い融点を持つ共重合ポリアミド樹脂
()との混合物にエポキシ樹脂をブレンドする
ことにより高温における熱接着力を一段と向上す
ることができる。ブレンドするエポキシ樹脂とし
ては熱軟化点が90℃以上のビスフエノール系エポ
キシ樹脂(シエル社エピコート1003,1055,
1004,1007,1009など)がある。 また、ビスフエノール系エポキシ樹脂としては
熱軟化点が90℃以上で且つ平均分子量が3000未満
のものが熱変形性及び共重合ナイロンとの相溶性
の点から選ばれる。更に、エポキシ樹脂のブレン
ド量としては、熱変形性及び相溶性の点から、0
〜20重量部に限定される。即ち、20重量部以上で
は共重合ポリアミド樹脂()と共重合ポリアミ
ド樹脂()との混合物との相溶性及び得られる
エナメル線の可撓性が急激に悪化するためであ
る。 [作用] 本発明の耐熱自己融着性エナメル線は、12−ナ
イロンを含む共重合ポリアミド樹脂()と、そ
の共重合ポリアミド樹脂()より低い融点を持
つ共重合ポリアミド樹脂()との混合物を主成
分とする塗料を導体上に直接もしくは他の絶縁物
を介して塗布、焼付けすることにより、エナメル
線の状態では熱融着性が優れ且つ熱融着したコイ
ル状態では優れた耐熱変形性を発揮することがで
きるようにしたことにある。 即ち、本発明の耐熱自己融着性エナメル線は、
自己融着性材料の一方側成分として分子内に12ナ
イロンユニツトを60〜90モル%含み且つ熱軟化点
が145〜155℃の共重合ポリアミド樹脂()を用
いることにより、優れた熱融着性と耐熱変形性を
発揮させ、そして6ナイロンユニツトと12ナイロ
ンユニツトとをそれぞれ20〜50モル%含み且つ熱
軟化点が125〜135℃の共重合ポリアミド樹脂
()を用いることにより、150℃のような低温領
域においても優れた熱接着性を発揮させ、更に共
重合ポリアミド樹脂()と共重合ポリアミド樹
脂()とのブレンド比()/()を5〜
45/95〜55重量部とすることにより、150℃のよ
うな低温領域でも完全に熱融着できるようにする
と共に熱融着コイルの100℃以上の高温における
コンバーセンス変化量を効果的に低減できるよう
にしたことにある。 また、12−ナイロンを含む共重合ポリアミド樹
脂()とその共重合ポリアミド樹脂()より
低い融点を持つ共重合ポリアミド樹脂()との
混合物に、エポキシ樹脂を添加することにより両
者の架橋反応を起こさせて熱接着力を一段と向上
させることができる。 [実施例] 次に、本発明の耐熱性自己融着性エナメル線の
実施例及び従来の比較例の自己融着性エナメル線
について説明する。 本発明の耐熱性自己融着性エナメル線の実施例
及び従来の比較例の自己融着性エナメル線は導体
径が0.47mmφの一種皮膜厚(28μ)のH種エステ
ルイミド線上に自己融着性塗料をダイス絞りで塗
布した後、炉長3m、焼付温度300℃の焼付炉内を
通過させて自己融着層が0.009mmとなるように焼
き付けることにより自己融着性エナメル線とし
た。 なお、自己融着性塗料は次のようなものを用い
た。 a 共重合ポリアミド樹脂() 共重合ポリアミド樹脂()は、分子内に12ナ
イロンユニツトを70%含み且つ熱軟化点が145〜
155℃のものである。 b 共重合ポリアミド樹脂() 共重合ポリアミド樹脂()は、分子内に6ナ
イロンユニツトと12ナイロンユニツトとをそれぞ
れ30%含み且つ熱軟化点が125〜135℃のものであ
る。 c エポキシ樹脂 エポキシ樹脂としては、シエルケミカル社のビ
スフエノールA系エポキシ樹脂であるエピコート
1004とエピコート1007を用いた。 d ポリビニルブチラール樹脂 ポリビニルブチラール樹脂としては、積水化学
のエスレツク樹脂を用いた。 e アルコール可溶性ナイロン アルコール可溶性ナイロンとしては、12ナイロ
ンユニツトを含まない共重合ポリアミド樹脂であ
るドイツのBASF社のウルトラミツド1Cを用い
た。 d 塗料用溶剤 塗料用溶剤としては、クレゾールとソルベント
ナフサ(8:2)の混合溶剤を用いた。 また、得られた自己融着性エナメル線の試験は
次のように行つた。 (加熱接着性) 供試の自己融着性エナメル線を内径8mmφの巻
付棒に20回巻き付けてヘリカルコイルを作成し、
それから得られたヘリカルコイルを130〜200℃の
所定温度で30分熱処理し、最後にヘリカルコイル
の線間接着力を測定した。 (コンバーゼンス変化) 供試の自己融着性エナメル線を用いてそれぞれ
偏向ヨークコイルを巻線した後、それぞれの偏向
ヨークコイルを170℃で30分熱融着し、それから
それらの熱融着した偏向ヨークコイルをセパレー
タに取りつけた後100℃で200hrs加熱し、最後に
コンバーゼンスの変化量を測定した。評価は熱変
形量が0.5mm以下のものを○印、0.5以上のものを
×印とした。 第1表はこれらの実施例及び従来の比較例の自
己融着性エナメル線の試験結果を示したものであ
る。
のである。更に詳しく述べれば、本発明はテレビ
の偏向ヨークコイル等のコイルエナメル線として
用いることができる耐熱自己融着エナメル線に関
するものである。 [従来の技術] テレビの偏向ヨークコイルは自己融着性エナメ
ル線をコイル巻してから、加熱融着することによ
り製造されている。従つて、偏向ヨークコイルの
耐熱性は自己融着性エナメル線の耐熱性に依存し
ている。 偏向ヨークコイルはテレビのブラウン管の背面
に設置され、テレビ画面を写し出すのに重要な役
割を担つているものである。一般に、テレビ受信
中の偏向ヨークコイルの温度は50〜90℃に達す
る。このため偏向ヨークコイルがこのような温度
で熱変形すると磁束密度分布が不均一化し、その
結果カラーテレビの色ずれを起こす原因となる。 このようなわけで耐熱性に優れた自己融着性エ
ナメル線が要望されている。しかしながら従来の
ポリビニルブチラール樹脂系自己融着性エナメル
線や6ナイロンユニツト〜66ナイロンユニツト系
重合ポリアミド樹脂系自己融着性エナメル線では
耐熱性が満足できるものでなく、吸湿性も劣るも
のであつた。 一方、フエノキシ樹脂系自己融着性エナメル線
やポリスルホン系自己融着性エナメル線では耐熱
性が良好なものの接着力がやや劣るのが難点であ
つた。 [発明が解決しようとする課題] 本発明はかかる点に立つて為されたものであつ
て、その目的とするところは前記した従来技術の
欠点を解消し、エナメル線の状態では熱融着性が
優れ且つ熱融着したコイル状態では優れた耐熱性
を発揮することができる自己融着性エナメル線を
提供することにある。 [課題を解決するための手段] 本発明の要旨とするところは、12−ナイロンを
含む共重合ポリアミド樹脂()、その共重合ポ
リアミド樹脂()より低い融点を持つ共重合ポ
リアミド樹脂()及びエポキシ樹脂とから成る
混合物を主成分とするワニスを導体上に直接もし
くは他の絶縁物を介して塗布、焼付けして成る自
己融着性エナメル線において、12−ナイロンを含
む共重合ポリアミド樹脂()は分子内に12ナイ
ロンユニツトを60〜90モル%含み且つ熱軟化点が
145〜155℃の共重合ポリアミド樹脂であり、共重
合ポリアミド樹脂()は6ナイロンユニツトと
12ナイロンユニツトとをそれぞれ20〜50モル%含
み且つ熱軟化点が125〜135℃の共重合ポリアミド
樹脂であり、しかも共重合ポリアミド樹脂()
と共重合ポリアミド樹脂()とのブレンド比
()/()が5〜45/95〜55重量部であり、
エポキシ樹脂は熱軟化点が90℃以上で且つ平均分
子量が3000以下のビスフエノール系エポキシ樹脂
であり、しかもそのビスフエノール系エポキシ樹
脂の配合量は共重合ポリアミド樹脂()と共重
合ポリアミド樹脂()との混合物100重量部に
対して20重量部以下であることを特徴とする耐熱
自己融着性エナメル線にある。 本発明において、12ナイロンユニツトを60〜90
%含む熱軟化点145〜155℃の共重合ポリアミド樹
脂()としては12ナイロンユニツトの他に一成
分を含む二元系でも、或いは二成分を含む三元系
でもよいが、望ましくはイソホロンジアミンとア
ゼライン酸によるユニツトを含む二元系の共重合
アミド樹脂が適切である。 また本発明において、6ナイロンユニツトと12
ナイロンユニツトをそれぞれ20〜50%含む熱軟化
点125〜135℃の共重合ポリアミド樹脂()とし
ては、これら二者だけによる二元系の共重合ポリ
アミド樹脂でも、或いは他の成分を含む三元系の
共重合ポリアミド樹脂でもよい。 本発明において共重合ポリアミド樹脂()と
共重合ポリアミド樹脂()とのブレンド比
()/()は5〜45/95〜55重量部であると
限定したのは、共重合ポリアミド樹脂()のブ
レンド比が5重量部未満では150℃のような低温
領域での加熱接着性が優れているものの高温での
熱変形性が劣るためである。また、共重合ポリア
ミド樹脂()のブレンド比が45重量部以上では
150℃のような低温領域での加熱接着性が急激に
劣るようになり、その結果電力代が増加すると共
に補修作業が増加して生産性が低下するためであ
る。 本発明において12−ナイロンを含む共重合ポリ
アミド樹脂()と、その共重合ポリアミド樹脂
()より低い融点を持つ共重合ポリアミド樹脂
()との混合物にエポキシ樹脂をブレンドする
ことにより高温における熱接着力を一段と向上す
ることができる。ブレンドするエポキシ樹脂とし
ては熱軟化点が90℃以上のビスフエノール系エポ
キシ樹脂(シエル社エピコート1003,1055,
1004,1007,1009など)がある。 また、ビスフエノール系エポキシ樹脂としては
熱軟化点が90℃以上で且つ平均分子量が3000未満
のものが熱変形性及び共重合ナイロンとの相溶性
の点から選ばれる。更に、エポキシ樹脂のブレン
ド量としては、熱変形性及び相溶性の点から、0
〜20重量部に限定される。即ち、20重量部以上で
は共重合ポリアミド樹脂()と共重合ポリアミ
ド樹脂()との混合物との相溶性及び得られる
エナメル線の可撓性が急激に悪化するためであ
る。 [作用] 本発明の耐熱自己融着性エナメル線は、12−ナ
イロンを含む共重合ポリアミド樹脂()と、そ
の共重合ポリアミド樹脂()より低い融点を持
つ共重合ポリアミド樹脂()との混合物を主成
分とする塗料を導体上に直接もしくは他の絶縁物
を介して塗布、焼付けすることにより、エナメル
線の状態では熱融着性が優れ且つ熱融着したコイ
ル状態では優れた耐熱変形性を発揮することがで
きるようにしたことにある。 即ち、本発明の耐熱自己融着性エナメル線は、
自己融着性材料の一方側成分として分子内に12ナ
イロンユニツトを60〜90モル%含み且つ熱軟化点
が145〜155℃の共重合ポリアミド樹脂()を用
いることにより、優れた熱融着性と耐熱変形性を
発揮させ、そして6ナイロンユニツトと12ナイロ
ンユニツトとをそれぞれ20〜50モル%含み且つ熱
軟化点が125〜135℃の共重合ポリアミド樹脂
()を用いることにより、150℃のような低温領
域においても優れた熱接着性を発揮させ、更に共
重合ポリアミド樹脂()と共重合ポリアミド樹
脂()とのブレンド比()/()を5〜
45/95〜55重量部とすることにより、150℃のよ
うな低温領域でも完全に熱融着できるようにする
と共に熱融着コイルの100℃以上の高温における
コンバーセンス変化量を効果的に低減できるよう
にしたことにある。 また、12−ナイロンを含む共重合ポリアミド樹
脂()とその共重合ポリアミド樹脂()より
低い融点を持つ共重合ポリアミド樹脂()との
混合物に、エポキシ樹脂を添加することにより両
者の架橋反応を起こさせて熱接着力を一段と向上
させることができる。 [実施例] 次に、本発明の耐熱性自己融着性エナメル線の
実施例及び従来の比較例の自己融着性エナメル線
について説明する。 本発明の耐熱性自己融着性エナメル線の実施例
及び従来の比較例の自己融着性エナメル線は導体
径が0.47mmφの一種皮膜厚(28μ)のH種エステ
ルイミド線上に自己融着性塗料をダイス絞りで塗
布した後、炉長3m、焼付温度300℃の焼付炉内を
通過させて自己融着層が0.009mmとなるように焼
き付けることにより自己融着性エナメル線とし
た。 なお、自己融着性塗料は次のようなものを用い
た。 a 共重合ポリアミド樹脂() 共重合ポリアミド樹脂()は、分子内に12ナ
イロンユニツトを70%含み且つ熱軟化点が145〜
155℃のものである。 b 共重合ポリアミド樹脂() 共重合ポリアミド樹脂()は、分子内に6ナ
イロンユニツトと12ナイロンユニツトとをそれぞ
れ30%含み且つ熱軟化点が125〜135℃のものであ
る。 c エポキシ樹脂 エポキシ樹脂としては、シエルケミカル社のビ
スフエノールA系エポキシ樹脂であるエピコート
1004とエピコート1007を用いた。 d ポリビニルブチラール樹脂 ポリビニルブチラール樹脂としては、積水化学
のエスレツク樹脂を用いた。 e アルコール可溶性ナイロン アルコール可溶性ナイロンとしては、12ナイロ
ンユニツトを含まない共重合ポリアミド樹脂であ
るドイツのBASF社のウルトラミツド1Cを用い
た。 d 塗料用溶剤 塗料用溶剤としては、クレゾールとソルベント
ナフサ(8:2)の混合溶剤を用いた。 また、得られた自己融着性エナメル線の試験は
次のように行つた。 (加熱接着性) 供試の自己融着性エナメル線を内径8mmφの巻
付棒に20回巻き付けてヘリカルコイルを作成し、
それから得られたヘリカルコイルを130〜200℃の
所定温度で30分熱処理し、最後にヘリカルコイル
の線間接着力を測定した。 (コンバーゼンス変化) 供試の自己融着性エナメル線を用いてそれぞれ
偏向ヨークコイルを巻線した後、それぞれの偏向
ヨークコイルを170℃で30分熱融着し、それから
それらの熱融着した偏向ヨークコイルをセパレー
タに取りつけた後100℃で200hrs加熱し、最後に
コンバーゼンスの変化量を測定した。評価は熱変
形量が0.5mm以下のものを○印、0.5以上のものを
×印とした。 第1表はこれらの実施例及び従来の比較例の自
己融着性エナメル線の試験結果を示したものであ
る。
【表】
第1表からわかるように、共重合ポリアミド樹
脂()/共重合ポリアミド樹脂()のブレン
ド比が3/97である比較例1の自己融着性エナメ
ル線は、140℃でも優れた低温熱融着性を発揮す
るが、熱融着した偏向コイルは100℃・200hrs加
熱したときにおけるコンバーゼンス変化量が大き
いという難点がある。 共重合ポリアミド樹脂()/共重合ポリアミ
ド樹脂()のブレンド比が50/50である比較例
2の自己融着性エナメル線は、150℃における低
温熱融着性が乏しく、その結果実際のコイル融着
作業において接着不良を起こし、それに伴う補修
作業を必要とし、その結果生産性が大きく低下し
た。 共重合ポリアミド樹脂()/共重合ポリアミ
ド樹脂()のブレンド比が25/75で且つこれに
エピコート1007を30重量部ブレンドしてある比較
例3の塗料は、塗料安定性が悪いという難点があ
る。 共重合ポリアミド樹脂()が100重量部であ
る比較例4の自己融着性エナメル線は、140℃で
も優れた低温熱融着性を発揮するが、熱融着した
偏向コイルの100℃・200hrs加熱したときにおけ
るコンバーゼンス変化量が大きいという難点があ
る。 ポリビニルブチラール樹脂が100重量部である
比較例5の自己融着性エナメル線は、130℃でも
優れた低温熱融着性を発揮するが、熱融着した偏
向コイルが100℃・200hrs加熱したときにおける
コンバーゼンス変化量が大きいという難点があ
る。 また、アルコール可溶性ナイロンが100重量部
である比較例6の自己融着性エナメル線は、130
℃でも優れた低温熱融着性を発揮するが、熱融着
した偏向コイルが100℃・200hrs加熱したときに
おけるコンバーゼンス変化量が大きいという難点
がある。 これに対して本発明の実施例1〜7の耐熱自己
融着性エナメル線は、塗料段階においては塗料安
定性が優れ、且つ自己融着性エナメル線としては
150℃のような低温領域においても優れた融融着
性を発揮し、しかも熱融着した偏向コイルは100
℃・200hrs加熱したときにおけるコンバーゼンス
変化量が小さい、即ち優れた耐熱変形性を発揮し
た。 [発明の効果] 以上のように本発明の耐熱自己融着性エナメル
線は塗料段階においては塗料安定性が優れ、そし
て自己融着性エナメル線としては150℃のような
低温領域においても優れた熱融着性を発揮でき、
更に熱融着した偏向コイルは優れた耐熱変形性を
発揮できるものであり、工業上有用である。
脂()/共重合ポリアミド樹脂()のブレン
ド比が3/97である比較例1の自己融着性エナメ
ル線は、140℃でも優れた低温熱融着性を発揮す
るが、熱融着した偏向コイルは100℃・200hrs加
熱したときにおけるコンバーゼンス変化量が大き
いという難点がある。 共重合ポリアミド樹脂()/共重合ポリアミ
ド樹脂()のブレンド比が50/50である比較例
2の自己融着性エナメル線は、150℃における低
温熱融着性が乏しく、その結果実際のコイル融着
作業において接着不良を起こし、それに伴う補修
作業を必要とし、その結果生産性が大きく低下し
た。 共重合ポリアミド樹脂()/共重合ポリアミ
ド樹脂()のブレンド比が25/75で且つこれに
エピコート1007を30重量部ブレンドしてある比較
例3の塗料は、塗料安定性が悪いという難点があ
る。 共重合ポリアミド樹脂()が100重量部であ
る比較例4の自己融着性エナメル線は、140℃で
も優れた低温熱融着性を発揮するが、熱融着した
偏向コイルの100℃・200hrs加熱したときにおけ
るコンバーゼンス変化量が大きいという難点があ
る。 ポリビニルブチラール樹脂が100重量部である
比較例5の自己融着性エナメル線は、130℃でも
優れた低温熱融着性を発揮するが、熱融着した偏
向コイルが100℃・200hrs加熱したときにおける
コンバーゼンス変化量が大きいという難点があ
る。 また、アルコール可溶性ナイロンが100重量部
である比較例6の自己融着性エナメル線は、130
℃でも優れた低温熱融着性を発揮するが、熱融着
した偏向コイルが100℃・200hrs加熱したときに
おけるコンバーゼンス変化量が大きいという難点
がある。 これに対して本発明の実施例1〜7の耐熱自己
融着性エナメル線は、塗料段階においては塗料安
定性が優れ、且つ自己融着性エナメル線としては
150℃のような低温領域においても優れた融融着
性を発揮し、しかも熱融着した偏向コイルは100
℃・200hrs加熱したときにおけるコンバーゼンス
変化量が小さい、即ち優れた耐熱変形性を発揮し
た。 [発明の効果] 以上のように本発明の耐熱自己融着性エナメル
線は塗料段階においては塗料安定性が優れ、そし
て自己融着性エナメル線としては150℃のような
低温領域においても優れた熱融着性を発揮でき、
更に熱融着した偏向コイルは優れた耐熱変形性を
発揮できるものであり、工業上有用である。
Claims (1)
- 1 12−ナイロンを含む共重合ポリアミド樹脂
()と、該共重合ポリアミド樹脂()より低
い融点を持つ共重合ポリアミド樹脂()と、エ
ポキシ樹脂とから成る混合物を主成分とするワニ
スを導体上に直接もしくは他の絶縁物を介して塗
布、焼付けして成る自己融着性エナメル線におい
て、前記12−ナイロンを含む共重合ポリアミド樹
脂()は分子内に12ナイロンユニツトを60〜90
モル%含み且つ熱軟化点が145〜155℃の共重合ポ
リアミド樹脂であり、前記共重合ポリアミド樹脂
()は6ナイロンユニツトと12ナイロンユニツ
トとをそれぞれ20〜50モル%含み且つ熱軟化点が
125〜135℃の共重合ポリアミド樹脂であり、しか
も前記共重合ポリアミド樹脂()と前記共重合
ポリアミド樹脂()とのブレンド比()/
()が5〜45/95〜55重量部であり、前記エポ
キシ樹脂は熱軟化点が90℃以上で且つ平均分子量
が3000以下のビスフエノール系エポキシ樹脂であ
り、しかも該ビスフエノール系エポキシ樹脂の配
合量は前記共重合ポリアミド樹脂()と前記共
重合ポリアミド樹脂()との混合物100重量部
に対して20重量部以下であることを特徴とする耐
熱自己融着性エナメル線。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11259285A JPS61271360A (ja) | 1985-05-24 | 1985-05-24 | 耐熱自己融着性エナメル線 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11259285A JPS61271360A (ja) | 1985-05-24 | 1985-05-24 | 耐熱自己融着性エナメル線 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS61271360A JPS61271360A (ja) | 1986-12-01 |
JPH058950B2 true JPH058950B2 (ja) | 1993-02-03 |
Family
ID=14590590
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11259285A Granted JPS61271360A (ja) | 1985-05-24 | 1985-05-24 | 耐熱自己融着性エナメル線 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS61271360A (ja) |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5136869A (ja) * | 1974-09-11 | 1976-03-27 | Tokyo Shibaura Electric Co | Paruputosutemufureakantonofujihoho |
-
1985
- 1985-05-24 JP JP11259285A patent/JPS61271360A/ja active Granted
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5136869A (ja) * | 1974-09-11 | 1976-03-27 | Tokyo Shibaura Electric Co | Paruputosutemufureakantonofujihoho |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS61271360A (ja) | 1986-12-01 |
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---|---|---|---|
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