JPH0588056A

JPH0588056A - 光フアイバケーブル

Info

Publication number: JPH0588056A
Application number: JP3276927A
Authority: JP
Inventors: Yoshinobu Kitayama; 佳延北山; Hiroaki Sano; 裕昭佐野; Wataru Katsurajima; 渉桂島; Shigeru Tanaka; 茂田中; Shigeru Tomita; 茂冨田; Hiroyuki Akimoto; 裕之秋元
Original assignee: Nippon Telegraph and Telephone Corp; Sumitomo Electric Industries Ltd
Current assignee: Nippon Telegraph and Telephone Corp; Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority date: 1991-09-27
Filing date: 1991-09-27
Publication date: 1993-04-09

Abstract

(57)【要約】【目的】少ない心数の光ファイバケーブルにおいて、
細径化を図るとともに、応力に対して信頼性の高い光フ
ァイバケーブルを実現する。【構成】１は溝付きの金属スペーサであり、アルミニ
ウム等の比較的低ヤング率の金属を用い、圧壊から光フ
ァイバを保護し、可撓性を保有する。また、金属スペー
サ１の断面内には、高張力鋼線２を複合し、金属スペー
サ１の曲がり癖を抑制する。溝３の中に、光ファイバテ
ープ心線４を収容し、その上に押さえ巻き５、シース６
を施す。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、光ファイバケーブルの
構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、光屋外線などの屋外に布設される
光ファイバケーブルのうち、少ない心数の光ファイバケ
ーブルは、例えば、「研究実用化報告」第３３巻第３号
第５３１〜５４４頁、特に、第５３４頁に記載されてい
るように、張力を分担する鋼線と、光ファイバケーブル
を含む本体を撚り合わせて構成されており、引き留めに
はこの鋼線を固定していた。

【０００３】図４は、上記文献に記載された光ファイバ
ケーブルの断面図である。図中、７は支持線、８は光フ
ァイバ、９は鋼線である。光ファイバ８の周りに鋼線９
を配置し、支持線７とともに、だるま形にＰＶＣで結合
した断面構造であり、光ファイバケーブルに加わる種々
の応力に対し、信頼性の高い構造である。

【０００４】しかしながら、近年、光ファイバを用いた
通信網として、加入者光通信網が構築されつつあり、従
来の幹線から支線、配線へと光ファイバケーブルの適用
範囲が広がってきており、配線系を効率良く構築する上
で、さらに作業性に優れ、かつ、信頼性の高い屋外ケー
ブルが求められている。

【０００５】光ファイバケーブルの布設に関しても、ケ
ーブルを簡便に布設したいとの要求が高まっている。布
設に伴う光ファイバの接続は、従来一般に行なわれてい
た、融着接続ではなく、両端にコネクタを取り付けた光
ファイバケーブルを製造し、現地でコネクタ接続を行な
い、その後、余長を処理するという手法が広がってきて
いる。コネクタを用いた接続方法は、従来の融着接続に
比べて、作業時間を大幅に短縮することができるという
利点がある。さらに、屋外ケーブルの場合、ケーブル長
が、５０ｍ程度であるため、巻取ドラムを小型化できれ
ば、コネクタ接続終了後のケーブルの余長を、そのまま
巻取ドラムに巻いた状態で収納し、加入者宅に設置した
ままとすることが可能となり、作業性を改善することが
できる。

【０００６】上述したように、図４に示したケーブル
は、信頼性に優れ、かつ、電柱や加入者宅へのケーブル
の引留の容易さという点では優れたケーブルであるとし
ても、細径化、つまり、巻取ドラムの小型化という観点
は考慮されておらず、前記の方法を利用できないという
問題があった。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述の問題
点を解決するためになされたもので、少ない心数の光フ
ァイバケーブルにおいて、細径化を図るとともに、応力
に対して信頼性の高い光ファイバケーブルを提供するこ
とを目的とするものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明は、溝付きスペー
サの溝内に光ファイバを収容し、その上に被覆を施して
なる光ファイバケーブルにおいて、前記スペーサは比較
的低ヤング率の金属からなり、かつ、スペーサを含むケ
ーブル断面中に、高張力鋼をテンションメンバとして有
することを特徴とするものである。

【０００９】

【作用】一般に、加入者宅への引き落とし用ケーブル等
屋外に布設されるケーブルは、電柱や家屋に引留金具を
用いて固定する方法が用いられる。引留金具とケーブル
との固定は、接着剤を用いる方法や、金具をかしめて固
定する方法などがあるが、支障が生じて既設の光ファイ
バケーブルの配線経路を変更する場合に、ケーブルへの
固定箇所を移動することを想定すると、金具の取り外し
が可能な後者の方法のように機械的に固定するのがよい
といえる。

【００１０】図４で説明した従来構造のように、支持線
が光ファイバ部分から独立した構造であれば、支持線部
を引留金具でかしめて、ケーブルを固定できるが、上述
したように細径化の観点からは好ましいものではない。
ケーブルの細径化を考えると、支持線と光ファイバ部分
を一体とした構造がよいが、引留金具を用いる方式を採
用するためには、圧壊特性の優れたケーブル構造を考え
なければならない。

【００１１】本発明の光ファイバケーブルは、アルミニ
ウム等の比較的低ヤング率の金属からなる溝付きスペー
サを用い、その溝の中に光ファイバを収容したから、金
具取り付け時の圧壊から光ファイバを保護し、ケーブル
と金具との間の把持力を向上させることができる。ま
た、スペーサに金属を用いたことによって、ドラムから
繰り出すときに生ずるケーブルの曲がり癖の問題がある
が、ケーブル断面内に、ピアノ線等の高張力鋼を設けた
ことにより、曲がり癖を抑制することができる。

【００１２】つまり、ケーブルの可撓性を確保するため
に、スペーサの金属を全て鋼線とはせず、比較的低ヤン
グ率の低い金属を用い、その曲がり癖を抑制するために
必要な最小限の鋼線をケーブル内に有しているものであ
る。ピアノ線は、伸直性に優れた鋼線であり、巻取ドラ
ムに巻いた状態で受ける曲げ歪みは、弾性変形領域であ
るため、繰り出すと歪みは残留せず、伸直になろうとす
る力が生じる。この復元力を利用してケーブルの曲がり
癖を抑制することができる。

【００１３】

【実施例】図１は、本発明の光ファイバケーブルの第１
の実施例の断面図である。図中、１は金属スペーサ、２
は高張力鋼線、３は溝、４は光ファイバテープ心線、５
は押さえ巻、６はシースである。溝３を有する金属スペ
ーサ１の断面内には、高張力鋼線２、例えば、ピアノ線
が複合されており、前記溝３の中には、光ファイバテー
プ心線４が収容されている。金属スペーサ１は、アルミ
ニウム等の比較的低ヤング率の金属が用いられる。その
上に押さえ巻き５、シース６が施された構造である。溝
３に収容される光ファイバ心線は、テープ心線に限られ
るものではない。被覆が施された光ファイバ単線や、そ
の複数本、あるいは光ファイバユニットが収容できるこ
とは勿論である。

【００１４】具体例について説明する。金属スペーサ１
として、直径１．０ｍｍのピアノ線を有する外径２．５
ｍｍのアルミスペーサを用いた。その溝内に、２心テー
プ心線４を収容して、その上に押さえ巻５、シース６
を、外径３．５ｍｍまで施した構造の光ファイバケーブ
ルを製作した。この光ファイバケーブルを、長さ５０ｍ
ｍにわたって半割の引留金具を用いてかしめた後、ケー
ブルと引留金具との間の把持力を測定した。

【００１５】引留金具を固定した状態でケーブルに荷重
を加えたが、２０ｋｇの荷重を加えてもケーブルは動か
ず、良好な引留特性を確認できた。また、引留金具をケ
ーブルに装着する際に、光ファイバの損失増加は認めら
れず、十分な圧壊特性を有していた。

【００１６】次に、ピアノ線による巻き癖の抑制効果を
調査するために、上述した光ファイバケーブルを、胴径
２００ｍｍφドラムに巻き取り、１週間放置した後、光
ファイバケーブルを繰り出した。また、同時に図１と同
様のケーブル構造で、ピアノ線を有しない、アルミスペ
ーサとしたケーブルについても、同一の評価を行なっ
た。

【００１７】その結果、ピアノ線を有しない光ファイバ
ケーブルでは、最小値で半径２００ｍｍの曲げ癖が残留
していたのに対し、ピアノ線を有するケーブルでは、４
倍以上に改善できることを確認した。

【００１８】図２は、本発明の光ファイバケーブルの第
２の実施例の断面図である。図中、図１と同様な部分に
は同じ符号を付して説明を省略する。この実施例では、
金属スペーサ１に、別な溝を設け、その中にピアノ線を
配置したものである。

【００１９】図３は、本発明の光ファイバケーブルの第
３の実施例の断面図である。図中、図１と同様な部分に
は同じ符号を付して説明を省略する。この実施例では、
金属スペーサ１の外周に４本のピアノ線を配置したもの
である。ピアノ線の本数が４本に限られるものでないこ
とは、明らかであろう。

【００２０】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
光ファイバを金属スペーサの溝内に収容することによっ
て、耐圧壊特性の優れたケーブルを実現できるため、直
接、光ファイバを収容したケーブルを引留金具で把持、
固定することが可能になり、従来のケーブルのように光
ファイバと支持線を分離する必要がなくなる。したがっ
て、ケーブルの細径化が可能となり、巻き取りドラムや
余長収納用ドラムが小型化できる。

【００２１】また、優れた把持、固定力を実現すること
ができ、さらに、ケーブル断面内に高張力線を配置した
ことにより、金属スペーサを用いたことによって生ずる
ケーブルの曲がり癖を抑制することができるため、布設
時の作業性が改善できるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の光ファイバケーブルの第１の実施例の
断面図である。

【図２】本発明の光ファイバケーブルの第２の実施例の
断面図である。

【図３】本発明の光ファイバケーブルの第３の実施例の
断面図である。

【図４】従来の光ファイバケーブルの一例の断面図であ
る。

【符号の説明】

１金属スペーサ２高張力鋼線３溝４光ファイバテープ心線５押さえ巻６シース

フロントページの続き (72)発明者桂島渉神奈川県横浜市栄区田谷町１番地住友電気工業株式会社横浜製作所内 (72)発明者田中茂神奈川県横浜市栄区田谷町１番地住友電気工業株式会社横浜製作所内 (72)発明者冨田茂東京都千代田区内幸町一丁目１番６号日本電信電話株式会社内 (72)発明者秋元裕之東京都千代田区内幸町一丁目１番６号日本電信電話株式会社内

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】溝付きスペーサの溝内に光ファイバを収
容し、その上に被覆を施してなる光ファイバケーブルに
おいて、前記スペーサは比較的低ヤング率の金属からな
り、かつ、スペーサを含むケーブル断面中に、高張力鋼
をテンションメンバとして有することを特徴とする光フ
ァイバケーブル。