JP2881819B2 - 光線路の敷設方法とそれに使用する光ファイバケーブル - Google Patents

光線路の敷設方法とそれに使用する光ファイバケーブル

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    • G02B6/44Mechanical structures for providing tensile strength and external protection for fibres, e.g. optical transmission cables
    • G02B6/4439Auxiliary devices
    • G02B6/4471Terminating devices ; Cable clamps
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、分岐点を有する光ファイバケーブルの敷設
ルートに対して適用される光ファイバケーブルの構造と
その敷設、分岐方法に関するものである。
従来の技術 近年の光技術の発達に伴い、光ファイバケーブルを使
用した大規模な光システムが実現されている。このよう
なシステムにおける光ファイバケーブル線路は、通常い
くつかの分岐を含んで形成されるが、分岐を含む光ファ
イバケーブル線路を敷設する方法については以下のよう
な方法が提案され、また実施されている。
(1)ケーブル分岐点間ごとに、その区間を構成するの
に必要なケーブルを配置し、分岐点ごとに幹線光線路と
共に配置されたケーブルと接続していく方法、 (2)複数の光ファイバユニットを備えた光ファイバケ
ーブルを幹線ルート全線に布設した後、各分岐点におい
て分岐すべき光ファイバのみを取り出して分岐ケーブル
と接続する、『後分岐』と呼ばれる方法、 (3)予め分岐ケーブルと共に一体に作製されたプレブ
ランチ光ファイバケーブルを敷設する方法、 (4)起点から各分岐点を経由して各端末までの距離に
相当する光ファイバケーブルをそれぞれ用意し、幹線ル
ートを共通に、それぞれ敷設する方法 などである。これらの各種敷設方法は、光ファイバケー
ブル線路の敷設態様、敷設環境、用途などによって適宜
選択して実施されている。
発明が解決しようとする課題 しかしながら、上述のような従来の光ファイバケーブ
ルの敷設方法には、それぞれ以下のような問題点があ
る。
(1)この方法では、各分岐点毎に光ケーブル、即ち光
ケーブル内の全ての光ファイバユニットを接続するの
で、遠端に行くほど接続損失が累積され、光ファイバの
最も大きな特長である低損失性が活かされない。また、
この接続作業自体が、煩雑で長時間を要し、敷設工事費
用を増加する大きな原因となっている。
(2)この方法においても、各分岐点において、そこで
必要な光ユニットのみではあるが、分岐ケーブルと光フ
ァイバとの接続が必要であり、分岐部の保護処理も含め
た接続作業は、やはり敷設工事費用を増加する大きな要
因となっている。また、接続のために幹線ルートから引
き出せる光ファイバ余長が十分長く得られないので、短
余長接続のための特殊な融着接続機を必要とする。更
に、幹線ルート上で分岐点より遠方に残った光ファイバ
は使用されることなく無駄になる。
(3)プレブランチ光ファイバケーブルを使用する方法
は、プレブランチ光ケーブルの分岐部の外径が通常の光
ケーブルよりも太くなることや、敷設中に分岐部分の光
ファイバの保護が難しい等実用上の問題が多く、実際に
使用できるプレブランチ光ファイバケーブルの分岐ケー
ブル部分の長さは数m程度に制限される。
(4)この方法は、光ファイバの接続に起因する障害や
実施可能な線路長に関する制限はないが、必要なケーブ
ルの本数だけ同一ルートに何度もケーブルを引き通す必
要がある。従って、特にケーブルの敷設コストが増大す
る上、敷設作業に要する時間も長くなる。また、ケーブ
ルが複数本重畳して敷設されるルートでは、管路の容量
等により空間的な制限を受け、敷設できなくなる場合も
ある。
本発明は、上述のような従来技術の問題点に鑑みて開
発された、新規な光ファイバケーブルの敷設方法とその
方法を実現するための新規な光ファイバケーブルを提供
することをその目的としている。
課題を解決するための手段 即ち、本発明に従うと、起点から終点まで連続する幹
線光線路と、該幹線光線路の起点から分岐点までは該幹
線光線路と同じルートに配設され、且つ、分岐点からそ
れぞれの終点までは独自のルートを辿るように配設され
た分岐光線路とを含む、光ファイバユニットにより構成
された光ファイバ線路を引き込み法により敷設する方法
であって、抗張力体と、該幹線光線路を起点から終点ま
で形成し得る長さを有し該抗張力体のまわりに撚り合わ
された光ファイバユニットと、該分岐光線路を起点から
分岐点を経由して終点まで形成し得る長さを有し該抗張
力体のまわりに撚り合わされた光ファイバユニットと、
該光ファイバユニットの外周に施された押さえ巻きとを
備え、且つ、該光ファイバユニットが所定の長さ毎に反
転しながら撚り合わされている光ファイバケーブルを使
用し、起点から分岐点まで該光ファイバケーブルを一括
して引き込み、分岐点に分岐すべき光ファイバユニット
の先端が到達した時点から該押さえ巻きを切断すること
により、該光ファイバケーブルを幹線光線路用光ファイ
バユニットと分岐光線路用光ファイバユニットとに分離
しながら、該光ファイバケーブルの引き込みを続けるこ
とを特徴とする光線路の敷設方法が提供される。
また、起点から終点まで連続する幹線光線路と、該幹
線光線路の起点から分岐点までは該幹線光線路と同じル
ートに配設され、且つ、分岐点からそれぞれの終点まで
は独自のルートを辿るように配設された分岐光線路とを
含む、光ファイバユニットにより構成された光ファイバ
線路を引き込み法により敷設する際に使用する光ファイ
バケーブルであって、抗張力体と、該幹線光線路を起点
から終点まで形成し得る長さを有し該抗張力体のまわり
に撚り合わされた光ファイバユニットと、該分岐光線路
を起点から分岐点を経由して終点まで形成し得る長さを
有し該抗張力体のまわりに撚り合わされた光ファイバユ
ニットと、該光ファイバユニットの外周に施された押さ
え巻きとを備え、且つ、該光ファイバユニットが所定の
長さ毎に反転しながら撚り合わされていることを特徴と
する光ファイバケーブルが提供される。
作用 本発明に係る光ファイバケーブルの敷設方法は、各分
岐線路も含めて必要な長さ並びに本数に応じた光ファイ
バユニットを一体として作製した光ファイバケーブルを
用い、分岐点以降は、幹線光線路に対する光ファイバケ
ーブルの敷設を行いながら、同時に分岐光線路用の光フ
ァイバユニットを取り出すことをその主要な特徴として
いる。
この方法において使用する光ファイバケーブルは、そ
れぞれの光線路の起点から終点までを接続なしに形成で
きる長さの幹線光線路用および分岐光線路用の光ファイ
バユニットを備えている。そして、この光ファイバケー
ブルを牽引敷設する際には、該当する分岐点に分岐すべ
き光ユニットが達した時点より、その光ユニットのみを
光ファイバケーブルから取り出し、再びケーブルを牽引
しながら、その分岐点においてケーブル内に収納されて
いた分岐光線路用の光ユニットを得る。尚、分岐点がル
ート内に複数箇所あれば、ケーブル内より光ユニットを
取り出す作業は各分岐点においてそれぞれ行う。
このような敷設方法を用いることにより、幹線光線路
の敷設が終了すると同時に、各分岐点において必要な引
込みルート長分の光ユニットが得られ、これを分岐光線
路へ敷設することにより、光線路全体への光ファイバケ
ーブルの敷設が完了する。
このような本発明に係る敷設方法によれば、従来の敷
設方法(1)および(2)のように、分岐点において、
光ファイバを接続する等の作業は必要ないので、作業が
容易であると共に、接続に起因する光信号の減衰もな
い。また、従来の敷設方法(3)のように、使用できる
長さ等に格別の制限はなく、また分岐線路用のユニット
の保護も容易である。
更に、従来の敷設方法(4)のように、ケーブルの引
き通し作業を何度も繰り返す必要がなく、作業工数は極
めて少なく、作業時間も短い。
尚、本発明に係る敷設方法において本発明に係る光ケ
ーブルを使用する場合、ケーブル内で光ファイバユニッ
トが長手方向に撚られているときは、光ユニットをケー
ブル内より容易に取り出すために、少なくともユニット
を取り出す部分においては、一定長の撚合せ毎に撚りが
反転するようなケーブル構造になっていることが望まし
い。
以下に図面を参照して本発明の構成をより具体的に説
明するが、以下の開示は本発明の一実施例に過ぎず、本
発明の技術的範囲を何ら限定するものではない。
実施例 第1図(a)および(b)は、本発明に係る光ファイ
バケーブルの概念的な構成を説明する図である。即ち、
第1図(a)は、本発明に係る敷設方法を適用すること
のできる分岐光線路を含む光ファイバ線路の構成を示す
図である。また、第1図(b)は、第1図(a)に示し
た光ファイバ線路を敷設するために使用する光ファイバ
ケーブルの構造を説明する図である。
第1図(a)に示すように、この光ファイバ線路は、
起点Oから敷設される幹線光線路1と、それぞれ分岐点
AまたはBからそれぞれの終点aまたはbまで独自のル
ートに敷設される分岐線路2とから構成されている。そ
こで、このような光ファイバ線路を敷設するために、第
1図(b)に示すように、敷設開始点Oからの各分岐点
までの長さlA及びlB、さらにそれぞれの引込みルート長
がla及びlbである場合、それぞれの分岐点で分岐される
べき光ユニット3および4のケーブル内の長さが、それ
ぞれlA+la及びlB+lbに対応しているような光ケーブル
を用意する。
このケーブルを敷設する際には、光線路の起点Oから
光ケーブルの引き込みを開始し、光ユニットの先端が該
当する分岐点に達した時点より、ケーブル牽引と同時に
各分岐点においてその光ユニットをケーブルより取り出
す。従って幹線光線路1の敷設が終了した時点では、各
分岐点においてそれぞれla及びlbに相当する長さの光ユ
ニットを得ることができる。
尚、同一の分岐点において取り出す光ユニットは複数
本でも可能である。また、分岐された光ユニットは、そ
のまま直ちに引込みルートへ敷設してもよいが、一旦分
岐点において束取りあるいは8字取りを行なって、本ケ
ーブルの敷設が終了した後に引込みルートへ敷設しても
よい。
第2図は、上述のような本発明に係る敷設方法に使用
できる光ファイバケーブルの構成をより具体的に示す図
である。即ち、本発明に係る敷設方法は、ケーブルを牽
引敷設しながら、分岐点において光ユニットを取り出す
ことが必要であるため、光ケーブルは、できるだけその
ような作業がし易いような構造とする必要がある。
第2図に示すように、この光ケーブルにおいて、分岐
の単位となる各光ユニット10は、それぞれ4心の光ファ
イバ6を有し、各光ファイバ6は、中心に抗張力体7を
有する溝付スペーサ8に収納され、外被9が施されてい
る。ケーブル中心に位置する光ユニット10は、最遠端ま
で敷設され、分岐する必要のないユニットであり、その
周囲に途中で分岐される光ユニットが、ケーブル敷設開
始地点に相当するケーブル断面内において最大6本撚り
合せられ、押え巻13が施されている。
敷設の際には、ある分岐点に分岐すべき光ユニットの
先端が達した時点より、押え巻を切断することにより当
該光ユニットをケーブル内より容易に取り出すことがで
きる。尚、この光ファイバケーブルでは、光ユニットの
撚り方向を一定長毎に反転した構造として、光ユニット
の取り出しを容易にしている。光ユニットを取り出す部
分のみ交互反転撚りとし、他の部分は一方向撚りとして
もよい。
ケーブルの押え巻は、紐またはテープなどを粗巻した
ものの他に、一定間隔毎にケーブルを紐などで包縛した
もの、あるいはテープを重ね巻したものなどでもよい。
尚、分岐点において光ユニットを取り出した部分は、直
ちに紐またはテープなどでケーブル構造が崩れないよう
に再び押え、ケーブル敷設に支障ないようにすることが
好ましい。
本発明に係る方法で使用する光ファイバケーブルの構
造は、分岐ルートにそのまま引込むことができ、その敷
設環境に十分耐えられるようになっていることが望まし
い。従って、抗張力体を有し外被を施したような通常の
光ケーブルも光ユニットとしてそのまま適用できる。ま
た、場合によっては光ファイバ心線そのものを光ユニッ
トと見做してもよい。
更に、第2図において、ケーブル長手方向において光
ユニットが不要な部分には、その位置にプラスチックな
どの介在紐12を挿入することで、ケーブルの製造時や敷
設時にケーブル構造を安定に保つことができる。また、
遠端になるほど光ユニットの数が減少し、従ってケーブ
ルとしての抗張力が小さくなることが問題となる場合
は、前記介在紐の代わりに抗張力体を用いることによ
り、ケーブルの抗張力を補強することが可能である。
敷設条件、必要な光ユニットの本数などによっては、
ケーブルの中心の光ユニットの代わりに、抗張力体ある
いは介在紐を用いてもよく、その場合、最遠端まで敷設
される光ユニットはその周囲に撚り合わせられた光ユニ
ットのいずれかになる。
第3図は、やはり本発明に係る敷設方法に有利に使用
できる光ファイバケーブルの他の構成例を示す図であ
る。尚、第3図において、第2図に示した光ファイバケ
ーブルと同じ部材には同じ参照番号を付している。
同図に示すように、この光ファイバケーブルは、2心
の光ファイバ6とその周囲に配置された繊維状の抗張力
体7と、これらを包囲する外被9を備えた光ファイバユ
ニットを、それぞれ溝付スペーサ8の各溝内に1本ずつ
収納し、全体に押え巻13を施したものである。溝付スペ
ーサ8は、6条の溝を有しており、従ってケーブル敷設
開始地点に近いひとつのケーブル断面内には最大6本の
光ユニットが収納可能である。
尚、第3図においては、溝付スペーサの中心に抗張力
体を有しているが、各光ユニットの構造、敷設条件など
によってはこれを必要としなくともよいし、あるいは逆
に溝付スペーサ自体が抗張力体であってもよい。
また、スペーサ8に形成された溝は、第2図に示した
光ファイバケーブルの外周側の光ユニットと同様に、一
定間隔毎に反転するような撚りが与えられている。
以上のように構成された溝付スペーサ型のケーブル構
造においては、ケーブル長手方向において光ユニットが
不要な部分に特に介在紐を挿入する必要はない。更に、
光ユニットを取り出す際に、光ユニットの撚りが崩れる
心配がないので、光ユニットを取り出した後に再び押え
巻を施す作業も容易であり、作業性が向上する。
また、このケーブル構造は、溝内に光ユニットが収
納、保護されるので、光ユニットを直接撚る構造よりも
ケーブル構造的に安定であり、より厳しい敷設環境に相
応しい。
逆に引込みルートの敷設環境が比較的よい場合には、
光ユニットの構造として、たとえば光ファイバ心線の周
囲に抗張力体を配し、外被を施した光単心コードのよう
に、通常の光ケーブルほど対敷設環境性がよくないもの
でも適用することができる。この場合、幹線ルートの敷
設環境によっては、第3図のケーブル構造に、さらに、
次の第4図の実施例に示すようなケーブル外被を施して
もよい。
第4図は、本発明に係る方法に使用できる光ファイバ
ケーブルの構造の更に他の構成例を示す断面図である。
この実施例は、複数の光ファイバ素線を並列に並べて
構成したテープ型光心線15に、更にプラスチック外被9
を施したテープ型光コード16を光ユニットとして用い、
溝14を備えたスペーサ8によるケーブル構造を構成した
ものである。尚、スペーサ8は、その中心に抗張力体7
を備えている。
この実施例では、ひとつの溝14内に複数のテープ型光
コード16を収納することが可能であり、その場合は敷設
開始点からより遠端にある分岐点に対応するテープ型光
コードを溝の底側に位置するように収納すればよい。即
ち、各テープ型光コード16は対応する分岐点に応じた長
さになっているので、各分岐点においては、そこで取り
出すべきテープ型光コード16は常に溝内の最上位に位置
していることになる。
第4図に示した例では、ひとつの溝14に2本、従って
ケーブル敷設開始地点に相当するケーブル断面内では最
大2枚×5溝=10枚のテープ型光コード16を収容するこ
とが可能である。テープ型光コード16を収納したスペー
サ8には、ポリエチレンの薄い外被9を施す。但し、こ
れは少なくともテープ型光コードを取り出す部分では容
易に除去できるようになっており、本実施例では外被9
の直下に引裂き紐17を予め埋設することによってこれを
実現している。
この場合、各分岐点に対して分岐を開始すべきケーブ
ル上の位置を外被上に何らかの方法で示しておくと便利
である。
また、敷設方法、環境によっては、外被を施す代わり
に、第3図の実施例のように紐またはテープなどで押え
巻を施すだけでもよく、この場合テープ型光コードの取
り出しはさらに容易になる。
尚、テープ型光コードは内蔵するテープ型光心線とコ
ード外被の中間または外被の中に抗張力体を有した構造
でもよい。
テープ型光コードを光ユニットとしたこのような構造
のケーブルは、引込みルートが、たとえば機器内やその
周辺の配線そのものに相当する場合や、屋内の管路また
は室内の配線などであるような、比較的環境の恵まれた
場所へ適用されるのが望ましい。
即ち、このような敷設環境では、通常第3図の実施例
の説明の中で述べたような光単心コードを使用すること
が多いが、分岐すべき光ファイバが複数心必要な場合に
は、光単心コードを同一分岐点で複数本分岐するより
も、分岐の単位となる心数を含むテープ型光コード1本
を分岐すればよく、分岐作業が容易になるとともに、ケ
ーブル構造的にも光ファイバ心数の密度が高い(すなわ
ち同一心数では細径な)ケーブルとすることができる。
更に、引込みルートの敷設環境によっては、テープ型
光コードの代わりにその外被を取り除いたテープ型光心
線のみにしてもよく、この場合は、同一ケーブル外径で
光ファイバの多心化が図れるし、逆に同一心数ではケー
ブルの細径化が可能である。すなわち、幹線ルートのケ
ーブルに外径制限があって、光ファイバの高密度多心化
が必要である場合には、テープ型光心線のみを用いた第
4図に類似のケーブル構造は有効である。
尚、参考のために、テープ型光心線とテープ型光コー
ドとの抗張力特性を比較したグラフを第5図に示す。即
ち、第5図は、単一モード型光ファイバ6心のテープ型
光心線とテープ型光コードのそれぞれの引張試験結果を
示している。試験は、長さ2mの試料の両端を一括固定
し、1.3μmの波長の光源を用いて張力印加による光出
力の変動を測定すると同時に、光ファイバの伸び歪も測
定した結果を示している。
第5図に示すように、テープ型光コードはテープ型光
心線に比べ、同一張力に対し光損失の増加が少なく、ま
た伸び歪も小さいため、対敷設環境性に優れる。しかし
ながら、テープ型光心線でも、低張力、即ち、第5図に
示した例では、光ファイバの伸び歪を0.5%以下と規定
すると3kg f以下であれば、敷設環境によっては、特性
上問題なく敷設することができる。
また、試験に供したテープ型光コードは、内部に一定
量の抗張力繊維を有していたが、敷設条件より第5図に
示す特性以上の抗張力が要求される場合には、この抗張
力繊維を増加させることで対応可能である。もちろん対
敷設環境性は引張特性のみでは決定できず、その他にも
側圧特性や曲げ特性などの機械特性を考慮しなければな
らないが、これらに対しても、テープ型光心線とテープ
型光コードの比較において、上記引張特性の場合と同様
なことが言える。
以上述べたように、光ユニット及び光ケーブルとし
て、それぞれの敷設環境,条件に応じた構造を設計する
ことで本発明による敷設方法に供することができる。
発明の効果 以上説明したように、本発明に係る光ファイバ線路の
敷設方法は、分岐点において光ファイバの接続を必要と
していたようなルートにおいても、光ファイバの接続な
しにケーブルを分岐することができ、伝送路としての性
能上及び全体の工事費の面からも有利である。また、後
分岐のように分岐点より遠端のケーブル内に使用できず
に残る光ファイバもないために、光ファイバの効率的利
用が図れる。
このような本発明に係る敷設方法は、敷設ルート内の
分岐点数や分岐すべき光ファイバの心数、分岐点の間隔
や引込みルート長、敷設環境などに応じた構造を有する
光ケーブルを用いることにより、分岐線路を含む光ファ
イバ線路の敷設に広く利用することができ、特に引込み
ルート長がさほど長くなく、例えば数10m以下で、ルー
ト内の分岐点数が比較的多いようなビル内あるいは構内
の配線系を構成する光ファイバ線路の敷設に利用すると
効果的である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明におけるケーブル敷設ルートとそれに
対応した光ケーブルの模式図である。 第2図及び第3図は、本発明に係る光ケーブル構造のそ
れぞれ異なる実施例を示す図であり、それぞれケーブル
長手方向のある一部分を示す。 第4図は、本発明に係る光ケーブル構造の他の実施例で
あり、ケーブル長手方向のある位置における断面図であ
る。 第5図は、テープ型光心線とテープ型光コードの抗張力
特性に比較を示す引張試験結果を示すグラフである。 〔主な参照番号〕 1……幹線光線路、2……分岐光線路、3……分岐点A
で分岐される光ユニット、4……分岐点Bで分岐される
光ユニット、5……分岐点A,Bを通過する光ユニット、
6……光ファイバ心線、7……抗張力体、8……溝付ス
ペーサ、9……外被、10……光ユニット、11……光ユニ
ット分岐開始点、12……介在紐、13……押え巻、14……
空隙溝、15……テープ型光心線、16……テープ型光コー
ド、17……引裂き紐
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G02B 6/00 - 6/54

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】起点から終点まで連続する幹線光線路と、
    該幹線光線路の起点から分岐点までは該幹線光線路と同
    じルートに配設され、且つ、分岐点からそれぞれの終点
    までは独自のルートを辿るように配設された分岐光線路
    とを含む、光ファイバユニットにより構成された光ファ
    イバ線路を引き込み法により敷設する方法であって、 抗張力体と、該幹線光線路を起点から終点まで形成し得
    る長さを有し該抗張力体のまわりに撚り合わされた光フ
    ァイバユニットと、該分岐光線路を起点から分岐点を経
    由して終点まで形成し得る長さを有し該抗張力体のまわ
    りに撚り合わされた光ファイバユニットと、該光ファイ
    バユニットの外周に施された押さえ巻きとを備え、且
    つ、該光ファイバユニットが所定の長さ毎に反転しなが
    ら撚り合わされている光ファイバケーブルを使用し、 起点から分岐点まで該光ファイバケーブルを一括して引
    き込み、分岐点に分岐すべき光ファイバユニットの先端
    が到達した時点から該押さえ巻きを切断することによ
    り、該光ファイバケーブルを幹線光線路用光ファイバユ
    ニットと分岐光線路用光ファイバユニットとに分離しな
    がら、該光ファイバケーブルの引き込みを続けることを
    特徴とする光線路の敷設方法。
  2. 【請求項2】起点から終点まで連続する幹線光線路と、
    該幹線光線路の起点から分岐点までは該幹線光線路と同
    じルートに配設され、且つ、分岐点からそれぞれの終点
    までは独自のルートを辿るように配設された分岐光線路
    とを含む、光ファイバユニットにより構成された光ファ
    イバ線路を引き込み法により敷設する際に使用する光フ
    ァイバケーブルであって、 抗張力体と、該幹線光線路を起点から終点まで形成し得
    る長さを有し該抗張力体のまわりに撚り合わされた光フ
    ァイバユニットと、該分岐光線路を起点から分岐点を経
    由して終点まで形成し得る長さを有し該抗張力体のまわ
    りに撚り合わされた光ファイバユニットと、該光ファイ
    バユニットの外周に施された押さえ巻きとを備え、且
    つ、該光ファイバユニットが所定の長さ毎に反転しなが
    ら撚り合わされていることを特徴とする光ファイバケー
    ブル。
  3. 【請求項3】請求項2に記載された光ファイバケーブル
    であって、先に分岐される光ファイバユニットが外側に
    なるように、光ファイバユニットが積層して収容されて
    いることを特徴とする光ファイバケーブル。
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