JPH0585640U - サーマルヘッド - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】温度検出素子を簡単、且つ容易に取着固定する
ことを可能とし、ヘッド本体の温度を温度検出素子によ
り的確に制御することができる安価なサーマルヘッドを
提供することにある。 【構成】電気絶縁性基板２上に複数個の発熱抵抗体３と
各発熱抵抗体３に電気的に接続される複数個の導電層４
を被着させたヘッド本体１と、前記ヘッド本体１の各導
電層４に個々に電気的に接続される複数個の配線導体５
ａを有する外部配線基板５と、前記ヘッド本体１を支持
する放熱板６とから成るサーマルヘッドにおいて、前記
外部配線基板５の配線導体５ａ上に温度検知素子７を取
着した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はワードプロセッサやファクシミリ等のプリンタ機構に組み込まれるサ ーマルヘッドの改良に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、ワードプロセッサやファクシミリ等のプリンタ機構に組み込まれるサー マルヘッドは図３及び図４に示す如く、アルミナセラミックス等から成る電気絶 縁性基板１１の上面に窒化タンタル等から成る複数個の発熱抵抗体１２と、該各 発熱抵抗体１２に接続されるアルミニウム等から成る複数個の導電層１３を被着 させたヘッド本体１４と、前記ヘッド本体１４の各導電層１３に個々に電気的に 接続される複数個の配線導体１５を有する外部配線基板１６と、前記ヘッド本体 １４を支持する放熱板１７とから構成されており、外部電気回路より外部配線基 板１６の配線導体１５を介して発熱抵抗体１２に電力を印加し、発熱抵抗体１２ を所定の温度にジュール発熱させるとともに該発熱した熱を感熱紙等の記録紙に 伝導させ、記録紙に印字画像を形成することによってサーマルヘッドとして機能 する。

【０００３】 尚、前記ヘッド本体１４はアルミニウム等の良熱伝導性金属から成る放熱板１ ７上に載置されており、発熱抵抗体１２の発する熱の一部を放熱板１７を介して 大気中に放出させ、サーマルヘッドが過度に高温となるのを防止している。

【０００４】 またかかるサーマルヘッドにおいては連続使用時の過熱検知、或いは温度制御 用としてサーミスタ等の温度検出素子が使用されており、該温度検出素子のサー マルヘッドの取付手段としては図３の如く、放熱板１７の下から穴開けして温度 検出素子１８をヘッド本体１４の下面に取着固定し、この素子からリード線１８ ａを導出して外部配線基板１６の配線導体１５に結線して外部電気回路に接続さ れるか、図４のごとく、放熱板１７の下面にネジ１９により取着された取付板２ ０に温度検出素子１８を取着固定し、同様にリード線１８ａにより外部配線基板 １６の配線導体１５に連結させたものなどが一般に採用されている。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、従来のサールヘッドにおける温度検出素子の取付手段において は図３の如く、放熱板１７に穴開け加工する場合にはその加工代が高く、しかも 穴の中に温度検出素子１８を取着固定する作業が困難を極める上に接着剤の硬化 時間が必要であるため作業に費やす時間が長くなる。更に図４の場合には取付板 ２０やネジ１９などの部品を必要としそれだけ費用が嵩むとともにネジ穴加工の 煩わしい作業も付加される。加えて、両者とも外部配線基板１６にリード線１８ ａを挿通するための孔を事前に設ける必要があり、それだけ外部配線基板が高価 とならざるを得ず、また温度検出素子１８取付の際にミスをするとその再生が難 しいという難点も併せ持っていた。

【０００６】

【考案の目的】

本考案は上記欠点に鑑み案出されたもので、その目的は温度検出素子を簡単、 且つ容易に取着固定することを可能とし、ヘッド本体の温度を温度検出素子によ り的確に制御することができる安価なサーマルヘッドを提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案は電気絶縁性基板上に複数個の発熱抵抗体と各発熱抵抗体に電気的に接 続される複数個の導電層を被着させたヘッド本体と、前記ヘッド本体の各導電層 に個々に電気的に接続される複数個の配線導体を有する外部配線基板と、前記ヘ ッド本体を支持する放熱板とから成るサーマルヘッドにおいて、前記外部配線基 板の配線導体上に温度検知素子を取着したことを特徴とするものである。

【０００８】

【実施例】

次に本考案を図１及び図２に基づき詳細に説明する。 図１は本考案のサーマルヘッドの一実施例を示す断面図、図２は図１に示すサ ーマルヘッドのヘッド本体の部分拡大平面図であり、１はヘッド本体、２は電気 絶縁性基板、３は発熱抵抗体、４は導電層、５は外部配線基板である。

【０００９】 前記ヘッド本体１は電気絶縁性基板２の上面に複数個の発熱抵抗体３と各発熱 抵抗体３に電気的に接続される複数個の導電層４を被着させて形成されている。

【００１０】 前記ヘッド本体１使用される電気絶縁性基板２は例えば、アルミナセラミック ス等の電気絶縁材料から成り、アルミナセラミックスから成る場合には、アルミ ナ（Al₂ O ₃ ) 、シリカ(SiO₂ ) 、カルシア(CaO) 、マグネシア(MgO) 等のセラ ミック原料粉末に適当な有機溶剤、溶媒を添加混合して泥漿状となすとともにこ れを従来周知のドクターブレード方やカレンダーロール法を採用することによっ てセラミックグリーンシート( セラミック生シート) を得、しかる後、前記セラ ミックグリーンシートを所定形状に打ち抜き加工を施すとともに高温( 約1600℃ ) で焼成することによって製作される。

【００１１】 また前記電気絶縁性基板２の一主面には、例えば窒化タンタル（Ta₂ N ₄ ) 等 から成る複数個の発熱抵抗体３が被着配列されており、該発熱抵抗体３はそれ自 身が所定の電気抵抗率を有しているため、所定の電力が印加されるとジュール発 熱を起こし、感熱記録紙等に印字画像を形成するに必要な温度、例えば３００℃ の温度に発熱する。

【００１２】 尚、前記窒化タンタル等から成る発熱抵抗体３は従来周知のスパッタリング法 及びフォトリソグラフィー技樹を採用することによって電気絶縁性基板２の一主 面に被着される。

【００１３】 また前記発熱抵抗体３が被着された電気絶縁性基板２には各発熱抵抗体３と電 気的に接続されるアルミニウム等の金属材料から成る複数個の導電層４が被着さ れており、その一端は電気絶縁性基板２の一辺に併設して導出されている。

【００１４】 前記配線導体４は発熱抵抗体３を選択的にジュール発熱させるための所定の電 力、並びに外部電気信号を発熱抵抗体３や駆動用ＩＣ素子（不図示）に印加伝達 させる作用を為し、電気絶縁性基板２の一辺に併設して導出された部位には後述 する外部配線基板５の配線導体５ａが接続される。

【００１５】 前記アルミニウム等の金属材料から成る導電層４は従来周知のスパッタリング 法及びフォトリソグラフィー技樹を採用することによって電気絶縁性基板２の上 面で、発熱抵抗体３と電気的に接続するようにして、また一端が電気絶縁性基板 ２の一辺に併設して導出されるようにして被着形成される。

【００１６】 また前記電気絶縁性基体２の上面に複数個の発熱抵抗体３と複数個の導電層４ を被着して構成したヘッド本体１はアルミニウム等の良熱伝導性金属から成る放 熱板６に載置されており、該放熱板６はヘッド本体１を支持するとともにヘッド 本体１上に被着させた発熱抵抗体３の発する熱の一部を大気中に放出させ、サー マルヘッドが過度に高温となるのを防止している。

【００１７】 前記放熱板６は例えば、アルミニウム等の金属から成るインゴット（塊）を圧 延加工法や引き抜き成形法等、従来周知の金属加工法を採用し板状に成形するこ とによって製作される。

【００１８】 更に前記ヘッド本体１の上面に被着させた各導電層４は電気絶縁性基板２の一 辺に導出させた部位に外部配線基板５の配線導体５ａが半田等のロウ材を介して 個々に接続され、これによって電気絶縁性基板２の各導電層４は外部配線基板５ の各配線導体５ａと電気的に接続されている。

【００１９】 前記外部配線基板５はポリイミド樹脂から成る可撓性基板５ｂに銅等から成る 複数個の配線導体５ａを被着させるとともに該各配線導体５ａの一端を可撓性基 板５ｂの一辺に併設して配した構造を有しており、この外部配線基板５は電気絶 縁性基板２に被着させた導電層４を外部電気回路に接続し、外部電気回路から導 電層４に発熱抵抗体３を選択的にジュール発熱させるための所定の電力や外部電 気信号を供給する作用を為す。

【００２０】 前記外部配線基板５はまたその配線導体５ａ上に温度検出素子６が取着されて おり、該温度検出素子６はサーマルヘッドを連続使用した際の過熱検知、或いは 温度制御に使用される。

【００２１】 前記温度検出素子６は例えば、ビート型のサーミスタ（サーミスタ素子部が樹 脂モールドされ、各電極よりリード線が導出しているもの）等が好適に使用され 、外部配線基板５の配線導体５ａ上に接着剤を介して取着される。この場合、温 度検出素子６は外部配線基板５の配線導体５ａ上に接着剤を介して取着固定され るため温度検出素子６を取着固定するためにヘッド本体１を支持する放熱板７に 穴を開けたり、取付板を取着したり、更には外部配線基板５に温度検出素子のリ ード線を挿通させるための孔を設ける必要は一切なく、温度検出素子６の取着固 定を簡単、且つ容易としてサーマルヘッド全体の価格を安価となすことができる 。

【００２２】 また前記温度検出素子６はヘッド本体１の導電層４に接続される外部配線基板 ５の配線導体５ａ上に取着され、且つ該導電層４及び配線導体５ａはいずれも熱 伝導率が高い金属で形成されていることからヘッド本体１の熱は導電層４及び配 線導体５ａを介して温度検出素子６に良好に伝達され、温度検出素子６にヘッド 本体１の温度を迅速、且つ的確に検出させることができる。従って、前記温度検 出素子６は常にヘッド本体１の温度を的確に検出し、ヘッド本体１の温度を所定 する値に確実に制御することが可能となる。

【００２３】 かくして上述したサーマルヘッドは、外部電気回路から外部配線基板５の配 線導体５ａ及びヘッド本体１の導電層４を介して発熱抵抗体３に所定の電力を印 加し、発熱抵抗体３を選択的に所定の温度にジュール発熱させるとともに、該発 熱した熱を感熱記録紙等に伝達させ、感熱記録紙に所定の印字画像を形成するこ とによってサーマルヘッドとして機能する。

【００２４】 尚、本考案は上述した実施例に限定されるものではなく、本考案の要旨を逸脱 しない範囲であれば種々の変更は可能であり、また上述実施例では説明を省略し たがヘッド本体１の電気絶縁性基板２と発熱抵抗体３との間には発熱抵抗体３の 発する熱を蓄積し、サールマヘッドの立ち上がりを早くするガラス等からなる蓄 熱層が形成されており、更に発熱抵抗体３及び導電層４の一部には窒化珪素等か ら成る保護層が被着され、発熱抵抗体３及び導電層４を感熱記録紙等に含まれる 塩素イオンの接触による腐食や感熱記録紙等の摺接による磨耗から保護している 。

【００２５】

【考案の効果】

本考案のサーマルヘッドによれば電気絶縁性基板上に複数個の発熱抵抗体と各 発熱抵抗体に電気的に接続される複数個の導電層を被着させたヘッド本体と、前 記ヘッド本体の各導電層に個々に電気的に接続される複数個の配線導体を有する 外部配線基板とから成るサーマルヘッドにおいて、外部配線基板の配線導体上に 温度検知素子を取着したことから温度検出素子を取着固定するためにヘッド本体 を支持する放熱板に穴を開けたり、取付板を取着したり、更には外部配線基板に 温度検出素子のリード線を挿通させるための孔を設ける必要は一切なく、その結 果、温度検出素子の取着固定を簡単、且つ容易としてサーマルヘッド全体の価格 を安価となすことができる。

【００２６】 また前記温度検出素子はヘッド本体の導電層に接続される外部配線基板の配線 導体上に取着され、且つ導電層及び配線導体はいずれも熱伝導率が高い金属で形 成されていることからヘッド本体の熱は導電層及び配線導体を介して温度検出素 子に良好に伝達され、その結果、温度検出素子はヘッド本体の温度を迅速、且つ 的確に検出することができる。そのためヘッド本体は常にその温度が温度検出素 子によって確認され、ヘッド本体の温度は温度検出素子によって所定する値に確 実に制御されることが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のサーマルヘッドの一実施例を示す断面
図である。

【図２】図１に示すサーマルヘッドのヘッド本体の部分
拡大平面図である。

【図３】従来のサーマルヘッドの断面図である。

【図４】従来の他のサーマルヘッドの断面図である。

【符号の説明】

１・・・・・・・ヘッド本体 ２・・・・・・・電気絶縁性基板 ３・・・・・・・発熱抵抗体 ４・・・・・・・導電層 ５・・・・・・・外部配線基板 ５ａ・・・・・・配線導体 ６・・・・・・・放熱板 ７・・・・・・・温度検出素子

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁵ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 8804−2Ｃ Ｂ４１Ｊ 29/00 Ｐ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】電気絶縁性基板上に複数個の発熱抵抗体と
   各発熱抵抗体に電気的に接続される複数個の導電層を被
   着させたヘッド本体と、前記ヘッド本体の各導電層に個
   々に電気的に接続される複数個の配線導体を有する外部
   配線基板と、前記ヘッド本体を支持する放熱板とから成
   るサーマルヘッドにおいて、前記外部配線基板の配線導
   体上に温度検知素子を取着したことを特徴とするサーマ
   ルヘッド。