JP3389420B2 - サーマルヘッド - Google Patents

サーマルヘッド

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JP3389420B2 JP16788496A JP16788496A JP3389420B2 JP 3389420 B2 JP3389420 B2 JP 3389420B2 JP 16788496 A JP16788496 A JP 16788496A JP 16788496 A JP16788496 A JP 16788496A JP 3389420 B2 JP3389420 B2 JP 3389420B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ワードプロセッ
サ、ファクシミリ等のプリンタ機構として組み込まれる
サーマルヘッドの改良に関する。
【0002】
【従来技術】従来、ワードプロセッサ等のプリンタ機構
として組み込まれるサーマルヘッドは、例えば図4に示
す如く、長方形状を成す絶縁基板11の上面に多数の発
熱抵抗体12、複数個のドライバーIC13等を各々搭
載し、且つ、各ドライバーIC13の端子電極に接続さ
れる複数の導電層14を形成して成るヘッド本体Hと、
複数の配線導体を有した印刷配線板16とから成り、前
記ヘッド本体Hと印刷配線板16とを併設させるととも
に前記ヘッド本体Hの導電層14に印刷配線板16の配
線導体を電気的に接続させた構造を有している。
【0003】前記多数の発熱抵抗体12は絶縁基板11
の一方の長辺Aに沿って直線状に配列されており、その
両端にはこれら発熱抵抗体12に外部電源からの電力を
印加するための個別電極17及び共通電極18が接続さ
れている。
【0004】また前記複数個のドライバーIC13は前
述の発熱抵抗体列と絶縁基板11の他方の長辺Bとの間
の領域に発熱抵抗体列と平行に配列されており、これら
ドライバーIC13上には該IC13を大気中の水分等
の接触による腐食や感熱記録媒体の摺接等による破損か
ら保護するためにエポキシ樹脂等から成る封止材15が
被着されている。
【0005】かかる従来のサーマルヘッドは、前記ドラ
イバーIC13の駆動に伴って個別電極17および共通
電極18間に所定の電力を印加し、発熱抵抗体12を印
字信号に基づいて選択的にジュール発熱させるととも
に、該発熱した熱を感熱記録媒体に伝導させ、感熱記録
媒体に所定の印画を形成することによってサーマルヘッ
ドとして機能する。
【0006】尚、前記導電層14は外部電気回路(プリ
ンタ本体の制御回路)からの種々の制御信号等(印字信
号、ラッチ信号、ストローブ信号、クロック信号、
DD、GND)を各ドライバーIC13に供給するため
のものであり、ドライバーIC13の近傍から絶縁基板
11の他方の長辺Bの近傍まで導出されるとともに該導
出部で印刷配線板16の配線導体に接続されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この従
来のサーマルヘッドにおいては、印刷配線板16の配線
導体を、ドライバーIC13と絶縁基板11の他方の長
辺Bとの間の領域で導電層14に接続していることか
ら、ドライバーIC13の搭載位置と絶縁基板11の他
方の長辺Bとの間には印刷配線板16の配線導体と導電
層14とを接続するための広いスペースSを設けておく
必要があり、これによってサーマルヘッドの小型化に大
きな制約を受けていた。
【0008】また上述した従来のサーマルヘッドにおい
ては、印刷配線板16の熱膨張係数(2.0×10-5
/℃)がヘッド本体Hの絶縁基板11を形成するセラミ
ック材料の熱膨張係数(0.73×10-51/℃)に比
し極めて大きいことから、発熱抵抗体12をジュール発
熱させて印字を行った際、ヘッド本体Hと印刷配線板1
6との接続部に発熱抵抗体12からの熱に起因する大き
な熱応力が印加され、該熱応力によってヘッド本体Hと
印刷配線板16との接続部が破損してしまう欠点が誘発
される。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は上記欠点に鑑み
案出されたものであり、長方形状を成す絶縁基板の上面
に、該基板の一方の長辺に沿って多数の発熱抵抗体を、
他方の長辺に沿って複数個のドライバーICを各々配列
搭載し、且つ、各ドライバーICの端子電極に接続され
る複数の導体層が形成されたヘッド本体と、複数の配線
導体を有する印刷配線板とから成り、ヘッド本体と印刷
配線板とを併設させサーマルヘッドであって、前記印
刷配線板の一部を前記ヘッド本体の絶縁基板上に搭載さ
れた各ドライバーIC間の領域まで延出させ、該延出部
印刷配線板の配線導体とヘッド本体の導電層とを接続
させるとともに、前記印刷配線板を各ドライバーIC間
の領域でヘッド本体に対して接着させて該接着領域を絶
縁基板の他方の長辺に沿って部分的に存在せしめたこと
を特徴とする。
【0010】また本発明のサーマルヘッドは、前記印刷
配線板の延出部と複数個のドライバーICとが帯状の封
止材によって共通に被覆されていることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を添付図面に基づい
て詳細に説明する。
【0012】図1は本発明のサーマルヘッドの一実施形
態を示す平面図、図2は図1のX−X線断面図、図3は
図1のY−Y線断面図であり、Hはヘッド本体、1は絶
縁基板、2は発熱抵抗体、5はドライバーIC、6は導
電層、7は封止材、8は印刷配線板、9は配線導体であ
る。
【0013】前記ヘッド本体Hは、絶縁基板1の上面
に、該基板1の一方の長辺Aに沿って多数(1728
個)の発熱抵抗体2を、他方の長辺Bに沿って複数個の
ドライバーIC5を各々配列搭載し、且つ、各ドライバ
ーIC5の入力用端子電極に接続される複数の導電層6
を形成した構造を有している。
【0014】前記絶縁基板1は所定の長方形状(22
9.0mm×5.57mm)を成しており、例えばアル
ミナセラミックスによって形成する場合、アルミナ、シ
リカ、マグネシア等のセラミックス材料粉末を適当な有
機溶剤、溶媒を添加混合して泥漿状と成すとともにこれ
を従来周知のドクターブレード法を採用することによっ
てセラミックグリーンシートを形成し、しかる後、該セ
ラミックグリーンシートを所定の長方形状に打ち抜き加
工を施すとともに高温(約1600℃)で焼成すること
によって製作される。
【0015】また、前記絶縁基板1の一方の長辺Aに沿
って配列される多数の発熱抵抗体2は、その各々が窒化
タンタル等から成っており、それ自体が所定の電気抵抗
率を有しているため、個別電極3及び共通電極4を介し
て所定の電力が印加されるとジュール発熱を起こし、感
熱記録媒体に印画を形成するのに必要な温度、例えば3
00〜450℃の温度となる。
【0016】尚、前記発熱抵抗体2の両端には個別電極
3及び共通電極4が接続されており、これら電極3、4
はアルミニウム、銅等の金属材料により形成され、発熱
抵抗体2をジュール発熱させるための所定の電力を供給
する作用を為す。
【0017】これら多数の発熱抵抗体2、個別電極3及
び共通電極4は、従来周知のスパッタリング法及びフォ
トリソグラフィー技術等を採用することによって絶縁基
板1の上面に所定厚み、所定パターンに被着形成され
る。
【0018】また、前記絶縁基板1の他方の長辺Bに沿
って配列される複数個のドライバーIC5は、隣接する
ドライバーIC5間に約18mmの間隔を空けて配列し
ており、その各々がシフトレジスタ、ラッチ回路、スイ
ッチング素子等の論理回路を96〜256ビットずつ内
蔵し、前記多数の発熱抵抗体2を外部からの制御信号に
対応させて選択的にジュール発熱させる作用、具体的に
は個別電極3及び共通電極4を介して各発熱抵抗体2に
印加される電力のオン・オフを制御する作用を為す。
【0019】これら複数個のドライバーIC5は、各々
の一主面に前記スイッチング素子に接続される複数個の
出力用端子電極と後述する導電層6に接続される複数個
の入力用端子電極とが設けられており、これらの端子電
極を有したドライバーIC5の一主面を絶縁基板1の上
面に対面させ、前記出力用端子電極を個別電極3に、ま
た前記入力用端子電極を導電層6にそれぞれ半田等を介
して接続させることにより絶縁基板1上に搭載されるこ
ととなる。
【0020】また、前記絶縁基板1の上面に形成される
複数の導電層6はドライバーIC5の入力用端子電極に
接続されており、外部電気回路(プリンタ本体の制御回
路)からの種々の制御信号(印字信号、ラッチ信号、ス
トローブ信号、クロック信号)や外部電源からの電力
(VDD、GND)を各ドライバーIC5等に供給した
り、或いは、隣接するドライバーIC5間で前記制御信
号を転送する等の作用を為す。
【0021】尚、前記複数の導電層6のうち、ドライバ
ーIC5のグランド端子電極に接続されるGND用の導
電層6aとドライバーIC5の電源端子電極に接続され
るVDD用の導電層6bとは、各ドライバーIC5の搭載
位置から隣接するドライバーIC5間の領域まで導出さ
れており、それ以外の導電層6(印字信号用、ラッチ信
号用、ストローブ信号用、クロック信号用等)はドライ
バーIC5の列の外側位置から該列の先端及び後端に位
置するドライバーIC5の搭載位置まで導出されたり、
或いは、隣接するドライバーIC5の搭載位置同士をつ
なぐように形成されたりしている。
【0022】これら複数の導電層6は、前述した個別電
極3等と同様に、アルミニウム、銅等の金属材料を従来
周知のスパッタリング法及びフォトリソグラフィー技術
を採用し、絶縁基板1の上面に所定パターンに被着させ
ることで形成される。
【0023】また一方、前記印刷配線板8は、例えば、
ポリイミド樹脂等から成るベースフィルム8a上に銅等
の金属材料から成る複数の配線導体9を被着させるとと
もにこれら配線導体9をポリイミド樹脂等から成るカバ
ーフィルム8bで被覆し、更にその一端にコネクタCを
取着した構造を有しており、このような印刷配線板8を
ヘッド本体Hに併設させ、その配線導体9をヘッド本体
Hの共通電極4、導電層6等に電気的に接続することで
ヘッド本体Hの発熱抵抗体2及びドライバーIC5に外
部電気回路からの種々の制御信号、外部電源からの電力
等を供給するようにしている。
【0024】更にまた、前記印刷配線板8は、その一部
がヘッド本体Hの絶縁基板1上に搭載した各ドライバー
IC5間の領域まで延出されており、該延出部Dで配線
導体9と前記導電層6のうち少なくとも1つ(例えば、
GND用の導電層6a、VDD用の導電層6a等)とを電
気的に接続している。
【0025】このため、ドライバーIC5の搭載位置と
絶縁基板1の他方の長辺Bとの間には印刷配線板8の配
線導体9と導電層6とを接続するための広いスペースを
確保する必要がなく、複数個のドライバーIC5を絶縁
基板1の他方の長辺Bに沿って配置させることができ
る。これにより、サーマルヘッドを小型化することがで
きるようになり、製品としてのサーマルヘッドを安価に
なすことが可能となる。尚、前記印刷配線板8の延出部
Dと複数個のドライバーIC5とは、エポキシ樹脂等か
ら成る帯状の封止材7によって共通に被覆されており、
該封止材7によって、ドライバーIC5の電気回路やヘ
ッド本体Hと印刷配線板8との接続部を大気から遮断
し、これらを大気中に含まれている水分等の接触による
腐食や感熱記録媒体の摺接等から保護するようにしてい
る。このとき、前記印刷配線板8はヘッド本体Hの長さ
方向にわたって接続されるのではなく、ドライバーIC
5の搭載位置を除く領域(ドライバーIC5間の領域や
ドライバーIC5の列の外側位置)でのみ部分的に接続
されることから、印字時、ヘッド本体Hと印刷配線板8
とが各々の熱膨張率に応じて熱膨張しても、その熱膨張
差はヘッド本体Hと印刷配線板8とが接続されていない
領域において有効に緩和されることとなり、しかも、ヘ
ッド本体Hと印刷配線板8との接続部は封止材7によっ
て補強されていることから、ヘッド本体Hと印刷配線板
8との接続信頼性は極めて高いものとなり、サーマルヘ
ッドを長期にわたって良好に機能させることができる。
【0026】このような封止材7は、例えば、液状に成
したエポキシ樹脂の前駆体を絶縁基板上面の複数個のド
ライバーIC5と印刷配線板8の延出部Dとが配されて
いる領域にディスペンサ等を用いて帯状に塗布するとと
もに、これを120〜150℃の温度で熱硬化させるこ
とによって複数個のドライバーIC5と印刷配線板8の
延出部Dとを共通に被覆するようにして被着される。
【0027】尚、前記ヘッド本体H及び印刷配線板8は
アルミニウム等の金属材料から成る放熱板10上に両面
テープ等を介して載置され、これによって放熱板10上
で支持されることとなる。このとき、印刷配線板8、放
熱板10及びコネクタCをエポキシ樹脂等から成る接着
材Eによって接着しておけば、サーマルヘッドの各構成
部材間の機械的強度を十分なものに保つことができ、サ
ーマルヘッドを外部電気回路に接続するにあたってコネ
クタCを抜き・差しする際などに多少の外力が印加され
ても破損しにくくなっている。
【0028】かくして上述した本発明のサーマルヘッド
は、ドライバーIC5の駆動に伴って個別電極3及び共
通電極4間に所定の電力を印加し、発熱抵抗体2を制御
信号に基づいて選択的にジュール発熱させるとともに、
該発熱した熱を感熱記録媒体に伝導させ、感熱記録媒体
に所定の印画を形成することによってサーマルヘッドと
して機能する。
【0029】尚、本発明は上述した実施形態に限定され
るものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲におい
て種々の変更、改良等が可能であり、例えば、上記実施
形態のサーマルヘッドにおいて、ドライバーIC5の厚
みと印刷配線板8の延出部Dの厚みとを略等しくし、且
つ、ドライバーIC5の発熱抵抗体2側エッジ部と印刷
配線板8の延出部Dの発熱抵抗体2側エッジ部とを揃え
ておくようにすれば、これらをエポキシ樹脂等から成る
封止材7によって被覆する際、ドライバーIC5等の上
に塗布される液状樹脂の幅、厚みを略一定となすことが
でき、これによって感熱記録媒体の摺接圧(紙当たり)
を絶縁基板1の長さ方向にわたって等しくなし、感熱記
録媒体を安定走行させることができる。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、ドライバーICの搭載
位置と絶縁基板の長辺との間に、印刷配線板の配線導体
とドライバーICの端子電極に接続される導電層とを接
続するための広いスペースを確保する必要がなく、複数
個のドライバーICを絶縁基板の長辺に沿って配置する
ことができる。これにより、サーマルヘッドを小型化す
ることができ、製品としてのサーマルヘッドを安価にな
すことが可能となる。また本発明によれば、印字時、ヘ
ッド本体と印刷配線板とが各々の熱膨張率に応じて熱膨
張しても、その熱膨張差による熱応力がヘッド本体と印
刷配線板との非接続領域で良好に緩和されることとな
り、ヘッド本体と印刷配線板との接続部を強固に接続し
てサーマルヘッドの信頼性を高く維持できる。
【0031】また本発明によれば、印刷配線板の延出部
と複数個のドライバーICとをエポキシ樹脂等から成る
帯状の封止材によって共通に被覆しておけば、ヘッド本
体と印刷配線板との接続部を前記封止材によって補強
し、この両者間の接続信頼性を向上させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のサーマルヘッドの一実施形態を示す平
面図である。
【図2】図1のX−X線断面図である。
【図3】図1のY−Y線断面図である。
【図4】従来のサーマルヘッドの平面図である。
【符号の説明】
H・・・・ヘッド本体 1・・・・絶縁基板 2・・・・発熱抵抗体 3・・・・個別電極 4・・・・共通電極 5・・・・ドライバーIC 6・・・・導電層 7・・・・掛止材 8・・・・印刷配線板 9・・・・配線導体 A・・・・絶縁基板の一方の長辺 B・・・・絶縁基板の他方の長辺 C・・・・コネクタ D・・・・印刷配線板の延出部 E・・・・接着材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 下園 貴広 鹿児島県姶良郡隼人町内999番地3 京 セラ株式会社隼人工場内 (56)参考文献 特開 平7−40568(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/335 B41J 2/345

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】長方形状を成す絶縁基板の上面に、該基板
    の一方の長辺に沿って多数の発熱抵抗体を、他方の長辺
    に沿って複数個のドライバーICを各々配列搭載し、且
    つ、各ドライバーICの端子電極に接続される複数の導
    体層が形成されたヘッド本体と、複数の配線導体を有す
    る印刷配線板とから成り、ヘッド本体と印刷配線板とを
    併設させサーマルヘッドであって、 前記印刷配線板の一部を前記ヘッド本体の絶縁基板上に
    搭載された各ドライバーIC間の領域まで延出させ、
    延出部で印刷配線板の配線導体とヘッド本体の導電層
    を接続させるとともに、前記印刷配線板を各ドライバー
    IC間の領域でヘッド本体に対して接着させて該接着領
    域を絶縁基板の他方の長辺に沿って部分的に存在せしめ
    ことを特徴とするサーマルヘッド。
  2. 【請求項2】前記印刷配線板の延出部と複数個のドライ
    バーICとが帯状の封止材によって共通に被覆されてい
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のサ
    ーマルヘッド。
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