JPH09150540A - サーマルヘッド - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】サーマルヘッドのコネクタ部材をプリンタ側の
コネクタに接続する際、コネクタ部材が取着されている
フレキシブル印刷配線板（ＦＰＣ）が支持板より剥がれ
てしまう。 【解決手段】発熱抵抗体２及びリード線が設けられた絶
縁基板１と、前記絶縁基板１のリード線に電気的に接続
される配線導体を有し、且つ、一端に前記配線導体が電
気的に接続されているコネクタ部材６を取着して成るＦ
ＰＣ４と、前記絶縁基板１及びＦＰＣ４が上面に載置さ
れる支持板５と、前記支持板５に固定され、前記絶縁基
板１のリード線とＦＰＣ４の配線導体との接続部を覆う
カバー部材７とから成り、前記ＦＰＣ４のコネクタ部材
６を、カバー部材７と支持板５とによって挟持する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ワードプロセッサ
やファクシミリ等のプリンタ機構として組み込まれるサ
ーマルヘッドの改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、ワードプロセッサ等のプリンタ機
構として組み込まれるサーマルヘッドは、図６に示す如
く、発熱抵抗体２２や駆動用ＩＣ２３が設けられたアル
ミナセラミックス製の絶縁基板２１と、フレキシブル印
刷配線板（以下、ＦＰＣと略記する）２４とを、アルミ
ニウム等から成る支持板２５上に載置固定し、更に絶縁
基板２１とＦＰＣ２４との接続部や絶縁基板２１上の駆
動用ＩＣ２３を覆うようにしてカバー部材２７を支持板
２５に固定した構造を有している。

【０００３】かかるサーマルヘッドは、絶縁基板２１上
の発熱抵抗体２２に外部電源からの電力を印加し、発熱
抵抗体２２を印字信号に基づいて選択的にジュール発熱
させるとともに、該発熱した熱を発熱抵抗体２２上に搬
送される感熱記録媒体に伝導させ、感熱記録媒体に所定
の印字画像を形成することによってサーマルヘッドとし
て機能する。

【０００４】尚、前記ＦＰＣ２４は、プリンタ本体から
の種々の印字信号や外部電源からの電力を絶縁基板２１
上の発熱抵抗体２２や駆動用ＩＣ２３に供給するための
ものであり、可撓性を有した複数の樹脂フィルム間に銅
箔等から成る配線導体を介在させ、その一端にサーマル
ヘッドをプリンタ本体等の外部電気回路に接続させるた
めのコネクタ部材２６を半田付け等によって取着させた
構造を有し、市販の両面テープ等を用いて支持板２５の
上面に接着させることによってサーマルヘッドに固定さ
れていた。

【０００５】また前記カバー部材２７は、絶縁基板２１
とＦＰＣ２４との接続部や絶縁基板２１上の駆動用ＩＣ
２３を外力の印加（感熱記録媒体の摺接等）から保護す
るとともに、感熱記録媒体を発熱抵抗体２２上に案内す
るためのものであり、ＳＵＳ等を板金にて成形すること
により製作され、更にネジ止め等によって支持板２５に
固定されていた。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この従
来のサーマルヘッドによれば、コネクタ部材２６は可撓
性を有したＦＰＣ２４に支持されているだけで、不安定
な状態で保持されていることから、サーマルヘッドをプ
リンタ本体に接続するにあたってコネクタ部材２６をプ
リンタ本体のコネクタ２８に差し込んだり、逆に抜き取
ったりする際、コネクタ部材２６に印加される外力によ
ってＦＰＣ２４が支持板２５から剥がれてしまったり、
或いは、途中で折れ曲がってしまうことがあり、この場
合、サーマルヘッドとプリンタ本体との接続作業が極め
て煩雑なものとなり、またＦＰＣ２４の折れ曲がり方が
ひどい場合は、その内部に配置されている配線導体が断
線する等してサーマルヘッドとして使用に供しなくなる
欠点を有していた。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は上記欠点に鑑み
て案出されたもので、発熱抵抗体及びリード線が設けら
れた絶縁基板と、前記絶縁基板のリード線に電気的に接
続される配線導体を有し、且つ、一端に前記配線導体が
電気的に接続されているコネクタ部材を取着して成るフ
レキシブル印刷配線板と、前記絶縁基板及びフレキシブ
ル印刷配線板が上面に載置される支持板と、前記支持板
に固定され、前記絶縁基板のリード線とフレキシブル印
刷配線板の配線導体との接続部を覆うカバー部材とから
成り、前記フレキシブル印刷配線板のコネクタ部材が、
カバー部材と支持板とによって挟持されていることを特
徴とする。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を添付図
面に基づいて詳細に説明する。

【０００９】（第１実施例）図１は本発明のサーマルヘ
ッドの第１実施例を示す断面図、図２は図１のサーマル
ヘッドからカバー部材を取り外した状態を示す平面図で
あり、１は絶縁基板、２は発熱抵抗体、４はＦＰＣ、５
は支持板、６はコネクタ部材、７はカバー部材である。

【００１０】前記絶縁基板１はアルミナセラミックス等
から成っており、アルミナ、シリカ、マグネシア等のセ
ラミックス原料粉末に適当な有機溶剤、溶媒を添加混合
して泥漿状と成すとともにこれを従来周知のドクターブ
レード法やカレンダーロール法等を採用することによっ
てセラミックグリーンシートを形成し、しかる後、前記
セラミックグリーンシートを所定形状に打ち抜き加工す
るとともに高温で焼成することによって製作される。

【００１１】また前記絶縁基板１の上面には、直線状に
配置された複数個の発熱抵抗体２と、複数個の駆動用Ｉ
Ｃ３と、前記発熱抵抗体２に電力を供給したり、或い
は、駆動用ＩＣ３に種々の印字信号を供給したりするた
めの複数個のリード線１０とがそれぞれ取着されてい
る。

【００１２】前記発熱抵抗体２は窒化タンタル等から成
っており、それ自体が所定の電気抵抗率を有しているた
め、リード線１０等を介して外部電源からの電力が印加
されるとジュール発熱を起こし、感熱記録媒体に印字画
像を形成するのに必要な所定の温度、例えば２００℃〜
３５０℃の温度に発熱する作用を為す。

【００１３】また前記駆動用ＩＣ３は、シフトレジス
タ、ラッチ、スイッチングトランジスタ等の論理回路を
内蔵しており、各発熱抵抗体２を外部からの印字信号に
基づいて選択的にジュール発熱させる作用、具体的に
は、リード線１０等を介して発熱抵抗体２に印加される
電力のオン・オフを制御する作用を為す。

【００１４】尚、前記発熱抵抗体２およびリード線１０
は従来周知のスパッタリング法及びフォトリソグラフィ
ー技術を採用することによって絶縁基板１上に所定パタ
ーン、所定厚みに被着され、一方、前記駆動用ＩＣ３は
従来周知のフェイスダウンボンディング法等によって絶
縁基板１の上面所定位置に搭載され、しかる後、大気中
に含まれている水分等の接触による腐食から駆動用ＩＣ
３の電気回路を保護するための封止材３ａによって被覆
される。

【００１５】またかかる絶縁基板１には、プリンタ本体
等の外部電気回路からの種々の印字信号や外部電源から
の電力を絶縁基板１上の発熱抵抗体２や駆動用ＩＣ３に
供給するためのＦＰＣ４が半田付け等によって接続され
ている。

【００１６】前記ＦＰＣ４は、可撓性を有した複数の樹
脂フィルム（ポリイミド樹脂製）間に、前記絶縁基板１
上のリード線１０に電気的に接続される複数個の配線導
体４ａを介在させ、その一端に前記配線導体４ａが電気
的に接続されるコネクタ部材６を半田付け等によって取
着させた構造を有している。

【００１７】また前記ＦＰＣ４に取着されているコネク
タ部材６は、サーマルヘッドをプリンタ本体等の外部電
気回路に接続させるためのものであり、複数のコネクタ
ピン６ａをケース部材６ｂの内部に収容させた構造を有
し、このコネクタ部材６をプリンタ本体側のコネクタ９
に差し込むことによってプリンタ本体と電気的に接続さ
れ、プリンタ本体からの印字信号等が供給されるように
なっている。

【００１８】尚、前記ＦＰＣ４は、その端部に導出され
る配線導体４ａを絶縁基板１上のリード線１０に半田を
介して当接させ、しかる後、これを所定温度でリフロー
し前記リード線１０および配線導体４ａを半田接合する
ことによって絶縁基板１に電気的に接続される。

【００１９】またこれらＦＰＣ４や絶縁基板１は、アル
ミニウム等の良熱伝導性材料から成る支持板５の上面に
両面テープ等の接着部材を介して載置され、これによっ
て支持板５に固定されている。

【００２０】前記支持板５は、その上面で絶縁基板１お
よびＦＰＣ４等を支持するとともに、絶縁基板１中の熱
の一部を絶縁基板１の下面を介して吸収することにより
絶縁基板１の温度が過度に高温となるのを有効に防止す
るためのものであり、例えば、アルミニウム等のインゴ
ット（塊）を従来周知の金属加工法により所定形状とな
すことによって製作される。

【００２１】また更に前記絶縁基板１のリード線１０と
ＦＰＣ４の配線導体４ａとの接続部や、絶縁基板１に搭
載されている駆動用ＩＣ３の上には、これらを外力の印
加（感熱記録媒体の摺接等）から保護するとともに、感
熱記録媒体を発熱抵抗体２上に案内するためのカバー部
材７が配置されており、このカバー部材７と支持板５と
によってＦＰＣ４に取着されているコネクタ部材６を挟
持するようにしている。

【００２２】このため、コネクタ部材６はカバー部材７
と支持板５との間で確実強固に固定されるようになり、
サーマルヘッドをプリンタ本体に接続するにあたってコ
ネクタ部材６をプリンタ本体のコネクタ９に差し込んだ
り、逆に抜き取ったりする際、コネクタ部材６に大きな
外力が印加されても、コネクタ部材６がＦＰＣ４と共に
サーマルヘッドの所定位置より動いてしまうことにより
ＦＰＣ４が支持板５から外れたり、或いは、ＦＰＣ４が
途中で折れ曲がり内部の配線導体に断線が発生したりす
ることは無く、サーマルヘッドのプリンタ本体への接続
作業を常に容易に行うことができるようになる。

【００２３】尚、前記カバー部材７は、ＳＵＳ等から成
る金属板を板金にて成形することにより製作され、更に
ネジ止め等によって支持板５に固定される。またこのよ
うにカバー部材７を金属材料により形成する場合、カバ
ー部材７を接地電位に接続しておけば、感熱記録媒体と
の摺接により発生する静電気をカバー部材７を介して接
地電位に逃がすことができるため、発熱抵抗体２上に被
着される保護膜（不図示）が前述の静電気によって静電
破壊されるのを有効に防止することができる。かくし
て、本実施例のサーマルヘッドは、駆動用ＩＣ３の駆動
に伴い発熱抵抗体２を印字信号に基づいて選択的にジュ
ール発熱させるとともに、該発熱した熱を発熱抵抗体２
上に搬送される感熱記録媒体に伝導させ、感熱記録媒体
に所定の印字画像を形成することによってサーマルヘッ
ドとして機能する。

【００２４】（第２実施例）次に本発明の第２実施例を
図３〜図５を用いて説明する。

【００２５】図３は本発明のサーマルヘッドの第２実施
例を示す断面図、図４は図３のサーマルヘッドをＡ方向
から見た平面図、図５は図３をＢ方向から見た平面図で
あり、１１は絶縁基板、１２は発熱抵抗体、１４はＦＰ
Ｃ、１５は支持板、１６はコネクタ部材、１６ａはコネ
クタピン、１６ｂはケース部材、１７はカバー部材であ
る。

【００２６】本実施例のサーマルヘッドにおいても、上
述した第１実施例のものと同様に、発熱抵抗体１２及び
リード線（不図示）が設けられた絶縁基板１１と、絶縁
基板１１のリード線に電気的に接続される配線導体（不
図示）を有し、且つ、一端に前記配線導体が電気的に接
続されているコネクタ部材１６を取着して成るＦＰＣ１
４と、前記絶縁基板１１及びＦＰＣ１４が上面に載置さ
れる支持板１５と、前記支持板１５に固定され、前記絶
縁基板１１のリード線とＦＰＣ１４の配線導体との接続
部を覆うカバー部材１７とから成っており、前記コネク
タ部材１６をカバー部材１７と支持板１５とによって挟
持させた構造を有しているが、以下の点において第１実
施例のものと相違している。

【００２７】即ち、第２実施例のサーマルヘッドにおい
ては、支持板１５の一端を下方に折り曲げて支持板１５
をＬ字形状に成すとともに、その上面に配置されている
ＦＰＣ１４も支持板１５の上面に沿って折り曲げ、該折
り曲げ部にコネクタ部材１６を取着させており、またカ
バー部材１７の両側に導出部１７ａを設け、該導出部１
７ａを支持板１５の下面に係止させることによってカバ
ー部材１７を比較的簡単な手段で支持板１５に対し固定
できるようにしている。

【００２８】このように、支持板１５の一端を下方に折
り曲げるとともに、この折り曲げ部にコネクタ部材１６
を配置するようにしているのは、コネクタ部材１６等が
感熱記録媒体を発熱抵抗体１２上に案内する際の障害と
なるのを防止するためであり、これによって湾曲させる
ことが困難な硬質の記録媒体であっても比較的容易に発
熱抵抗体１２上に案内することが可能となり、また感熱
記録媒体としてインクリボン等を用いる場合はインクリ
ボン等がコネクタ部材１６等に引っ掛かるのを有効に防
止してインクリボンを安定走行させることができる。

【００２９】尚、前記ＦＰＣ１４は、外力が印加されて
いない状態で平坦な形状のものを支持板１５の上面に沿
って接着することにより所定の折れ曲がった形状に維持
したものであり、ＦＰＣ１４には元の平坦な形状に戻ろ
うとする力が常に作用しているため、上述した第１実施
例のサーマルヘッドに比し、支持板１５に対する接着強
度が弱くなっている。

【００３０】かかる第２実施例のサーマルヘッドにおい
ても、コネクタ部材１６はカバー部材１７と支持板１５
とによって挟持されていることから、上述のようにＦＰ
Ｃ１４の支持板１５に対する接着強度が弱くなっている
にもかかわらず、コネクタ部材１６をカバー部材１７と
支持板１５との間で確実強固に固定することができる。
このため、コネクタ部材１６をプリンタ本体のコネクタ
に差し込んだり、逆に抜き取ったりする際、コネクタ部
材１６に大きな外力が印加されても、コネクタ部材１６
がＦＰＣ１４と共にサーマルヘッドの所定位置から動い
てしまうことはなく、サーマルヘッドのプリンタ本体へ
の接続作業を常に容易に行うことができるようになる。

【００３１】尚、本発明は上述した実施例に限定される
ものでは無く、本発明の要旨を逸脱しない範囲において
種々の変更、改良等が可能である。

【００３２】

【発明の効果】本発明によれば、コネクタ部材がカバー
部材と支持板との間で安定した状態で固定されており、
このため、コネクタ部材に大きな外力が印加されても、
コネクタ部材が取着されているＦＰＣが支持板から外れ
たり、或いは、途中で折れ曲がったりすることはない。
これにより、サーマルヘッドのプリンタ本体への接続作
業を常に容易に行うことができるようになる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のサーマルヘッドの第１実施例を示す断
面図である。

【図２】図１のサーマルヘッドからカバー部材を取り外
した状態を示す平面図である。

【図３】本発明のサーマルヘッドの第２実施例を示す断
面図である。

【図４】図３のサーマルヘッドをＡ方向から見た平面図
である。

【図５】図３のサーマルヘッドをＢ方向から見た平面図
である。

【図６】従来のサーマルヘッドの断面図である。

【符号の説明】

１，１１・・・絶縁基板 ２，１２・・・発熱抵抗体 ３，１３・・・駆動用ＩＣ ３ａ，１３ａ・・・封止材 ４，１４・・・ＦＰＣ ５，１５・・・支持板 ６，１６・・・コネクタ部材 ７，１７・・・カバー部材 ８・・・ネジ部材

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】発熱抵抗体及びリード線が設けられた絶縁
   基板と、 前記絶縁基板のリード線に電気的に接続される配線導体
   を有し、且つ、一端に前記配線導体が電気的に接続され
   ているコネクタ部材を取着して成るフレキシブル印刷配
   線板と、 前記絶縁基板及びフレキシブル印刷配線板が上面に載置
   される支持板と、 前記支持板に固定され、前記絶縁基板のリード線とフレ
   キシブル印刷配線板の配線導体との接続部を覆うカバー
   部材とから成り、 前記フレキシブル印刷配線板のコネクタ部材が、カバー
   部材と支持板とによって挟持されていることを特徴とす
   るサーマルヘッド。