JPH0583641U - クリーンルーム天井内作業設備 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 天井内での各種装置類の運搬を作業性良く行
えるようにする。 【構成】 天井面に分散配置する複数のファンフィルタ
ーユニット３を格子状の支持ビーム４に支持させてある
クリーンルームにおいて、前記支持ビーム４に支持され
た状態で天井内を移動自在な台車１３を設ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、天井面に分散配置する複数のファンフィルターユニットを格子状の 支持ビームに支持させてあって、その天井内をファンフィルターユニットへの給 気用のチャンバとしてあるクリーンルームの天井内作業の改善技術に関する。

【０００２】

【従来の技術】

クリーンルームでは、ファンフィルターユニットのファンや、フィルター等、 天井内に設備された装置類のメンテナンスを行う上で、それら装置類を取り外し たり、取り付けたりする作業が必要である。特に、クリーンルーム内への天井か らの給気を良好な層流とするために、一つ一つのファンフィルターユニットを小 さなものにし、それを多数天井面に分散配置する場合には、ファンの駆動モータ が小型となって、軸受け等の磨耗が激しく部品交換や分解掃除等のメンテナンス の頻度が非常に高い。 また、上記のメンテナンスを行う際にはクリーンルームの使用を中断するが、 そのようなときでも、クリーンルーム内がメンテナンスに伴い汚染されることは 極力、回避することが強く要望されている。 そのようなメンテナンスのための装置類の取り外し、取り付けを天井内で行う に、従来では、天井内に作業員が入り、作業員自体が取り外した装置類や取り付 けるべき装置類を持ち運んでいた。つまり、運搬すべき装置類が数多くあり、ま た、大きくて嵩張ったり重かったりする装置類も数多くあり、その上、その運搬 の作業スペースである天井内が作業員の歩行を容易、安楽に行えるに十分な高さ を有するものでないことが多いにかかわらず、その運搬を作業性良く行えるよう にするという考え及び構成が全くなかった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従って、従来によるときは、天井内での装置類に運搬がネックとなって、メン テナンスの作業性が悪いものであった。 本校案の目的は、天井内での各種装置類の運搬を作業性良く行えるようにする 点にある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本校案によるクリーンルームの天井内作業設備の特徴は、天井面に分散配置す る複数のファンフィルターユニットを支持する格子状の支持ビームに支持された 状態で天井内を移動自在な台車を設けてある点にある。

【０００５】

【作用】

天井内を走行する台車を設けてあるから、天井内での装置類の運搬に対する作 業員の負担を軽減して、装置類が大きくて重いものであっても、その運搬を容易 に、かつ、労力少なく迅速に行える。しかも、ファンフィルターユニットを支持 する上で丈夫な構造物として構成されている支持ビームに着目して、その支持ビ ームで台車を支持する状態で、つまり、その支持ビームを台車のレールやそのレ ールを支持する支持体に利用して走行させるから、台車を確実に支持して安全性 を保証しながらも、台車を走行させるための構成が構造簡単、かつ、安価なもの で済む。

【０００６】

【考案の効果】

従って、本校案によれば、ファンフィルターユニットのファンモータなどの各 種装置類のメンテナンスのための運搬を、それによるクリーンルームの汚染を防 止するように天井内で行う場合であっても、作業員の負担少なくその運搬を容易 、迅速に、つまり、作業性良く行え、しかも、それでいて、構造面及び経済面で 実施化が極めて容易なクリーンルームの天井内作業設備を提供できるようになっ た。

【０００７】

【実施例】

クリーンルームは、図１、図４に示すように、対象室１の天井面の全面に、天 井内２をチャンバとして供給されてくる空気を前記対象室１内に清浄用の空気と して下方に向かって供給する複数のファンフィルターユニット３を複数行、複数 列の整然とした配列で分散配置し、それらファンフィルターユニット３を縦横格 子状の支持ビーム４に支持させ、前記対象室１の床として、その全面で室内空気 を床下チャンバ５に排出する通気床６を設け、床下チャンバ５から天井内２に空 気を還流させる還流路７を設けて構成されており、かつ、天井内作業設備を有す る。 前記ファンフィルターユニット３は、図２、図３に示すように、下部のフィル ター部３Ａとその上部に着脱自在に搭載したファンモータ部３Ｂとからなり、上 部に吊りフック引っかけ用の吊り環３ａを備えており、フィルター部３Ａが支持 ビーム４への取付部となっている。３ｂはファンモータ部３Ｂのファンである。 前記支持ビーム４は、金属（アルミニウムや鉄等）製であって、図４に示すよ うに、上部の建物躯体８に索９を介して吊り支持されており、図１に示すように 、ファンフィルターユニット３に相当する枡目に構成されている。つまり、枡目 の一つ一つにファンフィルターユニット３を配置して支持するように構成されて いる。 前記天井内作業設備は、図１に示すように、前記天井内２を他から区画する隔 壁１０に、その天井内２に出入りするための扉１１ａ付きの出入口１１を形成し 、その出入口１１を通して前記天井内２内に外部から入り込む一対の走行レール １２を、支持ビーム４のうち天井内２のほぼ中央に位置する一対のものに装備さ せ、それら走行レール１２に支持される状態で天井内２での移動及び天井内２に 対する出入りが自在な台車１３を設けて構成されている。前記台車１３は、図１ 、図３に示すように、荷役台車１３Ａと、それにピン式のヒッチＪを介して着脱 自在に連結する駆動台車１３Ｂとである。 前記荷役台車１３Ａは、図２にも示すように、ファンフィルターユニット３を 載置可能な大きさのものであって、前記走行レール１２上を移動するための車輪 １４ａを備えた車体フレーム１４に、吊りフック１５ａを備えた物品昇降用のホ イスト１５を、台車移動方向に直交する左右方向に移動自在に支持するクレーン レール１６を取り付けるとともに、前記ホイスト１５による物品昇降を許容する 起立姿勢と物品を載置する荷台姿勢とに揺動切り替え自在な荷受け板１７を取り 付けて構成されている。前記クレーンレール１６は、荷役台車１３Ａの真下のフ ァンフィルターユニット３の左右両側に位置するファンフィルターユニット３の 上方箇所までホイスト１５を移動させ得る長さを有する。 前記駆動台車１３Ｂは、バッテリー及びそれを電源とするモータを備えた駆動 部１８の上部に、それに連結した荷役台車１３Ａの荷受け板１７上及びその周囲 の塵埃を吸引除去する掃除機１９を搭載し、照明灯２０と警告灯２１とを設けて 構成されている。前記掃除機１９は、吸引ファン１９Ａと、吸引ダクト１９Ｂと 、排気フィルター１９Ｃとからなる。 上記の台車１３は、一列上に位置するファンフィルターユニット３を跨いだ状 態で移動するのであって、ファンフィルターユニット３やそのうちのファンモー タ部３Ｂの運搬に好適に使用できるものである。この台車１３を用いてファンフ ィルターユニット３を運搬する要領の一例を説明すると、台車１３が跨ぐ列上に 位置するファンフィルターユニット３の搬出については、駆動台車１３Ｂで荷役 台車１３Ａを牽引又は後押しして、搬出すべきファンフィルターユニット３の上 に位置させ、その状態でホイスト１５を用いてファンフィルターユニット３を吊 り上げたのち荷受け板１７を荷台姿勢に切り替えてその荷受け板１７上にファン フィルターユニット３を載置し、台車１３を移動させて出入口から取り出す。台 車１３が跨ぐ列の隣の列のファンフィルターユニット３の搬出については、駆動 台車１３Ｂで荷役台車１３Ａを牽引又は後押しして、搬出すべきファンフィルタ ーユニット３の横に位置させ、その状態でホイスト１５を用いてファンフィルタ ーユニット３を吊り上げたのち荷台姿勢の荷受け板１７上にファンフィルターユ ニット３を載置し、台車１３を移動させて出入口から取り出す。前記の列以外に 位置するファンフィルターユニット３の搬出については、搬出すべきファンフィ ルターユニット３になるべく近い箇所に台車１３を移動位置させ、人手で台車１ ３までファンフィルターユニット３を運搬したのち、台車１３に載せて搬出する ことができる。他方、各設置位置への搬入は、上記の手順とは逆の手順で行うこ とができる。また、ファンフィルターユニット３の全体ではなくファンモータ部 ３Ｂのみの搬入、搬出も同様にして行える。

【０００８】 〔別実施例〕 上記実施例では、台車１３を荷役台車１３Ａと駆動台車１３Ｂとから構成する ことにより、駆動台車１３Ｂを１台としながらも、荷役台車１３Ａを複数として 台車１３に対する荷の積み卸しを効率良く行えるようにしたが、台車１３は、荷 台を備えた駆動台車であっても良い。 上記実施例では、走行レール１２を支持ビーム４に別途取り付けて台車１３を 移動させるように構成したが、支持ビーム４自体を走行レール１２として移動さ せるようにしても良い。 上記実施例では、走行経路を１つとしたが、走行経路は、ファンフィルターユ ニット３の列のそれぞれに対してひとつづつ設けても良い。 上記実施例では、台車１３として駆動できる自走式のものを示したが、台車１ ３は、人力で移動するものであっても良い。

【０００９】 尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対照を便利にするために符号を記 すが、該記入により本考案は添付図面の構成に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

【図１】天井内要部の切り欠き平面図

【図２】台車の正面図

【図３】台車の切り欠き側面図

【図４】全体の縦断正面図

【符号の説明】

３ ファンフィルターユニット ４ 支持ビーム １３ 台車

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 天井面に分散配置する複数のファンフィ
   ルターユニット（３）を格子状の支持ビーム（４）に支
   持させてあるクリーンルームにおいて、前記支持ビーム
   （４）に支持された状態で天井内を移動自在な台車（１
   ３）を設けてあるクリーンルーム天井内作業設備。