JPH026049Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、例えば半導体のような塵埃を極端に
きらう荷（物品）をクリーンルーム間で搬送する
搬送装置に関するものである。

従来の技術 横方向に並設形成されたクリーンルーム間での
荷の搬送は、搬送用自走台車などを使用して行な
える。しかし、クリーンルームが上下方向におい
て複数階に亘つて形成され、そしてこれらクリー
ンルーム間で荷の搬送を行なうときにはエレベー
タ形式の搬送装置が使用される。

考案が解消しようとする問題点 上記したような従来のエレベータ形式の搬送装
置においては、昇降路内の全てをクリーン化して
いたが、これによるとクリーン度を保つための設
備が大型化し、また運転費も含めて高価となる。
しかも荷を格納し保持する昇降体内を充分にクリ
ーン化できない。

問題を解決するための手段 上記問題点を解決するために本考案におけるク
リーンルーム間の搬送装置は、クリーンルームを
複数階形成し、これらクリーンルームを貫通して
形成した昇降路内にクリーンユニツトを有する昇
降体を配設し、この昇降体が対向自在で且つクリ
ーンユニツトを有する連通路を各クリーンルーム
に形成し、前記連通路の両側に夫々開閉扉を設け
ると共に、前記昇降体の連通路に対向する面に昇
降体用開閉扉を設け、前記昇降体と連通路とのう
ち一方に荷受台を設けると共に、他方に荷の搬入
出装置を設け、前記連通路におけるクリーンルー
ム側開閉扉の外側に吸引装置を設けている。

作 用 上記した本考案構成によると、クリーンユニツ
トを作動させることにより昇降体内のにクリーン
化し得る。また連通路に昇降体を対向させたの
ち、連通路の昇降路側開閉扉と昇降体用開閉扉と
を開動させることによつて、昇降路が汚染部であ
りながら、夫々のクリーンユニツトにより連通路
と昇降体内とのクリーン度を維持しながら搬入出
装置を使用して荷の受け渡しを行なえる。そして
昇降路側開閉扉と昇降体用開閉扉とを閉動させた
のちクリーンルーム側開閉扉を開動させることに
より、クリーンルームと連通路との間での荷の移
動を行なえ、その際に連通路内からクリーンルー
ム内に流れ込もうとする内部空気は吸引装置によ
つて吸引除去し得る。

実施例 以下に本考案の一実施例を図面に基づいて説明
する。１はクリーンルームで、天井側からフイル
ター２を通してクリーンエアー３を下吹きし、下
降するエアーをメツシユ形式の床４を通して床下
に吸引するように構成してある。このクリーンル
ーム１は複数階に亘つて夫々形成される。これら
クリーンルーム１間に亘つて、縦壁体５により昇
降路６が形成され、この昇降路６内に昇降体７が
配設される。昇降駆動装置８は、昇降路６の上端
に設けた正逆駆動式のモータ９と、このモータ９
に連動する駆動輪体１０や遊転輪体１１間に亘つ
て掛けたチエンなどの索体１２とからなり、索体
１２の一端を昇降体７の上端に連結すると共に、
他端にバランスウエイト１３を取付けている。前
記昇降体７は、索体１２が連結される枠体１４
と、この枠体１４内に密閉空間を形成するカバー
体１５とからなる。そして両側に取付けた夫々複
数個のガイドローラ１６を介して、昇降体７内に
配設したガイドレール１７に支持案内されること
によつて、昇降体７は一定経路上で昇降自在とな
る。前記カバー体１５内は大まかに３つの室に区
画される。すなわち上部は縦方向の仕切板１８に
よつて前部の排気室１９と後部の吸気室２０とに
分けられ、そして排気室１９の下部に横方向のメ
ツシユ板２１を設けると共に、吸気室２０の下部
に横方向の仕切板２２を設けて、これら排気室１
９と吸気室２０との下方間に亘つて荷収納室２３
を形成している。また荷収納室２３の後部下方と
前記吸気室２０の下方とは、角筒状の連通部材２
４を介して連通される。そして昇降体７に設けら
れるクリーンユニツト２５はフイルタ２６とフア
ン２７とからなり、ここでフイルタ２６は排気室
１９内の下部でメツシユ板２１の近くに配設さ
れ、またフアン２７は吸気室２０内において仕切
板１８に取付けられ、その吸気口２８を吸気室２
０内に位置させると共に、排気口２９を排気室１
９に開放している。前記カバー体１５の前面側で
且つ荷収納室２３に対向する部分は出入口３０に
形成され、この出入口３０の前方に昇降体用開閉
扉３５が配設される。この昇降体用開閉扉３５
は、前記枠体１４にガイド部材３３を介して昇降
自在に支持案内され、その昇降は、枠体１４側に
取付けたモータ３６と、これに連動するナツト部
３７と、このナツト部３７に螺合し且つ下端が昇
降体用開閉扉３５の上端に連結した螺子軸３４と
により行なわれる。各クリーンルーム１におい
て、前記昇降体７の出入口３０が対向自在な縦壁
体５の部分に、該縦壁体５を貫通する四角筒状の
ボツクス体３８により連通路３９が形成される。
この連通路３９内には、左右一対を一組として二
組の荷受台４０が固定して配設される。また連通
路３９の昇降路６側の端部には、ガイド部材４１
を介して昇降自在に支持案内される昇降路側開閉
扉４３が配設され、この昇降はシリンダ装置４４
によつて行なわれる。さらに連通路３９のクリー
ンルーム１側の端部には、ガイド部材６５を介し
て昇降自在に支持案内されるクリーンルーム側開
閉扉６６が配設され、その昇降は、モータ６７
と、その出入軸に取付けた駆動輪体６８と、これ
よりも上方に配設した従動輪体６９と、両輪体６
８，６９間に巻回した索体７０と、この索体７０
の適所をクリーンルーム側開閉扉６６の下端に一
体化する連結具７１とを設けることにより行なわ
れる。これら６７〜７１により構成される開閉駆
動装置は、ボツクス体３８の下方に設けた吸引ダ
クト７２内に配設され、また吸引ダクト７２は、
ボツクス体３８の底板に形成した多数の孔７３を
介して前記連通路３９内に連通している。前記連
通路３９に設けられるクリーンユニツト７４は、
ボツクス体３８の上方に設けたダクト７５と、こ
のダクト７５内に配設したフアン７６ならびにフ
イルタ７７とからなり、前記フアン７６の吸気口
７８をクリーンルーム１内に連通すると共に、排
気口７９をフイルタ７７に対向させてある。そし
てボツクス体３８の天板に多数の噴出孔８０を形
成している。前記連通路３９におけるクリーンル
ーム側開閉扉６６の外側に吸引装置８１が設けら
れる。すなわち四角筒状のダクト８２が配設さ
れ、このダクト８２の内側全面に多数の吸引孔
（またはスリツト）８３を形成すると共に、ダク
ト８２内の吸引路８４を前記吸引ダクト７２に連
通している。前記荷収納室２３の下部に、前記荷
受台４０との間で荷４７の受け渡しを行なう搬入
出装置４８が二組配設される。すなわち荷収納室
２３の中間レベル位置に前後方向のレール５２が
敷設され、このレール５２にスライド体５３を介
して支持案内される荷支持板５４が設けられる。
この荷支持板５４はフオーク形式であつて、左右
一対の荷受台４０間に突入自在である。前記レー
ル５２側には、モータ５５に連動する駆動輪体５
６と、前後一対の遊転輪体５７，５８とが配設さ
れ、これら輪体５６，５７，５８間に掛張した無
端回動体５９の一箇所を前記荷支持板５４側に結
合している。６０は制御盤、６１はケーブル、６
２は点検歩道を示す。

次に上記実施例の作用を説明する。

カバー体１５内に納まつた荷支持板５４が荷４
７を支持している状態において、昇降体用開閉扉
３５、ならびに各連通路３９の両開閉扉４３，６
６は閉動している。このときクリーンユニツト２
５は作動しており、フアン２７の排気口２９から
排出されるエアーはフイルタ２６を通つてクリー
ンエアー６３となり、このクリーンエアー６３は
荷収納室２３内に下吹きされる。下吹きされたク
リーンエアー６３は、荷収納室２３内を流れ、そ
して連通部材２４を介して吸気室２０に循環流入
し、フアン２７に吸込まれる。これにより荷収納
室２３内は常にクリーン化されている。このよう
な状態で、昇降駆動装置８を作動させて昇降体７
を昇降させ、第２図実線、ならびに第３図に示す
ように、目的とする階のクリーンルーム１に対応
する連通路３９に出入口３０を対向させて停止さ
せる。次いで昇降体用開閉扉３５と昇降路側開閉
扉４３を開動（上昇）させ、出入口３０を介して
荷収納室２３と連通路３９とを連通させる。この
状態で荷支持板５４を前進させ、第２図仮想線イ
で示すように連通路３９内で荷受台４０よりも上
方に位置させる。次いで荷支持板５４を仮想線口
で示すように下降させることにより荷４７を荷受
台４０上に渡し得、その後、荷支持板５４を退入
させることによつて荷４７を渡し得る。なお荷支
持板５４を逆作動させることによつて、荷受台４
０上の荷４７を昇降体７側で受け取り得る。荷４
７の受け渡しを行なつたのち、両開閉扉３５，４
３を閉動（下降）させることによつて、昇降体７
を再び昇降し得る。このような荷４７の搬入出作
業時にクリーンユニツト７４は作動しており、フ
アン７６の排気口７９から排出されるエアーはフ
イルタ７７を通つてクリーンエアー８５となり、
このクリーンエアー８５は連通路３９内に下吹き
される。下吹きされたクリーンエアー８５は連通
路３９内を流れ、そして吸引ダクト７２内に吸引
除去される。また両開閉扉３５，４３を開動させ
たとき、両クリーンユニツト２３，７４からのク
リーンエアー６３，８５の一部が開放部から外
部、すなわち昇降路６側に流出し、これにより昇
降路６内の汚染された空気が荷収納室２３や連通
路３９に入るのを阻止し得る。前述したように荷
４７の搬入出を行ない、両開閉扉３５，４３を閉
動させたのち、クリーンルーム側開閉扉６６を開
動させてクリーンルーム１側から荷受台４０に対
して荷４７の受け渡しを行なう。その際にクリー
ンユニツト７４は停止しており、したがつて荷４
７の受け渡し時に連通路３９内の空気とクリーン
エアー３とが置換されようとする。このとき吸引
装置８１が作動しており、したがつて連通路３９
から出て行こうとする空気は、吸引孔８３を通し
てダクト８２内に吸引され、そして吸引路８４を
介して吸引ダクト７２へと排出されることにな
る。これにより、クリーンエアー３よりも少し汚
れている空気がクリーンルーム１に流出すること
がなくなり、このクリーンルーム１のクリーン度
を維持し得る。

上記実施例では昇降体７に搬入出装置４８を設
け、連通路３９に荷受台４０を設けたが、これは
逆であつてもよい。

考案の効果 上記構成の本考案によると、クリーンユニツト
を作動させることにより昇降体内をクリーン化で
きる。また目的とする連通路に昇降体を対向させ
たのち、連通路の昇降路側開閉扉と昇降体用開閉
扉とを開動させることによつて、昇降路が汚染部
でありながら、夫々のクリーンユニツトにより昇
降路内と昇降体内、ならびに昇絡部とのクリーン
度を維持しながら搬入出装置を使用して荷の搬入
出を行なうことができる。そして上述の両開閉扉
を閉動させたのちクリーンルーム側開閉扉を開動
させることにより、クリーンルームと連通路との
間での荷の移動を行なうことができ、その際に昇
降路内からクリーンルーム内に流れ込もうとする
内部空気は吸引装置によつて吸引除去することが
できる。このように昇降路内が汚染部でありなが
ら、汚染されることのない荷の搬送を行なうこと
ができ、したがつてクリーン度を保つための設備
を小型化できると共に運転費も含めて低価にで
き、さらに昇降体内を充分にクリーン化できる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は縦断
面図、第２図は要部の縦断面図、第３図は同横断
面図である。 １……クリーンルーム、３……クリーンエア
ー、５……縦壁体、６……昇降路、７……昇降
体、８……昇降駆動装置、１９……排気室、２０
……吸気室、２３……荷収納室、２５……クリー
ンユニツト、３５……昇降体用開閉扉、３９……
連通路、４０……荷受台、４３……昇降路側開閉
扉、４７……荷、４８……搬入出装置、５４……
荷支持板、６３……クリーンエアー、６６……ク
リーンルーム側開閉扉、７２……吸引ダクト、７
４……クリーンユニツト、８０……噴出孔、８１
……吸引装置、８２……ダクト、８３……吸引孔
（スリツト）、８５……クリーンエアー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. クリーンルームを複数階形成し、これらクリー
   ンルームを貫通して形成した昇降路内にクリーン
   ユニツトを有する昇降体を配設し、この昇降体が
   対向自在で且つクリーンユニツトを有する連通路
   を各クリーンルームに形成し、前記連通路の両側
   に夫々開閉扉を設けると共に、前記昇降体の連通
   路に対向する面に昇降体用開閉扉を設け、前記昇
   降体と連通路とのうち一方に荷受台を設けると共
   に、他方に荷の搬入出装置を設け、前記連通路に
   おけるクリーンルーム側開閉扉の外側に吸引装置
   を設けたことを特徴とするクリーンルーム間の搬
   送装置。