JPH0582552U - 用紙排出装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 用紙排出時に用紙にシワを発生させることの
無い、コルゲーションにより用紙を排出する用紙排出装
置を提供する。 【構成】 排出される用紙Ａの中心部分に、回転軸１５
と共軸一体で排紙ローラ１６が備えられ、その左右両側
には、回転軸１５の長手方向に所定の距離を置いて、前
記用紙排出ローラ１６より径の小さい排紙ローラ１７が
各一個ずつ配置されている。また、排紙ローラ１６の両
側にリブ１４が、その左右両側の排紙ローラ１７のそれ
ぞれ外側にリブ１８が、排紙ローラー１６と排紙ローラ
１７とに用紙Ａを押し付けるように回転軸１５側に突設
されている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、印字装置における用紙排出装置の改良に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、印字装置において、用紙を送り方向と直交する方向に波状に湾曲させる ことにより用紙が送り方向に沿って曲がらないように排出する、いわゆるコルゲ ーションによる用紙の排出装置が知られている。この装置の代用的な例を図３、 図４に示す。

【０００３】 図３は印字装置の内部構成を示す説明図であり、その用紙の流れから、給紙部 ２１とプリンタ部２３と排紙部２５に大別される。給紙部２１には、給紙カセッ トを備え、このカセットの入れ替えによってサイズの異なる用紙が供給できる。 またプリンタ部２３には、公知の印刷手段を備えている。

【０００４】 図４は排紙部２５の構造を示す説明図であり、その構成は、回転軸３１と一体 回転可能に複数（ここでは３個）の排紙ローラ３３を備え、それらの排紙ローラ ３３の位置は、用紙Ａの中央（中心部分）に１個の排紙ローラ３３を、そして、 その右側、左側にそれぞれ所定の距離をおいて各一個ずつの排紙ローラ３３が備 えられている。また、各排紙ローラ３３の間には、用紙Ａを回転軸３１側に押し 付けるように押圧部材としてのリブ３５が備えられている。なお、このように用 紙の中心部分に排紙ローラ３３を備えたのは、用紙のサイズが変わっても、少な くとも中央の排紙ローラ３３は用紙に接触するため、各種サイズの用紙を最小の 排紙ローラ数にて効率よく排出することができるからである。

【０００５】 さらに、用紙Ａの中央に配置された排紙ローラ３３の近傍には、用紙の排出を 検出するためのペーパーエンプティセンサ３７が備えられている。

【０００６】 図３において、排紙トレイ２７は、排出される多数の用紙を貯留するため、お よびデザイン上の理由から、排出される用紙が用紙トレイ２７に対し上向きに送 り出されるように傾斜している。

【０００７】 次に、各構成の動作を説明する。図３において、プリント命令により給紙部２ １にて用紙が給紙され、プリンタ部２３でプリントされた後、排紙部２５に用紙 が搬送される。装置全体の容積および投影面積を小さくするために、給紙部２１ とプリント部２３と排紙部２５は一直線状に配置せず、図３のように立体的に配 置されている。図４において、図示しない駆動手段にて、回転軸３１と共軸一体 の３個の排紙ローラ３３が回転し、用紙を複数のリブ３５による押し付けにより 、用紙送り方向と直交する方向（用紙の幅方向）にたわませ、用紙の中心部分が 波の山部になるＷ状にして排紙トレイ２７（図３）上に排出させる。

【０００８】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記した従来の用紙排出装置では、用紙が図３に示すように給 紙部２１からプリンタ部２３を経て、排紙部２５へ反時計周りの経路を通って搬 送されるときに、用紙は排紙部２５に至る直前で、用紙送り方向に垂直な方向に 用紙上面側に凸状のたわみを有しているが、このたわみが排紙部２５で前述した ように、用紙送り方向に直交するＷ状のたわみに強制的にかえられるため、その たわみの変換点、とくにＷ状の波の谷部にあたるところに歪が発生し、用紙にシ ワが生じることがある。

【０００９】 本考案は上述した問題点を解決するためになされたものであり、用紙の排出時 に用紙にシワを発生させることの無い、コルゲーションによる用紙の排出装置を 提供することを目的としている。

【００１０】

【課題を解決するための手段】

この目的を達成するために本考案の用紙排出装置は、用紙を排出するために回 転駆動される回転軸と、その回転軸の長手方向に間隔を設けて配置される３個以 上の排紙ローラと、前記用紙を前記回転軸側に押し付ける押圧部材とを備え、前 記複数の排紙ローラのうち外側の排紙ローラの外径は、その中央の排紙ローラの 外径に比べて小さくして、前記押圧部材と排紙ローラに挟まれた用紙が用紙の幅 方向における中心付近を波の山の頂点としたたわみをもつように構成している。

【００１１】

【作用】

上記の構成を有する本考案の用紙排出装置によれば、用紙は本考案の用紙排出 装置に至る直前まで用紙送り方向に垂直で、かつ、用紙上面側に凸状のたわみを 有する状態で送られてきた後、複数の排紙ローラによる用紙の排出部で、用紙の 幅方向、すなわち用紙送り方向に直交する方向の用紙の中心線を、波の山の頂点 として曲げられる。このため、従来の装置と違って用紙には、屈曲方向の変換点 が一切生じることがなく、従って、シワが発生しない。

【００１２】

【実施例】

以下、本考案を具体化した一実施例を図面を参照して説明する。

【００１３】 図２は本実施例にかかる用紙排出装置を有する印字装置の内部構造の概要を示 す断面図である。この印字装置の構成は、従来の印字装置（図３）と共通するも ので、その用紙の流れから給紙部１とプリンタ部２と排紙部３に大別される。給 紙部１にはサイズの異なる用紙が給紙カセットの入れ替えにて給紙できる。

【００１４】 図１は排紙部３（用紙排出装置）を示す拡大正面図で、図１に示すように、排 出される用紙Ａの中央（中心部分）に、回転軸１５と共軸一体で排紙ローラ１６ が備えられている。その左右両側には、回転軸１５の長手方向に所定の距離を置 いて、前記用紙排出ローラ１６より外径の小さい排紙ローラ１７が各一個ずつ配 置されている。これらの排紙ローラ１６・１７は、図示しない駆動源によって回 転軸１５とともに、図２において反時計方向に回転する。

【００１５】 さらに、排紙ローラ１６の両側にリブ１４が、また、その左右両側の排紙ロー ラ１７のそれぞれ外側にリブ１８が、それぞれ回転軸１５側に突設され、排紙ロ ーラ１６と排紙ローラ１７とに用紙Ａを押し付けるように構成されている。そし て、排紙ローラ１６の両側に配置されているリブ１４の回転軸１５側への突出量 は、その両側の排紙ローラ１７のそれぞれ外側に配置されているリブ１８の突出 量よりも小さく設定されている。なお、図１中の符号１９は、ペーパーエンプテ ィセンサである。

【００１６】 用紙Ａがこの排紙部３から排出されるとき、用紙Ａは中心の排紙ローラ１６と その両側の排紙ローラ１７に対して、リブ１４およびリブ１８によって押し付け られる。中央の排紙ローラ１６の外径は、その両側の排紙ローラ１８の外径より も大きいため、用紙Ａは回転軸１５の回転にともなって用紙Ａの中心を波の山の 頂点とした、用紙送り方向に対し直交する方向で、用紙Ａの上面側を凸としたた わみをもって排出される。したがって、排紙部３の直前まで用紙Ａが送り方向に 垂直で、かつ用紙Ａの上面側に凸状のたわみを有する状態で送られてきても、排 紙部３ではそのたわみの位置や方向にほとんど変化がないために、用紙Ａにシワ が生じるなどの問題が起こらない。

【００１７】 尚、上記実施例では、排紙ローラが３個備えられた場合について説明したが、 排紙ローラが４個の場合には、中央に配置された２個の排紙ローラを同径とし、 この排紙ローラの外側に外径の小さい排紙ローラを配置すればよい。また、排紙 ローラが５個の場合には、中央の排紙ローラに隣接して外径の小さい排紙ローラ を配置し、その外側にさらに外径の小さい配置すればよい。すなわち、中央から 外側に向かって徐々に外径が小さくなるように排紙ローラを配置すればよい。

【００１８】

【考案の効果】

以上説明したことから明かなように、本考案の用紙排紙装置は、従来の装置に おいて中央の排紙ローラの外径をその外側のローラに比べて大きくするという構 造の簡単な変更により、用紙にシワを発生させることがないという優れた効果を 奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の用紙排出装置の実施例を示す正面図で
ある。

【図２】本考案の実施例にかかる用紙排出装置を有する
印字装置の内部構造の概要を示す断面図である。

【図３】従来の一般的な印字装置の概要を示す断面図で
ある。

【図４】従来の一般的な用紙排出装置を示す正面図であ
る。

【符号の説明】

１ 給紙部 ２ プリンタ部 ３ 排紙部 １４・１８ リブ １５ 回転軸 １６・１７ 排紙ローラ １９ ペーパーエンプティセンサ Ａ 用紙

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 用紙を排出するために回転駆動される回
   転軸と、 その回転軸の長手方向に間隔を設けて配置される３個以
   上の排紙ローラと、 前記用紙を前記回転軸側に押し付ける押圧部材とを備
   え、 前記複数の排紙ローラのうち外側の排紙ローラの外径
   は、その中央の排紙ローラの外径に比べて小さくして、
   前記押圧部材と排紙ローラに挟まれた用紙が用紙の幅方
   向における中心付近を波の山の頂点としたたわみを持つ
   ように構成したことを特徴とする用紙排出装置。