JP2535118Y2 - プリンタ用排紙装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、プリンタ用排紙装置、特に、排紙部にお
いて紙詰まりを生じないプリンタ用排紙装置に関するも
のである。

〔従来の技術〕

従来のこの種のプリンタにあつては、従来装置の一例
を示す第２図に示すように、プリンタ本体（１）の前面
に給紙カセツト（２）及びインクシートカセツト（３）
が挿入され、印写された記録紙（４）は上面に設けた排
紙トレイ部（５）に排紙されるように構成されている。
すなわち、第３図に示すように、給紙カセツト（２）か
ら給紙された記録用紙は印写部（６）において印写され
て記録紙（４）となつた後、案内部材及び排紙装置
（７）により、排紙トレイ（８）内に送り込まれた後、
落下し、排紙トレイ（８）内に積載される。

以上の従来例に対して操作面を１面に集めた改良例を
示すと第４図〜第７図に示すとおりである。

図において、符号（11）はプリンタ本体であつて、記
録紙（４）が排出されてくる搬出口（12）が給低カセツ
ト（２）等を挿入する操作面に設けられており、印写さ
れた記録紙は、排紙方向（13）に紙出ローラ（14）によ
り排紙トレイ（15）内、すなわち、トレイ下部（15a）
とトレイ上部（15b）との間に送り出される。この記録
紙（４）は、排紙トレイ（15）に支持軸（19）により軸
支されている回動自在のレバー（18）の先端によつて搬
出方向（16）へ記録紙（４）の後端を押して押し出され
る。この２個のレバー（18）間は連結リンク（20）によ
り連結されて同一回動動作をする。上記レバー（18）、
連結リンク（20）及び図示されていないレバー（18）の
回転駆動源により押出装置（21）が構成されている。

次に符号（22）は送り装置で、搬送駆動ローラ（17
a）とこれに圧接しているピンチローラ（17b）とから構
成される搬送ローラ（17）を有しており、押出装置（2
1）により押し出されてくる記録紙（４）の搬出方向（1
6）の前端縁を受けて挾持し、回転して記録紙（４）を
搬出方向（16）に搬出する。

〔考案が解決しようとする問題点〕

従来装置は、上記のように構成され、初めに示した例
では、排紙装置（７）の排紙ローラの接線と排送方向と
で形成する排送面と、排紙トレイ（８）の底面との間
に、記録紙（４）に生ずるソリ以上の段差をつけて、記
録紙（４）の排出を確実にして紙詰まりを生じないよう
にしなければならず、また、後に述べた改良例にあつて
は、押出装置（21）による押出し位置、搬出位置（22）
の搬送駆動ローラ（17a）とピンチローラ（17b）との接
線、及び、記録紙（４）の位置とソリの関係で、回転し
ている上記両ローラの間に記録紙（４）が適切に挿入さ
れずに引つ掛つたり、あるいは、記録紙が静電気を帯電
して排紙トレイに吸着して摩擦抵抗を増加し、それらの
結果、紙詰まりを生ずるという問題点を有していた。

この考案は、上記のような問題点を解決するためにな
されたもので、排紙部において紙詰まりを生じないプリ
ンタ用排紙装置を得ることを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

この考案に係るプリンタ用排紙装置は、排紙トレイの
記録紙を受ける部分の上面と下面とに、相互に対してい
る複数個の突条を設け、上下の各突条の先端を含む上下
の包絡面が、搬出装置の記録紙の当接面又は通過部をほ
ぼ包含するように構成しているものである。

〔作用〕 この考案装置によると、突条の包絡面が搬出装置の当
接面又は通過部をぼほ包含しているので、搬出装置によ
る搬出作用は記録紙をして正しく搬出装置に対応させ、
従つて、記録紙は適正に搬出されて、紙詰まりを生じな
い。

〔実施例〕

以下、この考案をその一実施例を示す図面に基づいて
説明する。

第1A図及び第1B図において、排紙トレイ（15）のトレ
イ下部（15a）には高さがそれぞれ異なる複数個例えば
３本の下部突条（31a）（31b）（31c）が設けられてお
り、また、トレイ上部（15b）には、同様に高さを異に
して下部突条（31a）〜（31c）との間隔がぼぼ同一の上
部突条（32a）（32b）（32c）が下部突条（31a）〜（31
c）に対向して設けられている。また、下部突条（31a）
〜（31c）の先端を含む包絡面（31d）と、上部突条（32
a）〜（32c）の先端を含む包絡面（32d）とは、搬出装
置である送り装置（22）側では、搬送駆動ローラ（17
a）とピンチローラ （17b）との接線のほぼ両側、最適
には僅かに搬送駆動ローラ（17a）側にずれて位置する
ように、上下部突条（31a）〜（31c），（32a）〜（32
c）の高さが定められ、また、同様に搬送装置である押
出装置（21）側では、レバー（18）の先端に記録紙
（４）の後端が当たるように上下部突条（31a）〜（31
c），（32a）〜（32c）の高さが定められている。

この実施例は、上記のように構成されているので、記
録紙（４）は上下部突条（31a）〜（31c），（32a）〜
（32c）間に排紙されるようになり、従つて、記録紙
（４）に生ずるソリは矯正され、しかも、上下部突条の
先端で形成する包絡面間に記録紙（４）が位置するため
に、押出装置（21）側ではレバー（18）の記録紙（４）
との当接部での高さ方向の位置ずれも少なく、適正に記
録紙（４）は押され、また、送り装置（22）側でも、記
録紙（４）は送り装置（22）の両ロール間に適正に送り
込まれ、従つて、記録紙（４）は紙詰まりを生ずること
なく、押し出され、かつ、搬出される。

〔考案の効果〕

以上のように、この考案によれば、排紙トレイのトレ
イ下部とトレイ上部とに相互に対向している複数個の突
条を設え、各突条の先端を含む上下の包絡面が、搬出装
置の記録紙の当接面又は通過部をぼぼ包含するように構
成されているので、排紙トレイに排出された記録紙は突
条によつてそのソリを矯正されると共に静電気帯電によ
つても吸着されず、従つて、摩擦抵抗の増大もなく、ま
た、包絡面と記録紙の当接面又は通過部との関係によつ
て、記録紙は適正に押され、かつ、適正に通過部に導入
され、従つて、紙詰まりを生ずることもないプリンタ用
排紙装置が得られる効果を有している。

【図面の簡単な説明】

第1A図はこの考案の一実施例による平面図、第1B図は第
1A図の正面図、第２図は従来のプリンタの一例の全体斜
視図、第３図は第２図の要部断面説明図、第４図は従来
のプリンタの他の例の全体斜視図、第５図は第４図の要
部断面斜視図、第６図は第５図の要部平面図、第７図は
第６図のVII部の矢視図である。 （４）……記録紙、（15）……排紙トレイ、（15a）…
…トレイ下部、（15b）……トレイ上部、（16）……搬
出方向、（17a）……搬送駆動ローラ、（17b）……ピン
チローラ、（18）……レバー、（19）……支持軸、（2
1）……搬出装置（押出装置）、（22）……搬出装置
（送り装置）、（31a）〜（31c）……下部突条、（32
a）〜（32c）……上部突条、（31d）（32d）……包絡
面。 なお、各図中、同一符号は同一又は相当部分を示す。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 畑山 裕 広島県福山市緑町１番８号 三菱電機株 式会社福山製作所内 (72)考案者 小池 清 広島県福山市緑町１番８号 三菱電機株 式会社福山製作所内

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】トレイ下部、及びこのトレイ下部に対向す
   るトレイ上部を有し、印写され排紙されてくる記録紙を
   受ける排紙トレイと、 この排紙トレイの一端部に回動可能に設けられ、上記排
   紙トレイ上に排紙された記録紙を上記排紙トレイへの排
   紙方向と直角な方向へ押し出す押出装置と、 上記排紙トレイの上記押出装置が設けられている端部に
   対向する端部に沿って設けられている搬送駆動ローラ及
   びピンチローラを有し、上記押出装置によって押し出さ
   れた記録紙を上記排紙トレイ外へ搬出する送り装置と を備え、 上記トレイ下部及び上記トレイ上部には、上記排紙トレ
   イへの排紙方向と平行に延び互いに対向する複数の突条
   がそれぞれ設けられており、かつ上記突条の先端を含む
   上下の包絡面の上記送り装置側端部が上記搬送駆動ロー
   ラと上記ピンチローラとの接線を含むように、上記突条
   が設けられていることを特徴とするプリンタ用排紙装
   置。