JP2517931Y2 - 出力機器における排紙装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、プリンタ、複写機などの出力機器において
印字済の用紙を排紙トレイに導入する排紙装置に係り、
特に反りやすい葉書のような厚紙の反りを矯正するよう
にした出力機器における排紙装置に関する。

〔従来の技術〕

一般に、コンパクトな構成の出力機器においては、内
部に弯曲した用紙搬送通路が形成されている。

〔考案が解決しようとする問題点〕 前述した弯曲した用紙搬送通路が内部に形成されてい
る出力機器により葉書のような厚紙に印字を行なうと、
厚紙が弯曲した用紙搬送通路を通過する際に反ってしま
い、反ったままで排紙トレイに導入されてしまうという
問題点があった。

本考案は、このような従来のものにおける問題点を解
決し、弯曲した用紙搬送通路を通過して反った用紙の反
りを矯正して排紙するようにした出力機器における排紙
装置を提供することを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

前述した問題点を解決する本考案は、弯曲した用紙搬
送通路を備え、この用紙搬送路を経由して印字部に搬送
された用紙に印字を行なうとともに、印字済の用紙を前
記印字部の上方に備えられた排紙ローラにより、この排
紙ローラの上方に配設された排紙トレイに導入する出力
機器において、前記排紙ローラの外周位置に、前記印字
済の用紙を前記排紙トレイ内に導くための前記排紙ロー
ラと所定間隔を有する円弧状のガイド板を配設し、前記
印字済の用紙が前記排紙ローラにより前記排紙トレイに
導入されるまでの排紙経路を、前記排紙ローラおよび前
記ガイド板間から前記排紙トレイの表面に沿うように湾
曲して排紙トレイに導入される用紙の反る方向が前記弯
曲した用紙搬送通路を通過する際の反りと逆方向となる
ように前記排紙ローラに対して前記排紙トレイおよびガ
イド板を配置することにより形成するとともに、前記排
紙トレイの上部先端部に用紙間の摩擦により移動する用
紙を停止させるストッパを、この排紙トレイに収納され
る用紙の先端部と所定の間隔を有するように突設したこ
とを特徴としている。

〔作用〕

前述した構成の本考案によれば、弯曲した用紙搬送通
路を通過する際に用紙が反っても排紙ローラにより排紙
トレイに導入される際に逆方向に反るので反りが矯正さ
れる。また、このように排紙トレイに反った用紙が導入
される際に逆方向に反らせようとすると、この用紙が排
紙トレイ内に既に導入されている用紙に当接する際に大
きな負荷が作用するが、この負荷を排紙トレイに導入さ
れつつある用紙が排紙トレイ内に既に導入されている用
紙を摩擦力により移動させることにより負荷を逃がすこ
とができる。そして、排紙トレイに導入される用紙に従
動される用紙はストッパに当接して停止される。

〔実施例〕

以下、本考案を図面に示す実施例により説明する。

第２図は出力機器の一例としてのプリンタ１に自動給
紙装置２を搭載した状態を示すものであり、前記プリン
タ１はプラテン３を備えており、このプラテン３の長手
方向に沿ってキャリッジ４が移動可能に配設されてい
る。このキャリッジ４には前記プラテン３に対向する印
字ヘッド５が搭載されており、キャリッジ４を傾動させ
て印字ヘッド５をプラテン３に圧接するようにしてこの
プラテン３および印字ヘッド５間の印字部６に位置する
用紙Ｓに印字を行なうようになっている。前記プリンタ
１には、第１図に示すように、前記印字部６へ用紙Ｓを
供給するための大径でゴム製の搬送ローラ7Aが前記プラ
テン３の背部に配設されており、この搬送ローラ7Aは、
プリンタ本体８内に配設されている図示しないモータに
より回転駆動されるようになっている。また、前記搬送
ローラ7Aには、２個のガイドローラ7B,7Bが当接してお
り、これらの搬送ローラ7Aおよび各ガイドローラ7B間に
用紙Ｓを挟持して搬送する円弧状に弯曲した用紙搬送通
路９が形成されている。さらに、これらの搬送ローラ7A
およびガイドローラ7B間の用紙搬送通路９に用紙Ｓを導
入するためのガイド板10がガイドローラ7Bの端部に傾斜
状に突設されている。さらにまた、前記印字部６におい
て印字ヘッド５により印字された用紙Ｓは、この印字部
６の直上に導出されるようになっている。

前記プリンタ１のプリンタ本体８上に着脱可能に搭載
される自動給紙装置２の給紙装置本体11には傾斜板部12
が形成されており、この傾斜板部12の上端部には、水平
方向に延在する支軸13が配設されている。この支軸13に
は、傾斜板部12上に載置される給紙トレイ14が回動自在
に枢着されている。

前記給紙装置本体11には、給紙トレイ14の下端部と間
隔を隔てて給紙ローラ15が回転自在に支持されており、
この給紙ローラ15は、自動給紙装置２をプリンタ１に搭
載した状態において前記プリンタ本体８のガイド板10の
延長線がほぼ接線をなす位置に配設されている。この給
紙ローラ15は反時計方向に回転して給紙トレイ14内の用
紙Ｓをプリンタ１の搬送ローラ7Aおよびガイドローラ7B
間に供給するようになっている。一方、前記傾斜板部12
および給紙トレイ14間には、給紙トレイ14に第１図にお
いて反時計方向への回動習性を与えるコイルばね16が介
装されており、このコイルばね16により給紙トレイ14の
下端部は給紙ローラ15に圧接し得るようになっている。
また、前記給紙トレイ14の近傍の給紙装置本体11上に
は、給紙トレイ14内に収納されている用紙Ｓの端面を支
持する基台17が立設されており、この基台17には、前記
給紙トレイ14とほぼ直交する方向の支持面18が形成され
ている。

前記給紙ローラ15の隣接位置の給紙装置本体11には、
印字済の用紙Ｓを収納する排紙トレイ19が形成されてい
る。この排紙トレイ19は、傾斜状の背板20と同じく傾斜
状の底板21とにより断面ほぼＬ字状に形成されており、
この排紙トレイ19内に用紙Ｓを導入するための排紙ロー
ラ22が排紙トレイ19の斜め下方の給紙装置本体11に回転
自在に支持されている。この排紙ローラ22は、プリンタ
１の印字部６の上方に突出した印字済の用紙Ｓを反時計
方向に回転して排紙トレイ19内に導入するようになって
おり、その外周面23は摩擦力を得るため凹凸状に形成さ
れている。そして、前記排紙ローラ22に対する排紙トレ
イ19は、排紙ローラ22により排紙トレイ19内に導入され
る用紙Ｓが前記用紙搬送通路９を通過する際に生じた反
りと逆方向に反るように位置決めされている。さらに、
この排紙ローラ22の外周位置には、用紙Ｓを排紙トレイ
19内に導くための円弧状のガイド板24が配設されてい
る。なお、排紙トレイ19の上端部には、排紙ローラ22に
より排紙トレイ19内に導入される用紙Ｓとの摩擦力によ
り排紙トレイ19内において移動される用紙Ｓが所定距離
だけ移動して停止されるようにするためのストッパ25が
この排紙トレイ19に収納される用紙Ｓの先端部と所定の
間隙をもって取付けられている。そして、前記給紙ロー
ラ15および搬送ローラ22は、自動給紙装置２に設けられ
ているステッピングモータ（図示せず）により選択的に
回転駆動されるようになっている。また、前記給紙ロー
ラ15による用紙Ｓの搬送速度（周速）は、前記搬送ロー
ラ7Aによる用紙Ｓの搬送速度（周速）より速くされてい
る。

なお、前記給紙装置本体11の下端には左右に間隙を隔
てて１対のアーム26,26が傾斜状に垂設され、各アーム2
6の先端はフォークエンド27とされており、このフォー
クエンド27がプリンタ本体８の支持軸28に嵌合して自動
給紙装置２がプリンタ１に搭載されることとなる。

つぎに、前述した実施例の作用について説明する。

第２図に示すようにプリンタ１に自動給紙装置２を搭
載して印字を行なうには、まず自動給紙装置２の給紙ト
レイ14に所定のサイズの複数枚の用紙Ｓを重積する。そ
して、プリンタ１の印字ボタン（図示せず）を押すと、
自動給紙装置２の図示しないステッピングモータの駆動
により給紙ローラ15が第１図において反時計方向に回転
されるとともに、プリンタ本体８内の図示しないモータ
の駆動により搬送ローラ7Aが給紙ローラ15より遅い搬送
速度で第１図において反時計方向に回転される。そし
て、給紙ローラ15の回転駆動によりコイルばね16の作用
により給紙ローラ15に圧接している用紙Ｓが給紙トレイ
14から送出され、プリンタ１のガイド板10に沿ってプリ
ンタ本体８内に導入されて搬送ローラ7Aおよびガイドロ
ーラ7B間に供給される。このとき用紙Ｓが反っていてそ
の先端が搬送ローラ7Aおよびガイドローラ7B間に導入さ
れず搬送ローラ7Aまたはガイドローラ7Bの周面に当接し
たとしても搬送ローラ7Aおよびガイドローラ7Bの回転に
より搬送ローラ7Aおよびガイドローラ7B間に導入される
ことになる。

また、給紙ローラ15により用紙Ｓが斜めに供給されて
も、給紙ローラ15による用紙Ｓの搬送速度が搬送ローラ
7Aによる用紙Ｓの搬送速度より速いので、用紙Ｓの先端
が搬送ローラ7Aおよびガイドローラ7B間に到達した時に
用紙Ｓが後ろから押されるようにして正規の向きに矯正
される。

その後搬送ローラ7Aにより用紙Ｓの所定位置が印字部
６に対向するまで用紙Ｓを搬送する。そして、用紙Ｓが
所定位置において停止したらキャリッジ４が走行して印
字ヘッド５により用紙Ｓ上にシリアル印字を行なう。そ
して、再度搬送ローラ7Aが回転駆動されて用紙Ｓを１行
分紙送りしたらこの紙送りの間に元の位置に復帰してい
たキャリッジ４が再度走行して印字ヘッド５により用紙
Ｓ上に再度シリアル印字を行なう。このようにして印字
ヘッド５による印字と搬送ローラ7Aによる用紙Ｓの搬送
を交互に行なっていくうちに用紙Ｓの先端は次第にプリ
ンタ１の印字部６上に突出して自動給紙装置２のガイド
板24に沿って排紙トレイ19の方に搬送される。そして、
印字が終了して用紙Ｓの後端が搬送ローラ7Aおよびガイ
ドローラ7B間から外れたら、搬送ローラ7Aを駆動するモ
ータが停止されるとともに、自動給紙装置２のステッピ
ングモータ26が逆方向に回転し、排紙ローラ22が第１図
において反時計方向に回転され、印字済の用紙Ｓを排紙
トレイ19内に導入する。

ところで、葉書のような厚紙からなる用紙Ｓに印字す
る場合、用紙Ｓが搬送ローラ7Aおよびガイドローラ7B間
の弯曲状の用紙搬送通路９を通過する際に用紙搬送通路
９に沿うように反ってしまうが、この反った用紙Ｓが排
紙ローラ22により排紙トレイ19内に導入される際に今ま
でとは逆方向に反るので、用紙Ｓの反りは矯正され用紙
Ｓは平面状態となって排紙トレイ19内に導入されること
になる。また、用紙Ｓを排紙トレイ19内に導入する際に
用紙Ｓを今までとは逆方向に反らせようとすると用紙Ｓ
の弾性による反力により用紙Ｓが排紙トレイ19内に既に
収納されている隣接する用紙Ｓに当接する際に両者間に
大きな負荷（摩擦力）が作用するが、この摩擦力により
隣接する用紙Ｓは排紙トレイ19内を移動して逃げること
になる。そして、この隣接する用紙Ｓはストッパ25に当
接して停止される。

なお、排紙トレイ19内にまだ用紙Ｓが全くない状態に
おいては隣接する用紙Ｓを移動させて負荷から逃れると
いうことはできないが、排紙トレイ19は比較的滑りやす
い材質により形成されており、しかも排紙トレイ19内に
用紙Ｓが全くない状態においては用紙Ｓの排紙トレイ19
に対する当り角も緩やかになっているため、負荷は小さ
くて済み支障はない。

このように本実施例によれば、搬送ローラ7Aによる用
紙Ｓの搬送速度より給紙ローラ15による用紙Ｓの搬送速
度を速くしてこれらの搬送ローラ7Aおよび給紙ローラ15
を同期的に回転駆動するので、反っている用紙Ｓでも確
実に搬送ローラ7Aおよびガイドローラ7B間に導入できる
し、また、斜めに供給された用紙Ｓを正規の向きに矯正
することができる。さらに、排紙ローラ7Aおよびガイド
ローラ7B間の用紙搬送通路９を通過する際に厚紙からな
る用紙Ｓに生じた反りは排紙ローラ22により排紙トレイ
19内に導入される際に矯正されるし、排紙トレイ19に
は、ストッパ25がこの排紙トレイ19に収納される用紙Ｓ
の先端部と所定の間隔をもって取付けられているので、
印字を終え排紙される用紙Ｓが排紙トレイにすでにスト
ックされている用紙Ｓを押し上げながら排紙されること
により、新たに排紙される用紙Ｓとストックされている
用紙Ｓとの摩擦による負荷を軽減でき、しかも、用紙Ｓ
が排紙トレイ19から突出するおそれもない。さらにま
た、ステッピングモータ26が独立しているのでその制御
を簡単に行なうことができるし、給紙ローラ15、排紙ロ
ーラ22はいずれか一方が選択的に回転されるので、余分
な用紙Ｓがプリンタ本体８内に導入されるおそれがな
い。

なお、本考案は、前述した実施例に限定されるもので
はなく、必要に応じて種々の変更が可能である。

〔考案の効果〕

以上説明したように本考案によれば、弯曲した用紙搬
送通路を通過して反った用紙の反りを矯正して平面状態
で排紙トレイに導入することができる。また、ストッパ
の存在により、用紙を排紙トレイから突出させることな
く、新たに排紙される用紙とストックされている用紙と
の摩擦による負荷を軽減することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る出力機器における排紙装置の実施
例を示す縦断面側面図、第２図は第１図の概略斜視図で
ある。 １……プリンタ、２……自動給紙装置、３……プラテ
ン、４……キャリッジ、５……印字ヘッド、7A……搬送
ローラ、7B……ガイドローラ、８……プリンタ本体、９
……用紙搬送通路、11……給紙装置本体、14……給紙ト
レイ、15……給紙ローラ、16……コイルばね、19……排
紙トレイ、22……排紙ローラ、25……ストッパ。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】弯曲した用紙搬送通路を備え、この用紙搬
   送路を経由して印字部に搬送された用紙に印字を行なう
   とともに、印字済の用紙を前記印字部の上方に備えられ
   た排紙ローラにより、この排紙ローラの上方に配設され
   た排紙トレイに導入する出力機器において、前記排紙ロ
   ーラの外周位置に、前記印字済の用紙を前記排紙トレイ
   内に導くための前記排紙ローラと所定間隔を有する円弧
   状のガイド板を配設し、前記印字済の用紙が前記排紙ロ
   ーラにより前記排紙トレイに導入されるまでの排紙経路
   を、前記排紙ローラおよび前記ガイド板間から前記排紙
   トレイの表面に沿うように湾曲して排紙トレイに導入さ
   れる用紙の反る方向が前記弯曲した用紙搬送通路を通過
   する際の反りと逆方向となるように前記排紙ローラに対
   して前記排紙トレイおよびガイド板を配置することによ
   り形成するとともに、前記排紙トレイの上部先端部に用
   紙間の摩擦により移動する用紙を停止させるストッパ
   を、この排紙トレイに収納される用紙の先端部と所定の
   間隔を有するように突設したことを特徴とする出力機器
   における排紙装置。