JPH058086U - エンジン支持用防振ゴム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 エンジン或はエンジン作業機の支持用防振ゴ
ムに関し、運転中のエンジンの左右或は上下の振動を抑
制する。 【構成】 上側支持板１及びゴム体３を内周側振れ止め
カバー７で上から覆い、ゴム体３の左右側壁５の各押圧
部６を内周側振れ止めカバー７の受け止め部８に左右方
向のクリアランス１０を介して臨ませ、内周側振れ止め
カバー７の押圧部１１を内周側カバー７の外周側の振れ
止めカバー１２の受け止め部１４に上下方向のクリアラ
ンス１５及び弾圧部材１３を介して下側から臨ませる。
これにより、エンジン回転数の変化などによる共振で防
振ゴムが大きく振動しようとしても、内周側及び外周側
の振れ止めカバー７・１２の受け止め作用で、上下或は
左右の振動をスムーズに吸収して、防振ゴムやエンジン
の破損を防止できる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、エンジン或はエンジン作業機の支持用防振ゴムに関し、運転中のエ ンジンの左右或は上下の振動を抑制して、防振ゴムやエンジン本体の破損を防止 できるものを提供する。

【０００２】

【従来の技術】

本考案の対象になるエンジン支持用防振ゴムの基本構造は、図１又は図２に示 すように、エンジン側である上側の支持板１と支持体４側である下側の支持板２ とに柱状のゴム体３を介装した形式のものである。

【０００３】 この形式の従来技術としては、図２に示すように、円柱状のゴム体３の上下両 側に支持板１・２を溶着し、エンジンＥと支持体４との間に当該防振ゴム２０を 各々締結具５０で固定したものが一般的である。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

エンジンは低速域から高速域までの広い範囲で運転するため、上記従来技術の ような防振ゴムでこの広い範囲を防振することは容易でない。例えば、所定回転 数で運転しているエンジンの振動を吸収できたとしても、回転数が変化すると防 振ゴムが共振を起こしてしまう場合がある。

【０００５】 また、図２に示すように、ベルト伝動しているエンジン発電機などの場合、ベ ルト５１の張力の変化に伴い防振機能が低下したり、共振を起こしたりする。 そして、エンジン回転数やベルト張力の変化で共振などが起こると、防振ゴム が左右或は上下方向に大きく振動するため、防振ゴム自体が破損したり、エンジ ンが周辺機器に接触して損壊する虞れがある。 本考案は、防振ゴムの左右或は上下方向の振動を抑制して防振ゴムなどの破損 を防止することを技術的課題とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記課題を達成するための手段を、実施例を示す図面により以下に説明する。 即ち、本発明は、前記基本構造のエンジン支持用防振ゴムにおいて、 上側の支持板１及びゴム体３を内周側振れ止めカバー７で上から覆い、内周側 振れ止めカバー７と上側支持板１をエンジンに共締め固定し、ゴム体３の左右の 側壁５に設けた各押圧部６を内周側振れ止めカバー７の受け止め部８に左右方向 のクリアランス１０を介して臨ませ、 内周側振れ止めカバー７の外側に外周用振れ止めカバー１２を弾性部材１３を 介して配置し、内周側振れ止めカバー７の下側の押圧部１１を外周側振れ止めカ バー１２の上側の受け止め部１４に上下方向のクリアランス１５及び弾性部材１ ３を介して臨ませ、外周側振れ止めカバー１２を下側の支持板２とは別体に支持 体４に固定したことを特徴とするものである。

【０００７】

【作用】

エンジン回転数やベルト張力の変化で防振ゴムが共振して大きく振動しようと すると、ゴム体３の押圧部６が内周側振れ止めカバー７の受け止め部８に弾圧接 触して拘束されるので、ゴム体３の左右方向の振動はこの内周側振れ止めカバー ７によってスムーズに抑制される。 また、ゴム体３と一体に共締めされた内周側振れ止めカバー７の押圧部１１が 弾性部材１３を介して外周側振れ止めカバー１２の受け止め部１４に接触するの で、ゴム体３の上下方向の振動はスムーズに弾性部材１３に吸収されて、上下方 向の振動は抑制される。 従って、防振ゴムの上下或は左右への過剰な振動はなくなり、防振ゴムの振動 は適正許容範囲内に制限される。

【０００８】

【考案の効果】

エンジン回転数やベルト張力の変化による共振で防振ゴムが大きく振動しよう とすると、内周側及び外周側の振れ止めカバーの受け止め作用で、上下或は左右 の振動をスムーズに吸収して抑制できるので、防振ゴム自体の破損を防止できる とともに、エンジンが周辺機器に接触して損壊することもなくせる。

【０００９】

【実施例】

以下、本発明の実施例を図面に基づいて述べる。図１は防振ゴムの支持構造を 示す要部切欠正面図であって、防振ゴム２０は円柱状のゴム体３の上下に支持板 １・２を溶着した防振ゴム本体１６と、防振ゴム本体１６を覆う内周側振れ止め カバー７及び外周側振れ止めカバー１２とから構成される。 防振ゴム本体１６の上側の支持板１を締結ボルト１８ａ及びナット１８ｂでエ ンジンから延出した固定脚１７に締結し、下側の支持板２を機体フレームなどの 支持体４に締結ボルト１９ａ及びナット１９ｂで締結する。

【００１０】 上側の支持板１及びゴム体３をカップ状の内周側振れ止めカバー７で上から被 せ付けるように覆い、内周側振れ止めカバー７を上側の支持板１とともに締結ボ ルト１８ａで前記固定脚１７に共締め固定し、内周側振れ止めカバー７のカップ 内壁２１を左右方向のクリアランス１０を介してゴム体３の左右の側壁５に臨ま せる。 この場合、ゴム体３の側壁５の下部を押圧部６として、内周側振れ止めカバー ７のカップ内壁２１の下部の受け止め部８に対して弾圧接触可能に対向させる。 上記下側の支持板２の外周部２ａをゴム体３内に折り上げ、当該外周部２ａが 内周側振れ止めカバー７の受け止め部８に接触不能に構成する。

【００１１】 偏平カップ状の外周側振れ止めカバー１２の上壁２２に開口２３を開け、上記 内周側振れ止めカバー７に当該開口２３を外嵌して外周用振れ止めカバー１２を 内周側カバー７の外側に配置する。 内周側振れ止めカバー８の下端部８ａを鍔状に屈曲し、この鍔状押圧部１１に 断面矩形状のゴムリング１３を固着し、当該内周側カバー８のゴムリング１３を 外周側振れ止めカバー１２の上壁２２側の受け止め部１４に上下方向のクリアラ ンス１５を介して臨ませる。 この場合、内周側振れ止めカバー７の鍔状押圧部１１を外周側振れ止めカバー １２の受け止め部１４にクリアランス１５及び弾圧部材１３を介して臨ませるの で、図１に示す本実施例ではゴムリング１３を内周側振れ止めカバー７の方に固 着したが、外周側振れ止めカバー１２の上壁２２にゴムリング１３を固着し、こ のゴムリング１３を内周側振れ止めカバー８の鍔状押圧部１１に上から臨むよう にしても差し支えない。 上記外周側振れ止めカバー１２の下端外周部１２ａを鍔状に屈曲し、この下端 外周部１２ａを前記支持体４に締結具２４で防振ゴム本体１４の下側支持板２と は別体に固定する。

【００１２】 そこで、本防振ゴムの機能を述べると、エンジン回転数やベルト張力の変化に よる共振で防振ゴムが大きく振動しようとすると、ゴム体３の押圧部６が内周側 振れ止めカバー７の受け止め部８に弾圧的に受け止められ、防振ゴム本体１６の 動きは当該カバー７内に制限されるので、ゴム体３の左右方向の振動は抑制され る。 また、ゴム体３と一体に共締めされた内周側振れ止めカバー７の押圧部１１及 びゴムリング１３が外周側振れ止めカバー１２の受け止め部１４に弾圧的に受け 止められて拘束されるので、ゴム体３の上下方向の振動はやはり抑制される。 従って、防振ゴム２０の上下或は左右への過剰な振動はなくなるので、防振ゴ ム２０自体の破損を防止できるとともに、エンジンが周辺機器に接触して損壊す ることもなくせる。

【図面の簡単な説明】

【図１】防振ゴムの支持構造を示す要部切欠正面図であ
る。

【図２】従来技術を示す防振支持構造の概略説明図であ
る。

【符号の説明】

１ 上側支持板 ２ 下側支持板 ３ ゴム体 ４ 支持体 ５ ３の側壁 ６ ３の押圧部 ７ 内周側振れ止めカバー ８ ７の受け止め部 １０ 左右方向のクリアランス １１ ７の押圧部 １２ 外周側振れ止めカバー １３ 弾圧部材 １４ １２の受け止め部 １５ 上下方向のクリアランス

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項１】 エンジン側である上側の支持板(１)と支
   持体(４)側である下側の支持板(２)とに柱状のゴム体
   (３)を介装したエンジン支持用防振ゴムにおいて、 上側の支持板(１)及びゴム体(３)を内周側振れ止めカバ
   ー(７)で上から覆い、内周側振れ止めカバー(７)と上側
   支持板(１)をエンジンに共締め固定し、ゴム体(３)の左
   右の側壁(５)に設けた各押圧部(６)を内周側振れ止めカ
   バー(７)の受け止め部(８)に左右方向のクリアランス
   (１０)を介して臨ませ、 内周側振れ止めカバー(７)の外側に外周用振れ止めカバ
   ー(１２)を弾性部材(１３)を介して配置し、内周側振れ
   止めカバー(７)の下側の押圧部(１１)を外周側振れ止め
   カバー(１２)の上側の受け止め部(１４)に上下方向のク
   リアランス(１５)及び弾性部材(１３)を介して臨ませ、
   外周側振れ止めカバー(１２)を下側の支持板(２)とは別
   体に支持体(４)に固定したことを特徴とするエンジン支
   持用防振ゴム。