JPH0579316B2 - - Google Patents

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JPH0579316B2
JPH0579316B2 JP58199862A JP19986283A JPH0579316B2 JP H0579316 B2 JPH0579316 B2 JP H0579316B2 JP 58199862 A JP58199862 A JP 58199862A JP 19986283 A JP19986283 A JP 19986283A JP H0579316 B2 JPH0579316 B2 JP H0579316B2
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JP
Japan
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maltose
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temperature
maltotriose
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JP58199862A
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Zenichi Yoshino
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Sanwa Kousan Co Ltd
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Sanwa Kousan Co Ltd
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Priority to DE19843438664 priority patent/DE3438664A1/de
Priority to US06/663,919 priority patent/US4595418A/en
Priority to NL8403233A priority patent/NL190851C/xx
Priority to FR848416291A priority patent/FR2553791B1/fr
Priority to BE0/213891A priority patent/BE900901A/fr
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Publication of JPH0579316B2 publication Critical patent/JPH0579316B2/ja
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C13SUGAR INDUSTRY
    • C13KSACCHARIDES OBTAINED FROM NATURAL SOURCES OR BY HYDROLYSIS OF NATURALLY OCCURRING DISACCHARIDES, OLIGOSACCHARIDES OR POLYSACCHARIDES
    • C13K7/00Maltose

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Saccharide Compounds (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Seasonings (AREA)
  • Jellies, Jams, And Syrups (AREA)
  • Cosmetics (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は吸湿性が少なく、水に易溶性の粉末マ
ルトースを出来るだけ連続的に近い条件で製造す
るための方法に関するものである。 粉末マルトースを製造するための技術としては
大別して (1) 原料澱粉の糖化方法に関する技術と、 (2) 糖化液を粉末化する技術とがある。 そしてこれらは相互に関連を持つている。出来
るだけ高マルトース含有量の糖化液を得る方法と
して一般的によく知られている方法は、澱粉をα
−アミラーゼ(ECNo.3.2.1.1)、酸または機械的条
件で出来るだけ加水分解を進めずに液化し、これ
にβ−アミラーゼ(ECNo.3.2.1.2)と枝切り酵素
(プルナラーゼECNo.3.2.1.4.1、イソアミラーゼEC
No.3.2.1.6.8)を同時に作用させるもので、この方
法によるとマルトース含有量が85〜92%に達し、
少量のグルコースと数%のマルトトリオースおよ
び重合度数個のオリゴ糖を含む糖組成となる。液
化時の加水分解が進むにつれて、奇数鎖の分子の
生成する機会が増し、この事がマルトトリオース
の生成理由となる(特公昭46−37849、46−
24060、47−13089、54−3937、54−3938、52−
9739他)。従つて澱粉濃度を20%以下とし、機械
的液化法で液化すれば加水分解を極端に押えて、
しかも低粘度の液化液となるので、これを60℃付
近で作用力を有するβ−アミラーゼ(例えば大豆
起源)と微生物起源の枝切り酵素で糖化するとマ
ルトトリオース量の少ない高純度マルトース液を
得ることが出来る。この場合は糖化時の適当な時
期に適量のα−アミラーゼを加えると老化が防止
出来る。また微生物の中にはストレプトマイセス
−ハイドロスコピカス等の如くα−アミラーゼで
ありながら澱粉から加水分解でマルトースを75%
以上生成する酵素もある。この酵素は加水分解で
マルトトリオースを生成するのみならず、マルト
トリオースに作用してこれをマルトースとグルコ
ースに切断し、同時に生成したグルコースをマル
トトリオースに転移して、マルトテトラオースと
し、このテトラオースを切断して2分子のマルト
ースを生成する作用がある。またグルコアミラー
ゼは高分子基質に対してより親和性が高く反応速
度も大である。これらの酵素の作用特異性をたく
みに組合せることでよりマルトトリオース量の少
ない高純度マルトース糖化液を作ることが出来
る。他の方法としては同じく低加水分解度の澱粉
液化得にβ−アミラーゼのみを作用させるか、反
応の途中で適量のα−アミラーゼを添加する等の
方法で60〜70%のマルトースとβ−リミテツトデ
キストリン(分枝結合を有する分子)を残す方法
もある。このβ−リミテツトデキストリンを分離
すれば高純度のマルトース液となる。しかし、こ
の場合も液化時の加水分解度が進むに従つて同じ
くマルトトリオースの生成量が増加し、実用的に
は数%のマルトトリオースが副生される。 次に、このマルトースを含む糖化液を粉末化す
る方法としては、トータルシユガー方式、噴霧乾
燥方式(特公昭54−3937、54−23325)および結
晶分離方法等がある。トータルシユガー方式はマ
ルトース濃度80%以上の糖化液を濃縮することに
よつてβ−含水マルトースの結晶を析出させ全体
を固形化させるものである。この固形物を適当期
間熟成させた後、切削、篩別して粉末とする。こ
の方法によつて市販されている物はマルトース85
%、マルトトリオース、グルコース、デキストリ
ンがそれぞれ5%程度含まれており、水分は約6
%であるが30℃相対湿度(以後RHと表す)80%
の雰囲気中に放置すると1日後には約3%程吸収
し、水分が9〜9.3%の範囲となり、25℃、相対
湿度80%の時もほぼ9%に吸水することが知られ
ている(澱粉科学ハンドブツクp.457)。また篩別
をしているが水に溶解した時に溶解にやや、時間
を要する微粒子が残存し、このために魚肉すり身
やチヨコレートなどのように、水に溶解すること
なく、直接粉末を加えて練り合わすような用途で
は、この僅かの難溶性粒子が致命的な欠陥とな
る。 噴霧乾燥法は溶解性の点では優れた物を得るこ
とが出来るが、無定形の粉末では著しく吸湿性が
高く商品として問題となる(澱粉科学ハンドブツ
ク朝倉書店19p.457)。そこで、マルトース溶液を
濃縮後、結晶を一部析出させたマスキツトを噴霧
乾燥する方法が考えられた(特公昭54−3937)。
この方法では、糖化液を70〜80%に濃縮し、35℃
位で結晶種を加えて1〜3日間を要して結晶を析
出させ、結晶析出率35%以上のマスキツトを80〜
90℃の加熱乾燥空気を送りつつ乾燥塔内に噴霧
し、乾燥塔の底部より緩速度で取り出し、その時
40℃の温風をベルト下部より送り込む。かくして
得られた乾燥粉末を熟成塔に充填して温風を約10
時間通気して結晶化と乾燥化を完了し水分6%の
粉末を得ている。これは工程から考えて完全な結
晶形を保つために一次結晶および噴霧乾燥条件お
よび熟成条件を組合せた方法である。本発明者も
この方法について検討したが、まず一次結晶化お
よび熟成に長時間を要するために設備の設計に当
り、連続化がほとんど無理でコスト的に実用的で
ないことが判つた。 以上の諸事実に鑑み本発明者は吸湿性が少な
く、粘着性もなく、サラサラとして流動性が良
く、しかも易溶性で粉体のままチヨコレートや魚
肉すり身等に練り込み使用が可能なマルトース粉
末を連続化出来るプロセスで製造することを目標
とし、既に公知の方法と比較しながら研究検討を
重ねた結果、いくつかの特定条件の一体的結合に
より所期の目的が達成されることを見出し、本発
明に達したものである。 即ち、本発明は低加水分解度の澱粉液化液を酵
素的に加水分解して得たマルトース含有量90%以
上でマルトトリオース含量が2.5%以下の高純度
マルトース液を固形分65〜80%に濃縮した後、種
晶を加えて25±5℃で、一次結晶を結晶析出率50
±5%まで析出させ、必要によりマルトース溶液
の適量を加えて結晶析出温度における粘度が
70000センチポイズ以下とし、噴霧乾燥して水分
5.5〜7.5%の粉末を得た後、このものをただちに
50〜75℃、相対温度50〜70%で絶対湿度45〜185
g水/Kg乾き空気を満たす高温高湿条件の雰囲気
に曝して結晶化、乾燥させる熟成工程に付するこ
とを特徴とする粉末マルトースの製造法である。 本発明における粉末化の工程は一次結晶の析
出、噴霧乾燥、熟成工程からなり立つという点で
は公知の方法と同じといえるが、特定条件の選定
および結合において新規独特のものである。 本発明者はマルトース溶液の糖組成とその一次
結晶性、噴霧性、熟成、製品の吸湿性および平衡
水分含量について比較検討を加えている間に幾つ
かの新しい事実を発見した。 まず第1はマルトース中のマルトトリオースの
含有量が一次結晶の析出性およびそのマスキツト
粘度、製品の吸湿性(平衡水分含量)に著しい影
響を与えることを見出した。即ちグルコースの含
量はマルトトリオースに比べて影響が少ないが、
マルトトリオース含有量が2.5%以下であること
によつて一次結晶の析出が極めて容易であり、か
つ結晶析出率50±5%、Bx68〜72での粘度が
40000cp以下となり容易に噴霧乾燥に導きうるこ
とが判つた。 さらに噴霧乾燥後の水分を5.5〜7.5%となるよ
うに噴霧乾燥条件を調整し、このものを温度50〜
75℃、相対湿度50〜70%で絶対湿度4〜185g
水/Kg乾き空気雰囲気中で熟成させることが必要
であることも見出した。 マルトトリオースの少なくかつマルトース純度
の高い糖化液を得るためには、澱粉濃度を低くし
たり、酵素の使用条件をよく選択しなければなら
ない等の問題がある。特に本発明の如くマルトト
リオース2.5%以下に制御しようとすれば、糖化
液を吸着剤を用いたクロマトグラフイー技術で分
離するのが実用的である。具体的な方法としては
アニオン交換樹脂による選択的吸着、溶出法(特
公昭56−4239、52−46290)がある。この方法に
よれば極めてマルトース純度の高いものが得られ
る(89〜98%)。多孔性のCa型カチオン交換樹脂
を用いてフルクトースとグルコースとを分離する
ことが工業的に実施されているがこれと同じよう
な凝似移動床方式によりマルトースとマルトトリ
オース以上の高分子オリゴ糖とに区分することも
出来る。例えば、前記した如き低加水分解度の澱
粉液化液をβ−アミラーゼのみで糖化したマルト
ース60〜70%とβ−リミツトデキストリンを含む
糖化液を上述の分離操作にかけた場合一般的な条
件で全量の約55〜65部のマルトース区分と35〜45
部のオリゴ糖区分に2分され、マルトース区分へ
の各糖の移行率はマルトース70〜80%、グルコー
ス55〜65%に対して、マルトトリオースおよび他
のオリゴ糖はわずかに8〜15%で、ほとんどオリ
ゴ糖区分に移行する。従つて一回の操作でマルト
トリオースを2.5%以上含まないマルトース区分
を全量の約55〜65部得られることになる。オリゴ
糖区分はグルコース製造目的の糖化槽へ混合すれ
ばグルコアミラーゼの作用を受けてグルコースに
糖化されるので損失なしに利用できる。 マルトースの粉末化に当つての重要な点は結晶
形にある。β−含水結晶は非吸湿性であり、β−
無水結晶は吸湿性である。 αβ錯体結晶も、吸湿性においてβ−含水マル
トースと大差なく、易溶であり、粘稠液からの結
晶化が容易等の利点はある。しかし吸水するにつ
れてアノマー化し、最終的にはβ−含水マルトー
スになり、このことからβ−含水マルトースが最
も安定な形と思われている(Hodge等、Cereal
science today 1972)。なお、β型かα型かは比
旋光度を測定することによつて容易に判定出来
る。 本発明の方法では一次結晶で溶液中の約45〜55
%のマルトースを結晶または微結晶とさせた後、
このマスキツトを噴霧乾燥して大部分の水分を蒸
発させ、結晶化に必要な水分5%より更に多い水
分5.5〜7.5%とする。この時点ではなおマルトー
スの約20〜30%位はα−アノマーの形で残つてい
る。従つて熟成工程は、結晶化に必要な量の水分
の吸水、β−アノマーへの転換、含水結晶化およ
び余分の水分の乾燥の四つの条件が含まれていな
ければならない。公知の方法ではこの熟成条件が
ほとんど乾燥的条件にかたよつているために長時
間を要していることを見出した。例えば特公昭54
−27325によればマルトトリオースが7.5〜11.5%
の糖液であるが、熟成条件は25℃60%RH、28℃
64%RH、30℃60%RHと絶対湿度で表わすと10
〜16g水/Kg乾き空気中で5〜18時間行い、さら
に低湿度の空気中で12〜16時間熟成することにな
つている。これだけの長時間の熟成期間を与える
ためにはその装置に関連したコストが極めて大に
なる。 本発明者は出来るだけ短時間にβ−含水マルト
ース結晶にすることに重点をおいて研究した結
果、高温高湿化の限られた条件下で上記した吸
水、β−アノマー化、含水結晶化、乾燥が短時間
に行われることを見出した。 乾燥された粉末マルトースの品質は次の四つの
分析法によつた。 吸湿検査、平衡水分量、粉性検査、比
旋光度 吸湿検査は30℃相対湿度80%で1〜7日間放置
し、経時的に水分増加量を測定した。この時、平
衡に達した水分量を平衡水分量と表示した。粉性
検査は上記の吸湿検査を24時間経過した試料につ
いて、出発時と同じサラサラした粉状であるもの
をAとし、塊は認められるが容易に崩れるか、崩
れないかを観察し、A、B、C、Dの4段階の判
定をした。 比旋光度は固形物として5gの試料をとり、ジ
メチルホルムアミド(DMF)50mlに溶解して200
mlの液層で測定し、その旋光度を5倍して比旋光
度として表示した。 以下、本発明の粉末化工程を逐次詳述する。糖
液の組成は前述した如くマルトトリオースの含有
量が2.5%以下、マルトース含有量が90%以上の
純度のものとし、これを濃縮し一次結晶を析出さ
せる。 機械的液化法で液化した液に105℃でα−アミ
ラーゼ(スピターゼHS)を作用させて、加水分
解度を1.3とした後、PHを4.5とし、60℃で市販大
豆β−アミラーゼを加えて糖化した液を常法で精
製した後、カチオン交換樹脂クロマトグラフイー
で分離しマルトースとオリゴ糖の区分に分離した
液をマルトトリオース含量が異なるように調整し
た後、本発明の方法に基いて粉末化実験をした結
果を第一表に示した。
【表】 一次結晶析出のために必要な濃縮度は65〜80%
の範囲で高マルトース純度の時ほど低くて良くか
つマルトトリオース含量が少ないほど低濃度で良
い。 第一表に示した如く、マルトース約91%、マル
トトリオース1%以下の時はBx72で良い、さら
にマルトースが95%程度になるとBx65でも充分
であるが、マルトトリオースが2%以上になると
Bx75〜80としなければならない。種晶の添加量
はあまり大きな因子ではなく、通常の0.1〜1.0%
で十分である。 結晶化温度は経済性、操作性から考えれば好ま
しくは25±5℃の範囲で行う。 結晶の析出率は50±5%まで進めておく必要が
ある。一次結晶の析出が終了した時点のマスキツ
トの粘度はマルトトリオースの含量によつて著し
く変化する。マスキツト粘度が30000cp(結晶析
出時の温度)以下の時は直ちに噴霧乾燥に導くこ
とが出来るが、これ以上の高粘度のマスキツトの
場合は同組成、同温度の糖液をそこに含まれるマ
ルトースの飽和点まで濃縮した溶液をマスキツト
に適量混合して、一次結晶マスキツトの粘度を
70000cp以下、好ましくは30000cp前後に希釈し
た後に噴霧乾燥にかける。 噴霧乾燥機は回転円盤型でもノズル型でもよ
く、熱風の流れは水平並流型、垂直下降並流型、
垂直上昇混合型の何れも応用出来るが回転円盤型
垂直下降並流または混合型が好ましい。乾燥熱風
の温度、流量およびマスキツトの流量は重要な因
子で、これらを適当にコントロールして乾燥粉末
の水分が5.5〜7.5%の範囲になるようにする必要
がある。従つて熱風温度は80〜120℃の範囲でそ
れぞれの流量を決定する。 次に重要な点は噴霧乾燥後の熟成条件である。
噴霧乾燥後の粉末はまだ完全にはβ−含水結晶マ
ルトースには成長していないのみならず、α−マ
ルトースがマルトース量の約20〜30%含まれてい
る。 マルトース含量92.5%、マルトトリオース含量
2.2%の糖液を濃度75%まで濃縮して、一次結晶
化を行い、このマスキツトを噴霧乾燥し(水分
5.5〜6.0%)、公知条件に近い30℃、55%RHで熟
成した粉末マルトースについて吸湿検査(3日放
置後)、粉性検査(1日放置後)で所要熟成時間
を求めた結果を第二表にまとめたが何れの試料も
すべて10時間以上を要することが明らかになつ
た。 同時に行つた市販粉末マルトース(水分6.33
%)の吸湿テストでは1日後2.93%、2日後3.20
%、7日後3.25%と約3%吸湿後安定した。この
時の平衡水分含量は9.3%であつた。
【表】 そこで本発明人等はさらに広範囲の温度、湿度
条件を検討した結果、意外にも今までの常識から
はずれた高温高湿下の方が本発明の目的に適した
粉末化条件であることを見出した。すなわち温度
40〜80℃、RH40〜70%の各種条件下で熟成を行
い、経時的に試料を採取して比旋光度、水分およ
び吸湿性、粉性検査を行つた。第1図、第2図に
おいて、その結果の一部を示した。第1図には、
2時間熟成後の熟成時の温度と湿度が製品の比旋
光度におよぼす影響を示し、第2図には、2時間
熟成したときの熟成時の温度と湿度が製品の水分
におよぼす影響を示した。これらの結果から総合
的に判断して50℃の時は好ましくはRH60〜70
%、60℃ではRH50〜70%、70℃ではRH50〜70
%の範囲の時はわずか2時間の熟成時間で、β−
アノマー化および水分含量共に安定した粉末マル
トースに熟成されることを見出した。 これに反して、50℃以下の温度ではβ−アノマ
ー化への転換に長時間を要し、また水分の乾燥に
も長時間を要し、本発明の目的を達しない。 75℃を越える高温、高湿下では、β−アノマー
化への転換も水分の乾燥にも長時間を要するのみ
らなず、操作中のわずかな温度変化、例えば外気
温の影響などで凝縮水を生じて実用的でない。 また湿度がRH50%以下の低湿度状態では水分
乾燥は効率的であるが、β−アノマー化への転換
に長時間を要し、β−アノマー化への転換不充分
なままに乾燥するので、目的とする安定なマルト
ース粉末が得られない。 以上の如く本発明の噴霧乾燥後の熟成による粉
末化条件は従来全く知られていなかつた。限られ
た範囲内の高温高湿で行うことで、実質的に2時
間以内の熟成時間で、噴霧乾燥された粉末が結晶
化に必要な吸水β−アノマー化、含水結晶化およ
び余分の水分の乾燥化工程を経て、吸湿性の少な
い安定な粉末マルトースが得られることが特徴で
あり、連続化のプロセスを設計するのに極めて有
効な手段である。 さらにこれらの試料について粉末検査、吸湿テ
ストを行い、これらのことから熟成工程における
温度は50〜75℃、相対湿度50〜70%で絶対湿度が
45〜180g水/Kg乾き空気の条件を満足しうる雰
囲気内で熟成を行うことが必要で、この条件では
最初の30分間に吸水が起り、さらに余分の水分が
乾燥されて水分5〜7%、比旋光度118以下の安
定な吸湿性の少ない粉末マルトースを製造するこ
とを見出した。 これらの中で最も好ましい条件は温度60〜70℃
でRH62〜68%、絶対湿度90〜150g水/Kg乾き
空気である。この条件下では水分5〜6%3比旋
光度114〜117の範囲の安定な、吸湿性の少ない粉
末マルトースを再現性よく製造することができ
る。さらに熟成時に粉末の各部が均一に、この雰
囲気中で熟成されねばならない。円筒形容器の底
部を金網とし、その上に、噴霧乾燥後の試料を厚
さ5、10、20cmに盛り、底部より送風しながら熟
成させる装置を60℃、RH65%(絶対湿度91g/
Kg乾き空気)の条件に設置して熟成テストをし
た。その結果はβ−マルトースへの完全移行は5
〜10cmでは約1.5時間であつたが20cmでは約2時
間を要し、吸湿テスト、官能テスト、水分含量等
のテストの結果より、塔式の熟成装置では20cm以
上の高層には出来ないことから、熟成は移動式ベ
ルトコンベア、または流動床式の乾燥装置等を用
いて、上述した雰囲気中で出来るだけ均一に吸
水、結晶化、乾燥化等の熟成工程が連続的に行え
るようにするのが好ましいことを見出した。 以下本発明を実施例につき更に具体的に例示、
説明する。 実施例 1 市販コーンスターチ、(Y)(三和澱粉工業)の30
%水溶液を用いて、公知の方法によりα−アミラ
ーゼ(スピターゼHS長瀬産業)で低加水分解し
た澱粉液化液(DE6.0)に市販大豆β−アミラー
ゼ(長瀬産業)を無水澱粉当り0.2%添加し、PH
5.0、温度60℃で24時間反応させ、マルトース60
%、マルトトリオース9.8%の糖化液を得た。こ
の液を常法により、過、脱色、イオン交換精
製、濃縮後、Na型カチオン交換樹脂によるクロ
マトグラフイーでオリゴ糖を分離し、(三菱化成
工業)全糖量の58部に相当する高純度マルトース
液を得た。 高純度マルトース液の高速液体クロマトグラフ
イー(HPLC)での糖組成を表1に示す。 表1 高純度マルトースの糖組成 グルコース 1.0% マルトース 90.9% マルトトリオース 0.5% DP+ 4 7.6% この分離液を真空濃縮によりBx72まで濃縮し、
濃縮液5Kgを容量6の温調用ジヤケツトおよび
撹拌機を備えた密閉型助晶機に移した。溶液温度
30℃(マルトースの過飽和度1.52)になつた時点
で、シード(同組成のβ−含水マルトース含有マ
スキツト)を0.5%(溶液固形物に対するマルト
ース結晶無水物換算書の割合)添加し、温度30
℃、回転数80r.p.m、12時間助晶を行つた。助晶
終了マスキツトは、検鏡でマルトースの三角板状
の20μ前後の微細なβ−含水結晶が観察され、結
晶含量は48%(結晶無水換算/マスキツト固形
物)で粘度は11200cp(B型粘度計)であつた。
このマスキツトを直接、回転円盤形、垂直下降並
流型の噴霧乾燥機を用いて、熱風入口温度80℃で
乾燥し水分6.2%の流動状粉末を得た。 この粉末を直ちに温度60℃、相対湿度(RH)
65%(絶対湿度91g水/Kg乾き空気)恒温恒湿機
中で約0.5〜1.0cmの厚さとし、2時間熟成を行つ
た。熟成終了粉末は水分6.4%、比旋光度〔α〕DM
115.0を示し、30℃、80%RH雰囲気中でもほと
んど吸湿性を示さず、極めて流動性に富む粉末状
を保持した。また、同条件での平衡水分含量は
7.5%であつた。 実施例 2 実施例1と同様の方法でマルトース89.6%、マ
ルトトリオース2.5%の高純度マルトース液を得
た。 この溶液をBx74.8まで濃縮し、前記助晶機で、
溶液温度30℃(マルトースの過飽和度1.58)、シ
ード量0.5%、回転数80r.p.m.で12時間助晶を行つ
た。 助晶終了時のマスキツトはマルトースの微細β
−含水結晶が多数観察され、結晶含量47%、粘度
83500cpであつた。これに同組成、同温度のBx49
を溶液をマスキツトに対し11%添加混合しBx72
とした。その時の結晶含量は47%、粘度30500cp
であつた。これを実施例1と同様の方法で噴霧乾
燥を行つた。得られた粉末水分は5.8%であつた。 次に温度60℃、65%RH雰囲気下で流動バンド
乾燥機で2時間熟成を行い、その後40℃の熱風乾
燥機で2時間乾燥し、粉末マルトースを得た。 このものは水分6.2%、比旋光度〔α〕DMF118.0
を示し、30℃、80%RHの条件下でほとんど吸湿
性を示さず、非常に流動性に富む粉末状を保持し
た。 実施例 3 市販馬鈴薯澱粉の20%水溶液を用いて実施例1
と同様の方法で低加水分解した澱粉液化液
(DE1.0)を72時間糖化してマルトース70%、マ
ルトトリオース6%を含む糖化液を得た。常法に
より過、脱色、イオン交換樹脂精製、濃縮後、
Na型カチオン交換樹脂によるクロマトグラフイ
ーでオリゴ糖を分離し、マルトース96.2%、マル
トトリオース1.1%を含む高純度マルトース液を
得た。これは全糖分に対して62部の収量であつ
た。この分離液をBx65に濃縮後、溶液温度20℃
(マルトースの過飽和度1.59)、シード0.5%、回
転数80r.p.m.で12時間助晶を行い、結晶含量52
%、粘度25000cpのマスキツトを得た。このマス
キツトを直接、熱風入口温度80℃で噴霧乾燥を行
い、水分5.5%の粉末を得た。次に温度60℃、65
%RHの密閉型恒温恒湿機内で2時間熟成し、粉
末マルトースを得た。 このものは水分6.0%、比旋光度〔α〕DMF114を
示し、30℃、80%RHの条件下でほとんど吸湿性
を示さず、極めて流動性に富む粉末状を保持し
た。また、平衡水分含量は同条件で6.5%であつ
た。
【図面の簡単な説明】
第1図は熟成時の温度、湿度条件と製品の比旋
光度との関係を示すグラフ、第2図は熟成時の温
度、湿度条件と製品の水分との関係を示すグラフ
である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 低加水分解度の澱粉液化液を酵素的に加水分
    解して得たマルトース含有量90%以上でマルトト
    リオース含量が2.5%以下の高純度マルトース液
    を固形分65〜80%に濃縮した後、種晶を加えて25
    ±5℃で、一次結晶を結晶析出率50±5%まで析
    出させ、必要によりマルトース溶液の適量を加え
    て結晶析出温度における粘度が70000センチポイ
    ズ以下とし、噴霧乾燥して水分5.5〜7.5%の粉末
    を得た後、このものを直ちに50〜75℃、相対湿度
    50〜70%で絶対湿度45〜185g水/Kg乾き空気を
    満たす高温高湿条件の雰囲気に曝して結晶化、乾
    燥させる熟成工程に付することを特徴とする粉末
    マルトースの製造法。 2 低加水分解度の澱粉液化液にβ−アミラーゼ
    を作用させて得たマルトースを含む糖化液をイオ
    ン交換樹脂によるクロマトグラフイーでオリゴ糖
    を分離し、マルトトリオース含有量が2.5%以下
    の高純度マルトース溶液としたものを用いること
    を特徴とする特許請求の範囲第1項記載の粉末マ
    ルトースの製造法。
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