JPH0578676A - 選炭スラツジから高濃度石炭−水スラリ−を製造する方法 - Google Patents

選炭スラツジから高濃度石炭−水スラリ−を製造する方法

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JPH0578676A
JPH0578676A JP27046091A JP27046091A JPH0578676A JP H0578676 A JPH0578676 A JP H0578676A JP 27046091 A JP27046091 A JP 27046091A JP 27046091 A JP27046091 A JP 27046091A JP H0578676 A JPH0578676 A JP H0578676A
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water slurry
slurry
sludge
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Kazuhiro Shibata
和博 柴田
Masayuki Yui
雅之 油井
Hideaki Okada
英明 岡田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】選炭工場より発生し、廃棄、放置されている、
高水分率、高灰分の微粒炭である選炭スラッジを原料と
し、均質な高濃度石炭−水スラリ−を連続的に安定に製
造する方法を提供する。 【構成】上記の高水分率、高灰分の微粒炭に分散剤を添
加し、撹拌混合して流動化し、その後粉砕機に供給し粉
砕処理して高濃度石炭−水スラリ−にする。 【効果】予め流動化させたので、粉砕機に所定量を連続
的に均一供給でき、均質な製品を安定して製造すること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、選炭工場より発生する
低品位炭、すなわち高水分率、高灰分の微粒炭を原料と
した高濃度石炭−水スラリ−の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】炭鉱では、採炭時の原炭を選炭工場で灰
分量調整、異物除去等を実施し高品位炭の精炭として出
荷している。この選炭に伴い選炭工場では、高灰分の低
品位炭が発生する。低品位炭は選炭の方法によっても異
なるが、粗大粒子のもの或は高水分で微粒子状のもの等
がある。この低品位炭のうちの高水分、高灰分の微粒炭
(この高水分、高灰分の微粒炭を以下単に選炭スラッジ
と言う)は、選炭工場近くのピットに投入廃棄され、放
置されているのが現状である。しかし、最近資源の有効
利用をはかる点及び環境汚染の点で問題化されてきた。
【0003】また、近年エネルギ−源として石炭が見直
されているが、石炭は固体であるため輸送や貯蔵に関し
て取扱いにくいという欠点があった。石炭のこのような
欠点を改善するため、石炭を粉砕し、少量の分散剤とと
もに水中に分散させ、流体と同じように扱える石炭−水
スラリ−(いわゆる、CWM)技術の開発が行われるよ
うになっている。この石炭−水スラリ−の製造技術を先
の選炭スラッジに適用し流体化燃料として製造可能であ
ればポンプ輸送が可能でそのまま発電所用の燃料として
使用でき、未利用資源の有効活用が期待され、また環境
汚染問題も解決できる。
【0004】ところで、従来の石炭−水スラリ−製造方
法は、一般に乾式法と湿式法に大別される。乾式法は石
炭をそのまま微粉砕しその後水及び分散剤を添加して混
練し高濃度石炭−水スラリ−を得る方法である。また湿
式法には、水の存在下において低濃度状態で石炭を粉砕
し次いで脱水して高濃度石炭−水スラリ−にする低濃度
粉砕法、及び高濃度状態で石炭を粉砕して高濃度石炭−
水スラリ−を得る高濃度粉砕法などがある。しかし、選
炭スラッジを原料にした場合は、選炭スラッジは高含水
率、高灰分の微粒炭であるため、上記の通常の石炭を原
料とする石炭−水スラリ−の製造法では、石炭−水スラ
リ−の製造が困難である。
【0005】すなわち、乾式法で高水分の選炭スラッジ
から石炭−水スラリ−を製造するには、選炭スラッジの
乾燥という工程を必要とし、そのために大量の熱エネル
ギ−が必要となり経済性の点で不利であり、しかも乾燥
時における石炭の表面酸化のために製品たる石炭−水ス
ラリ−の品質が劣るという欠点がある。また湿式法の低
濃度粉砕法では、選炭スラッジに含まれる微粒灰の影響
により充分な脱水が行われず石炭−水スラリ−の高濃度
化ができない。更に選炭スラッジは高水分で微粒子であ
るため、取扱い、いわゆるハンドリングが難しく、上記
の石炭−水スラリ−製造方法をそのまま適用しようとし
ても、連続製造時に粉砕機へ原料を連続的に所定の量を
均一に供給することが出来なく、円滑に効率良く均質な
石炭−水スラリ−を製造できないと言う欠点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、選炭スラッ
ジを原料とし、高濃度で高品質な石炭−水スラリ−を連
続安定的に製造する製造方法を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、選炭スラ
ッジを石炭−水スラリ−化する上での前記問題点を解決
するため鋭意研究を重ねた結果、前処理として選炭スラ
ッジを分散剤及び必要に応じ希釈水と撹拌混合して流動
化し、これを高濃度粉砕機へ供給することにより石炭−
水スラリ−が安定製造可能であることを見出した。
【0008】すなわち、本発明は、選炭工場で選炭除去
される高水分率、高灰分の微粒炭(選炭スラッジ)を原
料として高濃度石炭−水スラリ−を製造する方法であっ
て、該微粉炭に分散剤を添加し、撹拌混合して流動化し
た後、粉砕機に供給し粉砕処理することを特徴とする高
濃度石炭−水スラリ−の製造方法である。
【0009】以下に系統図を用いて、本発明の製造方法
の詳細を述べる。図1は本発明の一例の石炭−水スラリ
−製造装置の系統図である。選炭スラッジSは、分散剤
Dと共に混合機1に投入される。混合機1で一定時間撹
拌混合し選炭スラッジSを流動化状態とする。
【0010】選炭スラッジのみでの石炭−水スラリ−を
製造する場合の混合時の濃度は最終石炭−水スラリ−の
濃度以上が必要である。選炭スラッジの水分率が低く、
流動化しにくい場合には、最終製品たる高濃度石炭−水
スラリ−の石炭濃度を考慮して希釈水Wを添加して低粘
度にしても良い。また粘度が高く流動化しにくい場合に
は、最終石炭−水スラリ−の一部を混合機へ返還して投
入した後前記操作を実施することにより低粘度のスラリ
−を得るようにしても良い。この最終石炭−水スラリ−
の混合割合は選炭スラッジ投入量と等量以下にするのが
望ましい。
【0011】撹拌混合して流動化された選炭スラッジは
スラリ−フィ−ドタンク3へ送られる。混合機1とスラ
リ−フィ−ドタンク3の間には異物等の除去のために分
級スクリ−ン2を設置しても良い。スラリ−フィ−ドタ
ンク3には撹拌機を設置し石炭粒子の沈降防止をはかる
のが好ましい。次いで、流動化された選炭スラッジはス
ラリ−フィ−ドタンク3からライン5により粉砕機6に
供給される。そして粉砕機6で目的の粒度まで湿式粉砕
が行われる。なお、スラリ−フィ−ドタンク3からの一
時供給停止時における石炭粒子の沈降防止のため、ライ
ン4を設けて自己循環させる方法を採用するのが好まし
い。
【0012】粉砕機6で湿式粉砕して得られた石炭−水
スラリ−はストレ−ナ−7に送られ選別され、粗粒子分
は粗粒リタ−ンライン8を通って粉砕機に戻され、微粒
子分は製品ライン9を通って製品タンクに貯蔵される。
また、貯蔵・輸送等を容易にするため低粘度化するに
は、石炭−水スラリ−に剪断力を加える撹拌機を設置
し、撹拌処理して製品とするのが望ましい。また、12
は製品戻りラインであり、製品の一部を選炭スラッジに
添加して流動化する場合の態様を示したものである。
【0013】上記のとおり本発明においては、高水分を
含有し、高灰分且つ微粒子状であるため、極めて扱いに
くい選炭スラッジを、分散剤を添加し、撹拌混合して流
動状態にして粉砕機に供給するので、常に所定量を一定
に連続的に粉砕機に供給することが可能となり、したが
って、均質の石炭−水スラリ−が円滑に効率良く製造可
能である。
【0014】ところで、石炭−水スラリ−は、用途によ
っては、例えば発電所用燃料などでは高カロリ−が要求
される。選炭スラッジは長年にわたり貯蔵されたもので
あり採取位置によっては石炭−水スラリ−の水分以上の
含水率のもの、高灰分量により必要なカロリ−が得られ
ないもの等種々様々である。本発明においては、前述の
方法における選炭スラッジの流動化処理時及び/又は粉
砕処理時に原炭を添加することが可能であり、これによ
って選炭スラッジからカロリ−、品質が向上した石炭−
水スラリ−を得ることができる。また、原炭の添加によ
って貯蔵安定性を向上させることもできる。
【0015】図2は、原炭を粉砕処理時に添加する場合
の系統図の一例で、11は原炭ホッパ−であり、他の符
号は図1と同じである。原炭はホッパ−11から一定量
連続的に粉砕機6に直接供給される。この原炭の供給に
より、カロリ−、品質が向上した石炭−水スラリ−を得
ることができる。原炭の供給は混合機1に供給してもよ
い。この図2の方法によると、選炭スラッジより含水率
の低い原炭を別系統より投入するため、目的の石炭−水
スラリ−濃度を得るための混合機1での濃度を希釈水を
添加して低く設定できる。このため、選炭スラッジの流
動化がより容易に行える利点がある。
【0016】この方法によれば、高品位の原炭を添加す
るため、その混合割合により、最終製品の灰分量調整、
カロリ−調整が可能となり、使用目的に応じた石炭−水
スラリ−が容易に製造できるという利点がある。原炭の
混合割合は任意に設定可能であるが経済性の面から選炭
スラッジと等量以下が望ましい。原炭は採掘した石炭で
も選炭工場により処理された精炭でもよい。
【0017】本発明において選炭スラッジの流動化に使
用される分散剤は、石炭−水スラリ−製造に用いられて
いる分散剤及び/又は塗料等の無機顔料の分散に使用さ
れている分散剤が良い。上記分散剤としては、一般に使
用されるノニオン系又はアニオン系界面活性剤が使用可
能であるが、好ましくはアニオン系界面活性剤が良い。
また、これにpH調整剤であるアルカリ性物質を併用し
ても良い。これら界面活性剤の添加量は、最終製品の石
炭−水スラリ−中の固形分に対して0.1〜3.0重量
%、好ましくは0.2〜1.5重量%となるようにする
のが良い。添加量がこれ以下になると高濃度の石炭−水
スラリ−は得られず、また、これ以上では経済的な面か
ら不利となる。本発明においては、選炭スラッジの流動
化処理時にのみ分散剤を添加しても、また分散剤の一部
を粉砕時に添加しても良い。
【0018】
【実施例】以下に本発明の実施例を示すが、これに先立
って実施例で使用した石炭−水スラリ−性状測定法を以
下に示す。 (1)石炭濃度の測定 JIS M8812に準じた加熱乾燥法により測定し
た。 (2)粘度の測定 ハ−ケ2重円筒型粘度計を用い、測定温度25℃、ずり
速度100S-1において粘度を測定した。
【0019】(3)静置安定性の測定 容積500mlのプラスチック容器に石炭−水スラリ−
400gを仕込み、25℃のエアバス内で静置保存す
る。静置開始後14日目に石炭−水スラリ−を流出させ
容器内に残った量を測定し評価した。また、実施例にお
いては、表1に示す選炭スラッジ及び原炭を原料に用い
た。また原炭はハンマ−クラッシャ−等で約3mm以下
に破砕して使用した。
【0020】
【表1】
【0021】実施例1〜2 原料として表1の選炭スラッジ(A−2)及び(A−
3)を使用し、図1の製造試験工程で石炭−水スラリ−
を製造した。まず混合機1に所定濃度とする希釈水及び
分散剤を投入し撹拌した。この中に各選炭スラッジを投
入し10分間撹拌した。選炭スラッジは完全に流動化状
態になった。流動化させた選炭スラッジのスラリ−を分
級スクリ−ン2を通し異物を除去しスラリ−フィ−ドタ
ンク3に貯蔵した。スラリ−フィ−ドタンク3では石炭
粒子の沈降防止及び均質化のために撹拌及びライン4を
使用し循環運転を行った。粉砕機6はボ−ルミルを用い
た。湿式粉砕して石炭−水スラリ−を製造するときに、
ライン5に切り換え、スラリ−フィ−ドタンク3内の選
炭スラッジスラリ−を粉砕機6に供給した。また、この
時製品の目標濃度となるように希釈水を加えた。粉砕機
6ではボイラ−燃焼に必要な粒度になるようにボ−ル
量、回転数を調整した。粉砕機6では粉砕と同時に撹拌
も行われ低粘度の石炭−水スラリ−が製造された。次に
石炭−水スラリ−をストレ−ナ−7に送り、ここで粗粒
分を除去した。ここで除去した粗粒をライン8を通し粉
砕機6の入口へ戻し再粉砕した。石炭−水スラリ−は更
に連続式の剪断力撹拌機で撹拌した。得られた製品の物
性を表2の実施例1〜2の欄に示す。いずれの原料配合
でも低粘度で貯蔵安定性に優れた石炭−水スラリ−が製
造できた。
【0022】実施例3〜5 原料として表1の選炭スラッジ(A−1)、(A−2)
及び(A−3)並びに原炭(B−1)を使用し、これら
を表2に示す割合で用い、図2の製造試験工程によって
石炭−水スラリ−を製造した。まず混合機1に所定濃度
とする希釈水及び分散剤を投入し撹拌した。この中に選
炭スラッジを投入し10分間撹拌した。選炭スラッジは
完全に流動化状態になった。流動化させた選炭スラッジ
のスラリ−を分級スクリ−ン2を通し異物を除去しスラ
リ−フィ−ドタンク3に貯蔵した。スラリ−フィ−ドタ
ンク3では石炭粒子の沈降防止及び均質化のために撹拌
及びライン4を使用し循環運転を行った。粉砕機6には
ボ−ルミルを用いた。湿式粉砕して石炭−水スラリ−を
製造するときにライン5に切り換え、スラリ−フィ−ド
タンク3内の選炭スラッジスラリ−を粉砕機6に供給し
た。また、ハンマ−クラッシャ−等で約3mm以下に破
砕した原炭を、原炭ホッパ−11から定量給炭機をへて
粉砕機6に供給した。
【0023】選炭スラッジのスラリ−と破砕した原炭と
は粉砕機6に同時に供給する。また、この時製品の目標
濃度となるように希釈水を加えた。粉砕機6ではボイラ
−燃焼に必要な粒度になるようにボ−ル量、回転数を調
整した。粉砕機6では粉砕と同時に撹拌も行われ低粘度
の石炭−水スラリ−が製造された。次いで石炭−水スラ
リ−をストレ−ナ−7に送り粗粒分を除去した。この時
除去した粗粒分はライン8を通し粉砕機6の入口へ戻し
再粉砕した。更に、石炭−水スラリ−は、連続式の剪断
力撹拌機で混練処理されて製品とされた。この製品の物
性を表2の実施例3〜5の欄に示す。いずれの原料配合
でも低粘度で貯蔵安定性に優れた石炭−水スラリ−が製
造できることが判明した。また灰分の多い選炭スラッジ
(A−2)及び(A−3)を用いた場合、原炭を配合す
ることによって貯蔵安定性も向上することが実施例1〜
2との対比から分かる。
【0024】
【表2】
【0025】
【発明の効果】本発明は以下のとおり、顕著な効果を奏
する。 (1)選炭スラッジは、高水分、高灰分且つ微粒子であ
るため、取扱いにくいが、本発明では、選炭スラッジに
分散剤を添加し撹拌混合して流動化する前処理を施した
から、粉砕機に定量供給することができ、そのため均質
な石炭−水スラリ−を安定して連続的に製造することが
可能になった。 (2)また本発明では、選炭スラッジから石炭−水スラ
リ−を製造する過程において、原炭を添加することによ
り更に高カロリ−、高品質の石炭−水スラリ−を製造す
ることができる。 (3)本発明は、廃棄され、放置されている選炭スラッ
ジを、発電所用燃料として使用できる石炭−水スラリ−
としたので、未利用資源の有効利用が計れるばかりでな
く、公害問題の解消にもなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す石炭−水スラリ−製造
装置の系統図である。
【図2】本発明の他の実施例を示す石炭−水スラリ−製
造装置の系統図である。
【符号の説明】
1 混合機、 2 分級機、 3 スラリ−フィ−
ドタンク、4 循環ライン、 5 製造ライン、
6 粉砕機、 7 ストレ−ナ−、8 粗粒分リタ−
ンライン、 9 製品ライン、 10 製品タン
ク、11 原炭ホッパ−、 12 製品戻りライン、

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】選炭工場で選炭除去される高水分率、高灰
    分の微粒炭を原料として高濃度石炭−水スラリ−を製造
    する方法であって、該微粒炭に分散剤を添加し、撹拌混
    合して流動化した後、粉砕機に供給し粉砕処理すること
    を特徴とする高濃度石炭−水スラリ−の製造方法。
  2. 【請求項2】撹拌混合時に、高濃度石炭−水スラリ−の
    一部を返還させ添加する請求項1に記載の高濃度石炭−
    水スラリ−製造方法。
  3. 【請求項3】原炭を、撹拌混合時及び/又は粉砕処理時
    に添加する請求項1又は2記載の高濃度石炭−水スラリ
    −製造方法。
JP27046091A 1991-09-24 1991-09-24 選炭スラツジから高濃度石炭−水スラリ−を製造する方法 Pending JPH0578676A (ja)

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