JP5456348B2 - 廃油系固体燃料の製造方法及び該廃油系固体燃料の利用方法 - Google Patents

廃油系固体燃料の製造方法及び該廃油系固体燃料の利用方法 Download PDF

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Description

本発明は、廃油系固体燃料の製造方法に関するもので、特に、固体状廃油、高粘性液状廃油を積極的に用いた廃油系固体燃料の製造方法及び該廃油系固体燃料の利用方法に関するものである。
廃油は、高いエネルギーを有するため、廃棄物として焼却処分せずに、燃料として有効利用することが期待されている。
しかし、廃油は、高い粘稠性を有するものや、常温で流動性がないものや、固形分が沈降分離して固着するものなどがあるため、搬送時等におけるハンドリング性が悪く、廃油それ単独では、燃料としての取扱いが困難であった。
そこで、本件出願人は、先に、廃油と、所定の粒径に破砕した廃畳、木粉等のバイオマスと、有機質粉体とを所定の割合で混合し、得られた固体燃料を、管路を介してセメント製造設備であるセメントキルンの窯前部から燃料として吹き込む技術を開発し、特許出願を行なった(特許文献1)。
また、本件出願人は、先に、廃油と、廃畳の破砕物、廃スポンジ、紙屑、各種汚泥等の廃油吸収材とを混合し、機械式搬送及び機械式投入が可能な必要最小限のハンドリング性を有する固体燃料とした後、該固体燃料を、ベルトコンベヤー、バケットエレベーター等の機械式搬送手段、及び2重のフラップダンパー、ロータリーフィーダ等の機械式投入手段を用いてセメント製造設備であるセメントキルンの仮焼炉に投入する技術を開発し、特許出願を行なった(特許文献2)。
特開2006−199750号公報 特開2008−260647号公報
ところで、セメント製造設備であるセメントキルンの窯前部から燃料として廃油系固体燃料を投入する技術にあっては、製造されるセメントクリンカの品質に悪影響を与えない観点等から、火炎(フレーム)を形成させて燃料を瞬時に高温で完全燃焼させる必要があり、空気流等に乗せて廃油系固体燃料を吹き込むことが必須であった。この場合、上記特許文献1に記載されているように、廃油をバイオマス等に吸収させ、そのハンドリング性を改善させる方法にあっては、得られる廃油系固体燃料の流動性、付着性等の性状の調整を、管路を介した吹き込みに支障が生じないよう厳密に行う必要があったが、廃油の種類、例えば固体状廃油、高粘性液状廃油にあっては、その調整が困難或いは不可能であり、その使用が躊躇されていた。
また、上記特許文献2に開示されたセメント製造設備であるセメントキルンの仮焼炉に廃油系固体燃料を投入する技術にあっては、上記セメントキルンの窯前部から投入する技術に比してそのハンドリング性は機械式搬送及び機械式投入が可能な必要最小限のものに調整されていれば十分であり、その調整はかなりラフなものであってもよいが、使用する廃油が固体状廃油、或いは高粘性液状廃油である場合には、廃油吸収材との混合後においても大きな塊状の廃油ダマが残存する場合があった。そして、この場合には、残存する廃油ダマが機械式搬送手段或いは機械式投入手段の駆動部等に付着することで運転トラブルが発生するおそれがあり、また、付着した廃油が駆動部等において生じる火花によって自然発火するなどのトラブルが発生するおそれもあったことから、やはり、これらの固体状廃油、高粘性液状廃油の使用は躊躇されていた。
なおここで、本明細書において言う上記固体状廃油とは、廃油が入ったドラム缶を傾けても出てこないもの、或いはマヨネーズ状、或いは水あめ状でどろっとした固まりとなって出てくるものをいう。また、高粘性液状廃油とは、上記固体状廃油と異なり全体としては流動性を有しているものの、後述する低粘性液状廃油ではないものをいう。ここで規定する低粘性液状廃油とは、容積式ポンプを用いた場合比較的負荷が少なく、容易に搬送できる粘度を持つ廃油をいい、具体的には20℃でB型粘度計にて測定した数値が200cPを下回る廃油である。容積式ポンプとしては、竪型遠心渦巻ポンプなどが挙げられる。このような固体状廃油、或いは高粘性液状廃油は、単に廃畳の破砕物等のバイオマスと混合させても、マヨネーズ状、或いは水あめ状の塊状廃油が解砕されずに残り、その塊状廃油の表面にバイオマスが付着した廃油ダマとして残存する。
一方、シリコンウエハーは、半導体デバイスや太陽光電池等の部材として有用であり、その需要は年々増大しつつある。かかるシリコンウエハーは、高純度シリコンの結晶体からウエハー状に切り出すことにより製造されるが、切断機の性能等の観点から、近年においてはワイヤソーによる切り出しが主流になりつつある。このワイヤソーによる切り出しにおいては、切削用媒体として、通常平均粒径10μm〜50μmの炭化珪素砥粒と鉱油又は水溶液とを含有するワイヤソーオイルが用いられる。このワイヤソーオイルは、使用を繰り返すことにより砥粒の摩耗、シリコン削分の増加等により、切削能力が低下し、使用できなくなる。
そして、このように使用できなくなった廃ワイヤソーオイルは、現在においては、その大部分が焼却され、産業廃棄物として処理されているが、環境保護、資源の有効活用等の観点から、大量に発生する廃ワイヤソーオイルの再資源化が強く望まれている。
本発明は、上述した背景技術が有する実情に鑑みて成されたものであって、その目的は、廃ワイヤソーオイルの有効利用を図るとともに、従来においては燃料としての利用が困難或いは不可能であった固体状廃油及び/又は高粘性液状廃油を何ら支障なく燃料として利用できるものとする廃油系固体燃料の製造方法及び該廃油系固体燃料の利用方法を提供することにある。
上記した目的を達成するため、本発明は、次の〔1〕〜〔4〕に記載の廃油系固体燃料の製造方法及び該廃油系固体燃料の利用方法とした。
〔1〕 廃畳の破砕物、木材チップ、廃ポリマー、廃スポンジ、紙屑及び各種汚泥から選択される少なくとも一種以上からなる廃油吸収材100重量部と、廃油が入ったドラム缶を傾けても出てこないもの、或いはマヨネーズ状、或いは水あめ状でどろっとした固まりとなって出てくる固体状廃油及び/又は前記固体状廃油と異なり全体としては流動性を有しているものの、20℃でB型粘度計にて測定した数値が200cPを上回る粘度の高粘性液状廃油50〜130重量部と、比重1.2以上の廃ワイヤソーオイル15〜30重量部とを混合することを特徴とする、廃油系固体燃料の製造方法。
〔2〕 上記固体状廃油及び/又は高粘性液状廃油と、上記廃ワイヤソーオイルとを混合した後、該混合物と上記廃油吸収材とを混合することを特徴とする、上記〔1〕に記載の廃油系固体燃料の製造方法。
〔3〕 上記固体状廃油が、塗料カス、廃インク、タンクスラッジ、蒸留残渣、廃ワックスから選択される少なくとも一種以上であり、上記高粘性液状廃油が、切削油、潤滑油、魚油泥、廃油スラリーから選択される少なくとも一種以上であることを特徴とする、上記〔1〕又は〔2〕に記載の廃油系固体燃料の製造方法。
〔4〕 上記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の製造方法により得られた廃油系固体燃料を、セメントキルンの窯前部、窯尻部及び仮焼炉のいずれか一箇所以上から投入し、該廃油系固体燃料をセメント製造用燃料として利用することを特徴とする、廃油系固体燃料の利用方法
上記した本発明に係る廃油系固体燃料の製造方法によれば、廃畳の破砕物、木材チップ、廃ポリマー、廃スポンジ、紙屑及び各種汚泥から選択される少なくとも一種以上からなる廃油吸収材100重量部と、廃油が入ったドラム缶を傾けても出てこないもの、或いはマヨネーズ状、或いは水あめ状でどろっとした固まりとなって出てくる固体状廃油及び/又は前記固体状廃油と異なり全体としては流動性を有しているものの、20℃でB型粘度計にて測定した数値が200cPを上回る粘度の高粘性液状廃油50〜130重量部と、比重1.2以上の廃ワイヤソーオイル15〜30重量部とを混合することとしたため、詳細な理由は定かではないが、廃ワイヤソーオイル中に含まれる微細で重い砥粒(SiC)や研磨粉(Si、Fe等)により、混合時の衝撃力や剪断力が高まり、固体状廃油及び/又は高粘性液状廃油の微細化が図れること、また微細で重い砥粒(SiC)や研磨粉(Si、Fe等)によるベアリング効果(まぶし粉としての効果)により、固体状廃油及び/又は高粘性液状廃油の再凝集化を防止できること等から、得られる廃油系固体燃料は、運転に支障が生じるような塊状の廃油ダマ等が存在しないものとなり、廃ワイヤソーオイルの有効利用が図れるとともに、固体状廃油及び/又は高粘性液状廃油を、燃料として有効に利用できるものとなる。
また、上記した本発明に係る廃油系固体燃料の利用方法によれば、本発明の製造方法により得られた廃油系固体燃料を、セメントキルンの窯前部、窯尻部及び仮焼炉のいずれか一箇所以上から投入し、該廃油系固体燃料をセメント製造用燃料として利用することとしたため、固体状廃油及び/又は高粘性液状廃油、更には廃ワイヤソーオイルを大量に燃料として利用することができ、セメントを製造する上で必要な高価な化石燃料の原単位を低減することができるとともに、固体状廃油及び/又は高粘性液状廃油、廃ワイヤソーオイルに含まれる灰分をセメント原料の一部として利用することができ、廃棄物を発生させることがない。
本発明に係る廃油系固体燃料の製造方法、及び本発明に係る廃油系固体燃料の利用方法を実施する設備の一例を概念的に示した図である。
以下、上記した本発明に係る廃油系固体燃料の製造方法及び該廃油系固体燃料の利用方法の実施の形態を、詳細に説明する。
本発明に係る廃油系固体燃料の製造方法は、廃油吸収材と、固体状廃油及び/又は高粘性液状廃油と、廃ワイヤソーオイルとを混合するものである。
本発明で用いる上記廃油吸収材としては、廃畳の破砕物、木材チップ、廃ポリマー、廃スポンジ、紙屑及び各種汚泥等が挙げられ、これらのいずれか1種、或いは2種以上の混合物であってもよい。
上記廃油吸収材の平均粒径(篩の残分が50質量%以内となる目開き寸法)は、0.5mm以上であることが好ましい。これは、該平均粒径が0.5mm未満では、粒子系全体が微細化するため流動性、分散性が低下し、廃油のハンドリング性の向上等の効果を得ることが困難となる。また、上記廃油吸収材の最大粒径(篩の残分が5質量%以内となる目開き寸法)は、10mm以下、好ましくは5mm以下、より好ましくは3mm以下である。これは、該最大粒径が10mmを超えると、例えばセメントキルンのバーナーで使用する場合、火炎(フレーム)を形成し難く、燃料が着地した後も燃焼を継続するため、セメントクリンカの品質を低下させるおそれがある。該最大粒径を5mm以下とすれば、着地燃焼する粒体の割合が少なくなり、固体燃料の使用割合を大きくすることができるので好ましい。
本発明において用いる固体状廃油及び/又は高粘性液状廃油とは、先の〔0008〕段において定義した通りのものである。即ち、固体状廃油とは、廃油が入ったドラム缶を傾けても出てこないもの、或いはマヨネーズ状、或いは水あめ状でどろっとした固まりとなって出てくるものをいい、例えば、塗料カス、廃インク、タンクスラッジ、蒸留残渣、廃ワックス等がある。また、高粘性液状廃油とは、上記固体状廃油と異なり全体としては流動性を有しているものの、後記する低粘性液状廃油ではないものをいう。ここで規定する低粘性液状廃油とは、容積式ポンプを用いた場合比較的負荷が少なく、容易に搬送できる粘度を持つ廃油をいい、具体的には20℃でB型粘度計にて測定した数値が200cPを下回る廃油である。前記定義に該当する高粘性液状廃油としては、切削油、潤滑油、魚油泥、廃油スラリー等がある。
本発明においては、上記廃油吸収材、固体状廃油及び/又は高粘性液状廃油に、廃ワイヤソーオイルを混合する。廃ワイヤソーオイルには、砥粒である炭化珪素粒子とともに、シリコンウエハーの切り出しに際して生成したシリコン粒子、またワイヤソーの磨滅等に起因する鉄等の研磨粉を多量に含んでいる。これらの砥粒や研磨粉は、混合時における廃油ダマの微細化や、ベアリング効果(まぶし粉としての効果)を期待できるものであることから、本発明においては、これらの砥粒や研磨粉を多く含んでいる廃ワイヤソーオイル、言い換えれば、比重の高い廃ワイヤソーオイルが好適に用いられる。具体的には、比重1.2以上、より好ましくは比重1.3以上の廃ワイヤソーオイルが好適に用いられる。
上記各材料の混合割合は、廃油吸収材100重量部に対して、固体状廃油及び/又は高粘性液状廃油50〜130重量部、廃ワイヤソーオイル15〜30重量部が適当である。
これは、固体状廃油及び/又は高粘性液状廃油の混合量が50重量部未満では、これらの廃油の利用促進の観点、また得られる固体燃料の発熱量の観点から好ましくない。逆に固体状廃油及び/又は高粘性液状廃油の混合量が130重量部を超えると、得られる固体燃料の表面に多くの油が残留し、付着性が改善されず、搬送が困難なものとなるために好ましくない。かかる観点から、固体状廃油及び/又は高粘性液状廃油の混合割合は、廃油吸収材100重量部に対して、50〜130重量部が好ましく、50〜70重量部が特に好ましい。一方、廃ワイヤソーオイルの混合量が15重量部未満では、固体状廃油及び/又は高粘性液状廃油の微細化等の効果が顕著に現れず、得られる固体燃料に大きな塊状ダマ(廃油ダマ)が多く残存することとなるために好ましくない。逆に30重量部を超える廃ワイヤソーオイルを混合すると、灰分が増加し燃料品位を落とすことになるので好ましくない。かかる観点から、廃ワイヤソーオイルの混合割合は、15〜30重量部が好ましく、20〜30重量部が特に好ましい。
上記各材料の混合は、一つの混合機に各材料を投入し、同時に混合してもよく、また、先ず固体状廃油及び/又は高粘性液状廃油と廃ワイヤソーオイルとを混合し、得られた混合物と廃油吸収材とを混合することとしてもよい。ただ、混合時の衝撃力や剪断力を高め、固体状廃油及び/又は高粘性液状廃油の微細化を顕著に図るためには、クッションの作用を果たすと考えられる廃油吸収材とは別に、先ず固体状廃油及び/又は高粘性液状廃油と廃ワイヤソーオイルとを混合し、該混合物と廃油吸収材とを混合することが好ましい。
上記廃油吸収材と、固体状廃油及び/又は高粘性液状廃油と、廃ワイヤソーオイルとの混合操作により、得られる固体燃料は、大きな塊状ダマ(廃油ダマ)が残存しない、ハンドリング性が大幅に改善されたものとなる。この詳細な理由は定かではないが、廃ワイヤソーオイル中に含まれる微細で重い砥粒(SiC)や研磨粉(Si、Fe等)により、混合時の衝撃力や剪断力が高まり、固体状廃油及び/又は高粘性液状廃油の微細化が図れること、また微細で重い砥粒(SiC)や研磨粉(Si、Fe等)によるベアリング効果(まぶし粉としての効果)により、固体状廃油及び/又は高粘性液状廃油の再凝集化を防止できること等が考えられる。
なお、上記混合操作に際して、可燃性ガスの揮発が懸念される場合は、空気を混合機内に導入し、混合物から揮発する可燃性ガスを、爆発あるいは火災を起こさない濃度まで希釈させながら行うことが好ましい。即ち、本発明においては廃ワイヤソーオイルを用いるため、該廃ワイヤソーオイルからの水素の発生が懸念され、該水素に混合機の回転部等で発生した火花が引火し、爆発を起こす危険がある。そこで、空気を混合機内に導入し、発生した水素の濃度を爆発を起こさない濃度、即ち爆発下限濃度である4%未満まで希釈させながら混合操作を行うことが好ましい。
また、混合機は、単に攪拌羽根が設けられているものではなく、その混合容器自体をも回転する構造のものを使用することが好ましい。これは、固体状廃油及び/又は高粘性液状廃油のように粘稠性の高い材料と、廃油吸収材である廃畳の破砕物等のかさ密度の低い材料とを良好に混合できると共に、容器が回転することにより揮発した可燃性ガスが流動し、容器の一部に溜まることがなく、導入された空気によって容易かつ確実に希釈させられるためである。
このような容器自体をも回転する構造の混合機としては、アイリッヒ社製のインテンシブミキサー等が挙げられる。
上記混合操作により、廃油吸収材と、固体状廃油及び/又は高粘性液状廃油と、廃ワイヤソーオイルとの混合物からなる廃油系固体燃料が得られる。この廃油系固体燃料は、流動性、ハンドリング性が良好で、かつ性状が均質化したものとなり、セメントキルンに導入した際に、セメントキルンの燃焼状態への影響を低く抑えることができ、また固体状廃油、高粘性液状廃油、廃ワイヤソーオイル等の廃油を燃料代替として用いることで、高価な化石燃料の原単位を低減することが可能となる。
次に、図面を参照しつつ、本発明に係る廃油系固体燃料の製造方法及び該廃油系固体燃料の利用方法の一実施の形態を説明する。
図1は、廃油系固体燃料の製造設備、及び該廃油系固体燃料を使用するセメントキルンを概念的に示した図である。
図示したように、先ず、所定の方法で計量された1バッチ分の廃畳Aは、破砕機1に投入され、5cm以下の長さを有する破砕物の割合が80重量%以上の破砕物に破砕される。そして、得られた廃畳Aの破砕物は、コンベヤー2によって搬送され、ホッパー3に貯留される。
ホッパー3に貯留された廃畳Aの破砕物は、混合機(アイリッヒ社製のアイリッヒミキサー)4の投入口4aより、1バッチ分(約350kg)計量されて投入される。続いて、ドラム缶に入れられた1バッチ分(約200kg)の固体状廃油及び/又は高粘性液状廃油(高粘性潤滑油)Xと、定量供給装置5より1バッチ分(約100kg)の廃ワイヤソーオイルYとが、廃油シュート6を介して混合機4内に同時に投入される。その際、廃油シュート6に設置されたじゃま板7により、固体状廃油及び/又は高粘性液状廃油Xと廃ワイヤソーオイルYとが軽く混合される。そして、混合機4内に投入された廃畳Aの破砕物、固体状廃油及び/又は高粘性液状廃油X及び廃ワイヤソーオイルYは、所定時間(約3分間)攪拌混合される。この間、混合機4内には、所定量(最大約20m3/min)の空気が導入され、混合物から発生する可燃性ガス(水素)を、爆発を起こさない濃度まで希釈させながら混合操作が行われる。
上記混合操作によって、廃畳Aの破砕物と、固体状廃油及び/又は高粘性液状廃油Xと、廃ワイヤソーオイルYとの混合物からなる廃油系固体燃料Oとなる。混合機4より排出された固体燃料Oは、その下流に設置された解砕機8で解砕され、コンベヤー9によって上方に搬送され、ドラム磁選機10で異物が除去され、トロンメル11でその粒度が整えられ、貯留タンク12に貯留される。
この貯留タンク12には、所定量(最大約30m3/min)の空気が導入され、固体燃料Oから発生する可燃性ガス(水素)を、爆発を起こさない濃度まで希釈させながら貯留が行われる。このような状態で貯留された固体燃料Oは、計量器13で計量され、セメントキルン14の主燃料である微粉炭に代えて、或いは微粉炭と併用して、バーナー15に向かって空気圧送され、バーナー15の燃料噴射口からセメントキルン14内に投入される。
セメントキルン14内に投入された固体燃料Oは、バーナー15からの炎によって、炉底に着地する前に短時間で完全燃焼し、固体燃料Oの燃焼残渣は、クリンカの成分の一部となる。一方、ドラム磁選機10、トロンメル11で排除された固体燃料O中の異物等は、セメントキルン14の窯尻部(図示せず)より投入され、燃料として使用されると共に、その残渣はクリンカの成分の一部となる。
以上、本発明に係る廃油系固体燃料の製造方法及び該廃油系固体燃料の利用方法の実施の形態を説明したが、本発明は、何ら既述の実施の形態に限定されるものではない。
特に、廃ワイヤソーオイルの混合位置及び混合順序は、何ら上記の実施の形態に限定されず、例えば、上記混合機4の前に別の混合機を設置し、該混合機によって、固体状廃油及び/又は高粘性液状廃油Xと廃ワイヤソーオイルYとを予め混合してその性状を調整した後、該混合物と廃油吸収材Aとを混合機4において混合することとしてもよい。
また、本発明の廃油系固体燃料Oは、粒度が非常に大きい場合や空気圧送し難い性状(例えば付着性を有する等)の場合、また単位時間当たりの処理量を増大させたい場合には、セメントキルン14の窯尻部(図示せず)から投入する構成としてもよい。更には、セメントキルン14の仮焼炉(図示せず)から投入する構成としてもよい。この場合には、上記セメントキルン14の窯前部から投入する技術に比して、そのハンドリング性は機械式搬送及び機械式投入が可能な必要最小限のものに調整されていれば十分であり、その調整はかなりラフなものであってもよく、しかも大量にセメント製造用燃料として利用することが可能となる。
試験例
1.使用材料
〔1〕廃油吸収材
本畳の破砕物を用いた。本畳の破砕物は、次の方法にて調整した。
一軸式破砕機(ロストルの目開き:15mm)を用いて本畳を破砕し、平均粒径が0.5mm以上であり、かつ、目開き寸法が10mmである篩の残分が5重量%以下である本畳の破砕物を調製した。
〔2〕油 泥
表1に記載した性状の高粘性潤滑油を用いた。
〔3〕ハンドリング改質材料
ハンドリング改質材料として、表1に併記した性状の潤滑油、廃白土、廃ワイヤソーオイルの3種類を用いた。
Figure 0005456348
2.固体燃料の製造
上記廃畳、高粘性潤滑油及びハンドリング改質材料を表2に示した種々の配合割合で混合し、固体燃料を製造した。
なお、混合は、ペール缶内でハンドミキサーを用いて約2分間攪拌混合することにより行った。
Figure 0005456348
3.固体燃料の性状
上記製造した各固体燃料について、その付着量、ダマのサイズ及び量を測定した。
付着量の測定は、直径120mm、長さ150mmのステンレス製円筒状容器(容量:1.7L)に試料を100g投入し、該円筒状容器を軸芯を中心として46rpmの回転数で20分間回転させ、容器内壁に付着する試料の重量を測定し、付着割合(重量%)を算出することにより行った。
また、ダマのサイズは、試料を100gとり、篩いでふるって最大径を測定した。また、ダマの量は、試料を100gとり、5mm篩い上に残った重量を測定し、残存割合(重量%)を算出することにより行った。
なお、試料は、製造後(混合後)の固体燃料から製造直後に採取した。
付着量、ダマのサイズ及び量の測定結果を表3に記載する。
Figure 0005456348
4.まとめ
上記した試験例から、廃畳と、高粘性潤滑油と、廃ワイヤソーオイルとを混合した固体燃料は、残存する塊状ダマが小さく且つその量が少ないことが分かる。また、廃畳と高粘性潤滑油との配合割合によっても当然左右されるが、概ね廃畳と高粘性潤滑油とを最適な配合割合とした場合には、廃ワイヤソーオイルの配合割合は15〜30重量部が適当であることが分かる。なお、上記廃ワイヤソーオイルの配合割合の上限は、付着量の増加とともに、灰分の増加による燃料品位の低下を考慮したものである。
1 破砕機
2 コンベヤー
3 ホッパー
4 混合機
4a 投入口
5 定量供給装置
6 廃油シュート
7 じゃま板
8 解砕機
9 コンベヤー
10 ドラム磁選機
11 トロンメル
12 貯留タンク
13 計量器
14 セメントキルン
15 バーナー
A 廃畳
X 固体状廃油及び/又は高粘性液状廃油
Y 廃ワイヤソーオイル
O 廃油系固体燃料

Claims (4)

  1. 廃畳の破砕物、木材チップ、廃ポリマー、廃スポンジ、紙屑及び各種汚泥から選択される少なくとも一種以上からなる廃油吸収材100重量部と、廃油が入ったドラム缶を傾けても出てこないもの、或いはマヨネーズ状、或いは水あめ状でどろっとした固まりとなって出てくる固体状廃油及び/又は前記固体状廃油と異なり全体としては流動性を有しているものの、20℃でB型粘度計にて測定した数値が200cPを上回る粘度の高粘性液状廃油50〜130重量部と、比重1.2以上の廃ワイヤソーオイル15〜30重量部とを混合することを特徴とする、廃油系固体燃料の製造方法。
  2. 上記固体状廃油及び/又は高粘性液状廃油と、上記廃ワイヤソーオイルとを混合した後、該混合物と上記廃油吸収材とを混合することを特徴とする、請求項1に記載の廃油系固体燃料の製造方法。
  3. 上記固体状廃油が、塗料カス、廃インク、タンクスラッジ、蒸留残渣、廃ワックスから選択される少なくとも一種以上であり、上記高粘性液状廃油が、切削油、潤滑油、魚油泥、廃油スラリーから選択される少なくとも一種以上であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の廃油系固体燃料の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法により得られた廃油系固体燃料を、セメントキルンの窯前部、窯尻部及び仮焼炉のいずれか一箇所以上から投入し、該廃油系固体燃料をセメント製造用燃料として利用することを特徴とする、廃油系固体燃料の利用方法。
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