JP5456342B2 - 廃油系固体燃料の製造方法及び該廃油系固体燃料の利用方法 - Google Patents

廃油系固体燃料の製造方法及び該廃油系固体燃料の利用方法 Download PDF

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Description

本発明は、廃油系固体燃料の製造方法に関するもので、特に、廃塗料スラッジ等の不溶性固体を含む高粘性の廃スラッジを積極的に用いた廃油系固体燃料の製造方法及び該廃油系固体燃料の利用方法に関するものである。
廃油は、高いエネルギーを有するため、廃棄物として焼却処分せずに、燃料として有効利用することが期待されている。
しかし、廃油は、高い粘稠性を有するものや、常温で流動性がないものや、固形分が沈降分離して固着するものなどがあるため、搬送時等におけるハンドリング性が悪く、廃油それ単独では、燃料としての取扱いが困難であった。
そこで、本件出願人は、先に、廃油と、所定の粒径に破砕した廃畳、木粉等のバイオマスと、有機質粉体とを所定の割合で混合し、得られた固体燃料を、管路を介してセメント製造設備であるセメントキルンの窯前部から燃料として吹き込む技術を開発し、特許出願を行なった(特許文献1)。
また、本件出願人は、廃油と、廃畳の破砕物、廃スポンジ、紙屑、各種汚泥等の廃油吸収材とを混合し、機械式搬送及び機械式投入が可能な必要最小限のハンドリング性を有する固体燃料とした後、該固体燃料を、ベルトコンベヤー、バケットエレベーター等の機械式搬送手段、及び2重のフラップダンパー、ロータリーフィーダ等の機械式投入手段を用いてセメント製造設備であるセメントキルンの仮焼炉に投入する技術を開発し、特許出願を行なった(特許文献2)。
特開2006−199750号公報 特開2008−260647号公報
ところで、セメント製造設備であるセメントキルンの窯前部から燃料として廃油系固体燃料を投入する技術にあっては、製造されるセメントクリンカの品質に悪影響を与えない観点等から、火炎(フレーム)を形成させて燃料を瞬時に高温で完全燃焼させる必要があり、空気流等に乗せて廃油系固体燃料を吹き込むことが必須であった。この場合、上記特許文献1に記載されているように、廃油をバイオマス等に吸収させ、そのハンドリング性を改善させる方法にあっては、得られる廃油系固体燃料の流動性、付着性等の性状の調整を、管路を介した吹き込みに支障が生じないよう厳密に行う必要があったが、廃油の種類、例えば廃塗料スラッジ等の不溶性固体を含む高粘性の廃スラッジにあっては、その調整が困難或いは不可能である場合があった。
また、上記特許文献2に開示されたセメント製造設備であるセメントキルンの仮焼炉に廃油系固体燃料を投入する技術にあっては、上記セメントキルンの窯前部から投入する技術に比してそのハンドリング性は機械式搬送及び機械式投入が可能な必要最小限のものに調整されていれば十分であり、その調整はかなりラフなものであってもよいが、使用する廃油がやはり廃塗料スラッジ等の不溶性固体を含む高粘性の廃スラッジである場合には、廃油吸収材との混合前の調整タンク、搬送ライン等において詰まる虞が高く、また、廃油吸収材との混合後においても大きな塊状の廃油ダマが残存する場合があり、やはり、その使用が困難であった。
なお、廃スラッジとは、一般には、汚泥等、下水処理、工場廃水処理等を行う際に発生する有機性の沈殿物をいうが、本明細書においては、液体中に固体が混在している廃棄物、又は部分的又は全体的に高粘度のものからなる廃棄物で、該廃棄物を入れたドラム缶を傾けても出てこないもの、或いはマヨネーズ状、或いは水あめ状でどろっとした固まりとなって出てくる可燃性のものをいう。
本発明は、上述した背景技術が有する実情に鑑みて成されたものであって、その目的は、従来においては燃料としての利用が困難或いは不可能であった廃スラッジをも、何ら支障なく燃料として利用できるものとする廃油系固体燃料の製造方法及び該廃油系固体燃料の利用方法を提供することにある。
上記した目的を達成するため、本発明は、次の〔1〕〜〔〕に記載の廃油系固体燃料の製造方法及び該廃油系固体燃料の利用方法とした。
〔1〕液体中に固体が混在している廃棄物、又は部分的又は全体的に高粘度のものからなる廃棄物で、該廃棄物を入れたドラム缶を傾けても出てこないもの、或いはマヨネーズ状、或いは水あめ状でどろっとした固まりとなって出てくる可燃性のものであって、廃塗料スラッジ、廃溶剤蒸留残渣、廃グリス、オイルスラッジ、廃インク及び廃白土から選択される少なくとも一種以上からなる廃スラッジそのものと、種々の性状の液状廃油を混合攪拌して残存する塊状廃油の粒径が15mm以下で、かつ粘度が3,500cP以下の廃油に調整された調整廃油とを、破砕混合機により残存する粒状廃スラッジの粒径が15mm以下となるように破砕混合し、該破砕混合によって得られた混合物30〜300質量部、廃畳の破砕物、木材チップ、廃ポリマー、廃スポンジ、紙屑及び各種汚泥から選択される少なくとも一種以上からなる廃油吸収材100質量部とを混合することを特徴とする、廃油系固体燃料の製造方法。
〔2〕上記廃スラッジと調整廃油との破砕混合物が、加熱攪拌された後に上記廃油吸収材と混合されることを特徴とする、上記〔1〕に記載の廃油系固体燃料の製造方法。
〔3〕上記〔1〕又は〔2〕に記載の製造方法により得られた廃油系固体燃料を、セメントキルンの窯前部、窯尻部及び仮焼炉のいずれか一箇所以上から投入し、該廃油系固体燃料をセメント製造用燃料として利用することを特徴とする、廃油系固体燃料の利用方法。
上記した本発明に係る廃油系固体燃料の製造方法によれば、液体中に固体が混在している廃棄物、又は部分的又は全体的に高粘度のものからなる廃棄物で、該廃棄物を入れたドラム缶を傾けても出てこないもの、或いはマヨネーズ状、或いは水あめ状でどろっとした固まりとなって出てくる可燃性のものであって、廃塗料スラッジ、廃溶剤蒸留残渣、廃グリス、オイルスラッジ、廃インク及び廃白土から選択される少なくとも一種以上からなる廃スラッジそのものと、種々の性状の液状廃油を混合攪拌して残存する塊状廃油の粒径が15mm以下で、かつ粘度が3,500cP以下の廃油に調整された調整廃油とを、破砕混合機により残存する粒状廃スラッジの粒径が15mm以下となるように破砕混合し、該破砕混合によって得られた混合物30〜300質量部、廃畳の破砕物、木材チップ、廃ポリマー、廃スポンジ、紙屑及び各種汚泥から選択される少なくとも一種以上からなる廃油吸収材100質量部とを混合することとしたため、不溶性固体を含む高粘性の廃スラッジを支障なく廃油吸収材と混合することが可能となり、従来においてはその使用が困難或いは不可能であった廃スラッジを、積極的に燃料として使用することができる。
また、上記した本発明に係る廃油系固体燃料の利用方法によれば、本発明の製造方法により得られた廃油系固体燃料を、セメントキルンの窯前部、窯尻部及び仮焼炉のいずれか一箇所以上から投入し、該廃油系固体燃料をセメント製造用燃料として利用することとしたため、廃スラッジ等の廃油を大量に燃料として利用することができ、セメントを製造する上で必要な高価な化石燃料の原単位を低減することができるとともに、廃スラッジ等の廃油に含まれる灰分をセメント原料の一部として利用することができ、廃棄物を発生させることがない。
本発明に係る廃油系固体燃料の製造方法を実施する製造設備の一例を概念的に示した図である。 本発明に係る廃油系固体燃料の利用方法を実施するセメント製造設備の一例を概念的に示した図である。
以下、上記した本発明に係る廃油系固体燃料の製造方法及び該廃油系固体燃料の利用方法の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
先ず、受入れた廃油を、少なくとも廃スラッジAと、その他の廃油Bとに分別する。
なお、本明細書において廃スラッジとは、前記したように、液体中に固体が混在している廃棄物、又は部分的又は全体的に高粘度のものからなる廃棄物で、該廃棄物を入れたドラム缶を傾けても出てこないもの、或いはマヨネーズ状、或いは水あめ状でどろっとした固まりとなって出てくる可燃性のものをいい、例えば、廃塗料スラッジ、廃溶剤蒸留残渣、廃グリス、オイルスラッジ、廃インク及び廃白土等が挙げられる。また、その他の廃油とは、上記廃スラッジ以外の、高粘性液状廃油、低粘性液状廃油をいい、例えば、切削油、潤滑油、魚油泥、廃油スラリー、機械油、動植物油、油性或いは水溶性廃液等が挙げられる。
続いて、上記分別した廃スラッジAを、ポンプ圧送できるサイズの小塊であればそのまま後記するポンプ3により破砕混合機4に送り、調整廃油Xとの破砕混合を行う。ポンプ圧送できるサイズを超える(例えば、長尺寸法が100mmを超える)塊が存在している場合には、図1に示したように、ドラム缶反転機1を用いて解砕機2に投入し、廃スラッジAを先ず小塊に解砕する。この廃スラッジAの解砕機2としては、二軸型解砕機、剪断式解砕機、スクリーン付破砕機等が挙げられるが、中でも二軸型解砕機、例えばモノポンプ社製の『Muncher』が好適に用いられる。この解砕機によって解砕された廃スラッジAは、直方体状或いはひも状のような不定形状となり、粒子形状ではないため、木屑等と同様に取り扱うことが可能である。
具体的な解砕機2による廃スラッジAの大きさは、解砕物を輸送するポンプ3の仕様や能力により、または後に行う調整廃油Xとの破砕混合条件および破砕混合機の仕様や能力によって相違したものとはなるが、概ね、残存する不定形状廃スラッジの長尺寸法が100mm以下、より好ましくは50mm以下に解砕されていれば、ポンプ3での閉塞および配管等における閉塞を防止することができ、また調整廃油Xとの混合性も良好なものとなる。
続いて、廃スラッジAを、ポンプ3により破砕混合機4に送り、調整廃油Xとの破砕混合を行う。この廃スラッジAを送るポンプ3としては、モーノポンプ、ロータリーポンプ、二軸スクリューポンプ、ピストンポンプ等が好適に用いられる。これらのポンプは、比較的大きな塊状のダマを含むスラッジをも搬送可能であるために好適である。
この破砕混合機4による廃スラッジAの破砕目的は、不溶性固体を含む高粘性の廃スラッジAを、調整廃油Xと混合するとともに小粒子に破砕し、タンク、配管等における閉塞を防止するためである。この目的を達成し得る廃スラッジAと調整廃油Xとの破砕混合機4としては、ホモミキサ、インラインミキサ、コロイドミル、ボールミル等を挙げることができるが、中でも、混合機としての機能だけでなく、ポンプとしての機能をも有するもの、例えば、インラインミキサ、パイプラインホモミキサが好適に用いられる。
具体的な破砕混合機4による廃スラッジAと調整廃油Xとの破砕混合後の粒径は、廃油吸収材Wとの混合条件、更には廃油吸収材Wとの混合により得られた廃油系固体燃料Oの使用方法等によっても相違したものとはなるが、概ね、粒径が15mm以下、より好ましくは12mm以下に破砕混合されていれば、流動性や分離抵抗性が良好となり、タンク、配管等における閉塞を防止することができ、また廃油吸収材Wとの混合後において搬送或いは運転トラブル等を発生させるような廃油ダマのない、良好に燃料として利用できる廃油系固体燃料Oを得ることができる。すなわち、廃スラッジAと調整廃油Xとの破砕混合後の混合物に15mmを超える塊状ダマが存在する場合には、タンク、配管等における閉塞が懸念されるとともに、廃油吸収材Wとの物理的な接触が限定され、さらに混合時間内に吸収されることが困難となるため、塊状のダマもそのまま廃油系固体燃料中に存在し、機械式搬送段階等において付着・堆積し、発火の原因となるが、上記した粒径以下に破砕混合されていれば、これらの問題は生じ難い。
なお、本明細書でいう廃スラッジAの解砕物、および廃スラッジAと調整廃油Xとの破砕混合後の混合物の粒径は、篩いにより測定したものである。
上記廃スラッジAと破砕混合する調整廃油Xは、上記廃スラッジAと分別したその他の廃油Bの調整物である。このその他の廃油Bは、上記したように、廃スラッジA以外の、高粘性の廃油から低粘性の廃油まで種々の性状の液状廃油が該当し、該その他の廃油Bを、ドラム缶反転機5によって溶解槽6(例えば、立形攪拌機)に投入し、該溶解槽6において混合攪拌することにより性状を調整したもの、或いは、更にその混合攪拌物を加温タンク7に導き、該加温タンク7において適温で加熱攪拌することにより性状を調整したものが、調整廃油Xである。
上記溶解槽6による混合攪拌により、廃油中の大きな塊状のダマは溶解或いは分散して小塊化し、廃スラッジAとの破砕混合性も良好な粘性の廃油に調整できる。また、加温タンク7による加熱攪拌によって、常温では溶解或いは解砕・分散しない廃油をも溶解或いは解砕・分散させることができる。かかる観点から、加温タンク7における加熱温度は、40〜80℃程度が適当である。なお、加温タンク7による加熱後、常温に戻しても調整廃油Xの粘度等の性状が大きく変化することはない。これは、加熱により元々低粘性液状廃油と親和性のあった高粘性液状廃油が溶解・安定化すること、或いは加熱により解砕性が良くなり、破砕混合機の剪断力等によって低粘性液状廃油に分散し、安定化するためである。
上記調整廃油Xの性状は、廃スラッジAとの破砕混合条件等によっても相違したものとはなるが、概ね、残存する塊状廃油(廃油ダマ)の粒径が15mm以下、より好ましくは12mm以下で、かつ粘度が3,500cP以下、より好ましくは3,000cP以下の廃油に調整されていれば、タンク、搬送ライン等において詰まることがなく、廃スラッジAの解砕物との破砕混合性も良好なものとなる。
なお、本明細書でいう上記残存する塊状廃油(廃油ダマ)の粒径は、篩いにより測定したものであり、粘度は20℃でB型粘度計により測定したものである。
廃スラッジAと調整廃油Xとの破砕混合物は、上記加温タンク7に導かれ、該加温タンク7において適温で加熱攪拌されることにより、その性状が更に調整される。この廃スラッジAと調整廃油Xとの破砕混合物(以下、廃スラッジの調整混合物Y)の性状は、やはり、後に行なう廃油吸収材Wとの混合条件によって相違し、また混合により得られた廃油系固体燃料Oの使用方法等によっても相違したものとはなるが、概ね、上記した調整廃油Xの性状、すなわち、残存する塊状廃油(廃油ダマ)の粒径が15mm以下、より好ましくは12mm以下で、かつ粘度が3,500cP以下、より好ましくは3,000cP以下の廃油に調整されていれば、タンク、搬送ライン等において詰まることがなく、廃油吸収材Wとの混合性も良好なものとなり、また廃油吸収材Wとの混合後において運転トラブルを発生させるような廃油ダマのない、良好に燃料として利用できる廃油系固体燃料Oを得ることができる。
なお、上記加温タンク7により加熱攪拌された廃スラッジAと調整廃油Xとの破砕混合物は、図1に示したように、その一部が溶解槽6に戻され、調整廃油Xとして、上記したその他の廃油B、廃スラッジAの調整に使用される。また、調整廃油Xとして、廃スラッジAの解砕機2に導く構成、また解砕機2の下流側に導く構成としてもよい。更に、廃スラッジAと調整廃油Xとの破砕混合物の性状が、破砕混合機4による混合のみで上記した性状のものとなる場合には、加温タンク7に導くことなく、廃油吸収材Wとの混合機8に直接、或いは計量タンク11を経由して導くこととしてもよい。
上記性状が調整された廃スラッジの調整混合物Yは、混合機8に導かれ、該混合機8において廃油吸収材Wと混合されることにより、廃油系固体燃料Oが製造される。
廃油吸収材Wとしては、廃畳の破砕物、木材チップ、廃ポリマー、廃スポンジ、紙屑、各種汚泥等を用いることができ、これらの廃油吸収材Wを、サイロ9から計量タンク10を介して混合機8に投入し、上記廃スラッジの調整混合物Yと混合し、流動性、付着性等のハンドリング性を改善した廃油系固体燃料Oとする。この際の混合機8としては、二軸ミキサ、コンクリート用ミキサ、インテンシブミキサ等を用いて行なえばよい。なお、図1中、11は廃スラッジの調整混合物Yの計量タンク、12は加温タンクの温度等の制御盤である。
上記廃スラッジの調整混合物Yと廃油吸収材Wとの混合機8における混合割合は、混合する両者の種類、性状、混合機の種類、混合条件、更には混合物である廃油系固体燃料Oの使用方法等により異なり、一概に規定することはできないが、概ね、廃油吸収材100質量部に対して、廃スラッジの調整混合物Yが30〜300質量部、より好ましくは50〜200質量部の割合で混合すればよい。廃スラッジの調整混合物Yの混合量が30質量部に満たない場合には、廃スラッジA等の廃油の利用促進の観点、また得られる廃油系固体燃料Oの発熱量の観点から好ましくない。逆に廃スラッジの調整混合物Yの混合量が300質量部を超えると、得られる廃油系固体燃料Oの表面に多くの油が残留し、付着性が改善されず、搬送が困難なものとなるために好ましくない。
上記のようにして製造された廃油系固体燃料Oは、流動性、ハンドリング性が良好で、かつ性状が均質化したものとなり、セメントキルンに導入した際に、セメントキルンの燃焼状態への影響を低く抑えることができ、また廃スラッジ等の廃油を燃料代替として用いることで、高価な化石燃料の原単位を低減することが可能となる。
次に、本発明の廃油系固体燃料の使用方法の一例を、図2に基づいて説明する。
図2は、本発明の廃油系固体燃料を用いるセメント製造設備20(セメントキルン及びその関連装置)を概念的に示した図である。
セメントキルン21は、セメント原料を焼成してクリンカを製造するための長尺の円筒状の回転体である。該セメントキルン21の原料供給側には、セメント原料を予熱及び脱炭酸し、かつセメントキルン21で発生した排ガスを系外に排出するために、複数のサイクロンからなるプレヒーター22、及び仮焼炉23が連結されている。
また、上記セメントキルン21の焼成物排出側には、焼成物(クリンカ)を冷却するためのクーラー24が連結されており、また、セメントキルン21内を流下する原料を最高温度で1,450℃程度の高温に加熱するためのバーナー25及び燃料の供給用の管路26が配設されている。
上記管路26には、一端にブロア27が接続され、他端に上記バーナー25が接続されている。また、管路26の所定の位置(ブロア27の近傍)には、本発明により製造された上記廃油系固体燃料Oを貯留し、かつ管路26に定量供給するための貯留・定量供給装置28が接続されている。
上記したセメント製造設備20において、先ず、プレヒーター22の上部に設けられている原料投入口に、セメント原料を投入する。投入されたセメント原料は、プレヒーター22及び仮焼炉23内を下方に移動しながら、予熱及び脱炭酸され、次いで、窯尻からセメントキルン21内に移動する。
セメントキルン21内に移動したセメント原料は、緩い傾斜を有しかつ緩やかに回転するキルン21内を、バーナー25が配設されている窯前に向かって徐々に移動していき、その過程で焼成されてクリンカとなる。クリンカは、セメントキルン21の窯前からクーラー24内に落下して、クーラー24で冷却された後、排出される。
セメントキルン21の内部は、原料の最高温度(バーナー25の火炎の近傍の原料の温度)が1,450℃程度になるように温度が管理されている。このような高温雰囲気を保持するために、本発明により製造された廃油系固体燃料Oは、セメントキルン21の主燃料である微粉炭に代えて、或いは微粉炭と併用して、バーナー25からキルン内に投入される。
本発明により製造された廃油系固体燃料Oは、無定形の固体燃料であり、当初は貯留・定量供給装置28に収容されている。貯留・定量供給装置28内の廃油系固体燃料Oは、底部に設けられたロータリーフィーダ等の定量供給手段によって所定の供給速度で管路26内に送られ、ブロア27からの風圧によって所定の流速で管路26内をセメントキルン21に向かって移動し、管路26の端部に接続されたバーナー25の燃料噴射口からセメントキルン21内に所定の噴射速度で投入される。なお、貯留・定量供給装置28を用いずに、図1に示した燃料の製造設備から直接、廃油系固体燃料Oを管路26に供給する構成としてもよい。
セメントキルン21内に投入された廃油系固体燃料Oは、バーナー25からの火炎(フレーム)によって、炉底に着地する前に短時間で完全燃焼する。そして、廃油系固体燃料Oの燃焼残渣は、クリンカの成分の一部となって利用される。なお、廃油系固体燃料Oは、着地前に完全燃焼するので、クリンカの品質を低下させることはない。
本発明の廃油系固体燃料Oは、粒度が非常に大きい場合や空気圧送し難い性状(例えば付着性を有する等)の場合、また単位時間当たりの処理量を増大させたい場合には、図2中に矢印αで示すように、セメントキルン21の窯尻部から投入する構成としてもよい。また、図2中に矢印βで示すように、セメントキルン21の仮焼炉23から投入する構成としてもよい。この場合には、上記セメントキルン21の窯前部から投入する技術に比して、そのハンドリング性は機械式搬送及び機械式投入が可能な必要最小限のものに調整されていれば十分であり、その調整はかなりラフなものであってもよく、しかも大量にセメント製造用燃料として利用することが可能となる。
以上、本発明に係る廃油系固体燃料の製造方法及び該廃油系固体燃料の利用方法の好適な実施の形態を説明したが、本発明は、何ら既述の実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載した本発明の技術的思想の範囲内において、更に種々の変形及び変更が可能であることは当然である。
1 ドラム缶反転機
2 解砕機
3 ポンプ
4 破砕混合機
5 ドラム缶反転機
6 溶解槽
7 加温タンク
8 混合機
9 サイロ
10 計量タンク
11 計量タンク
12 制御盤
20 セメント製造設備
21 セメントキルン
22 プレヒーター
23 仮焼炉
24 クーラー
25 バーナー
26 管路
27 ブロア
28 貯留・定量供給装置
A 廃スラッジ
B その他の廃油
X 調整廃油
Y 廃スラッジの調整混合物
W 廃油吸収材
O 廃油系固体燃料

Claims (3)

  1. 液体中に固体が混在している廃棄物、又は部分的又は全体的に高粘度のものからなる廃棄物で、該廃棄物を入れたドラム缶を傾けても出てこないもの、或いはマヨネーズ状、或いは水あめ状でどろっとした固まりとなって出てくる可燃性のものであって、廃塗料スラッジ、廃溶剤蒸留残渣、廃グリス、オイルスラッジ、廃インク及び廃白土から選択される少なくとも一種以上からなる廃スラッジそのものと、種々の性状の液状廃油を混合攪拌して残存する塊状廃油の粒径が15mm以下で、かつ粘度が3,500cP以下の廃油に調整された調整廃油とを、破砕混合機により残存する粒状廃スラッジの粒径が15mm以下となるように破砕混合し、該破砕混合によって得られた混合物30〜300質量部、廃畳の破砕物、木材チップ、廃ポリマー、廃スポンジ、紙屑及び各種汚泥から選択される少なくとも一種以上からなる廃油吸収材100質量部とを混合することを特徴とする、廃油系固体燃料の製造方法。
  2. 上記廃スラッジと調整廃油との破砕混合物が、加熱攪拌された後に上記廃油吸収材と混合されることを特徴とする、請求項1に記載の廃油系固体燃料の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の製造方法により得られた廃油系固体燃料を、セメントキルンの窯前部、窯尻部及び仮焼炉のいずれか一箇所以上から投入し、該廃油系固体燃料をセメント製造用燃料として利用することを特徴とする、廃油系固体燃料の利用方法。
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