JP5823804B2 - 廃油系固体燃料の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、廃油系固体燃料の製造方法に関するもので、特に、固体状廃油、高粘性液状廃油を積極的に用いた高発熱量の廃油系固体燃料の製造方法に関するものである。
原油スラッジ、廃塗料、廃溶剤等の廃油は、高いエネルギーを有するため、廃棄物として焼却処分せずに、燃料として有効利用することが期待されている。
しかし、廃油は、高い粘稠性を有するものや、常温で流動性がないものや、固形分が沈降分離して固着するものなどがあるため、搬送時等におけるハンドリング性が悪く、廃油それ単独では、燃料としての取扱いが困難であった。
そこで、本件出願人は、先に、原油スラッジ、廃塗料、廃溶剤等の廃油と、所定の粒径に破砕した廃畳、木粉等のバイオマスと、有機質粉体とを所定の割合で混合し、得られた固体燃料を管路を介してセメント製造設備であるロータリーキルンの窯前部から燃料として吹き込む技術を開発し、特許出願を行なった(特許文献1)。
特開2006−199750号公報
ところで、廃油と混合される廃畳の破砕物、木粉等のバイオマスは、その破砕時或いは搬送時等における粉塵飛散を防止するため、散水している場合が多く、含水率が極めて高いものとなっていた。また、固体状廃油或いは高粘性液状廃油の場合は、流動性、混合性等のハンドリング性を確保するため、燃料価値を犠牲にして水混じりの低粘性液状廃油と事前に混合され、水分量の高いエマルジョン燃料として受け入れられ、該エマルジョン燃料を廃畳の破砕物等のバイオマスと混合し、セメント製造設備であるロータリーキルンの窯前部から燃料として吹き込むことが成されていた。
しかし、燃料中に存在する水分は、燃焼効率の低下を来たすと共に水蒸気処理による生産能力の低下をも来たすことから、燃料中の水分量は当然少ない方が好ましいものであった。また、固体状廃油或いは高粘性液状廃油は高い発熱量を有するものであるため、出来れば低粘性液状廃油と混合することなく使用することが望ましいものであった。
本発明は、上述した背景技術が有する実情に鑑みて成されたものであって、その目的は、従来においては燃料としての利用が困難或いは不可能であった固体状廃油及び/又は高粘性液状廃油を、積極的に用いた高発熱量の廃油系固体燃料の製造方法を提案することにある。
なお、ここで、本明細書において言う上記固体状廃油とは、廃油が入ったドラム缶を傾けても出てこないもの、或いはマヨネーズ状、或いは水あめ状でどろっとした固まりとなって出てくるものを言う。また、高粘性液状廃油とは、上記固体状廃油と異なり全体としては流動性を有しているものの、後述する低粘性液状廃油ではないものを言う。ここで低粘性液状廃油とは、容積式ポンプを用いた場合比較的負荷が少なく、容易に搬送できる粘度を持つ廃油を言う。具体的には20℃でB型粘度計にて測定した数値が2000cPを下回る廃油である。容積式ポンプとしては、竪型遠心渦巻ポンプなどが挙げられる。このような固体状廃油或いは高粘性液状廃油は、単に廃畳の破砕物等のバイオマスと混合しても、マヨネーズ状或いは水あめ状の塊状廃油がバイオマスの表面に廃油ダマとして残存し、その利用が困難或いは不可能なものであった。
上記した目的を達成するため、本発明は、次の〔1〕〜〔〕に記載の廃油系固体燃料の製造方法とした。
〔1〕木質系バイオマスを加熱乾燥して5質量%以下の含水率のものとし、該加熱乾燥後、60℃以下の温度に下がる前の該加熱乾燥状態にある木質系バイオマスと固体状廃油及び/又は高粘性液状廃油とを混合することを特徴とする、廃油系固体燃料の製造方法。
〔2〕 上記木質系バイオマスが、廃畳の破砕物、稲藁の破砕物、木材チップ、木粉、おが屑、紙屑のいずれか一種以上であることを特徴とする、上記〔1〕に記載の廃油系固体燃料の製造方法。
〔3〕 上記固体状廃油及び/又は高粘性液状廃油が、廃グリセリン、廃動植物油、廃パラフィン、オイルスラッジ、廃グリース、廃潤滑油のいずれか一種以上であることを特徴とする、上記〔1〕又は〔2〕に記載の廃油系固体燃料の製造方法。
〔4〕上記木質系バイオマスと固体状廃油及び/又は高粘性液状廃油との混合が、加熱されながら行われることを特徴とする、上記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の廃油系固体燃料の製造方法。
〔5〕上記固体状廃油及び/又は高粘性液状廃油が、木質系バイオマスとの混合前に加熱されることを特徴とする、上記〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の廃油系固体燃料の製造方法。
上記した本発明に係る廃油系固体燃料の製造方法によれば、木質系バイオマスを加熱乾燥して5質量%以下の含水率のものとし、該加熱乾燥後、60℃以下の温度に下がる前の該加熱乾燥状態にある木質系バイオマスと固体状廃油及び/又は高粘性液状廃油とを混合することとしたため、固体状廃油及び/又は高粘性液状廃油は、加熱乾燥された木質系バイオマスとの混合によりその粘性が下がって良好に木質系バイオマスと混合されると共に木質系バイオマスにその液分が吸収され、付着性が低く、且つ高発熱量の廃油系固体燃料を製造することができる。
本発明に係る廃油系固体燃料の製造方法を実施する設備の一例を概念的に示した図である。
以下、上記した本発明に係る廃油系固体燃料の製造方法の実施の形態を、詳細に説明する。
本発明に係る廃油系固体燃料の製造方法は、木質系バイオマスを加熱乾燥して5質量%以下の含水率のものとし、該加熱乾燥後、60℃以下の温度に下がる前の該加熱乾燥状態にある木質系バイオマスと固体状廃油及び/又は高粘性液状廃油とを混合するものである。
本発明で用いる上記木質系バイオマスとしては、廃畳の破砕物、稲藁の破砕物、木材チップ(例えば、建設廃木材の破砕物)、木粉、おが屑、紙屑(新聞紙、段ボール、古雑誌等の裁断品)等が挙げられる。
なお、本明細書において木質系バイオマスとは、燃料等として利用可能な、木質由来の有機質資源(ただし、化石燃料を除く。)の総称である。
上記木質系バイオマスの破砕粒径は、製造した固体燃料の使用方法によって相違したものとなるが、例えばセメント製造設備であるロータリーキルンのバーナーで使用する場合には、平均粒径(篩の残分が50質量%以内となる目開き寸法)が0.5mm以上であることが好ましく、最大粒径(篩の残分が5質量%以内となる目開き寸法)が10mm以下、好ましくは5mm以下、より好ましくは3mm以下である。これは、平均粒径が0.5mm未満では、粒子系全体が微細化するため流動性、分散性が低下し、混合する固体状廃油及び/又は高粘性液状廃油のハンドリング性の向上等の効果を得ることが困難となる。最大粒径が10mmを超えると、火炎(フレーム)を形成しにくく、燃料が着地した後も燃焼を継続するため、セメントクリンカの品質を低下させる虞がある。該最大粒径を5mm以下とすれば、着地燃焼する粒体の割合が少なくなり、固体燃料の使用割合を大きくすることができるので好ましい。
上記木質系バイオマスは、その破砕時或いは搬送時等における粉塵飛散を防止するため、散水している場合が多く、含水率が10〜40質量%と極めて高いものとなっているのが一般的である。
本発明においては、かかる含水率の高い木質系バイオマスを、先ず加熱乾燥することを必須とする。この加熱乾燥の方法は、特に限定されないが、省エネの観点から廃熱を利用したものとすることが好ましい。例えば、セメント製造設備の廃熱を利用して加熱された水蒸気を用いてスクリューコンベアのスクリュー、ケーシング等を加熱し、該加熱されたスクリューコンベアによって木質系バイオマスを撹拌しながら搬送することにより、木質系バイオマスを加熱乾燥させる。
木質系バイオマスの加熱温度、加熱時間は、木質系バイオマスの種類、使用する加熱乾燥設備の種類等に応じて適宜設定すれば良いが、木質系バイオマスの高温、長時間の加熱は、燻りや燃焼の危険性があるため、通常、120〜140℃程度で、数分〜十数分行えば十分である。
木質系バイオマスは、この加熱乾燥によって含水率を5質量%以下のものとする。これは、このような低含水率の木質系バイオマスとすることによって、混合する固体状廃油及び/又は高粘性液状廃油の吸水性が良好なものとなり、付着性の少ない固体燃料を製造できると共に、水分の少ない高発熱量の固体燃料を製造できるためである
なお、本明細書において含水率は、
〔(乾燥前の質量−絶乾質量)/(乾燥前の質量)〕×100
で算出したものを言う。
また、本発明において用いる上記固体状廃油、高粘性液状廃油とは、先の〔0006〕段において定義した通りのものである。即ち、固体状廃油とは、廃油が入ったドラム缶を傾けても出てこないもの、或いはマヨネーズ状、或いは水あめ状でどろっとした固まりとなって出てくるものを言う。また、高粘性液状廃油とは、上記固体状廃油と異なり全体としては流動性を有しているものの、後記する低粘性液状廃油ではないものを言う。ここで低粘性液状廃油とは、容積式ポンプを用いた場合比較的負荷が少なく、容易に搬送できる粘度を持つ廃油をいい、具体的には20℃でB型粘度計にて測定した数値が2000cPを下回る廃油である。
前記定義に該当する固体状廃油及び/又は高粘性液状廃油としては、廃グリセリン、廃動植物油、廃パラフィン、オイルスラッジ、廃グリース、廃潤滑油等がある。
本発明においては、上記加熱乾燥状態にある木質系バイオマスと固体状廃油及び/又は高粘性液状廃油とを、混合することを必須とする。
この加熱乾燥状態にある木質系バイオマスと固体状廃油及び/又は高粘性液状廃油との混合によって、木質系バイオマスが持つ熱量を利用して固体状廃油及び/又は高粘性液状廃油を加温してその粘性を下げることができ、両者が良好に混合されると共に、低含水率の木質系バイオマスに固体状廃油及び/又は高粘性液状廃油が良好に吸収されることとなる。
上記混合に際して、上記木質系バイオマスが、加熱乾燥後すぐに、少なくとも60℃以下の温度に下がる前に固体状廃油及び/又は高粘性液状廃油と混合される。また、上記木質系バイオマスと固体状廃油及び/又は高粘性液状廃油との混合が、加熱されながら行われることは好ましい。これは、いずれも固体状廃油及び/又は高粘性液状廃油をより確実に加温してその粘性を下げることができるためである。また、上記固体状廃油及び/又は高粘性液状廃油が、木質系バイオマスとの混合前に加熱されることは好ましい。これは、やはり固体状廃油及び/又は高粘性液状廃油の粘性を下げることができ、木質系バイオマスとの混合性を向上させることができると共に、ドラム缶からの該固体状廃油及び/又は高粘性液状廃油の排出を容易なものとすることができるために好ましい。なお、上記混合に際しての加熱、また混合前の固体状廃油及び/又は高粘性液状廃油の加熱は、省エネを考慮してやはり廃熱を利用したものとすることが好ましい。例えば、セメント製造設備の廃熱を利用して加熱された水蒸気を用いて混合機を60〜90℃に加熱し、該加熱された混合機によって木質系バイオマスと固体状廃油及び/又は高粘性液状廃油との混合を行う。また、セメント製造設備の廃熱を利用して60〜90℃に加熱された水槽に固体状廃油及び/又は高粘性液状廃油が入れられたドラム缶を浸漬し、混合前の固体状廃油及び/又は高粘性液状廃油の加熱を行う。
木質系バイオマスと固体状廃油及び/又は高粘性液状廃油との混合に用いる混合機は、特には限定しないが、単に攪拌羽根が設けられているものではなく、その混合容器自体をも回転するような構造のものを使用することが好ましい。これは、このような構造の混合機は、固体状廃油及び/又は高粘性液状廃油のように粘稠性の高い材料と木質系バイオマスのようにかさ密度の低い材料とを良好に混合できるために好ましい。このような容器自体をも回転する構造の混合機としては、アイリッヒ社製のインテンシブミキサーが挙げられる。
上記加熱乾燥状態にある木質系バイオマスと固体状廃油及び/又は高粘性液状廃油との混合割合は、木質系バイオマス100質量部に対して、固体状廃油及び/又は高粘性液状廃油30〜300質量部、好ましくは50〜200質量部、より好ましくは80〜150質量部である。これは、固体状廃油及び/又は高粘性液状廃油の配合量が30質量部未満では、該廃油の利用促進の観点、また得られる固体燃料の発熱量の観点から好ましくない。逆に固体状廃油及び/又は高粘性液状廃油の配合量が300質量部を超えると、該廃油を木質系バイオマスが吸収、担持しきれず、混合物(固体燃料)の粒子表面に多くの油が残留して、粒子表面に光沢及び付着性が生じ、輸送管内や搬送機等における流動性が低下するために好ましくない。
上記加熱乾燥状態にある木質系バイオマスと固体状廃油及び/又は高粘性液状廃油との混合操作により得られる固体燃料は、両者の混合性が良好で大きな廃油ダマもなく、廃油中の液分が木質系バイオマスに吸収、担持されていることから、付着性が大幅に改善された、管路を介しての空気圧送に何らの支障がないハンドリング性を有する固体燃料となり、取扱性が良好なものとなる。
上記に加えて、得られる固体燃料は、高いエネルギーを有する固体状廃油及び/又は高粘性液状廃油と加熱乾燥された低含水率の木質系バイオマスとの混合物であることから、高い発熱量、具体的には4000kcal/kg以上の発熱量を有する固体燃料となり、燃料価値の高いものとなる。
なお、固体燃料の付着性は、直径120mm、長さ150mmのステンレス製円筒状容器(容量:1.7L)に試料を100g投入し、該円筒状容器を軸芯を中心として46rpmの回転数で20分間回転させ、容器内壁に付着する試料の質量を測定することにより定量化することができ、この方法で測定した付着量が1.0gを超えない場合には、管路を介しての空気圧送に支障がないことが判明している。
また、固体燃料の発熱量の測定は、島津製作所製の燃研式自動ボンブ熱量計(型式:CA-4P)にて行ったものである。
上記した本発明に係る製造方法によって得られた固体燃料は、付着性が大幅に改善され、しかも高い発熱量を有するものであるため、例えばセメント製造設備であるロータリーキルンの窯前部のバーナーより吹き込むことにより、良好に燃料として使用することができる。また、当然、ロータリーキルンの窯尻部、或いは仮焼炉に投入し、セメント製造用の燃料として使用することもできる。
次に、図面を参照しつつ、本発明に係る廃油系固体燃料の製造方法の一実施の形態を説明する。
図1は、廃油系固体燃料の製造設備、及び該廃油系固体燃料を使用するロータリーキルンを概念的に示した図である。
図示したように、先ず、木質系バイオマスである廃畳Aは、破砕機1に投入され、5cm以下の長さを有する破砕物の割合が80質量%以上の破砕物に破砕される。そして、得られた廃畳Aの破砕物は、コンベヤー等によって搬送され、加熱乾燥装置2に送られる。
加熱乾燥装置2は、スクリューコンベアタイプのもので、そのスクリュー及びケーシングはセメント製造設備の廃熱を利用して加熱された水蒸気を用いて120〜140℃に加熱されており、該加熱されたスクリューコンベアによって廃畳Aの破砕物を撹拌しながら数分〜十数分かけて搬送することにより加熱乾燥され、含水率が5質量%以下の廃畳Aの破砕物とされる。
加熱乾燥された廃畳Aの破砕物は、バケットエレベータ3によって上方に搬送され、ホッパー4に投入され、1バッチ分(約350kg)計量されて混合機(アイリッヒ社製のアイリッヒミキサー)5に投入される。
一方、固体状廃油及び/又は高粘性液状廃油である廃グリセリンXが入れられたドラム缶は、フォークリフト等により搬送され、ドラム缶加温槽6に浸漬される。ドラム缶加温槽6は、セメント製造設備の廃熱を利用して60〜90℃の水温に加熱されており、該ドラム缶加温槽6に2〜8時間浸漬することにより、廃グリセリンXが入れられたドラム缶は加温される。
加温されたドラム缶は、ドラム缶転倒装置7によって搬送されると共に混合機5の上方において転倒され、1バッチ分(約200kg)の廃グリセリンXが混合機5内に投入される。そして、混合機5内に投入された木質系バイオマスである廃畳Aの破砕物と、固体状廃油及び/又は高粘性液状廃油である廃グリセリンXは、所定時間(約3分間)攪拌混合される。
上記混合操作によって、廃畳Aの破砕物と廃グリセリンXとの混合物からなる廃油系固体燃料Oとなる。混合機5より排出された固体燃料Oは、その下流に設置された図示しない解砕機で解砕され、ドラム磁選機で異物が除去され、トロンメルでその粒度が整えられ、計量器8で計量され、ロータリーキルン9の主燃料である微粉炭に代えて、或いは微粉炭と併用して、バーナー10に向かって空気圧送され、バーナー10の燃料噴射口からロータリーキルン9内に投入される。
ロータリーキルン9内に投入された固体燃料Oは、バーナー10からの炎によって、炉底に着地する前に短時間で完全燃焼し、固体燃料Oの燃焼残渣は、クリンカの成分の一部となる。一方、図示しないドラム磁選機、トロンメル等で排除された固体燃料O中の異物等は、ロータリーキルン9の窯尻部(図示せず)より投入され、燃料として使用されると共に、その残渣はクリンカの成分の一部となる。
以上、本発明に係る廃油系固体燃料の製造方法の実施の形態を説明したが、本発明は、何ら既述の実施の形態に限定されるものではない。
例えば、本発明の廃油系固体燃料Oは、粒度が非常に大きい場合や空気圧送し難い性状(例えば付着性を有する等)の場合、また単位時間当たりの処理量を増大させたい場合等には、ロータリーキルン9の窯尻部(図示せず)から投入する構成としてもよい。更には、ロータリーキルン9の上流側にある仮焼炉(図示せず)から投入する構成としてもよい。この場合には、上記ロータリーキルン9の窯前部から投入する技術に比して、そのハンドリング性は機械式搬送及び機械式投入が可能な必要最小限のものに調整されていれば十分であり、その調整はかなりラフなものであってもよく、しかも大量にセメント製造用燃料として利用することが可能となる。
試験例
1.使用材料
〔1〕木質系バイオマス
本畳の破砕物を用いた。本畳の破砕物は、次の方法にて調整した。
一軸式破砕機(ロストルの目開き:15mm)を用いて本畳を破砕し、平均粒径が0.5mm以上であり、かつ、目開き寸法が10mmである篩の残分が5質量%以下である本畳の破砕物を調製した。該本畳の破砕後の含水率は7.8質量%であった。また発熱量は2860kcal/kgであった。
〔2〕固体状廃油及び/又は高粘性液状廃油
常温で固形の廃グリセリンを用いた。該廃グリセリンの含水率は10.1質量%であった。また発熱量は5940kcal/kgであった。
2.固体燃料の製造
試験例1
本畳の破砕物を140℃で10分間加熱乾燥し、含水率を2質量%に調整した。一方、廃グリセリンを入れた金属缶を60℃の水槽に3時間浸漬し、廃グリセリンを加温した。そして、両者を直ぐに1対1の質量割合で混合し、固体燃料を製造した。
なお、混合は、ペール缶内でハンドミキサーを用いて約2分間攪拌混合することにより行った。
試験例2
本畳の破砕物と廃グリセリンとを、そのまま常温で1対1の質量割合で混合し、固体燃料を製造した。
なお、混合は、ペール缶内でハンドミキサーを用いて約2分間攪拌混合することにより行った。
3.固体燃料の性状
上記製造した各固体燃料について、その付着量、ダマの有無及び発熱量を測定した。なお、測定試料は、製造後(混合後)、それぞれ常温にまで冷却したものを用いて行った。
付着量の測定は、直径120mm、長さ150mmのステンレス製円筒状容器(容量:1.7L)に試料を100g投入し、該円筒状容器を軸芯を中心として46rpmの回転数で20分間回転させ、容器内壁に付着する試料の質量を測定し、付着割合(質量%)を算出することにより行った。
また、ダマの有無は、5mm以上の粒径のダマが存在するか否かを目視により観察することにより行った。
更に、発熱量の測定は、島津製作所製の燃研式自動ボンブ熱量計(型式:CA-4P)により行った。
付着量、ダマの有無及び発熱量の測定結果を表1に記載する。
Figure 0005823804
4.まとめ
上記した試験例により、加熱乾燥状態にある本畳の破砕物と廃グリセリンとを混合した場合、付着性が低く、且つ高発熱量の混合物が得られることを確認した。
一方、含水率の高い本畳の破砕物をそのまま廃グリセリンと混合した場合、廃グリセリンの塊に本畳の破砕物がまぶされた団子状のダマが多くあり、空気圧送には耐えられない性状の混合物となることを確認した。
1 破砕機
2 加熱乾燥装置
3 バケットエレベータ
4a,4b ホッパー
5 混合機
6 ドラム缶加温槽
7 ドラム缶転倒装置
8 計量器
9 ロータリーキルン
10 バーナー
A 廃畳
X 廃グリセリン
O 固体燃料

Claims (5)

  1. 木質系バイオマスを加熱乾燥して5質量%以下の含水率のものとし、該加熱乾燥後、60℃以下の温度に下がる前の該加熱乾燥状態にある木質系バイオマスと固体状廃油及び/又は高粘性液状廃油とを混合することを特徴とする、廃油系固体燃料の製造方法。
  2. 上記木質系バイオマスが、廃畳の破砕物、稲藁の破砕物、木材チップ、木粉、おが屑、紙屑のいずれか一種以上であることを特徴とする、請求項1に記載の廃油系固体燃料の製造方法。
  3. 上記固体状廃油及び/又は高粘性液状廃油が、廃グリセリン、廃動植物油、廃パラフィン、オイルスラッジ、廃グリース、廃潤滑油のいずれか一種以上であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の廃油系固体燃料の製造方法。
  4. 上記木質系バイオマスと固体状廃油及び/又は高粘性液状廃油との混合が、加熱されながら行われることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の廃油系固体燃料の製造方法。
  5. 上記固体状廃油及び/又は高粘性液状廃油が、木質系バイオマスとの混合前に加熱されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の廃油系固体燃料の製造方法。
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