JPH057516B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は高速で噴射される高圧水と研磨材の混
合した流体（以下『ウオータージエツト』とい
う）の破壊力を利用して高能率に穿孔や切断等の
各種加工を行える、ウオータージエツト式加工装
置に関するものである。

〔従来の技術〕

従来この種の装置としては、例えば特開昭57−
146885号公報に開示されている。

この装置は、高圧水噴射ノズルの噴射口の前方
に研磨材を重力降下あるいはポンプで圧送する研
磨材噴射ノズルを配置してなり、柱状に噴射され
る高圧水の側方から固体粒を供給して混合する構
造である。

〔本発明が解決しようとする問題点〕

しかし、従来のウオータージエツト式の加工装
置にはつぎのような問題点がある。

＜イ＞ 高速で噴射される高圧水の側方から研磨
材を供給するために、高圧水の内部まで研磨材
が進入できない。

そのため、研磨材は高圧水の周面部のみで混
合され、高圧水の全体に均一に混合されない。

＜ロ＞ 切断や穿孔の何れの加工にしろ、ウオー
タージエツトによる加工限界深さは、ノズルの
先端が被加工物の表面に最も近付いたときの加
工能力が限界である。

そのために、加工限界深さを越えて加工した
いときはウオータージエツトの噴射力を増大し
ないかぎり不可能である。

＜ハ＞ ウオータージエツトはノズルの中心部か
らのみ噴射され、その最大加工範囲が狭小であ
る。

そのため、幅広の溝の開設や大径の穿孔をす
るような加工には、不向きである。

〔本発明の目的〕

本発明は以上の問題点を解決するために成され
たもので、簡単な構造で以て高圧水の全体に研磨
材を均一に混合でき、そのうえ高圧水の噴射力を
増大せずに被加工物の深部まで加工できる、ウオ
ータージエツト式加工装置を提供することを目的
とする。

〔本発明の構成〕

次は本発明の一実施例について図面を参照しな
がら説明する。

＜イ＞ 装置全体の説明 本発明の加工装置１は第１図に示すように高
圧水ａと研磨材ｂをそれぞれ独立して移送す
る、内管２と外管３からなる二重管構造の密封
式筒体と、この筒体の先端に設けた回転ノズル
４で構成する。

＜ロ＞ 内管 内管２は外管３内に位置し、高圧のジエツト
水ａを移送する目的の移送管である。

内管２は一端を開放した有底筒であり、その
開放端を回転ノズル４にねじ込んで密封体を形
成する。

外管３の底面から突出する内管２の基端側に
はスイベル２１を介して高圧水供給管２２を接
続する。

内管２の上部にスイベル２１を設けたのは、
後述するように加工装置１に回転を与えて使用
する関係から、内管２が回転してもジエツト水
ａ供給を可能ならしめるためである。

従つて、例えば内管２の上部にモーター等の
回転軸を接続して内管２の先端の回転ノズル４
に回転を付与できるよう構成する。

＜ハ＞ 外管 外管３は一端を開放した有底筒であり、この
開放端を回転ノズル４の尾端にねじ込んで密封
体を形成する。

さらに外管３の上部には内管２と同様にスイ
ベル３１を介して研磨材供給管３２を接続し、
外管３内へ供給できるよう構成する。

すなわち、内管２の外周と外管３の内周間に
形成される空間を研磨材ｂの専用移送路として
使用する。

＜ニ＞ 回転ノズル 回転ノズル４は第１図に示すように、ねじ込
んだ両管２，３の開放端と対応する位置にそれ
ぞれ研磨材ｂを移送する案内路４１と、高圧水
ａを移送する分岐路４２を形成し、これらの各
通路４１，４２の尾端は混合室４３に案内す
る。

さらに、ジエツト水ｂを移送する各分岐路４
２の途上にはオリフイス４４を配置する。

混合室４３は、高圧水ａと研磨材ｂを均一に
混合する目的の部屋である。

さらに、混合室４３から回転ノズル４の前面
へ向けて複数の噴射路４５を形成する。

すなわち、本発明に係る加工装置は、回転ノ
ズル４の先端面に複数のジエツト水の噴射路４
５を設けると共に、回転ノズル４の先端部周縁
にビツト４６を設けて、ジエツト水による衝撃
破壊と、ビツト４６による機械的な穿孔とを並
行して同時に行えるよう構成するものである。

特に、噴射路４５は回転ノズル４の中心軸線
上に形成するのではなく、この中心線上を外れ
た位置に形成する。

具体的には、回転ノズル４の先端面に、少な
くとも１つの噴射口を回転ノズル４の回転中心
線から外れた位置であつて、且つ、その噴射方
向が回転ノズルの回転中心線に対し非平行に設
けるものとする。

その結果、加工装置１を稼働すると、第４図
に示すように回転ノズルの回転軸を中心とした
半径の異なる二条の螺線状の噴射軌跡が形成さ
れる。

〔作 用〕

次に前記装置の使用方法について説明する。

内管２の基端側から回転を与えて加工装置１を
回転させる。

同時に各供給路２２，３２を経て高圧水ａ及び
研磨材ｂの供給を開始すると、夫々混合室４３内
に到達する。

そして、高圧水ａが混合室４３内を通過して各
噴射路４５へ分散するときに、研磨材ｂを巻き込
んで均一な混合が行われる。

研磨材ｂを均一に混合したウオータージエツト
は各噴射路４５を通つて被加工物に噴射する。

加工装置１に回転を与えた状態でジエツト水を
噴射するので、被加工物の表面には回転ノズル４
の中心から最も離れた位置の噴射口から噴射され
たジエツト水の衝突点を半径とする大径の孔が削
孔される。

ジエツト水による穿孔工程と並行して、回転ノ
ズル４の先端のビツト４６がジエツト水によつて
穿孔した孔の周囲をさらに穿孔する。

このように、ジエツト水による穿孔とビツト４
６による穿孔とを同時に進行できるから、効率の
良い穿孔が行える。

また、加工装置１を回転ノズル４の噴射方向へ
の移動だけでなく、被加工物の表面と平行に往復
動させて浅溝の開設を繰り返す等して深溝の開設
を容易に行ことができる。

〔発明の効果〕

本発明は以上説明したようになるから次のよう
な効果を期待することができる。

＜イ＞ 混合室内に送られた高圧水が乱流となつ
て研磨材を巻き込み、高圧水中に研磨材を均等
に混入させた混合流体を回転ノズルの先端から
噴射できる。

そのため、加工能力が著しく向上する。

＜ロ＞ 回転ノズルの先端部で高圧水と研磨材を
混合するので、回転ノズルに研磨材や高圧水を
供給する各配管を磨耗から守ることができる。

＜ハ＞ 高圧水の圧送に伴い混合室内に発生する
負圧を利用して研磨材を混合室に吸引すること
ができる。

そのため、研磨材を圧送する専用ポンプが不
要となる。

【図面の簡単な説明】

第１図：本発明の一実施例の説明図、第２図：
第１図における−の断面図、第３図：ノズル
先端の説明図、第４図：ジエツト水の噴射跡の説
明図。 １：加工装置、２：内管、３：外管、４：ノズ
ル。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ノズルの先端周縁にビツトを有すると共に、
   ノズル先端から放射状に研磨材と高圧水を噴射す
   る回転ノズルを備えたウオータージエツト式加工
   装置において、 回転ノズル先端部の内部に混合室を形成し、 この混合室の一方に、高圧水供給用の通路及び
   研磨材供給用の通路を連通させ、 混合室の他方側に混合室と回転ノズル先端面と
   の間を連通する研磨材と高圧水との混合流体噴射
   用の通路を穿設したことを特徴とする、 ウオータージエツト式加工装置。