JPH0718262B2 - 構造物の解体工法及びその装置 - Google Patents

構造物の解体工法及びその装置

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JPH0718262B2
JPH0718262B2 JP61266091A JP26609186A JPH0718262B2 JP H0718262 B2 JPH0718262 B2 JP H0718262B2 JP 61266091 A JP61266091 A JP 61266091A JP 26609186 A JP26609186 A JP 26609186A JP H0718262 B2 JPH0718262 B2 JP H0718262B2
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Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は、例えば原子力発電所等の放射線関連施設のコ
ンクリート構造物の解体の際に使用する構造物の解体工
法及びその装置に関する。
「従来の技術」 従来、この種の構造物の一般的な解体工法としては、爆
破工法、衝撃や油圧による機械的工法、火炎や電気加熱
による熱的工法等が知られており、特に、放射線関連施
設のコンクリート構造物等の解体においては、回転式カ
ッタ等を備えたロボットを遠隔操作することにより、構
造物に前記カッタを直接押し当てて切削するとともに、
前記カッタの冷却や構造物の洗浄、さらに被切削物の飛
散防止及び回収等のために前記切削部分に洗浄水を注入
しながら切削するような方法が知られている。
「発明が解決しようとする問題点」 ところが、前記従来の構造物の解体工法において、一般
工法を用いた場合には、爆破工法や衝撃・油圧による機
械的工法では、構造物が破片や粉塵となって周囲に飛散
したり、熱的工法では煙等の2次廃棄物が大量に発生し
たり、特に、放射線関連施設を解体する場合には、放射
能に汚染されたコンクリート等の構造部の破片が周囲に
飛散して放射能が拡散してしまったり、作業員が放射線
被曝の危険にさらされたりする等の問題が生じる。
また、回転式カッタ等を備えたロボットを遠隔操作しな
がら行う解体工法の場合には、使用する装置が大掛かり
で高価なものとなっており、さらに、被切削物や洗浄水
の回収や処理には大掛かりな設備や多大の労力を必要と
しており面倒かつ高コストなものとなっている。
本発明は、前記問題点に鑑みて行なわれたものであり、
構造物の切削に安価な材料を使用するとともに装置を単
純な構造とすることにより、解体作業や被切削物の回収
及び処理に要する費用、さらに、それに使用する装置の
コストを低価なものとし、放射線関連施設の場合には、
切削から回収さらに放射能廃棄物の処理等の作業を一連
の連続したシステムのなかで迅速かつ効率良く行うこと
により放射能の拡散を防止し、作業員を放射線被曝の危
険にさらすことのない構造物の解体工法及びその装置を
提供することを目的とする。
「問題点を解決するための手段」 前記問題点を解決するために、本発明の方法は、氷と砂
とを混合しつつ圧搾空気を用いて高速噴射させ、これを
構造物に当ててこれを切削することを特徴としており、
また、本発明の装置は、氷と砂とからなる混合物を、圧
搾空気によって側部に設けられたノズルから解体すべき
構造物に向けて高速噴射させる解体装置本体と、前記高
速噴射された混合物及びこれによって切削された被切削
物を周囲に飛散させることなく回収するために前記解体
装置本体と前記構造物との間に設けられたカバーと、こ
のカバーに回収された混合物及び被切削物を輸送管を介
して取り込むとともに、これら混合物及び被切削物にセ
メントを加えて混合することによりモルタルとする処理
装置と、このモルタルを密封するためのドラム缶まで圧
送する輸送管とを備えたことを特徴としている。
「作用」 高速噴射された氷と砂がコンクリート構造物に当たって
これを切削するが、その際、氷の大部分は溶けて水にな
り、切断面を洗浄するとともに、砂や被切削物のコンク
リートの破片や粉と混じり合って流動物となり、周囲に
飛散することなくカバーの底部に溜まる。そして、前記
砂と被切削物の流動物は輸送管によって処理装置内に搬
送された後に、所定の比率でセメントと混合されてモル
タルとなり、ついで、輸送管内を圧送されてドラム缶に
密封される。
「実施例」 以下、図面を参照しながら本発明の一実施例を説明す
る。この実施例は、本発明の構造物の解体工法及びその
装置を原子力発電所の放射線関連施設のコンクリート構
造物(例えば、原子炉格納容器)に適用した場合を示す
ものである。
まず、本発明の構造物の解体装置に付いて説明する。図
中符号1は内面が放射化されたコンクリート構造物であ
り、コンクリート構造物1の内面側にはコンクリートの
解体装置本体2が設置されている。解体装置本体2は、
氷Iと砂Sとの混合物を圧搾空気によって側部に設けら
れたノズル3からコンクリート構造物1に向って高速噴
射させるための切削機4に、これを上下動自在に支持す
る昇降支持部5を設け、その基端部を台車6の上部に固
定してなるものであり、切削機4の上部にはその内部に
氷と砂とを移送するための移送管7が取り付けられてい
る。さらに、解体装置本体4のノズル3の基端部には、
ノズル3から噴射された氷や砂さらに被切削物(コンク
リートや鉄筋等の断片や粉末)等を周囲へ飛散させるこ
となく回収するために切削機4とコンクリート構造物1
との間を覆うカバー8が取り付けられており、カバー8
の底部8aには回収された前記氷,砂,被切削物等を処理
装置9まで輸送する輸送管10の一端部が取り付けられて
いる。
前記輸送管10の他端部が取り付けられた処理装置9は、
その内部に搬入された氷、砂、コンクリート等を、処理
装置9の上部に固定されたセメント移送管11から流入す
るセメントと混合してモルタルMを製造するものであ
る。そして、処理装置9の側部にはその内部で製造した
モルタルMを所定の安全な場所に設置されたドラム缶12
へ密封するために圧送する輸送管13が取り付けられた構
成となっている。
つぎに、本発明の構造物の解体装置を用いた解体工法に
ついて説明する。
(i)まず、内面が放射化されたコンクリート構造物1
の壁面に向って切削機4のノズル3が所定の場所に位置
するように解体装置本体2を設置する。そうすることに
より、コンクリート構造物1の内面と切削機4との間に
は、その間を覆うようにカバー8がセットされることと
なる。
(ii)つぎに、氷Iと砂Sとの混合物を移送管7により
切削機4内へ移送した後、圧搾空気によってノズル3か
ら高速噴射させてコンクリート構造物1に当て、これを
切削する。コンクリート構造物1を切断する場合には、
解体装置本体2の台車6や昇降支持部5を駆動させるこ
とにより所定の切断線に沿って切削機4を移動させる。
また、コンクリート構造物の放射能汚染された表面のみ
を削る場合にも、同様にして壁面に沿って切削機4を移
動させる。そして、噴射された氷Sはコンクリート構造
部を切削する際に殆ど溶けて水になり、砂や被切削物と
混合されるとともに、周囲に飛散することなくカバー8
の底部8aへ流動状態となって溜まるようになる。
(iii)つぎに、カバー8の底部8aに溜まった氷水、砂
S、被切削物等を輸送管10を介して処理装置9へ取り込
むとともに、その内部へ移送管11を用いてセメントを搬
入し、ついで内部において前記被切削物が混入した砂、
水、セメント等を混合することによりモルタルMとす
る。
(iv)つぎに、前記処理装置9内で製造されたモルタル
Mを輸送管13を用いて所定の安全な場所に設置されたド
ラム缶12内へ圧送した後、固化させる。
(v)圧送されたモルタルMがドラム缶内で固化した後
には、ドラム缶12を密閉し廃棄物として処理する。
このように上述した実施例の構造物の解体方法及び装置
によれば、混合した氷と砂とを圧搾空気を用いて高速噴
射させ、これを構造物に当てて切削するようにしたもの
であるので、高速噴射された氷Iと砂Sがコンクリート
構造物1に当たってこれを切削するが、その際、氷Iの
大部分は溶けて水になり、切断面を洗浄するとともに、
砂Sや被切削物のコンクリートの破片や粉と混じり合っ
て流動物となり、周囲に飛散することなくカバー8の底
部に溜まる。そして、前記砂と被切削物の流動物は輸送
管10によって処理装置9内に搬送された後に、所定の比
率でセメントと混合されてモルタルMとなり、ついで、
輸送管13内を圧送されてドラム缶12内に密封される。
このように、解体装置本体2を単純な構造のものとする
ことができるとともに、放射化された砂や氷の被切削物
を外部に拡散させることなく、処理装置9等の一連のシ
ステムによって回収,処理をすることができる。その結
果、解体作業や被切削物の回収及び処理に要する費用、
さらにそれに使用する装置のコストを大幅に低減するこ
とができるとともに、切削から回収さらに処理等の作業
を迅速かつ効率良く行うことができ、放射能の拡散を防
止し、作業員を放射線被曝の危険から守ることができ
る。
なお、前記実施例においては、前記切削機4内へ氷Iと
砂Sとを移送する際に、予め混合した状態で移送管7に
よって移送するようにしているが、これに限定されるこ
となく、氷Iと砂Sとを別々に移送した後、切削機4内
で混合するようにしてもよく、また、切削機4の内部又
はノズル3の先端部等で逐次氷Iを製造しつつ、圧搾空
気によって高速噴射する砂のジェット内に所定の方法に
より混入させるようにしてもよい。さらに、前記高速噴
射される氷Iと砂Sとの混合物内に、鋼粒等を混入させ
ることにより、切削性を高めるようにしてもよい。
また前記実施例においては、本発明の方法及び装置を放
射線関連施設のコンクリート構造物に適用したが、これ
に限ることなく、他の構造物(コンクリート以外の煉瓦
や石造りの構造物)一般に適用することができるのは無
論である。
「発明の効果」 以上説明したように本発明は、氷と砂とからなる混合物
を圧搾空気によってノズルから高速噴射させる解体装置
本体と、切削された被切削物を周囲に飛散させることな
く回収するために設けられたカバーと、回収された混合
物及び被切削物を輸送管を介して取り込むとともに、こ
れら混合物及び被切削物にセメントを加えて混合するこ
とによりモルタルとする処理装置と、このモルタルを密
封するためのドラム缶まで圧送する輸送管とを備えた解
体装置により、氷と砂とを混合しつつ圧搾空気を用いて
高速噴射させ、これを構造物に当てて切削するようにし
たものであるので、解体装置本体を単純な構造のものと
することができるとともに、放射化された砂や氷や被切
削物を外部に拡散させることなく、処理装置等の一連の
システムによって回収,処理をすることができる。その
結果、解体作業や被切削物の回収及び処理に要する費
用、さらにそれに使用する装置のコストを大幅に低減す
ることができるとともに、切削から回収さらに処理等の
作業を迅速かつ効率良く行うことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の方法及びその装置を説明するための説
明図である。 I……氷、S……砂、M……モルタル、1……コンクリ
ート構造物、2……解体装置本体、3……ノズル、8…
…カバー、9……処理装置、10,13……輸送管、12……
ドラム缶。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】氷と砂とを混合しつつ圧搾空気を用いて高
    速噴射させ、これを構造物に当てて切削することを特徴
    とする構造物の解体工法。
  2. 【請求項2】氷と砂とからなる混合物を、圧搾空気によ
    って側部に設けられたノズルから解体すべき構造物に向
    けて高速噴射させる解体装置本体と、前記高速噴射され
    た混合物及びこれによって切削された被切削物を周囲に
    飛散させることなく回収するために前記解体装置本体と
    前記構造物との間に設けられたカバーと、このカバーに
    回収された混合物及び被切削物を輸送管を介して取り込
    むとともに、これら混合物及び被切削物にセメントを加
    えて混合することによりモルタルとする処理装置と、こ
    のモルタルを密封するためのドラム缶まで圧送する輸送
    管とを備えたことを特徴とする構造物の解体装置。
JP61266091A 1986-11-08 1986-11-08 構造物の解体工法及びその装置 Expired - Lifetime JPH0718262B2 (ja)

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