JPH0575024U - シートベルト用スルーアンカー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 アンカーボルト回りの揺動を許容し、かつ、
その揺動に伴う異音の発生を防止することのできるシー
トベルト用スルーアンカーを簡単な構造により提供す
る。 【構成】 ボルト挿通孔４ａが穿設された取付プレート
４と、該取付プレート４の下端部に把持されたリング状
のベルト挿通体６とにより構成されるアンカー金具２
を、その全体にわたり樹脂材によってモールド被覆３を
施す。前記ボルト挿通孔４ａの周縁部に位置する取付座
面７に、前記モールド被覆３と一体に半球状の突起８を
形成する。突起８は、前記ボルト挿通孔４の周方向に沿
って９０°間隔で４個ずつ設ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、自動車等に装備されるシートベルトを車体側に保持するために用い られるスルーアンカーに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

通常、この種のスルーアンカーには、シートベルトが挿通されるベルト挿通孔 と、車体側に取り付けるためのアンカーボルトが挿通されるボルト挿通孔とが設 けられている。そして、このスルーアンカーは、乗員の体格や姿勢の変化に対応 できるようにアンカーボルトの回りで自由に揺動できるようにする必要がある。 従来、このようにスルーアンカーの揺動を許容し、かつ、その揺動に伴うスル ーアンカーとアンカーボルトとの金属接触音（異音）を防止するようにしたもの としては、例えば実開昭５７−１０９８４５号公報に開示されているように、ボ ルト挿通孔の取付座面に樹脂製やゴム製の弾性ブッシュを介装させるようにした ものが知られている。この場合、弾性ブッシュには、ボルト挿通孔の縁部を嵌合 させるベく環状凹溝が形成されており、該環状凹溝の両側に位置する鍔部によっ てその抜け止めが図られている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記のような構造の弾性ブッシュを使用した場合、弾性ブッシ ュをボルト挿通孔に装着するには、弾性ブッシュを一旦径方向に押し縮め、その うえで無理やりボルト挿通孔に挿入しなければならない。このように、従来のも のでは、弾性ブッシュの装着が非常に面倒であるため、この弾性プッシユの装着 を伴うスルーアンカーの取付作業が煩雑になるという問題点がある。また、部品 点数も多くなり、部品管理の面でも問題がある。 本考案は、従来技術における上記のような問題点に鑑み、弾性ブッシュを使用 することなく、スルーアンカーの揺動を許容し、かつ、その揺動に伴う異音の発 生を防止することのできるシートベルト用スルーアンカーを提供することを目的 とするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

このため本考案では、シートベルトを車体側に保持すべく、シートベルトが挿 通されるベルト挿通孔と、車体側に取り付けるためのアンカーボルトが挿通され るボルト挿通孔とを備えてなるシートベルト用スルーアンカーにおいて、少なく とも前記ボルト挿通孔の周縁部を樹脂材によってモールド被覆すると共に、該周 縁部の取付座面に、周方向に間隔を置いて前記モールド被覆と一体に複数の突起 を形成するようにしたものである。

【０００５】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。 図１は本考案に係るシートベルト用スルーアンカーを車体側に取り付けた状態 を示す側断面図、図２は本考案に係るシートベルト用スルーアンカーの正面図で ある。

【０００６】 図１，図２に示すように、スルーアンカー１は、アンカー金具２の全体に樹脂 材によるモールド被覆３を施すことにより形成されている。ここで、アンカー金 具２は、ボルト挿通孔４ａが穿設された取付プレート４と、該取付プレート４の 下端部に把持されたリング状のベルト挿通体６とにより構成されている。また、 モールド被覆されたベルト挿通体６には、シートベルト５を挿通させるべく長孔 状のベルト挿通孔１０が形成されている。 前記ボルト挿通孔４ａの周縁部は、その表側と裏側とが平坦に形成されて取付 座面７，７となっており、該取付座面７，７にはそれぞれ前記モールド被覆３と 一体に半球状の突起８が形成されている。ここで、突起８は、前記ボルト挿通孔 ４の周方向に沿って９０°間隔で４個ずつ設けられている。

【０００７】 次に、スルーアンカー１を車体側に取り付ける場合について説明する。 まず、スルーアンカー１のボルト挿通孔４ａにアンカーボルト９を挿通する。 そして、アンカーボルト９のボルト部９ａからワッシャ１１を貫通させた後、ボ ルト部９ａを車体側に螺着する。このようにしてスルーアンカー１を車体側に取 り付けた状態においては、スルーアンカー１とアンカーボルト９との間に金属同 士が接触する箇所は一切なく、その結果、スルーアンカー１の揺動に伴って金属 接触音（異音）が発生することはない。また、スルーアンカー１の取付座面７に 形成した表裏各４個の突起８がアンカーボルト９の座板９ｂとワッシャ１１とに それぞれ点接触した状態となっているので、アンカーボルト９回りのスルーアン カー１の揺動をスムーズに行わせることができる。 以上のように、別個に弾性ブッシュを介装させなくとも、スルーアンカー１の 揺動を許容し、かつ、その揺動に伴う異音の発生を防止することができるので、 スルーアンカー１を車体側に取り付ける作業が非常に楽になると共に、部品点数 の削減を図ることができ部品の管理もやり易くなる。

【０００８】 尚、上記実施例においては、アンカー金具２の全体を樹脂材によってモールド 被覆しているが、必ずしも全体をモールド被覆する必要はなく、少なくともアン カーボルト９とワッシャ１１とが接触するボルト挿通孔４の周縁部のみをモール ド被覆すれば所期の目的を十分に達成することができる。また、上記実施例にお いては、突起８を半球状に形成してアンカーボルト９の座板９ｂ及びワッシャ１ １による取付座面７の挟着を点接触により行わせるようにしているが、突起８の 形状としては必ずしも半球状に限定されるものではなく、アンカーボルト９の座 板９ｂ及びワッシャ１１との接触面積が小さくなりスルーアンカー１の揺動を許 容できるものであれば、他の形状であってもよい。

【０００９】

【考案の効果】

以上のように本考案では、シートベルトを車体側に保持すべく、シートベルト が挿通されるベルト挿通孔と、車体側に取り付けるためのアンカーボルトが挿通 されるボルト挿通孔とを備えてなるシートベルト用スルーアンカーにおいて、少 なくとも前記ボルト挿通孔の周縁部を樹脂材によってモールド被覆すると共に、 該周縁部の取付座面に、周方向に間隔を置いて前記モールド被覆と一体に複数の 突起を形成するようにしたことにより、従来の如く別個に弾性ブッシュを介装さ せなくとも、スルーアンカーの揺動を許容し、かつ、その揺動に伴う異音の発生 を防止することができるので、スルーアンカーを車体側に取り付ける作業が非常 に楽になると共に、部品点数の削減も図ることができ部品の管理がやり易くなる というすぐれた効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係るシートベルト用スルーアンカーを
車体側に取り付けた状態を示す側断面図である。

【図２】本考案に係るシートベルト用スルーアンカーの
正面図である。

【符号の説明】

１ スルーアンカー ２ アンカー金具 ３ モールド被覆 ４ 取付プレート ４ａ ボルト挿通孔 ５ シートベルト ８ 突起 ９ アンカーボルト １０ ベルト挿通孔

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 シートベルトを車体側に保持すべく、シ
   ートベルトが挿通されるベルト挿通孔と、車体側に取り
   付けるためのアンカーボルトが挿通されるボルト挿通孔
   とを備えてなるシートベルト用スルーアンカーにおい
   て、少なくとも前記ボルト挿通孔の周縁部を樹脂材によ
   ってモールド被覆すると共に、該周縁部の取付座面に、
   周方向に間隔を置いて前記モールド被覆と一体に複数の
   突起を形成したことを特徴とするシートベルト用スルー
   アンカー。