JPH0332818Y2 - - Google Patents

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JPH0332818Y2
JPH0332818Y2 JP1986098675U JP9867586U JPH0332818Y2 JP H0332818 Y2 JPH0332818 Y2 JP H0332818Y2 JP 1986098675 U JP1986098675 U JP 1986098675U JP 9867586 U JP9867586 U JP 9867586U JP H0332818 Y2 JPH0332818 Y2 JP H0332818Y2
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【考案の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この考案は、アンカーボルト、特にアンカーボ
ルトのスリーブの構造に関する。
(従来技術) 一般にアンカーボルトAは、第11図、第12
図に図示するように、下端部にテーパ体状の拡径
部分1aを有しその上端側に被固定物を固定する
ための螺設部1bを有するボルト本体1と、下端
部に下端側に開放した軸方向のスリツト2aが形
成され上記ボルト本体1の側周に外装され植設す
べき穴とボルト本体1との間に介在し使用に際し
上記下端部が拡がつてボルト本体1を上記穴に係
止させるスリーブ2とを有する。
従来、アンカーボルトのスリーブ2は、第12
図に図示するように、スリーブ2全体を一本の円
筒状体のもので構成し、この円筒状体の下端部に
下端側に開放した軸方向のスリツト2aを形成し
該下端部に拡径自在なスカート片2cを創設して
いた。従つて、このスリツト2aで隔設されるス
カート片2cの内壁の曲率R1′(横断方向の曲
率をいう。以下同じ)は、第13図a,bに図示
するように、上記スリツト2aが形成されていな
い部分の曲率R3、即ち円筒状体の内壁の曲率に
等しいものであつた。
(考案が解決しようとする問題点) このため、アンカーボルト植設完了の際、ボル
ト本体の下端拡径部の外周壁の曲率R2′に対し、
上記スリーブのスカート片2cの内周壁の曲率R
1′がかなり小さくなり(第14図a,b参照)、
この結果植設される穴に係止されるアンカーボル
トの基端部(下端部)の係止状態が極めて不安定
になつていた。
即ち、アンカーボルトに強い横方向あるいは軸
方向の力が作用すると、上記スカート内周壁の曲
率が、ボルト本体の下端部の拡径部分の外周壁の
曲率に等しくなるよう変形しようとする。このよ
うに、スリーブ部の下端部(スカート)の曲率が
大きくなると、植設すべき穴と、アンカーボルト
の間に隙間が生じ、この結果植設すべき穴に対し
アンカーボルトの強固な係止状態が維持できなく
なる。
また、従来のアンカーボルトは、スリーブの下
端部に形成されるスカートとその上端側の円筒状
の部分が一体となつているため、拡径に抵抗する
内部応力がスカート上端部に作用し、スカートの
拡径に際し上端部が拡径し難くなる。この結果、
アンカーボルトの植設に際し、上記スカートの上
端部がボルト本体の外周壁に完全に接触せず、植
設後アンカーボルトに「がた」が生じることがあ
つた。
本考案は、上記現況に鑑み行われたもので、上
述のような欠点のない且つ安価に提供できるアン
カーボルトを提供しようとする。
(問題を解決するための手段) 本考案にかかるアンカーボルトは、下端部で拡
がつたテーパ体状等の拡径部分を有しその上端側
に螺設部を有するボルト本体と、下端部に下端側
に開放した軸方向のスリツトが形成され上記ボル
ト本体の側周に外装され植設すべき穴に該ボルト
本体を係止させるスリーブとを有するアンカーボ
ルトにおいて、前記スリーブが前記ボルト本体の
拡径部分に接触する下端部とボルト本体の拡径部
分の上方部に略接触する上部とに分割され、且つ
上記スリーブ下端部に形成されているスリツトに
より隔設されている各スカート片の各内周壁の各
部横断方向の曲率が、植設完了時当接する上記ボ
ルト本体下端の拡径部分の外周壁各部の曲率に等
しくなるよう予め形成されていることを特徴とす
る。
(作用) 本考案にかかるアンカーボルトは、上述のよう
に構成されているため、以下のように作用する。
即ち、アンカーボルトの植設に際し、ボルト本体
下端部の拡径部分の外周壁の曲率に対し、上記ス
リーブのスカート片の内周壁の曲率が等しく構成
されているため、またスリーブが下端部と上部に
分割されているため、該スカート片の内周壁と、
ボルト本体下端部の拡径部分の外周壁との接触が
良好になる。この結果、植設後にアンカーボルト
に強い横方向の力等が作用しても、ボルト本体下
端部の拡径部分の外周壁とスカート片の内周壁と
の間に間隙を生ずることはなく、アンカーボルト
は植設すべき穴に常に強固に係止される。さら
に、スリーブが前記ボルト本体の拡径部分に接触
する下端部とボルト本体の拡径部分の上方部に略
接触する上部とに分割して構成されていることに
起因して、該下端部のスカート片が拡径する際、
拡径に抵抗する内部応力が小さく(殆どなく)な
るため、小さい力でもつて拡径させることができ
る。また、製造上も、曲率が各部分によつて変化
しているスカート片を含む下端部と、円筒状の上
部を別々に製造することができる。
(実施例) 以下、本考案の実施例について図面を参照しな
がら説明する。第1図は植設された状態での本実
施例にかかるアンカーボルトの正面図、第2図は
アンカーボルトの各部の形状を示す分解斜視図、
第3図a,bはスリーブの下端部の展開図球及び
斜視図、第3図a,bは第3図のスリーブの下端
部の内周壁の曲率を示す各横断面での横断面図で
ある。
第1図、第2図において、1はボルト本体で、
該ボルト本体1の下端部には下端にゆくに従つて
拡がつたテーパ体状の拡径部分(下端拡径部分と
もいう)1aを有しその上端側に被固定物を固定
するための螺設部1bを有する。2は上記ボルト
本体1側周に外装されるスリーブで、該スリーブ
2は、下端に開放した軸方向のスリツト2aで隔
設形成されたスカート片2cを有し上記ボルト本
体の拡径部分1aと当接する下端部(第3図参
照)2Aと、その上方に位置し上記ボルト本体1
の螺設部1bの外周壁に略密着して外装される。
円筒状の上部2Bとから構成されるそして、本実
施例の場合、上記スリーブ2の下端部2Aは、製
造に際し、第3図aに示すように、扇形に形成さ
れた板材にスリツト部2aが形成され、この板材
を金型等で内周壁の曲率が下述する曲率を有する
ように円筒体状に形成される。即ち、上記下端部
2Aの、各スリツト2aで隔設される各スカート
片2cの内周壁の各横断方向の曲率R1は、その
当接する上記ボルト本体1の各下端拡径部1aの
曲率R2に等しく(正確にはやや大きく。本明細
書において同じ)形成されている(第4図a,b
参照)。
そして、スリーブ2の上部2Bは、上記ボルト
本体1の円柱状部に外接する内穴を有する円筒状
に形成されている。
3は上記ボルト本体1の螺設部1bに螺合し固
着物(アンカーボルトで固着する対象物をいう)
を固着するためのナツトである。
しかして、このように構成されているアンカー
ボルトは、第1図に示すように植設すべき穴4に
植設される際以下のように作用する。
即ち、第2図に図示するように、ボルト本体1
上方からスリーブ2の下端部2Aをセツトし、次
ぎにその上からスリーブの円筒部2bをセツト
し、このセツトした状態で植設すべき穴4にアン
カーボルトAを入れて、ボルト本体1上部に座金
あるいは当板5を介してナツト3を螺合させる。
この状態において、スリーブ2下端部のスカート
片2cは第4図a,bに図示するように未だ拡径
されていない。そして、上記ナツト3をさらに締
めると、スリーブ2はボルト本体1上を下方に移
動し、こに伴い該スリーブ下端部2Aのスカート
片2cは上記ボルト本体1の下端拡径部1aのテ
ーパ状に沿つて拡径する。ナツトが所定量締めら
れると、スリーブ2のスカート片2cはボルト本
体1によつて上記穴4の内周壁に強固に押圧さ
れ、この結果ボルト本体1は穴4に係止されるこ
ととなる。かかる際、スリーブ下端部2Aのスカ
ート片2cは、第5図に示す状態に拡径され、こ
の拡径された際ボルト本体1の下端拡径部1aの
外周壁にスリーブ2の下端部2Aの内周壁(即ち
スカート片の内周壁)が良好に接触した状態(第
6図a,b参照)になる。
このため、アンカーボルトの上端部に横方向の
力あるいは軸方向の力が作用しても、上記ボルト
本体の下端拡径部1aの外周壁とスリーブ2の下
端部の内周壁の間に隙間が生じるようなことはな
い。
ところで、上記スリーブ下端部2Aのスカート
片2cがボルト本体の下端拡径部の形状に沿つて
拡径する際、このスカート片2cが形成されてい
るスリーブの下端部2Aが、扇形の板材を円筒状
に成形することにより形成されているため、また
円筒状のスリーブ上部2Bと分割して構成されて
いるため、無端状に形成されている従来のスカー
ト片に比べ、極めて容易に拡径することが可能と
なつている。
尚、第10図に図示するように、アンカーボル
トのスリーブ下端部2Aのテーパ角度α゜と被穿孔
物穴のテーパ角度β゜をβ゜>α゜となるよう、スリー
ブの下端部2Aの肉厚を、A′−A′部分よりも
B′−B′部分の肉厚を厚すると、スリーブ2と植
設すべき穴の内周壁の接触面積がより大きくな
り、より強固な固着力を得ることができる。
また、上記実施例においては、スリーブ下端部
2Aを扇形の板材を屈曲して形成しているが、円
筒状の素材を用いて各横断方向の曲率が異なるス
リーブ下端部を形成してもよい。
さらに、上記実施例においては述べていない
が、スリーブの外周面には穴との係止力を増加さ
せるため横断方向に段部を形成してもよい。
また、第7図〜第9図に図示するように、植設
すべき穴4とアンカーボルトAとの間に生じる隙
間7から雨水等が入り込まないように、これらの
隙間に弾性を有する合成樹脂あるいはゴム等のシ
ール材8を挿着できるようアンカーボルトを構成
してもよい。
また、上記説明では特に言及していないが、精
度的に、スカート片の外周壁の曲率を、植設すべ
き穴の曲率と等しく(正確にはやや小さく)形成
しておけば、上記穴とアンカーボルトの外周面が
面接触するため、このアンカーボルトの外周面に
摩耗が生じ難く、また、上記本考案の効果とあい
まつて、アンカーボルトに繰り返し荷重が作用し
た場合でも面で接触していること(従来は点接
触)に起因して摩耗等によるガタが生じ難く、ま
た曲げモーメントにも強くなる等の効果が得られ
ることはいうまでもない。
(考案の効果) 本考案にかかるアンカーボルトは、上述のよう
に構成されスリーブ下端部でのボルト本体とスリ
ーブとの接触性が極めて良好であるため、従来の
アンカーボルトのように、アンカーボルト上端に
横方向の力が作用しあるいは軸方向の力が作用し
てもボルト本体とスリーブとの間に間隙を生ずる
ようなことがなく、常に信頼性の高い固定を得る
ことができる。また、スリーブが前記ボルト本体
の拡径部分に接触する下端部とボルト本体の上方
の円柱状の部分に略接触する上部とに分割して構
成されているため、極めて小さい力でもつて拡径
させることができる。このため、熟練者でない者
でも、アンカーボルトの植設が容易に行え、また
アンカーボルトの植設後拡径不良による上述の如
き不具合が生じることもない。さらに、上述のよ
うにスリーブが分割して構成されているため、ス
カート片の曲率を上述のような各部分で変化させ
た構造であつても、従来のもの同程度に、安価に
製造することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は植設された状態での本実施例にかかる
アンカーボルトの正面図、第2図はアンカーボル
トの各部の形状を示す分解斜視図、第3図a,b
は拡径前のスリーブの下端部の展開図および斜視
図、第4図a,bは第3図bのスリーブの下端部
の内周壁の曲率を示す各横断面での横断面図、第
5図は拡径後のスリーブの下端部の斜視図、第6
図a,bは第5図のスリーブの下端部の内周壁の
曲率を示す各横断面での横断面図、第7図〜第1
0図は他の実施例を示す正断面図および部分正断
面図、第11図、第12図は従来例を示すアンカ
ーボルトの正面図および分解斜視図、第13図
a,bは第11図に示す従来のスリーブの下端部
の内周壁の曲率を示す各横断面での横断面図、第
14図a,bは同拡径後の曲率を示す横断面図で
ある。 A……アンカーボルト、1……ボルト本体、1
a……拡径部分(下端拡径部)、1b……螺設部、
2……スリーブ、2A……下端部、2a……スリ
ツト、2c……スカート片、2B……上部。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 下端部で拡がつたテーパ体状等の拡径部分を有
    しその上端側に螺設部を有するボルト本体と、下
    端部に下端側に開放した軸方向のスリツトが形成
    され上記ボルト本体の側周に外装され植設すべき
    穴に該ボルト本体を係止させるスリーブとを有す
    るアンカーボルトにおいて、前記スリーブが前記
    ボルト本体の拡径部分に接触する下端部とボルト
    本体の拡径部分の上方部に略接触する上部とに分
    割され、且つ上記スリーブ下端部に形成されてい
    るスリツトにより隔設されている各スカート片の
    各内周壁の各部横断方向の曲率が、植設完了時当
    接する上記ボルト本体下端の拡径部分の外周壁各
    部の曲率に等しくなるよう予め形成されているこ
    とを特徴とする。
JP1986098675U 1986-06-26 1986-06-26 Expired JPH0332818Y2 (ja)

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JPS634415U JPS634415U (ja) 1988-01-12
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4545608B2 (ja) * 2005-02-10 2010-09-15 サンコーテクノ株式会社 拡張アンカー、拡張アンカーの施工方法
JP5771448B2 (ja) * 2011-06-10 2015-08-26 株式会社エーアンドエーマテリアル トンネル内装パネルの取付け構造及びトンネル内装パネルの取付け方法

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JPS597044A (ja) * 1982-07-05 1984-01-14 ニツカン工業株式会社 積層板

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JPS552264Y2 (ja) * 1975-05-15 1980-01-21

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JPS597044A (ja) * 1982-07-05 1984-01-14 ニツカン工業株式会社 積層板

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