JPH0571013A - 弾性糸 - Google Patents

弾性糸

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JPH0571013A
JPH0571013A JP25429191A JP25429191A JPH0571013A JP H0571013 A JPH0571013 A JP H0571013A JP 25429191 A JP25429191 A JP 25429191A JP 25429191 A JP25429191 A JP 25429191A JP H0571013 A JPH0571013 A JP H0571013A
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紀次 斎木
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Abstract

(57)【要約】 【目的】弾性回復性能に優れ、且つ耐光性、耐塩素性等
の耐久性も優れた弾性糸を提供する。 【構成】主としてフタル酸類とC6 〜12の脂肪族α,ω
―ジオールからなる融点が50℃未満又は非晶で、固有
粘度が0.6以上のポリエステル(A)70〜90重量
%と、主としてテレフタル酸とトリメチレングリコール
又はテトラメチレングリコールとからなる固有粘度が
0.6以上のポリエステル(B)とを溶融反応せしめて
得られるポリエステルブロック共重合体から構成される
弾性糸であって、200%伸長弾性回復率が85%以
上、且つ130℃10分熱処理において相互融着しない
弾性糸。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規な弾性糸に関する。
さらに詳しくは、弾性回復性能に優れ、且つ耐光性、耐
塩素性といった耐久性の面にも優れた、新規なポリエス
テルブロック共重合体からなる弾性糸に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、弾性糸としては、弾性回復性能が
極めて優れていることから、スパンデックスが主として
用いられている。しかし、スパンデックスには、耐湿熱
性に劣るためポリエステル繊維との交編織物を染色し難
い、光照射により黄変し易い、あるいは、耐塩素性に劣
るため水着等の用途で制約を受けるといった欠点があ
り、このためその用途が限定されているのが実情ある。
【0003】このため、近年、ポリエステルエラストマ
ー、例えばポリエーテルエステルエラストマーからなる
弾性糸が提案され、一部の用途には使用され初めてい
る。しかしながら、この弾性糸は、耐湿熱性の面ではス
パンデックスよりも優れているものの、弾性回復性能の
面では逆に劣り、さらなる改善が望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ポリエステルエラスト
マーを弾性糸の原料とする試みは、昔から種々なされて
いるが、上記の如く、ポリエーテルエステルエラストマ
ー以外は実用化されていない。これは、得られる弾性糸
のいずれもが、スパンデックスの性能、特に弾性回復性
能に劣っていたためであり、この点が改良できれば、ポ
リエステルエラストマーの優れた性能が発揮され、スパ
ンデックスの有する諸欠点が解消された弾性糸が得られ
るものと期待される。
【0005】したがって、本発明の目的は、スパンデッ
クスと同等の弾性回復性能を有する、ポリエステルエラ
ストマーからなる弾性糸を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するためには、ポリエステルブロック共重合体か
らなるポリエステルエラストマーにおいて、ハードセグ
メントの結晶性を損わないでその含有量を減少すること
が大切であると考え、鋭意検討した。その結果、大部分
のソフトセグメント/ハードセグメントの組合せでは、
ソフトセグメントの量を多くすると弾性回復性能が低下
したり、耐熱性が低下して糸が膠着するものの、特定の
芳香族ポリエステルをソフトセグメントとし、特定の結
晶性ポリエステルをハードセグメントとする時、ソフト
セグメントの量を増加させても上記欠点は発現せず、ス
パンデックス並の弾性回復性能が得られることを見い出
し、本発明に到達した。
【0007】すなわち、本発明によれば、フタル酸類を
主たる酸成分とし炭素数6〜12の脂肪族α,ω―ジオ
ールを主たるグリコール成分とする、融点が50℃未満
又は非晶で、固有粘度が0.6以上のポリエステル
(A)70〜90重量%と、テレフタル酸を主たる酸成
分としトリメチルグリコール又はテトラメチレングリコ
ールを主たるグリコール成分とする固有粘度が0.6以
上のポリエステル(B)30〜10重量%とを溶融反応
せしめて得られるポリエステルブロック共重合体を紡糸
してなる弾性糸であって、該弾性糸は200%伸長弾性
回復率が85%以上であり、且つ130℃10分間の熱
処理において相互融着しないことを特徴とする弾性糸、
が提供される。
【0008】本発明におけるポリエステル(A)は、フ
タル酸類を主たる酸成分とし、炭素数6〜12の脂肪族
グリコールを主たるグリコール成分とするポリエステル
であって、ここでいうフタル酸類とは、主としてフタル
酸、イソフタル酸、テレフタル酸を対象とする。なかで
もイソフタル酸が好ましいが、テレフタル酸(通常30
モル%以下)やフタル酸を共重合することが結晶性低下
の点で特に好ましい。また、脂肪族α,ω―ジオールと
は、一般式HO(CH2 OHで表わされるジオール
化合物であり、特に炭素数8〜12のジオール化合物が
好ましい。
【0009】なお、ここでいう「主たる」とは、少なく
とも70モル%以上が上記成分からなり、且つ上記成分
以外の成分からなる酸成分及び/又はグリコール成分の
和が全酸成分に対して30モル%以下であることをい
う。
【0010】かかる共重合成分としては特に限定される
ものではなく、目的により適宜選択すればよい。例え
ば、低温下での弾性回復性能を改善するためには長鎖の
脂肪族ジカルボン酸あるいは脂肪族のポリエーテルグリ
コールを共重合すればよく、また、カチオン染料による
染色性を付与するためにはスルホン酸塩基を有する化合
物を共重合すればよいのである。具体的な共重合成分と
しては、例えば、セバシン酸、ドデカンジ酸、ポリテト
ラメチレングリコール、5―ナトリウムスルホイソフタ
ル酸、5―テトラブチルホスホニウムスルホイソフタル
酸等が例示される。
【0011】本発明にかかるポリエステル(A)は、さ
らに融点が50℃未満又は非晶性であることが大切であ
る。融点が50℃以上の場合には、得られるポリエステ
ルブロック共重合体の弾性性能が低下し、目的とする弾
性糸が得られなくなるので、好ましくない。融点は低い
ほど弾性糸の低温特性は良好となるが、室温下で非晶性
で水飴状を呈するポリエステルであることが、弾性回復
性能に優れた弾性糸を得る上で特に好ましい。
【0012】かかるポリエステル(A)は、通常のポリ
エステルの重合方法と同様にして製造することができる
が、その固有粘度(35℃下オルトクロロフェノール中
で測定)は0.6以上、特に0.8〜1.3の範囲内の
ものを用いる。固有粘度が0.6未満の場合には、得ら
れる弾性糸の強度が不充分となり易いので好ましくな
い。一方高すぎる場合には、後述するポリエステル
(A)とポリエステル(B)との間の溶融反応(ブロッ
ク化反応)が進みにくくなる傾向がある。なお、ポリエ
ステルの重合触媒としては、上記ブロック化反応終了
後、該重合触媒は失活させていることが望ましいので、
リン酸等で容易に失活できるチタン化合物又は錫化合物
が望ましい。
【0013】また、本発明におけるポリエステル(B)
は、テレフタル酸を主たる酸成分とし、トリエチレング
リコール又はテトラメチレングリコールを主たるグリコ
ール成分とするポリエステルである。ここで酸成分がテ
レフタル酸以外、例えば2,6―ナフタレンジカルボン
酸の如きものである場合には、その詳細な理由は未だ不
明であるが、弾性回復性能が不充分となったり、弾性糸
同士が融着し易くなったりする傾向があり好ましくな
い。
【0014】なお、ポリエステル(B)は、結晶性が高
いほど得られる弾性糸の弾性回復性能は良くなる傾向が
あるので、第3成分の共重合量は5モル%未満、特に実
質的にホモポリマーであることが望ましい。さらには、
ポリエステル(A)の場合と同様に、重合触媒はチタン
化合物又は錫化合物が望ましく、一方固有粘度は0.6
以上、特に0.8〜1.3の範囲にあることが望まし
い。
【0015】本発明においては、以上に説明したポリエ
ステル(A)とポリエステル(B)とを溶融反応(ブロ
ック化反応)せしめてポリエステルブロック共重合とす
るのであるが、この際、ポリエステル(A)とポリエス
テル(B)との反応割合(重量比)は70:30〜9
0:10好ましくは75:25〜85:15とすること
か大切である。ポリエステル(A)の割合が70重量%
未満の場合には、ソフトセグメントの割合が少なすぎ
て、目的とする弾性回復性能を有する弾性糸が得られな
くなり、一方90重量%を越える場合には、ハードセグ
メントの割合が少なくなりすぎて弾性糸の耐熱性が低下
するのみならず、ハードセグメントの結晶化が低下して
弾性回復性能も低下することとなるため好ましくない。
【0016】また、ポリエステル(A)とポリエステル
(B)とのブロック化反応をどの程度行なうかは、本発
明において重要なポイントとなるが、用いるポリエステ
ル(A)、(B)の組成及び反応比によって変化するた
め、一義的に定めることは困難である。しかしながら、
得られる弾性糸を130℃下10分間熱処理しても弾性
糸同士が融着しない範囲で、200%伸長弾性回復率が
85%以上、好ましくは90%以上となるまで反応させ
る必要がある。
【0017】かかる反応条件は、ポリエステル(A)、
(B)の組成、固有粘度、触媒の種類及びその量、ブロ
ック化反応の温度及び圧力等種々の因子によっても異な
ってくるので、実際には、これらが定まった後、反応時
間を変化させて、目的とするポリエステルブロック共重
合体の得られる条件を見出すことになる。また別の方法
としては、ポリエステル(A)、(B)ともに艶消剤等
のダル化剤を含有しないものを用いて上記ブロック化反
応を行ない、反応系が透明になる時点を目安とする方法
がある。この方法は、反応条件が変動しても、反応終点
を容易に判定できるので好ましく、通常は反応糸が透明
になった時点から5分以内を終点とすればよい。
【0018】かかるブロック化反応は、バッチ式、連続
式、いずれの方法をも採用することができ、例えば、ポ
リエステル(A)の重合反応が完了した時点で、別に重
合したポリエステル(B)を添加反応させる方法、ポリ
エステル(A)と(B)とを夫々別に重合し、連続反応
機に供給してブロック化反応せしめる方法等を例示する
ことができる。この際、反応温度は通常230〜260
℃が採用され、常圧下もしくは減圧下で反応される。こ
の反応温度が上記範囲未満の温度ではポリエステル
(B)が溶融し難く、且つブロック化反応速度自体も遅
くなり、一方上記範囲を越える場合には、ブロック化反
応の停止が困難となり易い。しかし、連続式でブロック
化反応を行なう場合には、反応生成物を急冷することが
容易であるため、ブロック化の反応温度は上記範囲より
さらに高い温度を採ることができる。
【0019】ブロック化反応の終了後は、引き続いて溶
融紡糸する際にさらに反応が進行して得られる弾性糸の
物性が低下することを抑制するため、リン酸、亜リン酸
等の酸性リン化合物を添加して、ブロック化反応の触媒
(ポリエステル(A)、(B)で用いられた重合触媒)
を失活させておくことが望ましい。かかるリン化合物の
添加量は、前記ブロック化反応触媒の1〜10モル倍量
が一般的である。
【0020】本発明においては、かくして得られるポリ
エステルブロック共重合体を紡糸して繊維となす。この
紡糸方法は特に限定されるものではないが、簡便さの面
から、通常は溶融紡糸方法が採用される。この際、引き
取り速度と吐出速度との比を変更すると得られる繊維の
伸度が変化する等、引き取り条件によっては繊維の特性
が変化するので、目的に応じて適宜設定する必要があ
る。また、紡糸温度は、あまりに高いと紡糸中にブロッ
ク化反応がさらに進行して弾性性能が劣化する要因とな
るので、270℃以下、好ましくは260℃以下とする
のが望ましい。
【0021】紡糸された繊維は、そのまま使用に供する
ことができるが、必要に応じてさらに延伸や熱処理を施
してもよい。熱処理の温度は通常130〜180℃が採
用され、延伸は、通常室温〜70℃下、延伸倍率3〜6
倍で行なわれる。
【0022】かくして得られる弾性糸は、200%伸長
弾性回復率が85%以上、好ましくは90%以上であっ
て、130℃下10分間熱処理しても相互に融着しない
ことが必要である。200%伸長弾性回復率が85%未
満の場合には、もはやスパンデックス並の弾性回復性能
を有するとは言えず、従来のポリエステルエラストマー
からなる弾性糸と同レベルのものでしかない。また、糸
が130℃で融着するようなものである場合には、紡糸
工程や後加工工程等で糸同士が膠着し易くなるといった
問題を生ずることとなる。
【0023】しかしながら、用いるポリエステルブロッ
ク共重合体によっては、前記弾性回復率もしくは糸の融
着についての要件を満さない場合がある。これは、ポリ
エステルブロック共重合体のブロック性に問題がある場
合が多く、前述のとおり、ブロック化反応が進行しすぎ
ると耐熱性が下がって糸の融着が起り易くなり、一方、
ブロック化反応が不十分であると、弾性回復性能が低下
したり、糸の解舒性が低下するといった問題が生ずるの
である。このような場合には、ポリエステルブロック共
重合体のブロック化度が適正となるよう前記ブロック化
反応を適宜調節すればよい。
【0024】なお、本発明の弾性糸には、染料、安定
剤、顔料その他の添加剤が含まれていてもよい。また、
本発明の弾性は、そのまま裸糸の形態で用いても、ナイ
ロン、ポリエステル等の他繊維をカバリングしたカバリ
ング糸の形態で使用してもよい。
【0025】
【発明の効果】本発明の弾性糸は、スパンデックスに代
表される従来の弾性糸と比較して、弾性回復性能等の弾
性性能は同等でありながら、耐候性、耐塩素性といった
耐久性に優れているといった特徴を有するものである。
また、本発明の弾性糸には、従来のスパンデックスでは
必須とされている各種安定剤を併用しなくても上記耐久
性に優れているため、染色工程等の後加工工程で特別の
注意を払う必要がなく、取り扱い性にも優れているとい
った特徴をも有する。
【0026】したがって、本発明の弾性糸は、従来の弾
性糸で展開が困難とされていた耐久性を要求される分野
に展開することが可能であり、その工業的価値は極めて
大である。
【0027】
【実施例】以下実施例をあげて本発明を具体的に説明す
る。実施例において、「部」は重量部を示す。
【0028】
【実施例1】ジメチルイソフタレート70部、ジメチル
テレフタレート12部、デカンジカルボン酸40部、ヘ
キサメチレングリコール150部を、チタニウムテトラ
ブトキサイド0.07部と共に加熱し、副成するメタノ
ール及び水を除去した。しかるのち、反応生成物を減圧
できる反応釜にうつし、減圧下に反応して、固有粘度
0.95のポリエステル(A)を得た。このポリエステ
ル(A)に、別に同様に重合して得た、ポリテトラメチ
レンテレフタレート(固有粘度0.92)(ポリエステ
ル(B))をポリエステル(A)80重量%、ポリエス
テル(B)20重量%となるよう添加し、250℃で1
5分間1mmHgの減圧下に反応させた。内容物は、最初は
白濁していたが、約12分後には透明になった。15分
後、リン酸を0.1部添加し、更に5分間攪拌をしたの
ち取り出した。このポリエステルブロック共重合体の固
有粘度は0.96であった。
【0029】このポリエステルブロック共重合体を25
0℃で12ホールを有する口金から吐出させ、400m
/分で巻取り弾性糸を得た。この弾性糸は、伸度720
%、強度0.8g/deであり、200%(もとの長さの
3倍)に伸長した後ただちに回復させて測定した弾性回
復率は93%であった。この糸は、600ppm の塩素濃
度になるよう調整した次亜塩素酸ナトリウムのpH7の水
溶液に、60℃で2時間浸漬したが、強度はほとんど低
下しなかった。またキセノンテスターで60℃144時
間の光照射を行なったが、着色もほとんどなく、強度も
80%以上保持していたし、130℃下10分間熱処理
しても、弾性糸間の融着はほとんど認められなかった
(以下耐熱性良と表す)。
【0030】
【実施例2】ジメチルイソフタレート70部、ジメチル
テレフタレート12部、アゼライン酸34部、デカメチ
レングリコール150部を、ジブチル錫ジアセテート
0.2部と共に加熱し、副成するメタノール及び水を除
去した。しかるのち、反応生成物を減圧できる反応釜に
うつし、減圧下に反応して、固有粘度0.98のポリエ
ステル(A)を得た。このポリエステル(A)に、別に
同様に重合して得た、ポリテトラメチレンテレフタレー
ト(固有粘度0.92)(ポリエステル(B))をポリ
エステル(A)85重量%、ポリエステル(B)15重
量%となるよう添加し、250℃で10分間1mmHgの減
圧下に反応させた。内容物は、最初は白濁していたが、
約8分後には透明になった。10分後、リン酸を0.1
部添加し、更に5分間攪拌をしたのち取り出した。この
ポリエステルブロック共重合体の固有粘度は0.92で
あった。
【0031】このポリエステルブロック共重合体を25
0℃で12ホールを有する口金から吐出させ、400m
/分で巻取り弾性糸を得た。この弾性糸は、伸度690
%、強度0.6g/deであり、200%(もとの長さの
3倍)に伸長した後ただちに回復させて測定した弾性回
復率は95%であった。この糸は、600ppm の塩素濃
度になるよう調整した次亜塩素酸ナトリウムのpH7の水
溶液に、60℃で2時間浸漬したが、強度はほとんど低
下しなかった。またキセノンテスターで60℃144時
間の光照射を行なったが、着色もほとんどなく、強度も
80%以上保持していたし、耐熱性も良好であった。
【0032】
【比較例1】実施例1に於いて、ポリテトラメチレンテ
レフタレートの代わりにポリテトラメチレン―2,6―
ナフタレンジカルボキシレートを用いた以外は、実施例
1と同様にしてポリエステルブロック共重合体の合成を
行なった。ブロック化反応の時間を変えて得た各種弾性
糸の耐熱性と、弾性回復性を調べた。結果は表1のとお
りである。
【0033】
【表1】
【0034】この結果より、このソフトセグメントとハ
ードセグメントとの組合せでは、弾性回復性と耐熱性と
を同時に満足させることは困難であることがわかる。ベ
ンゼン環(実施例1)とナフタレン環(比較例1)との
違いのみで、この様に大きな差が発現することは、意外
な事である。
【0035】
【比較例2】実施例1において、ポリエステル(A)と
して、デカンジカルボン酸とヘキサメチレングリコール
をチタニウムテトラブトキシサイド触媒で重合した、固
有粘度1.04のポリエステルを用いた以外実施例1と
同様にして、ポリエステルブロック共重合体を合成し
た。
【0036】反応生成物が透明になった時点でリン酸を
添加し、5分間攪拌後取り出した。このポリマーを実施
例1と同様に紡糸したが、得られた糸は粘着し解除出来
なかった。また、130℃の熱風乾燥機にガラス製のボ
ビンに巻いた糸状物を10分間入れたところ、糸状物は
相互に融着してしまった。
【0037】
【実施例3】ジメチルイソフタレート70部、ジメチル
フタレート12部、ジメチルセバケート40部、デカメ
チレングリコール150部を、ジブチル錫ジアセテート
0.2部と共に加熱し、副成するメタノール及び水を除
去した。しかるのち、反応生成物を減圧できる反応釜に
うつし、減圧下に反応して、固有粘度0.96のポリエ
ステル(A)を得た。このポリエステル(A)に、ポリ
テトラメチレンテレフタレート(固有粘度0.92)
(ポリエステル(B))を各種比率で反応させ、実施例
1と同様にリン酸添加後取り出し、紡糸した。この結果
は、表2のとおりである。
【0038】
【表2】
【0039】
【実施例4】実施例1に於いて、ポリテトラメチレンテ
レフタレートの代わりに、同様に重合して得たポリトリ
メチレンテレフタレート(固有粘度0.80)を用い
て、ポリエステルブロック共重合体を得た。このポリマ
ーを紡糸した糸は、弾性回復率(200%伸長後)91
%であった。また、130℃下10分間熱処理しても糸
の融着は認められなかった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D02G 3/02 7199−3B 3/32 7199−3B

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フタル酸類を主たる酸成分とし炭素数6〜
    12の脂肪族α,ω―ジオールを主たるグリコール成分
    とする、融点が50℃未満又は非晶で、固有粘度が0.
    6以上のポリエステル(A)70〜90重量%と、テレ
    フタル酸を主たる酸成分としトリメチルグリコール又は
    テトラメチレングリコールを主たるグリコール成分とす
    る固有粘度が0.6以上のポリエステル(B)30〜1
    0重量%とを溶融反応せしめて得られるポリエステルブ
    ロック共重合体を紡糸してなる弾性糸であって、該弾性
    糸は200%伸長弾性回復率が85%以上であり、且つ
    130℃10分間の熱処理において相互融着しないこと
    を特徴とする弾性糸。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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