JPH0570304A - 水田害虫防除用錠剤またはカプセル - Google Patents

水田害虫防除用錠剤またはカプセル

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JPH0570304A
JPH0570304A JP30855791A JP30855791A JPH0570304A JP H0570304 A JPH0570304 A JP H0570304A JP 30855791 A JP30855791 A JP 30855791A JP 30855791 A JP30855791 A JP 30855791A JP H0570304 A JPH0570304 A JP H0570304A
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JP
Japan
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paddy field
tablet
capsule
chloro
pyridylmethyl
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Pending
Application number
JP30855791A
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English (en)
Inventor
Yasuo Ogawa
康夫 小川
Tadaaki Toki
忠昭 土岐
Mikio Miyaji
三喜雄 宮治
Osamu Imai
今井  修
Masayuki Morita
雅之 森田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ishihara Sangyo Kaisha Ltd
Original Assignee
Ishihara Sangyo Kaisha Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 特別の薬剤散布器を用いずに簡易な方法によ
り水田害虫の防除を行なうことのできる錠剤又はカプセ
ルを提供する。 【構成】 水田に施用した薬量の全量が実質的に田水に
溶解する式(I)(II)(III)基を含む下記ニトロ系
殺虫成分、界面活性剤、発泡剤及び結合剤を含有する水
田害虫防除用錠剤又はカプセル。 〔ニトロメチレン系化合物例えば、3−(6−クロロ−
3−ピリジルメチル)−2−ニトロメチレン−チアゾリ
ジン〕 〔ニトログアニジン系化合物例えば、1−(6−クロロ
−3−ピリジルメチル)−3−メチル−2−ニトログア
ニジン〕 〔ニトロテトラヒドロピリミジン系化合物例えば、6−
(6−クロロ−3−ピリジルメチルアミノ)−1,3−
ジメチル−5−ニトロ−1,2,3,4−テトラヒドロ
ピリミジン〕

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は水田害虫防除において薬
剤施用の簡便なる投込み用錠剤又はカプセルを提供し、
またそれにより簡易な薬剤処理方法を提供することにあ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、水田害虫の防除方法としては殺虫
成分を微粉末固体担体、他の補助剤と共に製剤した粒剤
或は粉剤をそのまま散布する方法、水和剤或は水溶剤を
多量の水に希釈してから散布する方法が挙げられ、その
他微粉末固体担体を使用しない方法としては殺虫成分を
有機溶剤に溶解した乳剤を多量の水に希釈してから散布
する方法、微粉砕した殺虫成分を水に分散・懸濁したフ
ロアブル剤を多量の水に希釈してから散布する方法が挙
げられる。
【0003】
【発明が解決しようとする問題点】しかしながら従来の
各種製剤を施用するに当っては、薬剤を入れた重量のあ
る散布器又は散粒器を持ち乍ら、例えば粒剤については
通常10アール当り3〜4kgを散布するために、水和
剤、水溶剤、乳剤、フロアブル剤については通常10ア
ール当り100〜200リットルの希釈薬液を散布する
ために水田内を歩き廻ることにより、さらに粉剤につい
ては畦畔から大型のナイアガラホースを用いることによ
り、薬剤を万遍なく均一に散布しなければならない。従
って薬剤の運搬、散布作業は過酷な労力を必要とするだ
けでなく、水稲苗もしばしば損傷するためその生育上望
ましくない。
【0004】
【問題点を解決するための手段】本発明は従来方法の前
述の欠点を解決し、特別の薬剤散布器を用いずに簡易な
方法により水田害虫の防除を行なうことができる。すな
わち本発明は、水田に施用した薬量の全量が実質的に田
水に溶解するニトロ系殺虫成分、界面活性剤、発泡剤及
び結合剤を含有する水田害虫防除用錠剤又はカプセルに
関する。また本発明は、当該錠剤又はカプセルを10ア
ール当り10〜200ケ、かつ該錠剤又はカプセルの総
重量が200〜1500gになるように湛水した水田に
施用し、実質的に殺虫成分の全量を田水中に溶解、分散
せしめる水田害虫防除方法に関する。
【0005】
【発明の開示】本発明において、“水田に施用した薬量
の全量が実質的に田水に溶解する”と規定したニトロ系
殺虫成分とは、実質的に水稲苗に薬害を与えないが殺虫
効果を奏するに十分な薬量つまり実用薬量の殺虫成分を
水田に施用し、その全量が田水に溶解すると仮定したと
き、当該殺虫成分の田水濃度が殺虫成分の水に対する溶
解度(20℃)以下である殺虫成分を意味する。例えば
1−(6−クロロ−3−ピリジルメチル)−N−ニトロ
−イミダゾリジン−2−イリデンアミン(後記A−1)
は、散布による粒剤の実用薬量として普通10アール当
り30〜40g施用され、湛水深5cmと仮定したとき
の田水中における濃度は0.6〜0.8ppm(実用薬
量)になり、また水への溶解度(20℃)は510pp
mであるので、本発明で規定したニトロ系殺虫成分に該
当する。
【0006】当該ニトロ系殺虫成分としては、特開昭6
2−81382号公報、同64−70468号公報、特
開平2−171号公報、ヨーロッパ公開特許第302,
389号公報、同第375,907号公報、特願平2−
418047号明細書などに記載され、その化学構造式
中に
【0007】
【化1】
【0008】で表わされる化学構造部分を有しているニ
トロメチレン系化合物、特開昭62−81382号公
報、ヨーロッパ公開特許第375,907号公報、同第
376,279号公報、同第383,091号公報、特
願平2−299486号明細書などに記載され、その化
学構造式中に
【0009】
【化2】
【0010】で表わされる化学構造部分を有しているニ
トログアニジン系化合物、ヨーロッパ公開特許第36
6,085号公報、国際出願公開WO90/05134
号公報などに記載され、その化学構造式中に
【0011】
【化3】
【0012】で表わされる化学構造部分を有しているニ
トロテトラヒドロピリミジン系化合物などが挙げられ
る。
【0013】その具体例としては、例えば1−(6−ク
ロロ−3−ピリジルメチル)−N−ニトロ−イミダゾリ
ジン−2−イリデンアミン(以下A−1と略す)、 1−〔N−(6−クロロ−3−ピリジルメチル)−N−
エチルアミノ〕−1−メチルアミノ−2−ニトロエチレ
ン(以下A−2と略す)、 2−メチルアミノ−2−〔N−メチル−N−(6−クロ
ロ−3−ピリジルメチル)アミノ〕−1−ニトロエチレ
ン(以下A−3と略す)、 1−(6−クロロ−3−ピリジルメチル)アミノ−1−
ジメチルアミノ−2−ニトロメチレン(以下A−4と略
す)、 1−(6−クロロ−3−ピリジルメチル)−2−(1−
ニトロ−2−アリルチオエチリデン)イミダゾリジン
(以下A−5と略す)、 1−(6−クロロ−3−ピリジルメチル)−2−(1−
ニトロ−2−エチルチオエチリデン)イミダゾリジン
(以下A−6と略す)、 1−(6−クロロ−3−ピリジルメチル)−2−(1−
ニトロ−2−β−メチルアリルチオエチリデン)イミダ
ゾリジン(以下A−7と略す)、 1−(6−クロロ−3−ピリジルメチル)−3−メチル
−2−ニトログアニジン(以下A−8と略す)、 1−(6−クロロ−3−ピリジルメチル)−3,3−ジ
メチル−2−ニトログアニジン(以下A−9と略す)、 メチル〔〔3−(6−クロロ−3−ピリジルメチル)−
1−メチル−2−ニトロ〕グアニジノ〕ホルマート(以
下A−10と略す)、 3−(6−クロロ−3−ピリジルメチル)−2−ニトロ
メチレン−チアゾリジン(以下A−11と略す)、 1−(6−クロロ−3−ピリジルメチル)−2−(ニト
ロメチレン)−イミダゾリジン(以下A−12と略
す)、 6−(6−クロロ−3−ピリジルメチルアミノ)−1,
3−ジメチル−5−ニトロ−1,2,3,4−テトラヒ
ドロピリミジン(以下A−13と略す)、 1−(6−クロロ−3−ピリジルメチル)−5−ニトロ
−3−メチル−6−メチルアミノ−1,2,3,4−テ
トラヒドロピリミジン(以下A−14と略す)などが挙
げられる。
【0014】前記具体的化合物の中でA−5〜7及びA
−10は新規なものであり、下記の方法により合成され
る。
【0015】合成例1 1−(6−クロロ−3−ピリジルメチル)−2−(1−
ニトロ−2−アリルチオエチリデン)イミダゾリジン
(化合物No.A−5)の合成 1−(6−クロロ−3−ピリジルメチル)−2−ニトロ
メチレンイミダゾリジン0.5g、37%ホルムアルデ
ヒド水溶液0.19g及びアリルメルカプタン0.22
gをエタノール10mlに加えた後還流下で2時間反応
させた。反応終了後、減圧下でエタノールを留去し、残
渣に小量の酢酸エチルを加えて不溶物を濾取することに
より、融点134.0〜135.0℃を示す目的物(化
合物No.A−5)0.33gを得た。
【0016】前記合成例1に準じて合成される化合物を
下記する。化合物No.A−6 1−(6−クロロ−3
−ピリジルメチル)−2−(1−ニトロ−2−エチルチ
オエチリデン)イミダゾリジン 融点 137.0〜138.0℃
【0017】化合物No.A−7 1−(6−クロロ−
3−ピリジルメチル)−2−(1−ニトロ−2−β−メ
チルアリルチオエチリデン)イミダゾリジン 融点 151.4〜152.0℃
【0018】合成例2 メチル〔〔3−(6−クロロ−3−ピリジルメチル)−
1−メチル−2−ニトロ〕グアニジノ〕ホルマート(化
合物No.A−10)の合成 (1)1,2−ジメチル−3−ニトロイソチオウレア1
gをN,N−ジメチルホルムアミド15mlに溶解さ
せ、室温で60%水素化ナトリウム2.95mgを加え
た後30分撹拌した。その後クロロギ酸メチル634m
gを滴下し、室温で1時間撹拌下に反応させた。反応終
了後、反応生成物を水中に投入し、酢酸エチルで抽出し
た。次いで飽和食塩水で洗浄し、芒硝で乾燥させた後溶
媒を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展
開溶媒;n−ヘキサン:酢酸エチル=7:3)で精製し
て、油状のメチル(1,2−ジメチル−3−ニトロ−1
−イソチオウレイド)ホルマート0.97gを得た。
【0019】(2)前記(1)の反応で得られたメチル
(1,2−ジメチル−3−ニトロ−1−イソチオウレイ
ド)ホルマート0.5g、6−クロロ−3−ピリジルメ
チルアミン0.35g及びエタノール5mlの混合溶液
を1時間還流温度で反応させた。反応終了後、エタノー
ルを留去してシリカゲルカラムクロマトグラフイー(展
開溶媒;n−へキサン:酢酸エチル=3:7)で精製し
て、融点106〜110℃の目的物(化合物No.A−
10)0.53gを得た。
【0020】本発明における界面活性剤は、殺虫成分、
結合剤などに親水性を与えるものであり、例えば混合脂
肪酸ソーダ石ケン、ヒマシ油カリ石ケンのような脂肪酸
塩;ラウリル硫酸ナトリウム、高級アルコール硫酸ナト
リウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル
硫酸アンモニウムのようなアルキル硫酸エステル塩;ド
デシルベンゼンスルホン酸ナトリウムのようなアルキル
ベンゼンスルホン酸塩;アルキルナフタレンスルホン酸
ナトリウムのようなアルキルナフタレンスルホン酸塩;
ジオクチルスルホコハク酸ナトリウムのようなアルキル
スルホコハク酸塩;アルキルジフェニルエーテルジスル
ホン酸ナトリウムのようなアルキルジフェニルエーテル
ジスルホン酸塩;アルキルリン酸カリウムのようなアル
キルリン酸エステル塩;ポリオキシエチレンラウリルエ
ーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエ
ーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエ
ーテル硫酸トリエタノールアミンのようなポリオキシエ
チレンアルキルエーテル硫酸エステル塩;ポリオキシエ
チレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウムのよう
なポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸エ
ステル塩;β−ナフタレンスルホン酸ナトリウム塩ホル
マリン縮合物、特殊芳香族スルホン酸ナトリウム塩ホル
マリン縮合物のようなナフタレンスルホン酸ホルマリン
縮合物の塩;ポリカルボン酸ナトリウムのようなポリカ
ルボン酸塩;ポリスチレンスルホン酸ナトリウムのよう
なポリスチレンスルホン酸塩;ポリオキシエチレンアル
キルエーテルリン酸塩;リグニンスルホン酸塩などの陰
イオン系界面活性剤:ポリオキシエチレンラウリルエー
テル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシ
エチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレン高級
アルコールエーテルのようなポリオキシエチレンアルキ
ルエーテル;ポリオキシエチレンオクチルフェニルエー
テル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルのよ
うなポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル;ポ
リオキシエチレンスチリルフェニルエーテルのようなポ
リオキシエチレンスチリルアリールエーテル;ポリオキ
シエチレン・ポリオキシプロピレンブロックポリマーの
ようなオキシエチレン・オキシプロピレンブロックポリ
マー;ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパル
ミレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタント
リステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタ
ントリオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ソル
ビタンジステアレートのようなソルビタン脂肪酸エステ
ル;ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポ
リオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオ
キシエチレンソルビタントリステアレート、ポリオキシ
エチレンソルビタンモノオレエートのようなポリオキシ
エチレンソルビタン脂肪酸エステル;グリセロールモノ
ステアレート、グリセロールモノオレエートのようなグ
リセリン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレン硬化ヒマ
シ油;ポリオキシエチレングリセリンステアリン酸エス
テル、ポリオキシエチレングリセリンオレイン酸エステ
ルのようなポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステ
ル;2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,
7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,
6−ジオールのようなアセチレングリコール・アルコー
ルなどの非イオン系界面活性剤が挙げられる。界面活性
剤はこれらのものを1種或は2種以上の混合物として使
用してもよく、また陰イオン系及び非イオン系のものの
混合物として使用してもよい。
【0021】本発明における発泡剤は、水の存在下にお
いて反応してガスを発生する、酸性物質及びアルカリ性
物質を組合せたものである。酸性物質としては、そのも
の自身が酸性を示すもの或は水に溶解して酸性を示すも
のであって、例えばクエン酸、酒石酸、蓚酸、コハク
酸、マレイン酸、フタル酸、リンゴ酸、アジピン酸など
の有機酸;リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリ
ウム、リン酸二水素アンモニウム、硫酸水素カリウムな
どの水素塩;カリミョウバン、アンモニウムミョウバン
などのミョウバン類;などが挙げられ、アルカリ性物質
としては、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸
カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸アンモニウムなど
の炭酸塩;重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウムなどの重
炭酸塩;過炭酸ナトリウムのような過炭酸塩などが挙げ
られる。
【0022】本発明で用いられる結合剤は各構成成分粒
子を結合するものであって、望ましくは水溶性のもので
あればいずれのものでもよいが、例えばカルボキシメチ
ルセルロース、その塩、デキストリン、ポリエチレング
リコール、ポリビニルアルコール、ポリアルキレングリ
コール、ポリビニールピロリドン、リグニンスルホン酸
塩、アラビアゴム、澱粉のり、その他の澱粉類、ショ糖
などが挙げられる。また、本発明における結合剤とし
て、そのもの自身が一般的な結合剤でなくても、各構成
成分粒子を結合する役目を果たすものであれば適宜使用
することもできる。このようにして使用することができ
るものとしては、例えばステアリン酸、コハク酸、アジ
ピン酸、リン酸などの酸性物質及びそれらの塩;炭酸ナ
トリウム、重炭酸ナトリウムなどのアルカリ性物質など
が挙げられる。
【0023】界面活性剤、発泡剤及び結合剤の選択に当
っては殺虫成分の種類、製剤全体の配合割合により異な
るため、実際には試行錯誤的な実験によって適当なもの
を選抜せねばならない。
【0024】本発明の水田害虫防除用錠剤又はカプセル
は、前記ニトロ系殺虫成分、界面活性剤、発泡剤及び結
合剤からなるものであり、例えば前記ニトロ系殺虫成分
1重量部に対し、前記界面活性剤を0.1〜20重量
部、望ましくは1〜10重量部、さらに望ましくは1〜
5重量部、発泡剤を1〜800重量部、望ましくは5〜
100重量部、さらに望ましくは5〜25重量部、並び
に結合剤を0.1〜20重量部、望ましくは0.2〜1
0重量部、さらに望ましくは0.4〜1.5重量部の比
率で含有するものである。
【0025】本発明の錠剤又はカプセルは前述の成分以
外に固体担体、他の農薬助剤を含有することができる。
また、本発明の前記殺虫成分以外の殺虫成分、殺菌成
分、除草成分、植物生育調整成分、肥料成分なども適宜
含有することもできる。固体担体としてはカオリン、タ
ルク、クレー、ベントナイト、微粉末シリカなどの鉱物
性微粉末;無水硫酸ナトリウムなどの無機塩類;尿素な
どの有機物質;ポリアクリル酸塩系のような合成ポリマ
ー系、セルロース系、デンプン系の高吸水性樹脂等が挙
げられ、他の農薬助剤としては通常使用される溶剤、分
解防止剤、薬害軽減剤、分散安定剤、崩壊剤、乾燥剤な
どが挙げられる。それらの使用量は一概に規定すること
はできないが、一般に錠剤又はカプセル全体に占める比
率として固体担体は0.1〜50重量部並びに他の農薬
助剤は0.1〜20重量部である。
【0026】本発明の錠剤又はカプセルは通常、下記の
方法或はそれに準じた方法により容易に製造される。一
般に前記殺虫成分が固体の場合、水への溶解性及び分散
性を高めるために予め粉砕することにより、粒径が1〜
200μm、望ましくは1〜100μmの微細粒子とし
て使用する。錠剤の製造方法としては、例えば殺虫成
分、界面活性剤、発泡剤及び結合剤を同時に混合するか
或は予め混合した任意の成分にその他残りの成分を混ぜ
ることにより全成分を均一に混合し、粒径1〜200μ
mに粉砕し、これを打錠機を用いて通常の方法に従い圧
縮成型することにより錠剤化する。ここで固体担体又は
他の農薬助剤を使用する場合、これを予め殺虫成分、界
面活性剤と均一に混合し粉砕して水和剤を形成してから
発泡剤及び結合剤と混合する方法などが挙げられる。前
述の錠剤の製造方法は勿論、薬効、製剤性などを考慮し
適宜変更され、適当なものが実施される。錠剤はその製
造方法、打錠機などの相異により、円形板状、長円形板
状、角形板状、棒状、など種々の形状、大きさのものと
して製造される。錠剤の形状によって薬効が大きく影響
されるものでないので、いずれの形状、大きさ、重さの
ものであってもよいが、形状が円形板状で大きさが直径
1〜5cm厚さ0.2〜3cm、重さが1〜150gの
ものが製剤上、薬剤施用上好ましい。
【0027】本発明のカプセルの製造方法としては、例
えば殺虫成分、界面活性剤、発泡剤及び結合剤を均一に
混合し、必要ならば固体担体又は他の農薬助剤を加えて
それらを均一に混合し、粉砕した粉砕物を粒径0.25
〜1.5mmに造粒し、この顆粒を水溶性セルロース、
水溶性澱粉、ゼラチンなどで作製したカプセルに充填す
るか或は造粒せずに前記粉砕物、水和剤をそのままカプ
セルに充填する。このカプセルも錠剤の場合と同様の形
状、さらには球状、楕円球状、大きさ、重さがいずれの
ものでもよいが、形状が楕円球状で大きさが直径1〜5
cm長さ1〜10cm、重さが1〜150gのものが好
ましい。また本発明のカプセルについては前述のごとく
製剤したもののほかに、前記粉砕物又は水和剤をカプセ
ル容器に充填せず、そのまま水溶性セルロース、水溶性
澱粉、ポリビニルアルコール、ゼラチンなどの水溶性フ
ィルムにより包んだものも含む
【0028】本発明の錠剤又はカプセルは、湛水した水
田に施用すると、水との接触によりガスを発生し、殺虫
成分が田水中に速やかに溶出し、さらに界面活性剤も作
用して、殺虫成分が水中に拡散して均一に分散する。か
くして本発明の錠剤又はカプセルを水田に投与すると速
やかに実質的に殺虫成分の全量を田水中に溶解、分散さ
せることができ、例えば数時間〜20数時間後に田水中
に殺虫成分を均一に分布させることができるので、害虫
を万遍なく防除することができる。
【0029】本発明の錠剤又はカプセルを用いて水田害
虫の防除を行なう場合10アール当り10〜200ケ、
かつ錠剤又はカプセルの総重量が200〜1500gに
なるように施用するが、この範囲を大きく逸脱すると薬
効、薬害上望ましくなく、或は散布作業に多大の労力を
要する。望ましい施用方法については錠剤又はカプセル
の製造方法、大きさ、殺虫成分、界面活性剤、発泡剤、
結合剤及びその他の添加物の種類、配合割合などの相違
により一概に規定できないが、10アール当り殺虫成分
5〜150gを錠剤又はカプセル1ケに0.05〜15
g宛分割し、これを10〜100ケ施用する。かくして
錠剤又はカプセルは10〜100mに1ケ宛施用すれ
ばよく、従って水田に入らず畦畔から当該面積の水田に
投込めばよいので、散布作業は簡単であり、従来の薬剤
施用方法に比して有利である。
【0030】本発明の錠剤又はカプセルを用いて水田害
虫の防除を行なう場合は、水稲移植後から登熟期が好ま
しい。しかし、薬効上特に支障を来さない限りその他の
時期に適用することもできる。また本発明の前記錠剤又
はカプセルは一旦適量の水に溶解乃至分散させ、これを
水田の局所に施用しても薬効面で望ましい効果が得られ
る。
【0031】
【実施例】本発明に関する実施例を記載するが、この記
載によって本発明が何ら限定されるものではない。以下
の実施例において「部」は重量基準で表わす。
【0032】(発泡性配合物の調製) 調製例1 コハク酸42.4部、カルボキシメチルセルロースナト
リウム(商品名;セロゲンPR、第一工業製薬(株)
製)5.2部、重炭酸ソーダ31.4部及び炭酸ソーダ
21.0部を均一に混合し、マイクロサンプルミル(A
P−S型、細川工業(株)製)で微粉化し、発泡性配合
物を得た。
【0033】製剤例1 予め乳鉢で粒径を100μ以下に磨り潰した殺虫成分A
−1 3.06部、ソルビタンモノステアレート(商品
名;ソルゲン50、第一工業製薬(株)製)3.06部
並びに前記発泡性配合物93.88部を均一に混合し再
度磨り潰して粉砕物を得た。この粉砕物1.05gを打
錠機を用いて、圧力1600kg/cmで圧縮成型し
て直径2cm、厚さ2mmの錠剤A(1.0g)を得
た。
【0034】製剤例2 予め乳鉢で粒径100μ以下に磨り潰した殺虫成分A−
2 3.06部、ポリオキシエチレンノニルフェニルエ
ーテル50%及び微粉末シリカ50%混合物(商品名;
ディクスゾールW−92、第一工業製薬(株)製)3.
06部並びに前記発泡性配合物93.88部を混合し、
前記調製例1のマイクロサンプルミルで微粉化して粉砕
物を得た。この粉砕物50.5gを、打錠機を用いて圧
力150〜160kg/cmで2分間圧縮成型して直
径5cm、厚さ1.6cmの錠剤B(50.0g)を得
る。
【0035】製剤例3 予め乳鉢で粒径100μm以下に磨り潰した殺虫成分A
−5 10.0部、ポリオキシエチレンアルキルアリー
ルエーテルサルフェート(商品名;ソルポール503
9、東邦化学工業(株)製)3.0部、ナフタレンスル
ホン酸ナトリウムホルマリン縮合物(商品名;ラベリン
FAN、第一工業製薬(株)製)2.0部、微粉末シリ
カ(商品名;カープレックス、塩野義製薬(株)製)6
部及びカオリナイト及びセリサイトの混合粉砕物(商品
名;ジークライト、ジークライト(株)製)79.0部
からなる水和剤30.6部と前記発泡性配合物69.4
部とを混合し、前記調製例1のマイクロサンプルミルで
微粉化して粉砕物を得る。この粉砕物50.5gを打錠
機を用いて圧力150〜160kg/cmで2分間圧
縮成型して直径5cm、厚さ1.6cmの錠剤C(5
0.0g)を得る。
【0036】製剤例4 予め乳鉢で粒径を100μm以下に磨り潰した殺虫成分
A−1 17.5部、ソルビタンモノステアレート(商
品名;ソルゲン50、第一工業製薬(株)製)17.5
部並びに前記発泡性配合物65部を均一に混合し再度磨
り潰して粉砕物を得た。この粉砕物12.05gを打錠
機を用いて、圧力600Kg/cmで圧縮成型して直
径2.5cm、厚さ18mmの錠剤D(12.0g)を
得た。
【0037】製剤例5 前記製剤例4において、殺虫成分A−1をA−5に代え
る以外は前記製剤例4の場合と同様にして、直径2.5
cm、厚さ18mmの錠剤E(12.0g)を得た。
【0038】試験例1(殺虫試験) 1/1000アールポット(後記図1)の底部に水田土
壌を均一に敷き入れ、代掻き後温室内に放置した。代掻
き1日後に、2葉期のイネ苗(品種:ニホンバレ)を1
0cm間隔で1株3本として2列(後記図1の○印の位
置)に手植えした。
【0039】移植4日後、水深を2.5cmに調整し、
前記製剤例1で得られた錠剤Aを細かく砕いて、有効成
分の施用量が10アール当り30g、或は10gになる
ようにそれぞれの1片をそれぞれのポットの端(後記図
1の×印の位置)に投入した。比較のために、従来の製
剤法で製剤された粒剤の均一散布区を設けた。
【0040】薬剤処理3日後に、それぞれの試験区の一
方の列のイネ苗(5株)を静かに引き抜き、それぞれ根
部を水洗いした後、湿った脱脂綿で根部を包んでそれぞ
れ試験管に入れた。次いでそれぞれの試験管の中にツマ
グロヨコバイ老令幼虫10頭を放ち、管口をガーゼでふ
さいで、25℃の照明付恒温器内に置いた。放虫3日後
に生死(苦もん虫は死亡とみなした)を判定し、下記の
計算式により死虫率を求め、表1の結果を得た。
【0041】
【表1】
【0042】試験例2(殺虫試験) 4月30日にトラクターで水田圃場を耕起後、基肥とし
て粒状化成肥料(N−P−KO:14−10−
13)を10a当り20kg施した。5月6日に入水
し、2日後にトラクターで代掻を行い5月10日に箱育
苗した2葉期の苗(品種:コシヒカリ)を機械移植し
た。
【0043】5月13日にプラスチック畦畔シートを用
い50mの試験区を2連制で設けた。
【0044】その後通常の除草管理及び追肥管理を行な
い、7月17日に湛水深を5〜7cmに調整し、前記製
剤例4又は5で作製した錠剤1ケを試験区の中央に投げ
込んだ。
【0045】薬剤処理2日前並びに薬剤処理後6、12
及び19日目に、試験区から無作為に選んだ20株につ
き、株元に置いた19cm×27cmの粘着板上へ寄生
虫を払い落とし、ツマグロヨコバイ及びウンカ類につい
て虫数を幼虫・成虫別に調査した。その結果を表2に示
す。尚、表中寄生虫数は、2連制試験区の平均値であ
る。
【0046】
【表2】
【0047】
【発明の効果】本発明が提供する水田害虫防除用錠剤又
はカプセルによれば、特別の薬剤散布器を用いずに、水
田に単に投げ込むという簡便な方法で種々の害虫を万遍
なく防除することができる。
【図面の簡単な説明】
図1は、1/1000アール(57.5cm×17.5
cm)の試験ポットを表わし、×印は薬剤投入点を、○
印はイネ苗の移植点をそれぞれ示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A01N 43/54 D 8930−4H 43/76 8930−4H 47/44 8930−4H (72)発明者 今井 修 滋賀県草津市西渋川二丁目3番1号 石原 産業株式会社中央研究所内 (72)発明者 森田 雅之 滋賀県草津市西渋川二丁目3番1号 石原 産業株式会社中央研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水田に施用した薬量の全量が実質的に田
    水に溶解するニトロ系殺虫成分、界面活性剤、発泡剤及
    び結合剤を含有することを特徴とする水田害虫防除用錠
    剤又はカプセル。
  2. 【請求項2】 前記請求項1に記載の水田害虫防除用錠
    剤又はカプセルを10アール当り10〜200ケ、かつ
    該錠剤又はカプセルの総重量が200〜1500gにな
    るように湛水した水田に施用し、実質的に殺虫成分の全
    量を田水中に溶解、分散せしめることを特徴とする水田
    害虫防除方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09511978A (ja) * 1994-04-14 1997-12-02 バイエル・アクチエンゲゼルシヤフト 殺虫性肥料混合物
WO2000072674A1 (fr) * 1999-05-27 2000-12-07 Sankyo Company, Limited Formulation antiparasitaire solide à concentration élevée

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