JPH0570142A - 磁性粉末の製造方法 - Google Patents
磁性粉末の製造方法Info
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- JPH0570142A JPH0570142A JP3231621A JP23162191A JPH0570142A JP H0570142 A JPH0570142 A JP H0570142A JP 3231621 A JP3231621 A JP 3231621A JP 23162191 A JP23162191 A JP 23162191A JP H0570142 A JPH0570142 A JP H0570142A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 微細で表面活性が高く易焼結性のNi−Znフ
ェライト原料磁性粉末を安価に製造すること。 【構成】 沸点が100℃以上の水と非混和性の有機溶
剤からなる加温溶液に、界面活性剤の存在下、水溶性ニ
ッケル化合物、水溶性亜鉛化合物、水溶性鉄化合物及び
過酸化水素を添加してエマルジョンを生成させ、該エマ
ルジョンに苛性ソーダを加えて金属酸化物を生成沈殿さ
せ、得られた金属酸化物粉末を600℃以下の温度で仮
焼する。
ェライト原料磁性粉末を安価に製造すること。 【構成】 沸点が100℃以上の水と非混和性の有機溶
剤からなる加温溶液に、界面活性剤の存在下、水溶性ニ
ッケル化合物、水溶性亜鉛化合物、水溶性鉄化合物及び
過酸化水素を添加してエマルジョンを生成させ、該エマ
ルジョンに苛性ソーダを加えて金属酸化物を生成沈殿さ
せ、得られた金属酸化物粉末を600℃以下の温度で仮
焼する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁性粉末の製造方法、特
に、微細で表面活性の高い易焼結性のNi−Zn系スピネ
ルフェライト粉末の製造方法に関するものである。
に、微細で表面活性の高い易焼結性のNi−Zn系スピネ
ルフェライト粉末の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、Ni−Zn系フェライト原料粉末の
製造方法としては、フェライト構成元素の酸化物若しく
は炭酸塩の粉末を別々に秤量し、それらを混合粉砕して
高温で仮焼する伝統的な粉末法、及びニッケル、亜鉛、
鉄の水溶性化合物の混合溶液にシュウ酸を添加して、そ
れらのシュウ酸塩を同時に生成沈殿させ、得られた混合
シュウ酸塩を仮焼するいわゆるシュウ酸塩法が知られて
いる。
製造方法としては、フェライト構成元素の酸化物若しく
は炭酸塩の粉末を別々に秤量し、それらを混合粉砕して
高温で仮焼する伝統的な粉末法、及びニッケル、亜鉛、
鉄の水溶性化合物の混合溶液にシュウ酸を添加して、そ
れらのシュウ酸塩を同時に生成沈殿させ、得られた混合
シュウ酸塩を仮焼するいわゆるシュウ酸塩法が知られて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、粉末法
では、出発原料がフェライト構成元素の酸化物もしくは
炭酸塩の粉末であるため、各々の粉末を分子レベルで均
一に混合分散させることは全く不可能であり、部分的に
組成のずれを生じてミクロ的に均質な混合粉末が得られ
ず、磁性特性のバラツキの大きいフェライトしか得られ
ないという問題がある。また、これらの出発原料である
各粉末は湿式法により沈殿物として合成され、要すれ
ば、その沈殿物を仮焼することによって製造されるが、
合成時の沈澱物が非常に微細な粒子であっても、凝集や
仮焼等により粒子が粗大化し表面活性も低下しているた
め、それらの混合粉末をスピネルフェライトにするため
には900℃以上の高温で仮焼しなければならないとい
う問題がある。
では、出発原料がフェライト構成元素の酸化物もしくは
炭酸塩の粉末であるため、各々の粉末を分子レベルで均
一に混合分散させることは全く不可能であり、部分的に
組成のずれを生じてミクロ的に均質な混合粉末が得られ
ず、磁性特性のバラツキの大きいフェライトしか得られ
ないという問題がある。また、これらの出発原料である
各粉末は湿式法により沈殿物として合成され、要すれ
ば、その沈殿物を仮焼することによって製造されるが、
合成時の沈澱物が非常に微細な粒子であっても、凝集や
仮焼等により粒子が粗大化し表面活性も低下しているた
め、それらの混合粉末をスピネルフェライトにするため
には900℃以上の高温で仮焼しなければならないとい
う問題がある。
【0004】さらに、高温で仮焼することによって粉末
が凝集体となり、その表面活性が低下し焼結性が低くな
っているため、焼結体を得るためには焼結温度を一段と
高くしなければならないという問題がある。これを防止
するため、焼結助剤を添加して焼結温度を低くすること
が考えられるが、焼結助剤の添加は磁気特性を悪くする
という新たな問題を生じる。
が凝集体となり、その表面活性が低下し焼結性が低くな
っているため、焼結体を得るためには焼結温度を一段と
高くしなければならないという問題がある。これを防止
するため、焼結助剤を添加して焼結温度を低くすること
が考えられるが、焼結助剤の添加は磁気特性を悪くする
という新たな問題を生じる。
【0005】他方、シュウ酸塩法は、複合シュウ酸塩を
生成させることによって構成元素を分子レベルで均一に
分散させた混合物を得ることができるが、生成した沈殿
物が酸化物ではない為、これを酸化物化及びスピネル化
するのに800℃以上のかなり高い温度で仮焼しなけれ
ばならず、必然的に粒子の凝集や粗大化を招くという問
題がある。また、沈殿剤としてコストの高いシュウ酸或
いはシュウ酸アンモニュムを用いるのでNi−Znフェラ
イトの原料粉末がコスト高になる欠点もある。更に、複
合シュウ酸塩を生成させるためにはpH3とかなり酸性
側で反応を進行させる必要があり、そのため、反応終了
後の廃液をそのまま排出することが出来ず、中和して排
出しなければならないため、公害防止のための排水処理
費がかさみコスト高の要因になる。しかも、シュウ酸は
廃液中のBODを高くする要因ともなり沈澱剤としては
決して好ましいものでない。
生成させることによって構成元素を分子レベルで均一に
分散させた混合物を得ることができるが、生成した沈殿
物が酸化物ではない為、これを酸化物化及びスピネル化
するのに800℃以上のかなり高い温度で仮焼しなけれ
ばならず、必然的に粒子の凝集や粗大化を招くという問
題がある。また、沈殿剤としてコストの高いシュウ酸或
いはシュウ酸アンモニュムを用いるのでNi−Znフェラ
イトの原料粉末がコスト高になる欠点もある。更に、複
合シュウ酸塩を生成させるためにはpH3とかなり酸性
側で反応を進行させる必要があり、そのため、反応終了
後の廃液をそのまま排出することが出来ず、中和して排
出しなければならないため、公害防止のための排水処理
費がかさみコスト高の要因になる。しかも、シュウ酸は
廃液中のBODを高くする要因ともなり沈澱剤としては
決して好ましいものでない。
【0006】従って、本発明は、微細で表面活性が高く
易焼結性のNi−Znフェライト原料磁性粉末を安価に製
造することを目的とするものである。
易焼結性のNi−Znフェライト原料磁性粉末を安価に製
造することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解
決するための手段として、界面活性剤を含有し、沸点が
100℃以上の水と非混和性の有機溶剤からなる加温溶
液に、水溶性ニッケル化合物、水溶性亜鉛化合物、水溶
性鉄化合物及び過酸化水素を添加してエマルジョンを生
成させ、該エマルジョンに苛性ソーダを加えて金属酸化
物を生成沈殿させ、得られた金属酸化物粉末を600℃
以下の温度で仮焼するようにしたものである。
決するための手段として、界面活性剤を含有し、沸点が
100℃以上の水と非混和性の有機溶剤からなる加温溶
液に、水溶性ニッケル化合物、水溶性亜鉛化合物、水溶
性鉄化合物及び過酸化水素を添加してエマルジョンを生
成させ、該エマルジョンに苛性ソーダを加えて金属酸化
物を生成沈殿させ、得られた金属酸化物粉末を600℃
以下の温度で仮焼するようにしたものである。
【0008】前記水溶性ニッケル化合物、水溶性亜鉛化
合物及び水溶性鉄化合物としては、ニッケル、亜鉛及び
鉄の塩化物、硝酸塩、硫酸塩或は酢酸塩など安価な無機
酸塩若しくは酢酸塩を用いれば良い。なお、水溶性鉄化
合物としては第一鉄塩及び第二鉄塩のいずれを用いても
良い。これらの水溶性金属化合物は目的とするフェライ
トの組成に応じて任意の割合で配合される。
合物及び水溶性鉄化合物としては、ニッケル、亜鉛及び
鉄の塩化物、硝酸塩、硫酸塩或は酢酸塩など安価な無機
酸塩若しくは酢酸塩を用いれば良い。なお、水溶性鉄化
合物としては第一鉄塩及び第二鉄塩のいずれを用いても
良い。これらの水溶性金属化合物は目的とするフェライ
トの組成に応じて任意の割合で配合される。
【0009】前記界面活性剤としては、イオン性界面活
性剤及び非イオン性界面活性剤など任意のものを使用し
得るが、磁性粉末への不純物の混入を防止する観点か
ら、無機塩などを含まない純粋なものが得られる非イオ
ン性界面活性剤が好適である。非イオン性界面活性剤に
は、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、単一鎖長ポ
リオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレ
ン2級アルコールエーテル、ポリオキシエチレン・アル
キルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン・ポリオキ
シプロピレン・ブロックポリマーなどのエーテル型界面
活性剤;ポリオキシエチレン・グリセリン脂肪酸エステ
ル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポ
リオキシエチレン・ソルビトール脂肪酸エステルなどの
エーテルエステル型界面活性剤;ポリエチレン・グリコ
ール脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセリド、ソルビタ
ン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステ
ルなどのエステル型界面活性剤;脂肪酸アルカノールア
ミド、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエ
チレン・アルキルアミン、アルキルアミンオキサイドな
どの含窒素型界面活性剤が含まれ、これらの任意のもの
を単独で若しくは2種以上を組み合わせて使用できる。
性剤及び非イオン性界面活性剤など任意のものを使用し
得るが、磁性粉末への不純物の混入を防止する観点か
ら、無機塩などを含まない純粋なものが得られる非イオ
ン性界面活性剤が好適である。非イオン性界面活性剤に
は、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、単一鎖長ポ
リオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレ
ン2級アルコールエーテル、ポリオキシエチレン・アル
キルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン・ポリオキ
シプロピレン・ブロックポリマーなどのエーテル型界面
活性剤;ポリオキシエチレン・グリセリン脂肪酸エステ
ル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポ
リオキシエチレン・ソルビトール脂肪酸エステルなどの
エーテルエステル型界面活性剤;ポリエチレン・グリコ
ール脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセリド、ソルビタ
ン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステ
ルなどのエステル型界面活性剤;脂肪酸アルカノールア
ミド、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエ
チレン・アルキルアミン、アルキルアミンオキサイドな
どの含窒素型界面活性剤が含まれ、これらの任意のもの
を単独で若しくは2種以上を組み合わせて使用できる。
【0010】前記水と非混和性の有機溶剤としては、水
と非混和で沸点が100℃以上のものであれば、任意の
ものを使用できるが、代表的なものとしては、トルエ
ン、o−,m−,p−キシレン、イソプロピルベンゼ
ン、ジイソブチレン、デカンおよびその異性体など炭素
数が8以上のメタン列炭化水素などが挙げられる。
と非混和で沸点が100℃以上のものであれば、任意の
ものを使用できるが、代表的なものとしては、トルエ
ン、o−,m−,p−キシレン、イソプロピルベンゼ
ン、ジイソブチレン、デカンおよびその異性体など炭素
数が8以上のメタン列炭化水素などが挙げられる。
【0011】前記ニッケル、亜鉛及び鉄の酸化物を生成
させる反応は、80〜100℃の範囲内の温度で行うの
が好ましい。
させる反応は、80〜100℃の範囲内の温度で行うの
が好ましい。
【0012】
【作用】沸点が100℃以上の水と非混和性の有機溶剤
からなる加温溶液に、界面活性剤の存在下、水溶性ニッ
ケル化合物、水溶性亜鉛化合物及び水溶性鉄化合物及び
過酸化水素水を加えると、界面活性剤の作用により前記
ニッケル、亜鉛及び鉄の各水溶性化合物の微小な水滴エ
マルジョンが形成される。これに苛性ソーダを添加して
反応させると、生成されるフェライト構成元素の酸化物
の粒子の大きさが微小水滴エマルジョンの大きさに律せ
られるため、分子レベルで均一に分散した極めて微細な
Ni−Znフェライト粒子が直接合成される。この時、
反応系がW/O型のエマルジョンを形成しているので、
生成されるフェライト粒子は有機溶剤に囲まれた形にな
り、その凝集が防止される。また、水の沸点より高い沸
点を有する有機溶剤の使用が、100℃を越える温度に
加熱するだけで凝集の原因となる水分の除去を極めて容
易となし、減圧乾燥等による凝集の少ない高分散の微細
なフェライト粉末の生成を可能にし、これが600℃以
下の比較的低い温度での仮焼を可能にし、スピネルフェ
ライトの低温化を可能にする。
からなる加温溶液に、界面活性剤の存在下、水溶性ニッ
ケル化合物、水溶性亜鉛化合物及び水溶性鉄化合物及び
過酸化水素水を加えると、界面活性剤の作用により前記
ニッケル、亜鉛及び鉄の各水溶性化合物の微小な水滴エ
マルジョンが形成される。これに苛性ソーダを添加して
反応させると、生成されるフェライト構成元素の酸化物
の粒子の大きさが微小水滴エマルジョンの大きさに律せ
られるため、分子レベルで均一に分散した極めて微細な
Ni−Znフェライト粒子が直接合成される。この時、
反応系がW/O型のエマルジョンを形成しているので、
生成されるフェライト粒子は有機溶剤に囲まれた形にな
り、その凝集が防止される。また、水の沸点より高い沸
点を有する有機溶剤の使用が、100℃を越える温度に
加熱するだけで凝集の原因となる水分の除去を極めて容
易となし、減圧乾燥等による凝集の少ない高分散の微細
なフェライト粉末の生成を可能にし、これが600℃以
下の比較的低い温度での仮焼を可能にし、スピネルフェ
ライトの低温化を可能にする。
【0013】次に、本発明の実施例について説明する。
【0014】
【実施例】トルエン3000mlにソルビタンモノラウレ
ート4gを添加して界面活性剤含有液を調製する一方、
硝酸ニッケル0.038モル、硝酸第2鉄0.163モ
ル、硝酸亜鉛0.05モル及び過酸化水素35mlを純水
に溶解した金属イオン含有液100mlを調製する。前記
界面活性剤含有液を90〜95℃に加熱し、これに同温
度に加熱した金属イオン含有液100mlを高速撹拌しな
がら添加して、エマルジョン溶液を調製する。得られた
エマルジョン溶液に、高速撹拌しながら、10規定の苛
性ソーダ水溶液50mlを添加して酸化物を生成沈澱さ
せ、これを高速撹拌しながら90〜95℃に保った状態
でエージングを5時間行う。
ート4gを添加して界面活性剤含有液を調製する一方、
硝酸ニッケル0.038モル、硝酸第2鉄0.163モ
ル、硝酸亜鉛0.05モル及び過酸化水素35mlを純水
に溶解した金属イオン含有液100mlを調製する。前記
界面活性剤含有液を90〜95℃に加熱し、これに同温
度に加熱した金属イオン含有液100mlを高速撹拌しな
がら添加して、エマルジョン溶液を調製する。得られた
エマルジョン溶液に、高速撹拌しながら、10規定の苛
性ソーダ水溶液50mlを添加して酸化物を生成沈澱さ
せ、これを高速撹拌しながら90〜95℃に保った状態
でエージングを5時間行う。
【0015】エージング後、蒸留して反応液から水分を
除去し、トルエン溶媒に酸化物が分散したスラリーをス
プレードライ法に乾燥した後、400℃で熱処理してN
i−Zn系スピネルフェライトの仮焼粉末を得る。この
仮焼粉末を0.05規定の酢酸溶液で洗浄して、Na+
及びNO3 -を完全に除去し、不純物のないNi−Zn系
スピネルフェライト粉末を得る。この仮焼粉末をx線回
折分析したところ、スピネルフェライトの単一相であっ
た。透過型電子顕微鏡で観察したところ、粒径が0.0
5〜0.15μmであった。
除去し、トルエン溶媒に酸化物が分散したスラリーをス
プレードライ法に乾燥した後、400℃で熱処理してN
i−Zn系スピネルフェライトの仮焼粉末を得る。この
仮焼粉末を0.05規定の酢酸溶液で洗浄して、Na+
及びNO3 -を完全に除去し、不純物のないNi−Zn系
スピネルフェライト粉末を得る。この仮焼粉末をx線回
折分析したところ、スピネルフェライトの単一相であっ
た。透過型電子顕微鏡で観察したところ、粒径が0.0
5〜0.15μmであった。
【0016】前記Ni−Zn系スピネルフェライト粉末
に対して10%の酢酸ビニル系バインダを添加して造粒
し、その造粒粉末を成形して外径36mmφ、内径30
mmφのリングを成形した後、900℃で焼成して焼結
体を得た。この焼結体の初透磁率(μi)及び焼結密度
を測定したところ、μi=670、焼結密度=5.2g/c
m3であった。
に対して10%の酢酸ビニル系バインダを添加して造粒
し、その造粒粉末を成形して外径36mmφ、内径30
mmφのリングを成形した後、900℃で焼成して焼結
体を得た。この焼結体の初透磁率(μi)及び焼結密度
を測定したところ、μi=670、焼結密度=5.2g/c
m3であった。
【0017】
【比較例】炭酸ニッケル、酸化亜鉛及び弁柄を実施例1
のものと同組成となるように混合、粉砕し、800℃で
仮焼して仮焼粉末を得た。この仮焼粉体に対して10%
の酢酸ビニール系バインダーを添加して造粒し、以下実
施例と同様にして焼結体を得た。この焼結体のμi及び
焼結密度を測定したところ、μi=50、焼結密度=
3.5g/cm3であった。
のものと同組成となるように混合、粉砕し、800℃で
仮焼して仮焼粉末を得た。この仮焼粉体に対して10%
の酢酸ビニール系バインダーを添加して造粒し、以下実
施例と同様にして焼結体を得た。この焼結体のμi及び
焼結密度を測定したところ、μi=50、焼結密度=
3.5g/cm3であった。
【0018】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、各フェライト構成元素の酸化物が液相反応に
より直接合成され、しかも、有機溶剤に分散した状態で
生成されるので、フェライト構成元素が分子レベルで均
一に分散し、微細で表面活性が高く、且つ、スピネル化
温度の低い易焼結性のNi−Znフェライト原料粉体を得
ることができる。また、液相反応により直接酸化物を生
成させているため、シュウ酸塩のように沈殿物を熱分解
して酸化物にする熱分解工程が不要となり、しかも、従
来のシュウ酸塩法の仮焼温度(900℃)よりも300
℃以上も低い温度でNi−Znフェライト粉末をスピネル
化することができる、又、原料が無機酸塩若しくは酢酸
塩であるため安価であり、しかも反応終了後の水分の除
去及び有機溶剤の除去処理も簡単に行うことができ、従
って、スピネルフェライトを安価に製造できる、など優
れた効果が得られる。
によれば、各フェライト構成元素の酸化物が液相反応に
より直接合成され、しかも、有機溶剤に分散した状態で
生成されるので、フェライト構成元素が分子レベルで均
一に分散し、微細で表面活性が高く、且つ、スピネル化
温度の低い易焼結性のNi−Znフェライト原料粉体を得
ることができる。また、液相反応により直接酸化物を生
成させているため、シュウ酸塩のように沈殿物を熱分解
して酸化物にする熱分解工程が不要となり、しかも、従
来のシュウ酸塩法の仮焼温度(900℃)よりも300
℃以上も低い温度でNi−Znフェライト粉末をスピネル
化することができる、又、原料が無機酸塩若しくは酢酸
塩であるため安価であり、しかも反応終了後の水分の除
去及び有機溶剤の除去処理も簡単に行うことができ、従
って、スピネルフェライトを安価に製造できる、など優
れた効果が得られる。
Claims (1)
- 【請求項1】 沸点が100℃以上の水と非混和性の有
機溶剤からなる加温溶液に、界面活性剤の存在下、水溶
性ニッケル化合物、水溶性亜鉛化合物、水溶性鉄化合物
及び過酸化水素を添加してエマルジョンを生成させ、該
エマルジョンに苛性ソーダを加えて金属酸化物を生成沈
殿させ、得られた金属酸化物粉末を600℃以下の温度
で仮焼することを特徴とするNi−Zn系スピネルフェラ
イト粉末の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3231621A JPH0570142A (ja) | 1991-09-11 | 1991-09-11 | 磁性粉末の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3231621A JPH0570142A (ja) | 1991-09-11 | 1991-09-11 | 磁性粉末の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0570142A true JPH0570142A (ja) | 1993-03-23 |
Family
ID=16926382
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3231621A Pending JPH0570142A (ja) | 1991-09-11 | 1991-09-11 | 磁性粉末の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0570142A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004072995A1 (ja) * | 2003-02-14 | 2004-08-26 | Dowa Mining Co., Ltd. | フェライト磁性粉およびその製法 |
JP2006287004A (ja) * | 2005-04-01 | 2006-10-19 | Nec Tokin Corp | 高周波用磁心及びそれを用いたインダクタンス部品 |
CN103978228A (zh) * | 2014-05-28 | 2014-08-13 | 天津大学 | 纳米锰铁氧体电磁波吸收材料的制备方法 |
CN107151135A (zh) * | 2017-05-16 | 2017-09-12 | 天长市中德电子有限公司 | 一种绿色照明用纳米软磁铁氧体及其制备方法 |
CN112939098A (zh) * | 2021-03-31 | 2021-06-11 | 景德镇陶瓷大学 | 一种干态低温制备磁性铁酸镍粉体的工艺方法 |
-
1991
- 1991-09-11 JP JP3231621A patent/JPH0570142A/ja active Pending
Cited By (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004072995A1 (ja) * | 2003-02-14 | 2004-08-26 | Dowa Mining Co., Ltd. | フェライト磁性粉およびその製法 |
JP2004265936A (ja) * | 2003-02-14 | 2004-09-24 | Dowa Mining Co Ltd | フエライト磁性粉およびその製法 |
US7390424B2 (en) | 2003-02-14 | 2008-06-24 | Dowa Electronics Materials Co., Ltd. | Ferrite magnetic powder and method for production thereof |
CN100411071C (zh) * | 2003-02-14 | 2008-08-13 | 同和控股(集团)有限公司 | 粘合磁体及制造该粘合磁体的方法 |
JP4555953B2 (ja) * | 2003-02-14 | 2010-10-06 | Dowaエレクトロニクス株式会社 | フエライト磁性粉の製法 |
JP2006287004A (ja) * | 2005-04-01 | 2006-10-19 | Nec Tokin Corp | 高周波用磁心及びそれを用いたインダクタンス部品 |
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CN107151135B (zh) * | 2017-05-16 | 2020-11-13 | 天长市中德电子有限公司 | 一种绿色照明用纳米软磁铁氧体及其制备方法 |
CN112939098A (zh) * | 2021-03-31 | 2021-06-11 | 景德镇陶瓷大学 | 一种干态低温制备磁性铁酸镍粉体的工艺方法 |
CN112939098B (zh) * | 2021-03-31 | 2024-03-29 | 景德镇陶瓷大学 | 一种干态低温制备磁性铁酸镍粉体的工艺方法 |
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