JP3289358B2 - 磁性酸化物粉末の製造方法 - Google Patents

磁性酸化物粉末の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁性酸化物原料粉末の製
造方法、特に、電子部品用フエライト材料として有用な
低温焼結を可能にする磁性酸化物の原料粉末の製造方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、磁性酸化物粉末、例えば、Ni−
Zn系フェライト粉末の製造方法としては、(1)フェラ
イト構成元素の酸化物若しくは炭酸塩の各粉末を秤量
し、それらを混合、粉砕して高温で仮焼する乾式法が実
用されている他、(2)Ni、Zn及びFeの水溶性化合物
の混合液にシュウ酸塩を添加してフェライト構成元素の
シュウ酸塩化合物を生成させ、得られたシュウ酸塩化合
物を仮焼するシュウ酸塩法、及び(3)Feアルコキシド
と、Ni及びZnのアセチルアセトネート化合物を有機溶
剤に溶解して混合溶液を調製した後、その混合溶液に水
を加えて加水分解し、生成した沈澱を仮焼するアルコキ
シド法が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、乾式法
では、出発物質がフェライト構成元素の酸化物や炭酸塩
の粉末であるため、粒径が大きく、各々の粉末を分子レ
ベルで均一に混合分散させることは全く不可能である。
また、これらの出発原料である各粉末は、通常、湿式法
により生成された沈澱物を仮焼することにより製造され
るが、生成時に沈澱物が非常に微細であっても、仮焼や
保存中に凝集して粒径が粗大となり表面活性が低下して
いるため、これらの原料を配合してスピネルフェライト
にするためには、900℃以上の温度で仮焼しなければ
ならず、反応時に粒成長又は焼結現象を生じ易く、しか
も、構成元素の粉末の混合性が悪いことから、部分的に
組成のズレを生じ均質な混合粉末が得られず、磁気特性
に大きなバラツキを生じるという問題がある。
【0004】更に、高温で仮焼することにより仮焼粉末
が凝集体となり、仮焼粉末の表面活性が低くなって焼結
性が低下しているため、焼結温度を一段と高くしなけれ
ばならないという問題がある。この問題を解決するた
め、焼結助剤を添加することが提案されてはいるが、焼
結助剤の添加は一般に磁器特性を悪化させるという欠点
があり、特性の悪化をきたすことなく焼結温度の低温化
を図るための根本的な解決策が要望されている。
【0005】他方、シュウ酸塩法は、複合シュウ酸塩を
生成させることで構成元素を分子レベルで均一に混合分
散させた粉末を得ることができるが、生成した沈澱物が
酸化物でないため、これを酸化物及びスピネル化するた
めには、900℃以上の温度で仮焼する必要があり、必
然的に粒子の凝集や粗大化を招く。しかも、複合シュウ
酸塩を析出させる反応をpH3前後の酸性溶液で進行さ
せているため、廃液による公害を防止するためには廃液
を排出前に中和する必要があり、必然的に廃液処理費が
増大することと、沈澱剤として使用するシュウ酸若しく
はシュウ酸アンモニウム自体のコストが高いこととが相
まって、粉末の製造コストが増大するという問題があ
る。
【0006】また、アルコキシド法は、反応温度が低く
活性の高い粉末を得るのに適した方法ではあるが、所望
の磁気特性を得るためには、それを阻害する不純物を含
まない高純度のアルコキシドを使用することが必須であ
り、高純度のアルコキシドは入手が困難であるだけでな
く非常に高価で量産性に欠けるという問題がある。
【0007】従って、本発明は、微細で表面活性が高
く、易焼結性の磁性酸化物粉末を安価に製造できるよう
にすることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解
決するための手段として、一般式:MFe24(但し、M
はNi、Zn、Mn、Cu及びCoからなる群から選ばれた
少なくとも一種の2価の金属元素を表す。)で示される
磁性酸化物を製造するに当たり、前記2価の金属元素及
び鉄の水溶性化合物の混合溶液に、過酸化水素の共存
下、pHが9以上、好ましくは、約10前後になるよう
にアルカリを加えて複合水酸化物を生成させ、その水酸
化物を含む生成スラリーを130〜250℃、飽和圧力
の条件下で水熱処理するようにしたものである。
【0009】前記2価の金属元素及び鉄の水溶性化合物
としては、安価なこれらの金属の塩化物、硝酸塩、硫酸
塩などの無機酸塩及び酢酸塩を用いれば良い。なお、鉄
の水溶性化合物としては、第一鉄塩及び第二鉄塩のいづ
れを用いても良く、また、それらの混合物を用いても良
い。しかしながら、塩化物や硫酸塩を出発原料として用
いた場合、生成粉末を十分に洗浄してClイオンやSO4
イオンを除去することにより実用上支障なく使用できる
が、ClイオンやSO4イオンが磁性酸化物粉末中に残存
していると、これらのイオンが電極材料の金属と作用し
て電気的故障を原因となり易いので、酢酸塩や硝酸塩を
用いるのが好適である。
【0010】アルカリとしては、苛性ソーダ、アンモニ
ア、アルキルアミンなどが代表的なものとしてが挙げら
れるが、洗浄の容易さを考慮すると、アンモニア、アル
キルアミンを用いるのが好適である。なお、アルカリと
して苛性ソーダを使用する場合、生成粉末を十分に洗浄
すればNaイオンを十分に除去することが可能である。
【0011】
【作用】2価金属元素及び鉄イオンを含む混合溶液に、
過酸化水素を共存させた状態で、pHが9以上になるよ
うにアルカリを加えて反応させると、フェライトを構成
する元素が分子レベルで均一に分散した共沈水酸化物が
生成する。この共沈水酸化物を130〜250℃の温度
で、かつ、自然発生飽和蒸気圧力下で水熱処理を行う
と、磁性酸化物が生成される。また、過酸化水素を共存
させているため、水熱処理中に過酸化水素が分解して酸
素ガスを生成し、そのため反応系内の圧力が、過酸化水
素を共存させてない場合の飽和圧力に比べて、著しく高
くなり、酸化物生成反応が促進される。例えば、反応容
器として内容積500mlのオートクレーブを用いた場
合、その内圧は、水系では200℃で飽和蒸気圧は15
atmであるが、過酸化水素を0.1モル含有させると、4
0〜50atmと約3倍に向上する。ちなみに、過酸化水
素を含有させない場合、これと同じ飽和蒸気圧にするに
は、水熱処理温度を260〜270℃にすることが必要
である。また、混合溶液中に第一鉄イオンが存在する場
合、アルカリを加えて反応させるとき共存する過酸化水
素は一部分解して酸素を発生し、その酸素の作用により
鉄はマグネタイト化する。
【0012】
【実施例】純水1リットルに硝酸ニッケル0.075モ
ル、硝酸亜鉛0.10モル、及び硝酸第一鉄0.325モ
ルを溶解し、30%過酸化水素水70mlを添加する。得
られた混合溶液を高速撹拌しながら、10N苛性ソーダ
水溶液をpH10になるまで添加して共沈化合物を生成
させる。スラリー状共沈化合物を約250ml分取して5
00mlのテフロン容器に入れ、これをオートクレーブに
収納して175℃で5時間水熱処理し、自然冷却させ
る。温度が50℃に低下した後、オートクレーブより取
り出して、生成粉末を純水で十分に洗浄してNaイオン
を除去し、120℃で乾燥して磁性酸化物粉末を得る。
【0013】得られた乾燥磁性酸化物粉末について、X
線回折分析を行ったところ、Ni−Znスピネルフェライ
トになっていることが確認された。また、この磁性酸化
物粉末について、透過型電子顕微鏡により分析を行った
ところ、粒径が20〜30nmの非常に微細な粉末であっ
た。
【0014】前記磁性酸化物粉末に対して12重量%の
酢酸ビニル系バインダを添加して造粒した後、外径36
mm、内径30mmのリングに成形し、900℃で焼成して
焼結体を得た。この焼結体の初透磁率(μ)及び焼結密度
を測定したところ、次の通りであった。μ=670、焼
結密度=5.3g/cm3
【0015】
【比較例】炭酸ニッケル、酸化亜鉛及び弁柄を実施例の
ものと同組成になるように混合粉砕し、800℃で仮焼
して仮焼粉末を得た。この仮焼粉末に対して6重量%の
酢酸ビニル系バインダを添加して造粒し、以下、実施例
と同様にして焼結体を得、その初透磁率(μ)及び焼結密
度を測定したところ、次の通りであった。μ=100、
焼結密度=4.0g/cm3
【0016】これらの結果から明らかなように、本発明
方法によれば、微細で表面活性が高く、焼結温度が90
0℃と低い易焼結性の磁性酸化物粉末を得ることがで
き、また、初透磁率が高く焼結密度の高い焼結体を製造
できる。
【0017】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、磁性酸
化物の構成元素の混合溶液に、過酸化水素水の共存下で
アルカリを添加し、それらの反応により共沈化合物を直
接合成し、この共沈化合物スラリーを水熱処理するよう
にしたので、微細で、表面活性が高く、易焼結性の磁性
酸化物粉末を製造することができる。また、水熱処理に
より直接磁性酸化物粉末が得られるので、シュウ酸塩法
のように沈澱物を熱分解する工程が不要であり、しか
も、従来の乾式法のように凝集を生じることがない。更
に、出発原料として、従来のアルコキシド、アセチルア
セトネート化合物或いはシュウ酸塩と異なり、安価な無
機酸塩や酢酸塩を用いているため、安価に製造できる。
しかも、共沈反応させる際のpHが約10前後と、比較
的低アルカリ側で行うことができるため、廃液処理も簡
単に行うことができ、磁性酸化物粉末を安価に製造する
ことができる、など優れた効果が得られる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式:MFe24(但し、MはNi、Z
    n、Mn、Cu及びCoからなる群から選ばれた少なくとも
    一種の2価の金属元素を表す。)で示される磁性酸化物
    を製造するに当たり、前記2価の金属元素及び鉄の水溶
    性化合物の混合溶液に、過酸化水素の共存下、pHが9
    以上になるようにアルカリを加えて複合水酸化物を生成
    させ、その水酸化物を含む生成スラリーを130〜25
    0℃、飽和圧力の条件下で水熱処理することを特徴とす
    る磁性酸化物粉末の製造方法。
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