JP3052461B2 - 磁性粉末の製造方法 - Google Patents

磁性粉末の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁性粉末の製造方法、特
に、微細で表面活性の高い易焼結性のNi−Zn系スピネ
ルフェライト粉末の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、Ni−Zn系フェライト原料粉末の
製造方法としては、フェライト構成元素の酸化物若しく
は炭酸塩の粉末を別々に秤量し、それらを混合粉砕して
高温で仮焼する乾式法、及びニッケル、亜鉛、鉄の水溶
性化合物の混合溶液にシュウ酸を添加して、それらのシ
ュウ酸塩を同時に生成沈殿させ、得られた混合シュウ酸
塩を仮焼するいわゆるシュウ酸塩法が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、乾式法
では、出発原料がフェライト構成元素の酸化物もしくは
炭酸塩の粉末であるため、各々の粉末を分子レベルで均
一に混合分散することは全く不可能である。また、これ
らの出発原料である各粉末は湿式法により合成された沈
殿物を混合し、仮焼することによって製造されるが、合
成時の沈澱物が非常に微細な粒子であっても、使用時に
は粉末が凝集して粒径が粗大となり表面活性が低くなっ
ているため、スピネルフェライトにするためには900
℃以上の高温で仮焼しなければならず、しかも、構成元
素の粉末間の混合分散性が悪いことから、部分的に組成
のずれを生じ均質な混合粉末が得られず、磁性特性のバ
ラツキの大きい不安定な原料粉末しか得られないという
欠点がある。さらに、高温で仮焼することによって仮焼
粉末は凝集体となり、仮焼粉末の表面活性が低くなって
いるため、焼結性が低下し、焼結温度を一段と高くしな
ければならないという問題がある。これを防止するた
め、焼結助剤を添加して焼結温度を低くすることが提案
されてはいるが、焼結助剤は通常、磁気特性を悪くする
という欠点があり、焼結温度を低くする根本的な解決策
とは言えないものである。
【0004】他方、シュウ酸塩法は、複合シュウ酸塩を
生成させることで構成元素を分子レベルで均一に分散し
た混合物を得ることができるが、生成した沈殿物は酸化
物ではない為、これを酸化物化及びスピネル化するのに
900℃以上のかなり高い温度で仮焼しなければなら
ず、必然的に粒子の凝集や粗大化を招くという問題があ
る。また、沈殿剤としてコストの高いシュウ酸或いはシ
ュウ酸アンモニュムを用いるのでNi−Znフェライト原
料粉体がコスト高になる欠点もある。更に、複合シュウ
酸塩を析出させるためにはpH約3とかなり酸性側で反
応を進行させる必要があり、そのため、反応終了後の廃
液をそのまま排出することが出来ず、中和して排出しな
ければならないため、公害防止のための排水処理費がか
さみコスト高の要因になる。しかも、シュウ酸は廃液中
のBODを高くする要因ともなり沈澱剤としては決して
好ましいものでない。
【0005】従って、本発明は、微細で表面活性が高く
易焼結性のNi−Znフェライト原料磁性粉末を安価に製
造できるようにすることを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解
決するための手段として、ニッケル、亜鉛及び鉄の水溶
性化合物を含む加温混合溶液に過酸化水素及び苛性ソー
ダを加えてそれらの複合酸化物を析出させ、その酸化物
粉末を600℃以下の温度で仮焼するようにしたもので
ある。
【0007】前記ニッケル、亜鉛及び鉄の水溶性化合物
としては、安価なこれらの金属の塩化物、硝酸塩、硫酸
塩或は酢酸塩を用いれば良い。なお、鉄の水溶性化合物
は第一鉄塩及び第二鉄塩のいずれを用いても良い。ま
た、ニッケル、亜鉛及び鉄の酸化物を生成させる反応
は、80〜100℃の範囲内の温度で行えば良い。
【0008】
【作用】ニッケル、亜鉛及び鉄の水溶性化合物を含む加
温混合溶液に過酸化水素及び苛性ソーダを添加して80
〜100℃で反応させると、微細で且つ分子レベルで均
一に分散したこれらの元素の複合酸化物が直接合成さ
れ、これを600℃以下の比較的低い温度で仮焼する
と、スピネルフェライトが生成する。
【0009】次に、本発明の実施例について説明する。
【0010】
【実施例】沸騰純水3リットルに硝酸第2鉄0.325
モル、硝酸ニッケル0.075モル、硝酸亜鉛0.10モ
ルを溶解し、過酸化水素水70ccを添加する。この溶液
を高速撹拌しながら、更に10N苛性ソーダ水溶液をp
H9〜9.5になるまで添加して酸化物沈澱を合成す
る。
【0011】スラリー状反応溶液を沸騰状態に保ちなが
ら5時間エージングを行う。時々沸騰純水を補給しなが
ら、容量を3リットルに維持をする。エージング後、複
合酸化物である沈澱物を純水で瀘液の比伝導度が100
μS/cmになるまで洗浄脱水を繰り返してNa+及び
NO3 -を除去し、次いで、沈澱物を120℃で乾燥して
酸化物粉末を得る。得られた乾燥粉末を600℃で仮焼
してNi−Znフェライト仮焼粉末を得た。この仮焼粉末
は、平均粒径が0.5μmで、そのX線回折分析を行っ
たところ、スピネルフェライト単相であった。
【0012】前記仮焼粉末に対して10%の酢酸ビニー
ル系のバインダーを添加して造粒した後、成形して外径
36mmφ内径30mmφのリングを得、成形したリン
グを900℃で焼成して焼結体を得た。この焼結体の初
透磁率(μi)及び焼結密度を測定したところ、μi=6
70、焼結密度=5.2gr/cm3であった。
【0013】
【比較例】炭酸ニッケル、酸化亜鉛及び弁柄を実施例1
のものと同組成となるように混合、粉砕し、800℃で
仮焼して仮焼粉末を得た。この仮焼粉体に体して5%の
酢酸ビニール系バインダーを添加して造粒し、以下実施
例と同様にして焼結体を得た。この焼結体のμi及び焼
結密度を測定したところ、μi=100、焼結密度=
4.0gr/cm3であった。
【0014】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、各フェライト構成元素の酸化物が共沈法によ
り液相反応により直接合成されるので、フェライト構成
元素が分子レベルで均一に分散し、微細で表面活性が高
く、且つ、スピネル化温度の低い易焼結性のNi−Znフ
ェライト原料粉体を得ることができる。また、液相反応
により直接酸化物を生成させているため、シュウ酸塩の
ように沈殿物を熱分解して酸化物にする熱分解工程が不
要となり、しかも、従来のシュウ酸塩法の仮焼温度(9
00℃)よりも300℃以上も低い温度でNi−Znフェ
ライト粉末をスピネル化することができる、又、原料が
無機酸塩若しくは酢酸塩であるため安価であり、しかも
酸化物生成反応をpH約9.5以下と比較的低アルカリ
側で行うことができるため反応終了後の廃液処理も簡単
に行うことができ、従って、スピネルフェライトを安価
に製造できる、など優れた効果が得られる。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01F 1/34 C01G 49/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ニッケル、亜鉛及び鉄の各水溶性化合物
    を溶解した加温混合溶液に、過酸化水素及び苛性ソーダ
    を加えてそれらの複合酸化物を析出させ、その酸化物粉
    末を600℃以下の温度で仮焼することを特徴とするN
    i−Zn系スピネルフェライト粉末の製造方法。
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