JPH0569240U - 柱・梁接合部の型枠 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 柱型枠の上端部をスラブ下端より上側に突出
させて鋼材で囲み拘束し、柱型枠の上端部の変形防止を
はかるとともに、柱・梁接合部の配筋性能、接合性能を
向上した柱・梁接合部の型枠を提供するにある。 【構成】 柱型枠１の上端部１ｂをスラブ型枠７より上
側にスラブ下端筋８の間に突出させて配設するととも
に、柱型枠１の上端部１ｂの周囲を鋼材１０によつて囲
み拘束したことに特徴を有する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、柱に梁及び床スラブを一体的に接合して構築する柱・梁接合部の埋 込み型枠に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来の上記柱・梁接合部の型枠を図２によつて説明すると、図中１１は脱形用 又は埋込用の柱型枠、５は梁型枠、７はスラブ型枠であつて、柱に梁及び床スラ ブを一体的に接合して構築するため、柱型枠１１の上部は、図示のように上階と 分離され、梁部の切欠きａにより周方向に分割された４隅部１ａに形成されて、 キャンテイレバーとなつてコンクリート打設時の側圧で傾き変形され易い構造と なり、その変形防止策として、型枠１１の４隅部１ａの剛性を増したり、仮設材 で押えたり、或るいは４隅部１ａの各対面間をそれぞれフオームタイ１２で緊結 している。そのため、４隅部１ａの剛性を増すことは不経済であり、また仮設材 は取り外しなどの作業量が増える。また、フオームタイ１２を用いる場合は、図 示のように多数の柱主筋２や剪断補強筋３、さらに多数の梁下端主筋、梁上端主 筋等（図示省略）が複雑に交錯して配筋される柱・梁接合部内に配設されるため 、その装着に多くの手数、手間を要する面倒な作業となるなど課題が多い。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従来の柱・梁接合部の型枠において、前記柱型枠上部の４隅部の変形防止をは かることは前記のように面倒な作業となり、柱主筋や剪断補強筋の位置ズレを生 じ、コンクリート被り代の確保等に困難を来すなど、作業性とともに柱・梁接合 部の配筋精度に問題点がある。

【０００４】 本考案は、前記のような課題に対処するために開発されたものであつて、その 目的とする処は、容易かつ経済的に柱型枠の上端部をスラブ下端より上側に突出 させて鋼材で囲み拘束し、柱型枠の上端部の変形を防止することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は、柱型枠の上端部をスラブ下端より上側にスラブ下端筋の間に突出さ せて配設するとともに、柱型枠の上端部の周囲を鋼材によつて囲み拘束したこと により、柱型枠の上端部の変形を効果的に防止し、配筋及び接合性能を高めてい る。

【０００６】

【作用】

柱型枠の上端部は、スラブ下端より上側にスラブ下端筋の間に突出されて支持 され、鋼材により容易に囲み拘束されて、その変形が効果的に防止されるととも に、その鋼材はスラブコンクリート内に埋設されて補強材として機能する。さら に柱型枠の上端部をスラブ下端筋に対するコンクリートの被り代に合わせれば、 梁や床スラブの配筋を容易に精度良く施工することができる。

【０００７】

【実施例】

図１Ａ，Ｂに本考案の一実施例を示す。図中１は埋込用の柱型枠、１ｂは柱型 枠１の上端部（４隅部１ａの上端部）、５は柱型枠１の上部（４隅部１ａ）に配 設された梁型枠、７は柱型枠１の上部に配設されたスラブ型枠、８はスラブ下端 筋である。柱に梁及び床スラブを一体的に接合して構築する構造であるため、柱 型枠１の上部は、図示のように上階と分離され、梁部の切欠きａにより周方向に 分割された４隅部１ａに形成される。柱型枠１の上端部１ｂをスラブ型枠７の上 側にスラブ下端筋８のコンクリート被り代分だけ突出させて配設するとともに、 柱型枠１の上端部１ｂの周囲を鋼材１０によつて囲み拘束した柱・梁接合部の型 枠になつている。

【０００８】 柱型枠１の上部は、前記のように４隅部１ａに形成されて梁部の切欠きａの部 分に梁型枠５が配設され、その上端部１ｂは、スラブ型枠７の上側に突出される とともに、鋼材１０によりその周囲が囲み拘束されて、その変形が効果的に防止 されている。また、鋼材１０は、スラブ筋の配筋前に、柱・梁接合部内の配筋等 に格別の影響を与えず容易に装着され、例えば、図示のように柱主筋２、剪断補 強筋３等が所望の位置に配筋されるとともに、スラブ下端主筋８のコンクリート 被り代分だけ突出して配設された柱型枠１の上端部１ｂにより、スラブ下端主筋 ８の配筋精度が高められるなど、配筋性能、信頼性が著しく高められている。

【０００９】 鋼材１０は、適宜の番線、帯鋼、鉄筋等により柱型枠１の上端部１ｂに容易に 施工され、スラブコンクリート内に埋設され補強筋として機能する。また、柱型 枠１の上端部１ｂに溝部１ｃ，１ｄを設けて、スラブ下端筋８を係止することが でき（図３Ａ参照）、上端部１ｂにスラブ下端筋８を載置してもよい。前記柱型 枠１の材料としては、躯体のコンクリート強度より高強度のパネル（例えば、カ ーボンフアイバーコンクリート−ＣＦＣ、スチールフアイバーコンクリート−Ｓ ＦＣ、ガラスフアイバーコンクリート−ＧＦＣ、ヒートメラミンコンポジット− ＨＭＣ等の無機質材料）が好適である。

【００１０】

【考案の効果】

本考案は、上述のような構成からなり、柱型枠の上端部は、スラブ下端より上 側にスラブ下端筋の間に突出されて支持され、鋼材により容易に囲み拘束されて 、その変形が効果的に防止されるとともに、前記鋼材はスラブコンクリート内に 埋設されて補強筋として機能し、柱、梁さらに床スラブの配筋が容易に行われて 配筋精度が高められるなど、柱型枠の上端部の変形防止性能とともに、柱・梁接 合部の配筋性能、接合性能が向上されている。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示すＹａ−Ｙａ側面図
（Ａ）とＹｂ−Ｙｂ平面図（Ｂ）

【図２】従来例を示すＸａ−Ｘａ側面図（Ａ）とＸｂ−
Ｘｂ平面図（Ｂ）

【図３】本考案の柱型枠上端部の要部拡大図（Ａ），
（Ｂ）である。

【符号の説明】

１ 柱型枠 １ｂ 上端部 ７ スラブ型枠 ８ スラブ下端筋 １０ 鋼材

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 埋込用の柱型枠の上端部をスラブ下端よ
   り上側にスラブ下端筋の間に突出させて配設するととも
   に、前記柱型枠の上端部の周囲を鋼材によつて囲み拘束
   したことを特徴とする柱・梁接合部の型枠。