JPH0567515B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、テープ状記録担体を備えたカセツト
を受容するためのケースであつて、搬送スライダ
が出し入れされる方形のケーシングと、搬送スラ
イダの端壁範囲に取付けられた保持装置と、指で
押されることによつて操作され得る押しボタンと
が設けられており、上記搬送スライダがケーシン
グの側壁に沿つて延びており、搬送スライダ上に
載置されたカセツトが、ケーシング内に支持され
たばねにより外側へ向かつて押出されるようにな
つており、上記保持装置が、搬送スライダとケー
シングとにより形成された２つの部材のうちで一
方の部材に固定されかつ搬送スライダの運動方向
に延びる板ばねを有しており、板ばねの平面側自
由端部に歯が設けられており、上記押しボタンが
操作されることによつて、搬送スライダがケーシ
ングから外側へ向かつてばねの作用を受けて押出
される形式のものに関する。

〔従来の技術〕

磁気テープカセツトを受容するためのケースで
あつて、箱形のケーシングから形成されており、
磁気テープカセツトが、１つ又は複数のスライダ
によつてこのケーシング内へ押込まれて保管され
る形式のものは公知である。カセツトを取出すた
めには、ケーシングへ押込まれたスライダがばね
によつてケーシングから押出される。それによつ
て、このスライダ上に載置されたカセツトが取出
される。

テープ状記録担体を備えたカセツトを受容する
ためのケースが、DE−PS第2248408号明細書か
ら公知である。公知のケースにおいてケーシング
内へ押込まれたスライダは、このスライダの端壁
に設けられた押しボタンが指で押されることによ
るばね力の作用を受けて、ケーシングから押出さ
れる。この場合押しボタンが指で押されると、弾
性的なウエブに設けられた歯がこの歯の係合し
た、ケーシング底部に設けられた切欠きから係合
解除されて、スライダがカセツトの取出し位置へ
もたらされねばならない。上記歯の設けられた弾
性的なウエブはスライダの下面に形成されてお
り、かつ押しボタンと結合されている。しかし、
押しボタンを比較的長く押し続けると、上記歯が
ケーシング底部の切欠き内へ再び係合してしま
い、それによつて、搬送スライダが取出し位置へ
運動することは阻止される。従つて、カセツトを
取出すためにはしばしば何回も押しボタンを押さ
ねばならず、その結果、カセツト受容ケースの操
作が困難で複雑となる。

〔発明が解決しようとする課題〕

本発明の課題は、搬送スライダをケーシングか
ら極めて確実に係合解除することによつて、簡単
な操作でカセツトを取出すことができるような、
カセツトを受容するためのケースを提供すること
にある。

〔課題を解決するための手段〕

上記課題は、本発明によればはじめに述べた形
式のケースにおいて、押しボタンの、ケーシング
の側方内壁に向いた側にスナツプ式フツクが設け
られており、このスナツプ式フツクが、押しボタ
ンが押されると、スナツプ式フツクに向かい合う
ケーシングの内壁範囲に設けられた対向保持部上
へスナツプ係合して、押しボタンを係合解除位置
に保持し、搬送スライダがケーシング内へ押込ま
れると、この対向保持部下方に係合することによ
つて解決されている。

〔作用及び効果〕

押しボタンの、ケーシング内壁に向いた側にス
ナツプ式フツクが設けられており、ケーシング
の、スナツプ式フツクに向いた内壁に対向保持部
が設けられている。このような構成では押しボタ
ンが操作されると、スナツプ式フツクが対向保持
部上へスナツプ係合して押しボタンを係合解除位
置に保持するので、搬送スライダが係合解除され
る。この場合、スライダの板ばねに設けられた歯
がケースケーシングの切欠き内へ再び係合するこ
とが、やはり上記スナツプ式フツクによつて阻止
されている。さらに、スナツプ式フツクと対向保
持部とにはそれぞれ傾斜面が設けられている。搬
送スライダがケーシング内へ押込まれると、スナ
ツプ式フツクは、上記傾斜面によつて対向保持部
上の係合位置から移動し、板ばねに設けられた上
記歯がケースケーシングの切欠き内に係合するこ
とによつて、対向保持部下方にスナツプ係合す
る。

この場合、スナツプ式フツクの下方範囲に形成
されたピン状部分が、有利には、ケーシングに向
いたその後方範囲に傾斜面を有している。搬送ス
ライダがケーシング内へ再び押込まれるさいに、
上記ピン状部分に設けられた傾斜面と対向保持部
を成すレール下面に設けられた傾斜面とが協働す
ることによつて、スナツプ式フツクは対向保持部
下方に容易に係合することができる。

確実な係合及び係合解除を行うためには、スナ
ツプ式フツクが押しボタンの側方にばね弾性的に
設けられており、対向保持部がケーシングに不動
に設けられていてもよい。

しかし、別の構成においては、スナツプ式フツ
クが押しボタンの側方に不動に設けられており、
対向保持部がケーシング側壁の弾性的な区分に設
けられていてもよい。この区分は、ケーシング側
壁がケーシング底部と切離されていることによつ
て、弾性的となつている。

さらに別の構成によれば、確実な係合及び係合
解除を行うために、スナツプ式フツクが押しボタ
ンの側方に不動に設けられており、対向保持部が
弾性的な舌片に取付けられていてもよい。この舌
片は、ケーシング側壁が２つの切欠きによつてケ
ーシングの他の範囲から切離されていることによ
つて形成されている。

〔実施例〕

次に図示の実施例につき本発明を説明する。

第１図には、図示されていないカセツトを受容
するためのケースのケーシング１が示されてい
る。カセツトの載置された搬送スライダ２は、ケ
ーシング１内で運動する。さらに、この搬送スラ
イダ２をケーシング１から押出すばね３が、ケー
シング１によつて支持されている。搬送スライダ
２の端面には外側の被覆部４が設けられており、
ケース内に受容されたカセツトは、この被覆部４
によつて外側からの影響に対して保護される。搬
送スライダ２の端面範囲にはさらに押しボタン５
が配置されており、押しボタン５の外側側面には
スナツプ式フツク６が設けられている。第１図に
おいてこのスナツプ式フツク６は、押しボタン５
の側面に形成されたばね弾性的なウエブとして示
されている。

第２図では押しボタン５が示されており、押し
ボタン５には板ばね７が取付けられており、板ば
ね７の下面には、第２図では示されていない歯が
設けられている。搬送スライダ２がケーシング１
内に係止された状態において、第３図には示され
た歯８が、ケーシング１の底部に形成された第１
図による切欠き９内へ係合する。スナツプ式フツ
ク６はウエブ６ａと、ウエブ６ａの下方範囲で外
側へ向かつて傾斜しかつウエブ６ａと角度を成す
平らなピン状部分６ｂとから形成されている。ピ
ン状部分６ｂの裏側には傾斜面６ｃが設けられて
いる。搬送スライダ２がケーシング１内へ押込ま
れるさいに、スナツプ式フツク６は、上記傾斜面
６ｃによつてケーシング１の対向保持部の下方に
容易にスナツプ係合することができる。

第３図では、押しボタン５と押しボタン５に設
けられたスナツプ式フツク６との側面図が示され
ている。第３図左側に示されたように、押しボタ
ン５の裏側には板ばね７が取付けられており、板
ばね７の下面には歯８が設けられている。搬送ス
ライダ２がケーシング１内に係止されるさいに
は、歯８がケーシング１の底部に形成された切欠
き９内へ係合する。第３図中央には、スナツプ式
フツク６の平面図が一部断面されて示されてお
り、さらにケーシング１の一部が示されている。
ケーシング１の、スナツプ式フツク６に対向する
下方範囲には、対向保持部１０が不動に取付けら
れている。レール状に形成された対向保持部１０
の下面は、平らな傾斜面となつている。それによ
つて、搬送スライダ２がケーシング１内へ押込ま
れたさいに、スナツプ式フツク６が対向保持部１
０の下方に容易にスナツプ係合できるようにな
る。第３図右側には、対向保持部１０が不動に設
けられた、ケーシング１の内壁の一部が示されて
いる。

第４図左側に示された押しボタン５の部分図で
は、押しボタン５の、ケーシング１の側壁に向い
た側にスナツプ式フツク６が不動に取付けられて
いる。対向保持部１０は、ケーシング１の底部１
１から切離された区分１３に弾性的に取付けられ
ている。第４図右側には、ケーシング１の、切欠
き１２の形成された区分１３が示されており、対
向保持部１０がこの区分１３の下方範囲に設けら
れている。それによつて、第４図による実施例で
は対向保持部１０が弾性的な部材として形成され
ている。

第５図では、押しボタン５に不動に設けられた
スナツプ式フツク６が示されている。第５図によ
る実施例でも弾性的に支承された対向保持部１０
は、弾性的な舌片１４に設けられており、この舌
片１４は、ケーシング１の側壁に形成された２つ
の切欠き１５ａ，１５ｂによつて弾性的となつて
いる。

【図面の簡単な説明】

図面は、本発明によるケースの複数の実施例を
示すもので、第１図は本発明によるケースとそれ
から取出された搬送スライダとを立体的に示す
図、第２図はスナツプ式フツクを備えた押しボタ
ンを示す図、第３図は第１実施例のケースの、弾
性的なスナツプ式フツクと不動の対向保持部とが
位置する範囲を３方向から示す図、第４図は第２
実施例のケースの、不動のスナツプ式フツクと弾
性的な対向保持部とが位置する範囲を２方向から
示す図、第５図は第３実施例のケースの、不動の
スナツプ式フツクと弾性的な舌片に設けられた対
向保持部とが位置する範囲を２方向から示す図で
ある。 １……ケーシング、２……搬送スライダ、３…
…ばね、４……被覆部、５……押しボタン、６…
…スナツプ式フツク、６ａ……ウエブ、６ｂ……
ピン状部分、６ｃ……傾斜面、７……板ばね、８
……歯、９……切欠き、１０……対向保持部、１
１……底部、１２……切欠き、１３……区分、１
４……舌片、１５ａ，１５ｂ……切欠き。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ テープ状記録担体を備えたカセツトを受容す
   るためのケースであつて、搬送スライダが出し入
   れされる方形のケーシングと、搬送スライダの端
   壁範囲に取付けられた保持装置と、指で押される
   ことによつて操作され得る押しボタンとが設けら
   れており、上記搬送スライダがケーシングの側壁
   に沿つて延びており、搬送スライダ上に載置され
   たカセツトが、ケーシング内に支持されたばねに
   より外側へ向かつて押出されるようになつてお
   り、上記保持装置が、搬送スライダとケーシング
   とにより形成された２つの部材のうちで一方の部
   材に固定されかつ搬送スライダの運動方向に延び
   る板ばねを有しており、板ばねの平面側自由端部
   に歯が設けられており、上記押しボタンが操作さ
   れることによつて、搬送スライダがケーシングか
   ら外側へ向かつてばねの作用を受けて押出される
   形式のものにおいて、押しボタン５の、ケーシン
   グ１の側方内壁に向いた側にスナツプ式フツク６
   が設けられており、このスナツプ式フツク６が、
   押しボタン５が押されると、スナツプ式フツク６
   に向かい合うケーシング１の内壁範囲に設けられ
   た対向保持部１０上へスナツプ係合して、押しボ
   タン５を係合解除位置に保持し、搬送スライダ２
   がケーシング１内に押込まれると、この対向保持
   部１０下方に係合することを特徴とする、テープ
   状記録担体を備えたカセツトを受容するためのケ
   ース。 ２ スナツプ式フツク６がウエブ６ａから形成さ
   れており、外側へ向かつて傾斜しながらウエブ６
   ａと角度を成す平らなピン状部分６ｂが、ウエブ
   ６ａの下方範囲に設けられている、請求項１記載
   のケース。 ３ スナツプ式フツク６のピン状部分６ｂが、ケ
   ーシング１に向いた下方範囲に傾斜面６ｃを有し
   ている、請求項１又は２記載のケース。 ４ 対向保持部１０が、ケーシング１の内壁に沿
   つて延びるレールから形成されている、請求項１
   記載のケース。 ５ 上記レールの下面が、ケーシング１の内壁に
   向かつて傾斜する傾斜面として形成されている、
   請求項４記載のケース。 ６ スナツプ式フツク６を成すウエブ６ａが、押
   しボタン５の側方にばね弾性的に設けられてお
   り、対向保持部１０がケーシング１に不動に設け
   られている、請求項１から５までのいずれか１項
   記載のケース。 ７ スナツプ式フツク６が押しボタン５の側方に
   不動に設けられており、対向保持部１０がケーシ
   ング１の側壁の弾性的な区分１３に設けられてお
   り、この区分１３がケーシング１の底部１１から
   切欠きによつて切離されている、請求項１から５
   までのいずれか１項記載のケース。 ８ スナツプ式フツク６が押しボタン５の側方に
   不動に設けられており、対向保持部１０が弾性的
   な舌片１４に取付けられており、この舌片１４
   が、ケーシング１の側壁に設けられた２つの切欠
   き１５ａ，１５ｂによつて形成されている、請求
   項１から５までのいずれか１項記載のケース。