JPH026603Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はボタン型電池を用いる小型電子機器等
の電池蓋構造に関し、電池蓋が誤つて開成される
ことを防止したことを特徴とする。

従来、ボタン型電池を用いている小型電子機器
等の電池蓋構造は、電池蓋をコイン等によつてネ
ジ止めするものや、電池蓋をスライド移動させて
弾性爪の弾性力によつて固定するものがある。前
者の電池蓋構造では電池蓋は誤つて離脱すること
はほとんどないが、電池蓋の開閉成操作はきわめ
て面倒であつた。また、後者の電池蓋構造では電
池蓋の開閉成操作は電池蓋のスライド移動である
ので簡単であり、乳幼児でさえも容易に電池蓋を
開成できる。その結果、乳幼児が電池蓋を開成
し、ボタン型電池を飲み込んでしまうという事故
が発生し、これは人命に係る大きな社会問題とな
つていた。

本考案は前記従来の問題を解消するためになさ
れたものであり、その目的は、電池蓋の開閉成操
作が乳幼児にとつては難しいが、他の一般の人達
にとつては容易な電池蓋構造を提供することであ
る。

この目的を達成するために本考案では、ケース
に対して電池蓋をスライド移動させることによ
り、ボタン型電池の着脱開口部を開閉成できる電
池蓋構造において、ケースの内側に形成された係
止部と、電池蓋の閉成方向スライド移動時に弾性
爪が係止部を乗り越えて、弾性爪と係止部の係合
を案内する案内面と、電池蓋の開成方向スライド
移動操作時に前記係止部とスライド方向に対向状
態で係合して電池蓋のスライド移動を不能とする
対向面を有する弾性爪を備えた電池蓋と、該弾性
爪の頂部の一部と重合する位置に形成された貫通
孔と、から構成され、前記電池蓋は前記弾性爪が
前記貫通孔から挿入された操作部材にて押圧移動
されることによつて前記係止部と前記弾性爪の係
合が解除され、電池蓋の開成方向スライド移動を
可能としたことを特徴とする。

以下図面に示された本考案に係る一実施例に基
づいて本考案を説明する。

第１図はケース２に電池蓋４が装着された状態
を示す。ケース２には段差部６，８、突出部１０
および貫通孔１２が形成され、段差部６，８と突
出部１０の間に構成された間隙部（図示省略）に
第２図に示した電池蓋の側端部１４が挾持される
ように設定されている。

電池蓋４には第３図に示されているように側端
部１４と第２図に示されているように弾性爪１６
が形成され、該弾性爪１６には第４図に示されて
いるように傾斜面１５と、ケース２の係止部１７
と対向して係合可能な対向面１９が形成されてい
る。

さらに、電池蓋４の表面には複数個の凹凸部１
８が形成され、これは電池蓋４のスライド移動操
作においてスベル止めの作用効果を有する。

なお、図示実施例では傾斜面１５は弾性爪１６
に形成されているが、これは電池蓋４の閉成方向
スライド移動の際に前記弾性爪１６が当接できる
係止部１７に形成しても良い。

ケース２の内部には、プリント基板２０に固定
された極板２２がボタン電池収納室２４内に延伸
配置されている。極板２２はクンク形状に折曲形
成されており、ケース２内に形成された位置決め
突起２６と係合して所定位置に保持されている。

図示実施例は以上のとおり構成され、次にその
作用効果を説明する。

電池蓋４を閉成する場合、ボタン型電池３０は
第４図に示された極板２２によつて図面上方向に
押圧されているので、従来周知な方法、つまり、
指等によつてボタン型電池３０をケース２内部に
押圧保持すると共に電池蓋４を矢印Ａ方向にスラ
イド移動させ、電池蓋４の弾性爪１６がケース２
の貫通孔１２内に係合させることによつて電池蓋
４の閉成操作はきわめて容易に行なえる。また、
第４図の状態では、電池蓋４のスライド移動は弾
性爪１６が貫通孔１２に係合しているので不可能
であり、そのため、乳幼児等によつて電池蓋４の
開成操作はきわめて困難となる。

従つて、乳幼児等はボタン型電池３０を取り出
すことができず、その結果、乳幼児等がボタン型
電池を誤つて飲み込むことによる人命に係る事故
の発生を防止することができる。

電池蓋４を開成する場合は、第５図に示されて
いるように、ケース２の貫通孔１２にボールペン
の先端などのピン３２を挿入し、これによつて弾
性爪１６をケース２内方向に押圧移動させ、弾性
爪１６と貫通孔１２の係合状態を解除させる。そ
して、この解除状態において、電池蓋４を矢印Ｂ
方向にスライド移動させることによつて電池蓋４
の開成操作を行なうことができる。

本考案によれば、電池蓋の閉成操作は従来と同
様の電池蓋をスライド移動させるというきわめて
容易な方法で行なえる。電池蓋の閉成状態におい
ては電池蓋に形成された弾性爪がケースの係止部
に係合しているので電池蓋が乳幼児等によつて誤
つて開成されることがなくなり、その結果、乳幼
児等がボタン型電池を取り出して誤つて飲み込ん
でしまうという事故は確実に防止できる。また、
電池蓋を開成する場合においては、ケースの貫通
孔にボールペンの先端などのピンを挿入し弾性爪
と係止部の係合を解除するという簡単な操作を行
なうと共に、電池蓋をスライド移動させるだけで
容易に開成できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る電池蓋構造における電池
蓋の閉成状態を示す平面図。第２図は電池蓋の平
面図。第３図は第１図における−線断面図。
第４図は電池蓋が閉成された状態の断面図。第５
図は電池蓋の開成操作方法を示す断面図である。 ２……ケース、４……電池蓋、１２……貫通
孔、１５……傾斜面（案内面）、１６……弾性爪、
１７……係止部、１９……対向面、３０……ボタ
ン型電池。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) ケースに対して電池蓋をスライド移動させる
   ことによりボタン型電池の着脱開口部を開閉成
   できる電池蓋構造において、ケースの内側に形
   成された係止部と、電池蓋の閉成方向スライド
   移動時に弾性爪が係止部を乗り越えて弾性爪と
   係止部の係合を案内する案内面と、電池蓋の開
   成方向スライド移動操作時に前記係止部とスラ
   イド方向に対向状態で係合して電池蓋のスライ
   ド移動を不能とする対向面を有する弾性爪を備
   えた電池蓋と、該弾性爪の頂部の一部と重合す
   る位置に形成された貫通孔と、から構成され、
   前記電池蓋は前記弾性爪が前記貫通孔から挿入
   された操作部材にて押圧移動されることによつ
   て前記係止部と前記弾性爪の係合が解除され、
   電池蓋の開成方向スライド移動を可能としたこ
   とを特徴とするボタン型電池の電池蓋構造。 (2) 実用新案登録請求の範囲第１項記載の装置に
   おいて、前記案内面は電池蓋の閉成方向スライ
   ド移動時に対向可能な前記係止部と前記弾性爪
   のいずれか一方に形成された傾斜面であること
   を特徴とするボタン型電池の電池蓋構造。