JPH021807Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はボタン型電池を用いる小型電子機器等
の電池蓋構造に関し、電池蓋を開く時に生じるボ
タン型電池の飛び出しを防止することができるよ
うにしたものである。

従来、ボタン型電池を使用している小型電子機
器等の電池蓋構造においては、クリツク力により
ケースに保持されている電池蓋をスライドさせる
という一回の動作だけで電池蓋を取りはずすこと
ができる。しかしながらこのような従来の構造に
よれば電池蓋の取りはずしが簡単な為、電池蓋を
取りはずすと同時に収納部内のマイナス極板に押
し出されたボタン型電池が外に飛び出てしまつて
いた。これは単に電池の交換等が煩雑になるばか
りでなく、乳幼児等が小型電子機器をいたずらし
ているうち電池蓋がはずれ、飛び出したボタン型
電池を飲みこみ生命に危険が及ぶといつた社会問
題にも発展している。

本考案はこのような従来構造の問題点を解決し
ようとするものであり、その目的は電池蓋を開く
時に生じるボタン型電池の飛び出しを防止するこ
とができる電池蓋構造を提供することにある。

上記目的を達成する為に本考案は、内部にボタ
ン型電池を収納可能なケースに対して溝係合によ
りスライド移動でき、該ボタン型電池の取り換え
を行なえる電池蓋において、該電池蓋には開方向
のスライド移動時での溝係合継続位置にボタン型
電池の正極の稜部と係接する爪部を形成したこと
を特徴とする。

以下図面に基づき本考案の実施例を説明する。

第１図は本考案の実施例における電池蓋構造の
断面図、第２図及び第３図は動作説明図である。

なお本実施例における電池蓋構造は小型時計に
おけるものである。

時計ケースは上ケース２０と下ケース５０とに
より構成されており、上ケース２０には電池蓋１
０が矢印Ａ，Ｂ方向にスライド可能に保持されて
いる。

電池蓋１０には突片１１が延出形成され、該突
片１１には上板２０に形成された窪み２２と係合
可能な突部１２と、ボタン型電池３０の正極稜部
３４と対応する爪部１６とテーパー部１４とが形
成されている。また該電池蓋１０にはボタン型電
池３０の正極平面３２と対応する位置に透孔１０
ａが形成されている。

第１図において電池蓋１０は、その突部１２が
上ケース２０の窪み２２とスナツプフイツト係合
し、スライド片１８が上ケース２０のスライド溝
２４と係合し、これによりその内部にボタン型電
池３０を収納し上ケース２０に保持されている。

また該電池蓋１０を上ケース２０に対し矢印Ａ
方向にスライドさせ突部１２と上ケース２０の窪
み２２とのスナツプフイツト係合がはずれた時点
においては、該電池蓋１０のスライド片１８は上
ケース２０のスライド溝２４と係合している。

本実施例における電池蓋は以上のような構造と
なつており次にその動作について説明する。

第２図において電池蓋１０はユーザーの指等に
より矢印Ａ方向にスライド移動を行なつている。
このスライド移動により電池蓋１０の突部１２と
上ケース２０の窪み２２との係合がはずれる。

この時点においては電池蓋１０のスライド片１
８は上ケース２０のスライド溝２４と係合した状
態にある。

従来の構造であればこの時電池蓋１０は矢印Ａ
方向へスライドし続け上ケース２０から離脱し、
この為ボタン型電池３０はマイナス極板４０によ
り矢印Ｃ方向に押し上げられ時計ケースからいき
なり飛び出してしまつていた。

しかしながら本実施例においては、電池蓋１０
の突片１１に形成されたテーパー部１４がボタン
型電池３０の正極の稜部３４上を摺動し、次に同
じく突片１１に形成された爪部１６がボタン型電
池３０の稜部３４と係接する。この結果電池蓋１
０はこれ以上矢印Ａ方向にはスライドできなくな
る。

次に第３図に示すように電池蓋１０に形成され
た透孔１０ａにボールペン等の先端６０を挿入し
ボタン型電池３０の正極平面３２を矢印Ｄ方向に
押し下げる。この結果ボタン型電池３０の正極稜
部３４は電池蓋１０の爪部１６からはずれ、電池
蓋１０は矢印Ａ方向にスライド移動可能となり、
スライド片１８がスライド溝２４からはずれるま
でスライド移動させることにより該電池蓋１０は
上ケース２０から離脱する。

このように本実施例においては電池蓋１０をス
ライドさせボタン型電池３０を取り出す為には、
２回の動作を必要とし、この為従来のように１回
の動作だけで電池蓋がスライドしボタン型電池が
いきなり飛び出してしまうことはない。

なお本実施例においては電池蓋１０に透孔１０
ａを形成し、ここからボールペン等の先端でボタ
ン型電池３０を押し下げているが、この透孔１０
ａを設けず、電池蓋１０の外側にはみ出したボタ
ン型電池３０の正極の稜部３４を押し下げること
も可能である。

以上説明したように本考案によれば、内部にボ
タン型電池を収納可能なケースに対して溝係合に
よりスライド移動でき、該ボタン型電池の取り換
えを行なえる電池蓋において、該電池蓋には開方
向へスライド移動させた場合、溝係合が継続して
いる位置でボタン型電池の正極の稜部と係接する
爪部を形成している。この為電池蓋を開方向へス
ライドさせた際には、爪部とボタン型電池の正極
の稜部とが係接し、電池蓋のスライドはストツプ
する。次にボールペン等の先端でボタン型電池を
押し下げ電池蓋との係接をはずし電池蓋をさらに
スライドさせ溝係合をはずすことによりボタン型
電池の取り換えを行なう。この為電池蓋をケース
から取りはずす為には２回の動作が必要となり、
従来のようにいきなりボタン型電池が飛び出して
しまうことがない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例における電池蓋構造の
断面図。 第２図及び第３図は動作説明図。１０……電池
蓋、１０ａ……透孔、１２……突部、１４……テ
ーパー部、１６……爪部、１８……スライド片、
２０……上ケース、２４……スライド溝、３０…
…ボタン型電池、３４……正極稜部、５０……下
ケース。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 内部にボタン型電池を収納可能なケースに対し
   て溝係合によりスライド移動でき、該ボタン型電
   池の取り換えを行なえる電池蓋において、該電池
   蓋には開方向にスライド移動したときボタン型電
   池の正極の稜部と係接する爪部を設けるととも
   に、電池蓋は前記稜部と爪部とが係接していると
   きはケースのスライド溝に係合し、係接をはずし
   た後は電池蓋のスライド移動によつてスライド溝
   からはずれることを特徴とする電池蓋構造。