JPS6213539Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、コンパクト容器に関するものであつ
て、容器本体とドラムとの組み付きを簡単かつ確
実に達成せしめると共に、さらには組み外しを容
易になし得るようにすることを目的とする。

コンパクト容器は、容器本体に蝶番を介して蓋
体を組み付け、容器本体内に化粧品を収納したド
ラムを嵌め込んだ構成が一般である。

容器本体内にドラムを嵌め込む構成としたの
は、ドラム内の化粧品を使い尽した後に新たな化
粧品を収納したドラムを交換できるようにするた
めであり、これにより高価で外観体裁のよい気に
入つた容器を捨てることなく長期にわたつて使う
ことができるのである。

従つて容器本体とドラムとの関係においては、
容器本体内でドラムががたつくことなく長期にわ
たつて確固と組み付いた状態を保持することが要
求され、一方ではドラムの交換時における組み付
け、組み外し操作が簡単に達成されるようにする
ことが望まれる。

しかしながら、この相反する要求を同時に満足
させる手段はむずかしく、例えば両者を両面接着
テープの如くで固定するといつた構成であつたた
め、コンパクト容器の如く小型で薄い容器にあつ
ては、特に組み外しが簡単にできない欠点があつ
た。

本考案は、上述した従来の欠点、不都合を解消
するべく考案されたコンパクト容器に関するもの
であつて、四角箱形状の容器本体の一側方を開口
部とすると共に、周壁の内面上端にフランジ状に
頂壁部を設け、前記開口部に対向位置した周壁部
分の頂壁部に、下端に弾発材を配した押しボタン
を組み付け、また開口部からスライド嵌め込みさ
れるドラムの前記押しボタンの下面に対向する面
を前記押しボタン下端が当接する傾斜面とし、さ
らにドラムのスライド方向に沿つた周壁外面と、
該周壁外面に対向する容器本体の周壁内面との何
れか一方に、係合部を膨出設すると共に、他方に
該係合部が係合する係合凹部を設けた構成であ
る。

以下本考案の一実施例を図面に従つて説明す
る。

まず容器本体１は、金属等で成形された上面を
開放した薄い四角箱形状であつて、底板２、前壁
３、後壁４、側壁５とより構成され、一方側は開
口部６となつている。

そして前壁３、後壁４、側壁５とより成る周壁
の内面上端には、図示実施例では別部材によつて
フランジ状の頂壁部７が設けられており、断面形
状が略Ｃチヤンネル形状に形成され、さらに図示
実施例では少なくとも前壁３と後壁４の内面に
は、わずかの間隙をあけて内壁８が前記頂壁部７
に連続して屈曲等によつて成形されている。

この内壁８の側壁５寄りには、上下に切り込ま
れた一対のスリツトによつて弾性舌片９が形成さ
れ、この弾性舌片９には内方に膨出する係合部１
０が設けられている。

また前記側壁５部分における頂壁部７の中央に
は組付孔１１が穿設され、開口部６端における頂
壁部７部分には切欠部１２が形成され、さらに前
壁中央上部は、上端から切り込まれた一対のスリ
ツトによつて押圧係止片１３が形成され、この押
圧係止片１３は外方からの押圧によつて内方への
弾性変形が自在であり、押圧係止片１３の上端部
は内方に直角に屈曲されていて、係止孔１４が穿
設されている。

そして前記頂壁部７の組付孔１１内には、上部
がこの頂壁部７から突出する形態で押しボタン１
５が嵌め込まれているが、この押しボタン１５下
端部には板バネによる弾発材１６が配されてお
り、弾発材１６下端は底板２に当接しているの
で、押しボタン１５はこの弾発材１６によつて常
時上方への付勢を受けている。

一方、上述した構成の容器本体１に対して、ド
ラム１７は、容器本体１の前壁３と後壁４との間
隔幅と等しい幅を有し、容器本体１とほぼ同一の
高さ幅を有する四角皿形状で、上面に凹設された
凹部に化粧品が詰め込まれ、前記開口部６から本
体１内にスライド嵌め込みされるが、本体１の周
壁には頂壁部７が設けられていて前述した如くＣ
チヤンネル形状に溝が形成されており、ドラム１
７は確実に組み付くことになる。

またドラム１７の前壁１８と後壁１９の上端部
には、一方側端部寄りを除いてスライド方向であ
る長さ方向に沿つて溝２０が切り欠かれており、
ドラム１７を容器本体１に嵌め込むと頂壁部７が
この溝２０内に嵌まり込み、前述したように組み
付きが確実となる。

そして前壁１８と後壁１９の他方側端寄りの外
面には、前記容器本体１の弾性舌片９の係合部１
０が係合する係合凹部２１が設けられ、また他方
側面には下方に向かつて突出する傾斜面２２が形
成されており、本体１内にドラム１７を嵌め込ん
で係合部１０と係合凹部２１とが係合した状態
で、前記傾斜面２２に押しボタン１５下端が当接
する。

さて、上述した構成にあつて、容器本体１にド
ラム１７を嵌め込むには、単に開口部６からスラ
イドさせるだけでよく、係合部１０が係合凹部２
１と係合して、がたつくことなく確固と組み付
く。

この組み付き状態の確実性を高めるべく、係合
部１０が設けられる弾性舌片９は、弾力に富んだ
ものが望ましい。

また、ドラム１７を抜き出すには、押しボタン
１５を弾発材１６の弾力に抗して押し下げれば、
押しボタン１５の下端がドラム１７の傾斜面２２
に当接しながら下降することになり、傾斜面２２
なるがゆえにドラム１７は一方側方に押し出され
ることになつて、係合部１０と係合凹部２１との
係合が解かれ、開口部６から引き出せるのであ
る。

なお、容器本体１の後壁４には、蝶番２３を介
して蓋体２４が連結されており、この蓋体２４の
前端中央には係止舌片２５が設けられていて、容
器本体１の押圧係止片１３の係止孔１４内に嵌入
係止できるようになつていて閉状態を維持し、開
くには押圧係止片１３を内方に押圧変形させて係
止孔１４と係止舌片２５との係止を解けばよい。
ただし蓋体２４を閉じたがために押しボタン１５
が押圧されてしまつては不都合であるので、蓋体
２４は薄箱形状とするのがよい。

以上の説明から明らかなように、本考案のコン
パクト容器にあつて、容器本体１とドラム１７と
は、単にドラム１７を容器本体１の側方からスラ
イドさせながら嵌め込むだけで簡単に組み付き、
しかもその組み付き状態は係合部１０と係合凹部
２１とによつて確固としており、みだりに外れた
りがたついたりすることはない。

そして組み付き状態で、押しボタン１５を押し
下げるだけでドラム１７は一側方に押し出され、
本体１との係合は解かれるので、その組み外し操
作もまた極めて簡単なものとなる。

よつて本考案によれば、構成が簡単であつて成
形が容易であり、容器本体とドラムとの組み付け
が簡単であつてかつ組み付き状態が確固としてい
るので、使い易く、さらにはドラムの組み外しも
簡単であるので、ドラムの交換が容易に達成でき
る等、本考案は多くの優れた作用効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す斜視図であ
る。第２図は要部を示す拡大断面図である。 符号の説明、１：容器本体、３：前壁、６：開
口部、７：頂壁部、９：弾性舌片、１０：係合
部、１５：押しボタン、１６：弾発材、１７：ド
ラム、２０：溝、２１：係合凹部、２２：傾斜
面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一方側を開口部とし、周壁の内面上端に沿つて
   フランジ状の頂壁部を設け、前記周壁の一部であ
   る側壁の前記頂壁部に、上部が突出した押しボタ
   ンを下端に弾発材を配して組み付けた上面を開放
   した容器本体と、該容器本体内に前記開口部から
   スライド組み付けされ、他方側面を前記押しボタ
   ン下端が当接する傾斜面とした化粧品を収納する
   四角皿形状のドラムとを有し、該ドラムのスライ
   ド方向に沿つた周壁外面と、該周壁外面に対向す
   る前記容器本体の周壁内面との何れか一方に、係
   合部を膨出設すると共に、他方に該係合部が係合
   する係合凹部を設けて成るコンパクト容器。