JPH0535774Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はコンパクト容器とりわけ押ボタン開披
形式のコンパクト容器に関するものである。

〔従来の技術及びその技術的課題〕

コンパクト容器は一般に身体と蓋体が後側をも
つて枢着され、前側に設けた１組のフツク片を係
脱することで蓋体を開閉するようになつている。
しかし、従来では蓋体と身体との当接すき間に指
先を差込んで直接フツク片を掛外しするようにな
つていたため、操作性が悪いという問題があつ
た。

この対策として、押ボタンを用いた形式のコン
パクト容器が種々提案されているが、押ボタンに
直接フツクを設けて蓋体のフツク片と係脱させた
り、蓋体のフツク片下面と斜面部材との間に進入
してフツクを持ち上げるようにするなど、操作力
を直接フツク片に加えるようにしていたため、高
い精度を必要とすると共に確実性に乏しく、多数
回の開閉の反復による摩耗で係止力が低下しやす
いという問題があつた。

本考案は前記のような問題点を解消するために
考案されたもので、その目的とするところは、高
い精度を要さずに確実に開披を行え、かつ多数回
の使用によつても安定した開披特性を持続させる
ことができる押ボタン式コンパクト容器を提供す
ることにある。

〔課題を解決するための手段〕

上部目的を達成するため本考案は、後側をもつ
て枢着した身体と蓋体を備え、それらに設けたフ
ツク片を押しボタンにより係脱する形式のコンパ
クトにおいて、身体の前部に形成した凹入部奥壁
にフツク片を設けると共に、その両側位置にフツ
ク片よりも前方に張出す２つの斜面を、フツク片
の下側には凹室を形成し、押しボタンには、上部
中央に蓋体のフツク片の挿脱を許す切欠きを設け
ると共に、該切欠きの両側に、自由端に前記斜面
に摺接する斜面を備えた可曲性水平板を突設し、
押ボタン下部には前側が前記凹室に接する曲率状
可曲片を一体形成したものである。

〔実施例〕

以下本考案の実施例を添付図面に基いて説明す
る。

第１図ないし第４図は本考案によるコンパクト
容器の一実施例を示すもので、１は身体、２は蓋
体であり、それら身体１と蓋体２は後側をもつて
図示しないヒンジ機構により枢着されている。３
は身体１の前側に形成した凹入部、４は凹入部３
に嵌装される押ボタンである。

凹入部３は上方と前方とが開放され、底壁面３
０と側壁面３１，３１と奥壁面３２とを備え、奥
壁面３２には蓋体２の脚状フツク片２０に対する
フツク片３３が設けられている。そして、奥壁面
３２の両側には身体上面３４から斜め下方に下る
２つの斜面３５，３５が形成されており、この斜
面３５，３５には奥壁面３２よりも前方に突出し
ている。また、奥壁面３２の下方には所要の深さ
身体内方に引込んだ凹室３６が形成されており、
凹室３６の下端は底壁面３０と整合している。

押しボタン４はプツシユ板４０を備え、プツシ
ユ板４０の上側には前記斜面３５，３５と同等以
上の幅を持つた２つの水平板４１，４１が薄肉部
４１０，４１０を介して一体形成されており、そ
れら水平板４１，４１の自由端には前記斜面３
５，３５と摺接する斜面４２，４２が形成されて
いる。そして、水平板４１，４１の間には蓋体２
の脚状フツク片２０の自由な挿脱を許す切欠き４
３が設けられいる。

さらにプツシユ板４０の下側には前方に伸びる
突板４４が形成されると共に、突板４４の半部よ
り先は薄肉部４５０を介して曲率状可曲片４５が
一体形成されており、曲率状可曲片４５は前記水
平板４１，４１よりも長く前記凹室３６にはまる
ようになつている。

なお、凹入部３の両側壁３１，３１にはガイド
溝３７，３７が形成され、これに対応してプツシ
ユ板４０の両側面には突起４６，４６が形成され
ている。ガイド溝と突起の関係は第４図のように
ガイド溝をプツシユ板側に設け、突起を凹入部側
に設けてもよいのは勿論である。

〔実施例の作用〕

蓋体２を閉じた状態においては、第１図のよう
に脚状フツク片２０は押ボタン４の中央部の切欠
き４３を貫いて凹入部内に進入し、身体１のフツ
ク片３３に係合している。このときには蓋体２の
内面２１により水平板４１，４１の上面が押圧さ
れ、斜面同士３５，４２が密接しており、かつ凹
室３６の奥壁に曲率状可曲片４５の外面が弾接す
るため、プツシユ板４０は外方に付勢されてい
る。

この状態からプツシユ板４０を押圧すれば、曲
率状可曲片４５が凹室３６の壁に沿つて移動し得
るため、押ボタン４は底壁面３０に沿つて凹入部
３内に進入する。この結果、水平板４１，４１に
は軸線方向に圧縮力が加わるが、付け根部分が薄
肉部４１０，４１０となつているため、上向きの
分力が生じ、斜面４２，４２が凹入部側の斜面３
５，３５を滑動する。これによりプツシユ板４０
は水平状態のまま進出するにもかかわらず、水平
板４１，４１だけがてこ作用により身体上面３４
から大きく突出し、これにより蓋体２の内面２０
が強力に押上げられる。このため脚状フツク片２
０がフツク片３３から掛け外され、蓋体２が開披
される。

上記のようにフツク片の係合が解かれると、水
平板４１の上向き押圧力が解放されるため、曲率
状可曲片４５は凹室３６の壁により逆方向に押圧
され、これによりプツシユ板４０は底壁面３０に
摺接しながら後退し、同時に水平板４は凹入部側
の斜面３５，３５にガイドされて水平状に戻る。
勿論、完全に水平状に戻らなくても蓋体２が閉じ
られるときに内面２０で押下げられて水平状にな
るため、プツシユ板４０は正確に所定位置に戻
る。

〔考案の効果〕

以上説明した本考案によるときには、押ボタン
に先端に斜面を備えた２つの可曲性水平板を設
け、前記斜面を身体のフツク片よりも前方に突出
する２つの斜面に接触させ、押ボタンの押圧によ
るてこ作用で可曲性水平板を上向きに付勢してフ
ツク片両側の蓋体内面を押上げるため、小さな操
作力で確実にフツクの掛り合いを解くことがで
き、フツク片に無理がかからないため、繰返し使
用しても性能が低下しにくく、良好な耐久性を確
保できる。

また、押ボタンの下部には曲率状可曲片を突出
形成し、これの前側をフツク片より下側の凹室内
壁に接触させることでバイアスを構成しているた
め、蓋体による可曲性水平板の平坦化作用とあい
まち押ボタンを確実に自動復帰することができ
る。

そして、押ボタンに直接フツク片を設けず、ま
た、蓋体のフツク片の下面と身体から突出する勾
配面との間に契板を進出させるような構成を採ら
せないため高い精度を要さず、この点からも安定
した性能を得ることができるなどのすぐれた効果
が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案によるコンパクト容器の一実施
例を示す部分的断面図、第２図は同じくその開披
状態を身体側だけ示す斜視図、第３図は分解斜視
図、第４図は本考案の押ボタンの別の実施例を示
す斜視図である。 １……身体、２……蓋体、３……凹入部、４…
…押ボタン、２０……脚状フツク片、３２……奥
壁面、３３……フツク片、３５，３５……斜面、
３６……凹室、４０……プツシユ板、４１，４１
……水平板、４２，４２……斜面、４３……切欠
き、４５……曲率状可曲片、４１０，４１０……
薄肉部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 後側をもつて枢着した身体と蓋体を備え、それ
   らに設けたフツク片を押ボタンにより係脱する形
   式のコンパクトにおいて、身体の前部に形成した
   凹入部奥壁にフツク片を設けると共に、その両側
   位置にフツク片よりも前方に張出す２つの斜面
   を、フツク片の下側には凹室を形成し、押ボタン
   には、上部中央に蓋体のフツク片の挿脱を許す切
   欠きを設けると共に、該切欠きの両側に、自由端
   に前記斜面に摺接する斜面を備えた可曲性水平板
   を突設し、押ボタン下部には前側が前記凹室に接
   する曲率状可曲片を一体形成したことを特徴とす
   るコンパクト容器。