JPH0648758B2 - 収納ケ−ス - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の技術分野〕 本発明は例えばテレビジョン受像機等の電気機器に使用
されるリモコンハンドセット等を安定して収容できる収
納ケースに関する。

〔発明の技術的背景とその問題点〕

本発明の従来例を第１図乃至第３図を参照して説明す
る。第１図はリモコンハンドセットを示す斜視図，第２
図は収納ケースの一部である下ケースを示す斜視図，第
３図は第１図で示すリモコンハンドセットと第２図で示
す下ケースの係合を説明する説明図である。

従来例のリモコンハンドセット（２）は両側面に浅溝
（３），（３）を設けている。更に，浅溝（３）の略中
央には一部深溝（４）を設けている。又，リモコンハン
ドセット上部には操作用の押ボタン（５）が設けられて
いる。

このようなリモコンハンドセット（２）を収容する収納
ケースは上下に二分割可能な上ケース（図示せず）と下
ケース（７）よりなる一端にリモコンハンドセットを出
し入れする開口部（８）を設けた箱状である。

下ケース（７）の両側面内側には前記浅溝（３）に挿入
されリモコンハンドセット（２）の出し入れを案内する
突出片（９），（９）……が設けられている。この突出
片（９）と浅溝（３）によりリモコンハンドセットは収
納箱内の定位置に収容される。リモコンハンドセット
（２）が収納箱に完全に収容された定位置に於いて，前
記深溝（４）と対向した下ケース（７）の側面には深溝
（４）に挿入され弾性バネよりなるストッパー（10）が
設けられている。

このストッパーは常にリモコンハンドセットの深溝
（４）側に付勢して取付けられており，リモコンハンド
セットが定位置まで挿入されると収納ケースの開口部
（８）からリモコンハンドセットが脱落しないように防
止するものである。前記開口部と対応する他端部にはリ
モコンハンドセットを開口部側に押し出す摺動装置（1
2）が設けられている。この摺動装置は一般的に使用さ
れている公知のもので，押圧動作により係止され更に押
圧すれば係止を解除して旧位置に復帰しハート形凸状部
の全周囲を囲む溝よりなるハート状カムと，このハート
状の溝内を摺動する作動ピンと，この作動ピンを一方向
に偏倚させる復帰バネ（13）とからなるものである。

従ってリモコンハンドセットの着脱は，リモコンハンド
セットを開口部（８）から挿入し浅溝（３）と突出片
（９）を係合させて収納ケース内に押圧すれば，摺動装
置（12）が係止状態になりリモコンハンドセットは定位
置迄挿入されストッパー（10）が深溝（４）に入り込む
ことにより完全に固定される。

リモコンハンドセットを取り出す時は，更にリモコンハ
ンドセットを押圧することで摺動装置（12）の係止状態
が解除されて旧位置迄復帰するのでこの復帰力によりリ
モコンハンドセットは収納ケースから押し出される。こ
こで前記ストッパー（10）の力を復帰力より小さく設定
しておけば容易にリモコンハンドセットは収納ケースの
開口部から押し出されるので取り外すことができる。

上述した構成のリモコンハンドセットには深溝（４）を
設ける為にリモコンハンドセット内部のスペースが部分
的に小さくなり小型化がむずかしくなる。常に浅溝や深
溝とストッパーが接触しているので塗装部がはがれたり
傷がつきやすい。更にストッパー（10）のバネ強度のバ
ラツキによりリモコンハンドセットの押し出される力に
バラツキが生じ，必要以上の早さで飛び出したりあるい
は出てこなくなる欠点が生じていた。

〔発明の目的〕

本発明は上述した欠点を解消する為になされたものであ
り，リモコンハンドセット等の被収容物に不要な力を付
勢することなく固着できる収納ケースを提供することを
目的とする。

〔発明の概要〕 摺動装置と連動する係止部を設けることで収納ケース内
の被収容物を係止するものである。

〔発明の実施例〕

以下図面に基いて本発明に係る収納ケースの実施例につ
いて第４図乃至第８図を参照して説明する。第４図は下
ケースを示す斜視図，第５図は上ケースを示す斜視図，
第６図は第４図のＡ−Ａ断面図，第７図は第４図のＢ−
Ｂ断面図，第８図は第４図の要部拡大図である。

第４図で示すように下ケース（20）の両側壁内側にはリ
モコンハンドセットをガイドする突出片（21），（21）
……が設けられている。更に，下ケース（20）の一端は
開放され他端部にはスライド溝（23），（23）とガイド
溝（25）が設けられている。

スライド溝（23）は第６図からも判明するようにガイド
溝（25）を中心にしてその両側に対向して形成されてい
る。ガイド溝（25）は第４図，第７図及び第８図で示す
ように長方形の開口部の途中に形成されその両端部で板
厚の異なる傾斜癖（29）をもった一対の突出片（28），
（28）と，この突出片（28）の両端に突出片と離間して
設けられた第１の保持壁（26）及び第２の保持壁（27）
よりなる。

第５図で示すように前記下ケース（20）と対応する上ケ
ース（30）には，下ケース（20）に設けられたスライド
溝（23）と対応して一対のスライド溝（33），（33）が
設けられている。更にスライド溝（33），（33）の中間
部にはハート状カム（35）が設けられている。このハー
ト状カム（35）はハート形凸状部（37）とハート状凸状
部の周囲に設けられた溝（36）よりなるもので，この溝
（36）に摺動し第９図で示す作動ピン（48）とこの作動
ピン（48）を一方向に偏倚させる復帰バネ（49）とハー
ト状カム（35）とで構成され，押圧動作により係止され
更に押圧すれば係止を解除して旧位置に復帰する摺動装
置（50）を形成するものである。この摺動装置（50）は
以下に述べるスライドピース（40），と前述したハート
状カム（35），作動ピン（48），復帰バネ（49）より構
成されるものである。

このような摺動装置の一部を第９図を参照して説明す
る。箱体状のスライドピース（40）には，その上下面の
両端付近に円柱状の突起であるストロークピン（42），
（42），……が設けられている。前述した下ケース（2
0）に設けられた一対のスライド溝（23）と上ケース（3
0）に設けられた一対のスライド溝（33）にこれらのス
トロークピン（42）が挿入され，スライド溝（23），
（33）をスライドピース（40）が移動するものである。

このスライドピース（40）の上部中央には円柱状の作動
ピン差込部（43）が設けられ作動ピン（48）が緩挿状態
である程度の角度を回転可能に取付けられている。又，
このスライドピース下方の一辺中央部にはリモコンハン
ドセットの係止手段である薄板状の弾性を有しやや下方
へ突出した突出片（45）とこの突出片の中央部には円柱
状のリモコン固定ピン（46）がスライドピースと一体に
形成されている。更に突出片（45）が設けられた反対側
のスライドピース面には復帰バネ（49）の一端を嵌挿す
る円柱状の挿入部（47）が設けられており，この復帰バ
ネ（49）の多端は下ケース（20）の側壁と当接しスライ
ドピース（40）をケースの中央部側に偏倚させている。
上述した上ケース（20）と下ケース（30）及びスライド
ピース（40）の取付は第10図で示す如くものであり，ス
ライドピースの移動時に摩擦係数が小さくなるようにス
ライドピース上下面の両端に椀状の小突起（44），（4
4）……も設けられている。

本発明で使用するリモコンハンドセット(55)には第11図
で示すように操作用ボタンの設けられていない裏面側
に，リモコンハンドセットを収納ケース内に於いて固定
する前記固定ピン（46）挿入用の穴（58）を設けてい
る。更に，リモコンハンドセットの両側面には従来同様
の浅溝（56）を設けているものである。

次に第12図を参照して下ケース（20）とスライドピース
（40）の組立を説明する。第12図は第７図で示した下ケ
ース（20）の断面図にスライドピース（40）を取付けた
説明図である。

スライドピースに変形可能で設けられ，リモコンハンド
セットの係止手段である突出片(45)の先端を，突出片移
動用の案内手段である下ケース（20）に設けたガイド溝
(25)内に位置させる。即ち，突出片（45）は第２保持壁
（27）の上面から一対の突出片（28）の下側に設けられ
た傾斜壁（29）の下面を通し更に第１保持壁（26）の上
面に挿入される。又，スライドピース（40）の本体部は
その上下面両端部に設けられたストロークピン（42）を
下ケース（20）のスライド溝（23）に挿入することでス
ライドピース（40）と下ケース（20）が組立られる。更
に，スライドピースに設けられた前記挿入部（47）と下
ケース（20）の側壁間に復帰バネ（49）を嵌挿するとス
ライドピース（40）は下ケース（20）の中央部側に偏倚
された状態となる。ここでスライドピースの作動ピン差
込部（43）に作動ピン（48）を取付けたものが第12図で
示す状態である。これに上ケース（30）を被せれば作動
ピン（48）の先端部が上ケース（30）に設けられたハー
ト状カム（35）の溝（36）内に挿入されて組立ることが
できる。又，第13図は第12図の状態で上ケース（30）を
組立てスライドピース（40）を復帰バネ（49）に抗して
押圧すると作動ピン（48）はハート状カム（35）の係止
部に係止される。この状態が第13図に示すものでこの時
スライドピース（40）と一体に設けられた突出片（45）
も同時に移動され，突出片（45）は傾斜壁（29）にそっ
て斜め上方へ移動するので突出片（45）に設けられたリ
モコン固定ピン（46）も同様に上昇することになる。
尚，上ケース（30）と下ケース（20）の組立はネジ止
め，や一般的なワンタッチ構造を用いればよい。このよ
うに上ケース（30）と下ケース（20）を重ね合せて組立
られたリモコン用の収納ケース（60）は第14図に示す如
く，その両側面にキャビネットや前面枠等の筐体に取付
ける為の取付部（62）を設けてネジ止め等により固定さ
れ上ケースと下ケースで形成する空間部が収容部（65）
となり開口部（64）からこの収容部（65）にリモコンハ
ンドセット(55)が挿入されるものである。

この収納ケース（60）の使用例を第15図及び第16図を参
照して説明する。第15図は収納ケース内に於けるリモコ
ンハンドセットの固定前の説明図，第16図は同じくリモ
コンハンドセットの固定された状態を示す説明図であ
る。

リモコンハンドセット（55）を収納ケース（60）の開口
部（64）から挿入し，リモコンハンドセット（55）の両
側面に設けられた浅溝（56）と下ケース（20）内面の両
側面に設けられた突出片（21）を嵌合させて，リモコン
ハンドセットを挿入する。

リモコンハンドセット（55）の先端部が収納ケース（6
0）内に設けられたスライドピース（40）に接する位置
まで挿入されると，リモコンハンドセット（55）の下面
に設けられた穴（58）はスライドピース（40）と一体に
設けられた突出片（45）の中央部に存在するリモコン固
定ピン（46）と対向した位置に配置されることになる。
この状態を示すものが第15図である。

この状態から引続きリモコンハンドセットを押圧すると
スライドピース（40）も復帰バネ（49）に抗して移動す
る。最奥部で押圧を中止するとスライドピース（40）に
取付けられた作動ピン（48）の先端は上ケース（30）に
設けられたハート状カム（35）の溝（36）内を移動し係
止部（39）にて第16図に示す位置で係止される。又，ス
ライドピース（40）の移動にともないスライドピースと
一体に設けられた突出片（45）は前述した傾斜壁（29）
にそって斜め上方に移動する。従って突出片（45）に設
けられたリモコン固定ピン（46）も同様に第８図で示す
ガイド溝（25）内を斜め上方に移動することになる。第
15図で説明したようにリモコンハンドセット（55）の下
面に設けられた穴（58）とリモコン固定ピン（46）は対
向して配置しており，リモコンハンドセット（55）と突
出片(45)は同時に同方向に移動するので穴（58）とリモ
コン固定ピン（46）は対向したまま移動することにな
る。尚，リモコンハンドセットは収納ケース（60）内の
突出片（21）により収納ケースの平行に移動するが，突
出片（45）とリモコン固定ピン（46）は斜め上方に移動
するので固定ピン（46）は穴（58）内に挿入されながら
移動し，第16図で示す収納ケース（60）内の奥部では完
全に合致して挿入が完了された状態となる。このように
リモコンハンドセットは穴（58）とリモコン固定ピン
（46）により構成される係止部（70）により固定され
る。従って収納ケース（60）を開口部（64）側が下にな
るように設置しても，リモコンハンドセット（55）は収
納ケース内に係止された状態であり脱落することなく安
定状態で保管することができる。

リモコンハンドセット（55）を収納ケース（60）から取
り外すには第16図の状態で更にリモコンハンドセットを
収納ケース内の奥部に押圧する。するとハート状カム
（35）の動作によって作動ピン（48）は係止状態が解除
され復帰バネ（49）の力によってスライドピース（40）
が元の位置，即ち第15図で示す位置にもどる。従ってリ
モコンハンドセットも第15図に示す位置まで押しもどさ
れるので収納ケース（60）から一部露出されたリモコン
ハンドセット（55）を引き出せば取り外すことが可能で
ある。

〔発明の効果〕

以上説明したように本発明によればリモコンハンドセッ
トに設けた穴に，円柱状の小突起である固定ピンがリモ
コンハンドセットの移動にともなって挿入されるだけの
簡単な構造により固定されるので，保持力にバラツキが
発生したり常にリモコンハンドセットの側面からバネに
より押圧して傷を発生させることもなく安定して保持す
ることが可能である。

又，リモコンハンドセットの側面を押圧するバネが存在
しないので挿入力もかるく着脱があるばかりでなく，挿
入力が軽くなると共に復帰バネも弱い安価なものを使用
することができた。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例のリモコンハンドセットを示す斜視図，
第２図は従来例の収納ケースの一部である下ケースを示
す斜視図，第３図は第１図で示すリモコンハンドセット
と第２図で示す下ケースの係合状態を示す説明図，第４
図は本発明の収納ケースを構成する下ケースの斜視図，
第５図は同じく上ケースの斜視図，第６図は第４図のＡ
−Ａ断面図，第７図は第４図のＢ−Ｂ断面図，第８図は
第４図の要部拡大図、第９図は本発明の収納ケース内に
使用される摺動装置の一部を示す分解斜視図，第10図は
第９図で示す摺動装置を収納ケースに取付けた状態を説
明する説明図，第11図は本発明のリモコンハンドセット
を示す斜視図，第12図は下ケースとスライドピースの取
付状態を示す説明図，第13図は第12図に上ケースを取付
けてスライドピースを移動させた状態を示す説明図，第
14図は本発明の収納ケースを示す斜視図，第15図及び第
16図は収納ケースとリモコンハンドセットの着脱を示す
説明図である。 20……下ケース 30……上ケース 35……ハート状カム 40……スライドピース 46……固定ピン 48……作動ピン 49……復帰バネ50 ……摺動装置 55……リモコンハンドセット 58……穴60 ……収納ケース 65……収納部70 ……係止部

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】被収容物を収容する収納部と、 この収納部内に配設されると共に、ハート形の溝よりな
   るハート状カムの溝内を移動し、押圧によって係止と解
   除とを選択する作動ピンを有するスライドピースに、こ
   のスライドピースを一定方向に偏倚させる復帰バネを設
   けた摺動装置と、 この摺動装置と連動して移動し、前記被収容物に設けた
   係止部と対向配置した係止手段と、 この係止手段を前記収容物に接近したり離間したりさせ
   る前記移動案内用のガイド溝とからなることを特徴とす
   る収納ケース。