JPH056709A - セラミツク多層配線基板製作用ペースト - Google Patents

セラミツク多層配線基板製作用ペースト

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JPH056709A
JPH056709A JP3148409A JP14840991A JPH056709A JP H056709 A JPH056709 A JP H056709A JP 3148409 A JP3148409 A JP 3148409A JP 14840991 A JP14840991 A JP 14840991A JP H056709 A JPH056709 A JP H056709A
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喬 黒木
Seiichi Tsuchida
誠一 槌田
Shosaku Ishihara
昌作 石原
Takeshi Fujita
毅 藤田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】セラミック多層配線基板では導体配線形成に金
属粉末とベヒクルを混練したペーストを使用するに際
し、粘度、比重などを管理しても、導体形成できないペ
ーストが多発するという問題を解決する。 【構成】ペースト化後のベヒクル中のエチルセルロース
の平均分子量を9〜18×104の範囲にする。 【効果】ペーストの粘度と関係なく年間を通してほぼ一
定の原料配合で確実に導体配線を行うペーストを作製で
きて量産が可能となった。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はセラミック多層配線基板
の製作に使用されるペーストに関する。
【0002】
【従来の技術】最近、セラミック多層配線基板の需要が
大幅に伸びている。この多層基板は、特公昭55−19
076号公報、導体ペーストは特開昭60−20040
2号公報に示す方法等が示されている。これらの公知例
には、エチルセルロースとテルピネオール、あるいはエ
チルセルロースと2−(2ブトキシエトキシ)エチルア
セテートのベヒクルを使用している。このベヒクルを使
用する場合、ペーストとして必要な粘度を得るために、
分子量の大きいエチルセルロースと分子量の小さいエチ
ルセルロースを、さまざまの比率で混合して選定するの
で粘度の予測が出来ない。そのため、ペースト原料の金
属粉末の有孔率を一定にしてペーストを製作し、有孔率
と粘度との間に相関があることを見い出した。ベヒクル
の粘度をコントロールするよりも金属粉末の有孔率を測
定しペ−ストの粘度を予測している。これらの方法は、
ペーストに要求される特性の一つについてコントロール
しようとするものでペーストの良悪は粘度だけで決まる
ものではない。ペーストに要求される粘着性、配線抵抗
あるいは経時変化や季節による印刷性のばらつき等、量
産上の問題点について全く述べられていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術は、ペー
スト粘度の再現性を金属粉末の有孔率を一定にして改善
したもので、ペースト特性全体に着目していない。本発
明は、量産を考慮して、被印刷物との接着性あるいはペ
ースト自身の固着力を大きくし、印刷性、印刷形状ある
いは粘度、タック値等のペースト特性の経時変化と季節
変動をなくすことを目的としてセラミック多層配線基板
の量産に適したペーストを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
には、ペーストの接着力、流動性を安定にする必要があ
る。
【0005】ペーストの接着力は、金属粉末に対するぬ
れ性とベヒクルの粘着力で決まる。エチルセルロースを
溶剤に溶解した場合、ベヒクルの粘度は0.3〜10×104
Pa・S(4sec~1)とばらつきが大きい。この原因は、エチル
セルロースの分子量のばらつきと対応していることがわ
かった。しかし、ベヒクルの分子量が一定でも金属粉末
を加えてペーストを製作すると接着力、粘度がばらつく
こともわかった。このばらつきの原因を調べた結果、分
子量が変化していることがわかった。そこでペースト化
後にベヒクル中のエチルセルロースの分子量を測定し、
接着力の安定性との関係を調べた結果、分子量は9〜1
8×104の範囲にあることがわかった。この分子量の
範囲は、流動性の安定性も良く、ペーストの粘度、印刷
性においても経時変化、季節変動が小さいことがわかっ
た。
【0006】以上の結果から、エチルセルロースの選
定、溶剤への完全溶解、また金属粉末・セラミック粉末
に対するぬれ性を向上させるために界面活性剤の選定を
行い最適混練条件を決定し、セラミック多層配線基板に
用いるペースト五種を決定した。
【0007】
【作用】ペースト化後のベヒクル中のエチルセルロース
の分子量を9〜18×104の範囲にすることにより、
ペーストの接着力が安定し粘度と印刷性の経時変化、季
節変動を小さくすることができる。
【0008】エチルセルロースを選定し、溶剤中に完全
に溶解することにより金属粉末やセラミック粉末との接
着力が安定する。また界面活性剤を用いることによりベ
ヒクル中に金属粉末あるいはセラミック粉末を多量に混
練することができ、導体抵抗の低減やセラミックで形成
する絶縁体をち密化して強度向上ができる。
【0009】
【実施例】以下本発明の実施例を詳細に説明する。
【0010】<実施例1>セラミック多層配線基板は、
厚さ0.2〜0.3mmの生のセラミックシート(グリー
ンシート)にNCパンチ等で層間の電気的接続のために
スルホール(0.1〜0.2mm径)を形成し、このスル
ホールに導体ペーストをスクリーン印刷法で充填したの
ち、配線及び補強パターン(導体パターン周辺に枠状に
形成)をスクリーン印刷法で形成した後、これらのシー
トを必要な層数をガイドピンや自動位置合わせ装置を用
いて積層したのちホットプレス装置で熱圧着後、還元雰
囲気中で焼結(1600〜1650℃)する。次に、焼
結した基板表面を研磨したのちワイヤボンディングやコ
ネクタに接続するためのピンをろう付けするためNiや
Auめっきを行う。このめっき工程では、めっき膜の接
着強度向上を目的に300〜750℃の熱処理を行っ
た。
【0011】セラミック多層配線基板の製作に用いたペ
ーストは、金属粉末あるいはセラミック粉末をバインダ
と溶剤を混合溶解したベヒクルにらいかい機や三本ロー
ルミル等で混練したものである。表1,表2は、アルミ
ナおよびムライト系セラミック多層配線基板に用いたペ
ースト五種の原料配合の一例である。
【0012】
【表1】
【0013】
【表2】
【0014】これらのペーストに用いたベヒクルは、バ
インダとしてエチルセルロースおよびポリビニールブチ
ラールを単独あるいは配合してα・テレピネオールある
いは、n−ブチルカルビトールアセテートに溶解した物
であるが、ペーストによってはバインダを前もって金属
粉末と混合した後で溶剤を加える場合もあり、バインダ
の完全溶解のためベヒクル作製時かペースト化のいずれ
かの段階で加熱による溶解が必要である。この場合の加
熱条件は、60〜100℃で30分〜八時間である。こ
のようにして作製したペースト中のベヒクルを遠心分離
器を用いて取り出し、液体クロマトグラフにより平均分
子量を測定し、ペーストの粘度、接着性あるいは印刷性
との関係を約二年間調査した。その結果、図1,図2,
図3に示すように、エチルセルロースの平均分子量が9
〜18×104の範囲では、粘度、接着力のばらつきが
小さく粘度および印刷性でも経時変化と季節による変動
も小さいことがわかった。
【0015】<実施例2>実施例1と同様にして、W粉
末の代わりにMo粉末を用いて導体ペーストを作製し適
用した結果、同様の結果を得た。
【0016】<実施例3>実施例1と同様にして、A
u,Ag,Pd,あるいはCuなどの一般的な圧膜回路
基板用ペーストに適用した結果、実施例1,2と同様良
好な結果を得た。
【0017】
【発明の効果】本発明によれば、ペースト作製時にペー
ストの性能を把握することができる。これまでセラミッ
ク多層配線基板に用いられるペーストは、仕様が厳しい
ため、使用してみなければ、その性能を判断することは
困難であった。そのため先行試作を行い、性能に問題が
なければ製品に適用していたが、本発明により先行試作
の必要がなくなった。また、ペーストがないために起こ
る仕掛り品を全部不良にすることもなくなり生産量を2
0〜30%向上することができ、量産性および量産計画
が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を説明するための導体ペーストの歩留り
とペースト中のエチルセルロースの平均分子量との関係
を示す特性図、
【図2】ペースト中のエチルセルロースの平均分子量が
異なる三種のペーストについて、粘度の経時変化を示す
特性図、
【図3】ペースト中のエチルセルロースの分子量の異な
るペースト三種ついて、一年間に作製したペーストの粘
度と作製用との関係、つまり季節変動を示す特性図。
【符号の説明】
A(●):ペースト中のエチルセルロースの分子量が小
さいペースト、 B(△):ペースト中のエチルセルロースの分子量が適
正なペースト、 C(□):ペースト中のエチルセルロースの分子量が大
きいペースト。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤田 毅 横浜市戸塚区吉田町292番地株式会社日立 製作所生産技術研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原料を混合してペースト化した時のエチル
    セルロースの平均分子量が9〜18×104となるベヒ
    クルを用いたことを特徴とするセラミック多層配線基板
    製作用ペースト。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のペーストを用いて製作し
    たセラミック多層配線基板。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2003243828A (ja) * 2002-02-14 2003-08-29 Kyocera Corp セラミック配線基板の製造方法
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KR100769471B1 (ko) * 2004-03-16 2007-10-24 티디케이가부시기가이샤 적층 세라믹 전자 부품용 유전체 페이스트 및 적층 세라믹전자 부품용 적층체 유닛의 제조 방법
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