JP2003243828A - セラミック配線基板の製造方法 - Google Patents
セラミック配線基板の製造方法Info
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Abstract
トを塗布する工程の後、誘電体ペースト中の溶剤がセラ
ミックグリーンシートに拡散してセラミックグリーンシ
ートが膨潤・変形してしまう。 【解決手段】 有機溶剤系バインダを含むセラミックグ
リーンシートの表面に形成された配線導体上に誘電体粉
末と有機バインダと有機溶剤と分散剤とから成る誘電体
ペーストを塗布し乾燥してセラミックグリーンシート成
形体を作製し、このセラミックグリ−ンシート成形体と
他のセラミックグリ−ンシートとを積層して積層体を作
製した後、積層体を焼成するセラミック配線基板の製造
方法において、誘電体ペーストにおける有機溶剤の量を
30体積%以上50体積%以下とする。セラミックグリーン
シートへの有機溶剤の拡散量を減らすとともに拡散速度
を遅らせることができるので、セラミックグリーンシー
トの膨潤・変形を有効に防止することが可能となる。
Description
プ部品等を搭載し、それらを相互配線するためのセラミ
ック配線基板の製造方法に関するものである。
や使用される周波数帯域の高周波化に伴い、電子機器に
組み込まれる配線基板にも小型化・高周波化が要求され
ており、これまで配線基板の表面に実装されていたチッ
プコンデンサを、配線基板内部に形成することで実装面
積を削減し配線基板を小型化しつつ、低インダクタンス
で実装し高周波特性を向上させることのできるコンデン
サを内蔵したセラミック配線基板が提案されている。
は、例えば絶縁層の一部を誘電体層とし、その誘電体層
を挟むように上下に電極層を形成してコンデンサが形成
される。この誘電体層を他の絶縁層より比誘電率の高い
絶縁層としたり、他の絶縁層より厚みの薄い絶縁層とし
たりすることによりコンデンサとしての容量を高めてい
る。
ーストを塗布してコンデンサ電極が形成された誘電体層
となる誘電体グリーンシートを、所定の導体パターンが
形成された他の絶縁層となるセラミックグリーンシート
で挟んで積層し、焼成することにより得られる。
ンダクタンスなコンデンサを内蔵することができるが、
さらなる小型化要求に対応するためには、単位面積当り
の容量を向上させなければならず、誘電体グリーンシー
トの厚みを薄くすることや、薄くした誘電体グリーンシ
ートを複数枚積層する等の工夫が必要となる。
くすると、その強度が低下する傾向があるために、コン
デンサ電極層を形成するために導体ペーストを塗布した
際に、導体ペースト中の溶剤成分により誘電体グリーン
シートに膨潤・変形が生じ、その後の乾燥工程でこの膨
潤・変形部を起点としたクラックが発生してしまい、焼
成後のセラミック配線基板においては上下層の配線導体
間が短絡してショート不良が発生してしまうといった問
題点があった。
を塗布して一方のコンデンサ電極パターンを形成した厚
みの厚いセラミックグリーンシートを準備し、このコン
デンサ電極パターンが形成されたセラミックグリーンシ
ート上に、誘電体粉末・有機バインダ・溶剤および分散
剤から成る誘電体ペーストを塗布して乾燥した誘電体層
を形成し、その上にこの誘電体層を介して対向するよう
な他方のコンデンサ電極パターンを同様に形成してセラ
ミックグリーンシート成形体を形成し、このセラミック
グリ−ンシート成形体と他のセラミックグリ−ンシート
とを積層して積層体を形成した後、この積層体を焼成す
るセラミック配線基板の製造方法が提案されいる。
製造方法においては、セラミックグリーンシートを形成
するためのスラリーと同一組成の誘電体ペーストを用い
て、比較的薄い層を均一の膜厚で形成することの可能な
ドクターブレード法やダイコート法等の方法により誘電
体層を形成すると、誘電体ペースト中の溶剤がセラミッ
クグリーンシートに拡散してセラミックグリーンシート
の膨潤・変形が生じ、寸法誤差が大きくなったり反りが
生じたり、さらには、塗布後の乾燥工程における加熱に
より膨潤・変形が促進されてセラミックグリーンシート
にクラックや破断等の欠陥が生じる場合があるというよ
うな問題点があった。
リ−ンシートの変形により、設計値に対してコンデンサ
の静電容量がばらつくことや、基板寸法がばらつくこと
等の不具合が生じることとなり、高品質な配線基板が生
産できないという問題点があった。
で、その目的は、誘電体層を形成するために誘電体ペー
ストを塗布したときのセラミックグリーンシートの膨潤
・変形を有効に抑えることができ、高容量かつ低インダ
クタンスで高精度なコンデンサを内蔵したセラミック配
線基板を得ることができるセラミック配線基板の製造方
法を提供することにある。
を解決するために鋭意検討を重ねた結果、誘電体ペース
トに含まれる溶剤の量を適切な範囲に調整することによ
って、これを塗布したときのセラミックグリーンシート
の膨潤・変形を有効に抑制できることを見出した。
製造方法は、有機溶剤系バインダを含むセラミックグリ
ーンシートの表面に配線導体を形成するとともにこの配
線導体上に誘電体粉末と有機バインダと有機溶剤と分散
剤とから成る誘電体ペーストを塗布し乾燥して成るセラ
ミックグリーンシート成形体を作製し、このセラミック
グリ−ンシート成形体と他の前記セラミックグリ−ンシ
ートとを積層して積層体を作製した後、この積層体を焼
成するセラミック配線基板の製造方法において、前記誘
電体ペーストにおける前記有機溶剤の量が30体積%以上
50体積%以下であることを特徴とするものである。
方法は、上記構成において、誘電体ペーストにおける前
記有機バインダは、平均分子量が10000以上100000以下
であり、かつ酸価が1mgKOH/g以上65mgKOH
/g以下であることを特徴とするものである。
よれば、セラミックグリーンシート上に塗布する誘電体
ペースト中における有機溶剤の量を30体積%以上50体積
%以下としたことにより、有機溶剤のセラミックグリー
ンシートへの拡散量を減らすとともに拡散速度を遅らせ
ることができるので、セラミックグリ−ンシートの膨潤
・変形が生じる前に有機溶剤を乾燥させることができ、
セラミックグリーンシートにクラックや破断等の欠陥が
生じることを有効に防止することが可能となる。
方法によれば、誘電体ペーストにおける有機バインダを
平均分子量(Mw)が10000以上100000以下であり、か
つ酸価が1mgKOH/g以上65mgKOH/g以下で
あるものとしたことにより、誘電体ペースト中の誘電体
粉末の分散性を良好なものとすることができ、誘電体ペ
ーストに含まれる有機溶剤の量が30体積%以上50体積%
以下と通常の誘電体ペーストにおける量より少ない場合
でも、誘電体ペーストの粘度を低くすることができるの
で、塗布時の空気の巻き込みによるボイドの発生を防ぐ
ことや、塗布形成した誘電体層の厚みを均一にすること
といった、塗工性を良好にすることが可能となる。ま
た、誘電体ペーストの粘度を低くすることができるの
で、塗布に際して、特に膜厚の均一性が高い誘電体膜を
形成するための工法、例えばダイコート法等を用いるこ
とが可能となる。
造方法について以下に詳細に説明する。
機粉末と、有機溶剤系バインダ・有機溶剤・可塑剤等を
添加混合してスラリーとするとともに、そのスラリーに
従来周知のドクターブレード法やカレンダロール法を採
用することによって成形する。
ク粉末・またはガラス粉末とセラミック粉末との混合粉
末が挙げられる。
O3系・SiO2−B2O3−Al2O3系・SiO2−B2O
3−Al2O3−MO系(但し、MはCa,Sr,Mg,
BaまたはZnを示す)・SiO2−Al2O3−M1O−
M2O系(但し、M1およびM 2は同一または異なってC
a,Sr,Mg,BaまたはZnを示す)・SiO2−
B2O3−Al2O3−M1O−M2O系(但し、M1および
M2は前記と同じである)・SiO2−B2O3−M3 2O系
(但し、M3はLi,NaまたはKを示す)・SiO2−
B2O3−Al2O3−M3 2O系(但し、M3は前記と同じ
である)・Pb系ガラス・Bi系ガラス等が挙げられ
る。
l2O3,SiO2,ZrO2とアルカリ土類金属酸化物と
の複合酸化物・TiO2とアルカリ土類金属酸化物との
複合酸化物・Al2O3およびSiO2から選ばれる少な
くとも1種を含む複合酸化物(例えばスピネル,ムライ
ト,コージェライト)等が挙げられる。
場合には、その混合割合が重量比で40:60〜99:1であ
るのが好ましい。
バインダとしては、従来からセラミックグリーンシート
に使用されているものが使用可能であり、例えばアクリ
ル系(アクリル酸,メタクリル酸またはそれらのエステ
ルの単独重合体または共重合体、具体的にはアクリル酸
エステル共重合体・メタクリル酸エステル共重合体・ア
クリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体等)
・ポリビニルブチラ−ル系・ポリビニルアルコール系・
アクリル−スチレン系・ポリプロピレンカーボネート系
・セルロース系等の単独重合体または共重合体が挙げら
れる。
に用いられる有機溶剤としては、無機粉末および有機バ
インダを分散させ、グリーンシート成型に適した粘度の
スラリーが得られるように、例えば炭化水素類・エーテ
ル類・エステル類・ケトン類・アルコール類等の有機溶
剤が挙げられる。
等により貫通孔を形成し、W・Mo・Au・Ag・Cu
等の金属粉末に適当な有機バインダ・溶剤を添加混合し
たビア導体用ペーストをスクリーン印刷等により充填し
貫通導体を形成する。
に、W・Mo・Au・Ag・Cu等の金属粉末に適当な
有機バインダ・溶剤を添加混合した配線導体用ペースト
をスクリーン印刷等により塗布し、回路配線やコンデン
サ電極パターン等の所定形状の配線導体を形成する。こ
の配線導体用ペースト中の溶剤量は通常30体積%以下で
ある。
の配線導体が形成されたセラミックグリーンシートの上
に、誘電体粉末と有機溶剤と有機バインダと分散剤とを
添加混合した誘電体ペーストを塗布し乾燥して、セラミ
ックグリーンシート成形体を作製する。なおこのとき、
コンデンサ電極パターン形状の配線導体の上面のみに誘
電体層を形成すると、セラミックグリーンシート成形体
上に他のグリーンシートを積層した際に、特に誘電体層
の厚みが厚い場合や複数層の誘電体層を形成した場合
は、誘電体層の厚みによる段差により積層不良を起こし
やすくなるので、グリーンシート全面に塗布するとよ
い。
しては、特に制限されるものではなく、セラミックグリ
ーンシートに配合される無機粉末と同様のものが使用可
能である。その粒径については、分散性または塗工性の
点から、0.1μm〜3μmであることが好ましい。
おいて、誘電体ペーストにおける有機溶剤の量は、30体
積%以上50体積%以下の範囲とすることが重要である。
・変形の主要因は、誘電体ペーストに含まれる有機溶剤
のセラミックグリーンシートへの拡散量が大きく影響し
ており、また、この拡散の速度が誘電体ペーストとセラ
ミックグリーンシート間の溶剤の濃度勾配が急なほど早
くなる傾向があることから、誘電体ペースト中の有機溶
剤量を30体積%以上50体積%以下とすることにより、有
機溶剤の拡散量を減らすとともに、拡散速度を遅くらせ
ることができ、膨潤・変形が生じる前に溶剤を乾燥させ
ることができるためである。
の場合には、誘電体ペースト中に誘電体粉末を均一に分
散させることが困難となり誘電体粉末が凝集しペースト
が増粘することから、誘電体ペーストが塗布できなくな
る、あるいは塗布できても塗布後の誘電体ペーストの表
面が平坦化せず均一な膜厚の誘電体層が形成しづらくな
る、またボイド・クラック等の欠陥が生じやすくなると
いった傾向がある。
に含まれる有機溶剤の濃度が高くなるために、セラミッ
クグリーンシートへの有機溶剤の拡散量および拡散速度
が増加し、セラミックグリーンシートの膨潤・変形等の
欠陥が生じやすくなる傾向がある。
バインダを分散させ、塗布に適した粘度の誘電体ペース
トが得られるように、例えば炭化水素類・エーテル類・
エステル類・ケトン類・アルコール類等の有機溶剤を用
いればよい。特に、エタノール・1−プロパノール・1
−ブタノール・1−ペンタノール・α−テルピネオール
等のアルコール類、またはこれらのアルコール類と溶解
度パラメータが7以上13以下の範囲にある少なくとも1
種類の溶剤との混合溶剤であることが好ましい。
したのは、誘電体粉末の表面に存在するOH基とアルコ
ール類のOH基とが水素結合することにより、誘電体粉
末をペースト中に良好に分散できるからであり、またア
ルコール類と溶解度パラメータが7以上13以下の範囲に
ある少なくとも1種類の溶剤との混合溶剤であることが
好ましいとしたのは、有機バインダの溶解度パラメータ
を中心に両側に位置する溶剤を用いることで、有機バイ
ンダの溶解性を保ちつつ溶剤の乾燥速度を高めることが
でき、セラミックグリーンシートの膨潤・変形を効果的
に抑えられるからである。
おいて誘電体ペーストに用いられる有機バインダとして
は、従来からセラミックグリーンシートに使用されてい
るものが使用可能であり、例えばアクリル系(アクリル
酸,メタクリル酸またはそれらのエステルの単独重合体
または共重合体、具体的にはアクリル酸エステル共重合
体・メタクリル酸エステル共重合体・アクリル酸エステ
ル−メタクリル酸エステル共重合体等)・ポリビニルブ
チラ−ル系・ポリビニルアルコール系・アクリル−スチ
レン系・ポリプロピレンカーボネート系・セルロース系
等の単独重合体または共重合体が適しているが、これら
の有機バインダの中でも特に、平均分子量(Mw)が10
000以上100000以下であり、かつ酸価が1mgKOH/
g以上65mgKOH/g以下であるものが好ましい。
粉末と充分結合し、かつ有機バインダ分子が互いに結合
して有機バインダそのものの粘度が増加することのない
有機バインダの分子鎖の長さとなるからであり、また、
この酸価の範囲とすると、有機バインダの分子中のCO
OH基の数が誘電体粉末の表面に存在するOH基の数に
対して適量となり、誘電体粉末と有機バインダとの分散
性を向上させることができることから、塗布形成した誘
電体層の強度を維持しつつ、誘電体ペースト中の有機溶
剤の量を30体積%以上50体積%以下と少量にしても、誘
電体ペーストを塗布に適した粘度とすることができるた
めである。
場合には、有機バインダの分子鎖が短くなり有機バイン
ダと誘電体粉末との結合力が低下するために、塗布形成
した誘電体層の強度が低下し、例えばセラミックグリー
ンシート成形体を搬送する際の振動や曲げ等の外力によ
りクラックや剥離等の欠陥が生じやすくなる傾向があ
る。
分子鎖が長くなり、有機バインダと誘電体粉末との結合
力が増すことで塗布形成した誘電体層の強度が高まるも
のの、有機バインダの分子が互いに結合し易くなること
から有機バインダそのものの粘度が増加し誘電体ペース
トも増粘することとなるために、塗布後の誘電体ペース
トの表面が平坦化せず均一な膜厚の誘電体層が形成しづ
らくなり、またボイド・クラック等の欠陥が生じやすく
なる傾向がある。
には、誘電体粉末の表面に存在するOH基に対して有機
バインダ分子中のCOOH基の数が少ないために誘電体
粉末を分散させることが困難となり、誘電体粉末が凝集
しペーストが増粘することから、塗布後の誘電体ペース
トの表面が平坦化せず均一な膜厚の誘電体層が形成しづ
らくなり、またボイド・クラック等の欠陥が生じやすく
なる傾向がある。また、被塗布物であるセラミックグリ
ーンシートとの濡れ性も悪化し、誘電体層の剥離やクラ
ック等の欠陥も生じやすくなる。
体粉末の表面に存在するOH基に対して過剰なCOOH
基が有機バインダ分子同士を互いに結合させることとな
り、誘電体ペーストを増粘させる傾向がある。
20mgKOH/g以下であり、かつ親水親油バランス
H.L.B.値が7以上12以下であることが好ましい。こ
れは、この範囲で誘電体粉末の分散性を向上させること
ができるためであり、これに対してこの範囲を逸脱する
と誘電体ペーストを増粘させる傾向がある。
ニオン界面活性剤としては高級脂肪酸塩・アルキル硫酸
塩・アルキルエーテル硫酸塩・アルキルエステル硫酸塩
・アルキルアリールエーテル硫酸塩・アルキルスルホン
酸塩・スルホコハク酸塩・アルキルアリルおよびアルキ
ルナフタレンスルホン酸塩・アルキルリン酸塩・ポリオ
キシエチレンアルキルエーテルリン酸塩・アルキルアリ
ールエーテルリン酸塩等がある。
キルアミン塩・ジアルキルアミン塩・テトラアルキルア
ンモニウム塩・ベンザルコニウム塩・アルキルピリジニ
ウム塩・イミダゾリニウム塩等を、両性界面活性剤とし
ては、ジメチルアルキルラウリルベタイン・アルキルグ
リシン・アルキルジ(アミノエチル)グリシン・イミダ
ゾリニウムベタイン等を、ノニオン系界面活性剤として
は、ポリオキシエチレンアルキルエーテル・ポリオキシ
エチレンアルキルアリルエーテル・ポリオキシエチレン
ポリオキシプロピレングリコール・グリセリンエステル
・ソルビタンエステル・ショ糖エステル・グリセリンエ
ステルのポリオキシエチレンエーテル・ソルビタンエス
テルのポリオキシエチレンエーテル・ソルビトールエス
テルのポリオキシエチレンエーテル・脂肪酸アルカノー
ルアミド・ポリオキシエチレン脂肪酸アミド・アミンオ
キシド・ポリオキシエチレンアルキルアミン等を使用す
ることができるが、これらの中でも特に、リン酸エステ
ル系界面活性剤を誘電体粉末分散剤として使用した場合
に良好な結果が得られた。
リーン印刷法・ドクターブレード法・リバースロールコ
ート法・ダイコート法等の種々の方法を用いることが可
能であるが、特に膜厚の均一性の観点からはダイコート
法を用いることが好ましい。
燥法・遠赤外放射加熱法・真空乾燥法等の種々の乾燥法
を適宜に用いればよい。
体ペーストを用いて誘電体層を複数層形成する場合は、
セラミックグリーンシート成形体上の乾燥した誘電体ペ
ーストの上にコンデンサ電極パターン形状に配線導体ペ
ーストを塗布して乾燥し、さらにその上に誘電体ペース
トを塗布し乾燥するという工程を所定の層数だけ繰り返
すことにより形成することができる。
と対になる上側のコンデンサ電極パターンは、誘電体層
の上側の表面に形成してもよいし、誘電体層の上に積層
するグリーンシートの下面に形成してもよい。
他のセラミックグリ−ンシートとを、3〜20MPaの圧
力および30〜80℃の温度で加熱圧着するなどして積層体
を作製する。積層体中における誘電体ペーストで形成さ
れた誘電体層の位置や数には特に制限はなく、所望の配
線基板の構成に積層すればよい。
の無機粉末および誘電体ペーストの誘電体粉末がセラミ
ック粉末とガラス粉末とを混合したガラスセラミック成
分であり、導体用ペーストの金属粉末がAg粉末である
場合は、大気中で800〜1000℃の温度で積層体を焼成す
ることにより、本発明の製造方法によるセラミック配線
基板が得られる。
ラスセラミックス等の低温焼成材料である場合には、低
温焼成材料が焼結する温度では実質的に焼結収縮しない
無機成分、例えばアルミナのグリーンシートを積層体の
両面に積層して焼成すると、配線基板の寸法精度が向上
し、内蔵コンデンサの容量値のばらつきをさらに小さく
することが可能となる。また、このような方法で焼成し
た場合は、厚み方向の焼成収縮が通常の方法で焼成した
場合に比較して大きくなるので、誘電体層の厚みをより
薄くすることが可能となり、内蔵コンデンサの高容量化
も容易となる。
導体には、その上に電子部品を実装する際の半田濡れ性
の向上や配線導体の腐食防止のために、ニッケル・銅・
金等のめっきを施してもよい。
定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲
であれば種々の変更は可能である。
に位置する配線導体となる配線導体用ペーストをセラミ
ックグリーンシートに塗布した後に積層して焼成した
が、表面に位置する配線導体を積層体を焼成した後に焼
き付けてセラミック配線基板としてもよい。
体は配線導体用ペーストをセラミックグリーンシートに
塗布することにより形成したが、配線パターン形状の銅
等の金属箔を転写して形成してもよい。金属箔を転写し
て配線導体を形成することによって、配線導体の寸法精
度をより向上させることができ、内蔵コンデンサの容量
値のばらつきもより小さくすることができる。この場合
の焼成方法は、低温焼成材料が焼結する温度では実質的
に焼結収縮しない無機成分、例えばアルミナのグリーン
シートを積層体の両面に積層して焼成する方法が好まし
い。これは、セラミックスの焼結過程において、セラミ
ックスは焼結収縮するが金属箔はしないことからセラミ
ックスと金属箔との間で焼結収縮の差による寸法ズレが
生じることを防ぎ、反りや割れの無いセラミック配線基
板を得ることができるためである。
るが、本発明は以下の具体例に限定されるものではな
い。
gO−B2O3−ZnO系ガラス粉末60重量%、CaZr
O3粉末20重量%、SrTiO3粉末17重量%およびAl
2O3粉末3重量%を使用し、この無機粉末100重量%に
有機バインダとしてアクリル樹脂12重量%、フタル酸系
可塑剤6重量%および溶剤としてトルエン30重量%を加
え、ボールミル法により混合しスラリーとした。
により厚さ300μmのセラミックグリーンシートを成形
した。
はパンチングマシーンを用いて所定の位置に貫通孔を形
成し、この貫通孔にスクリーン印刷法にてビア導体用ペ
ーストを充填した。
(平均粒径1.0μm)100重量%に対してAl2O3粉末2
重量%および前記ガラスと同組成のガラス粉末5重量%
を加え、さらにビヒクル成分として所定量のエチルセル
ロース系樹脂およびテルピネオールを加えて、3本ロー
ルにより適度な粘度になるように混合したものを用い
た。
銀−パラジウムペーストを用いて配線導体をスクリーン
印刷にて形成した。
が重量比で85:15である合金粉末(平均粒径1.0μm)1
00重量%に対してAl2O3粉末2重量%および前記ガラ
スと同組成のガラス粉末2重量%を加え、さらにビヒク
ル成分として所定量のエチルセルロース系樹脂およびテ
ルピネオールを加えて、3本ロールにより適度な粘度に
なるように混合したものを用いた。
gO−B2O3−ZnO系ガラス粉末60重量%、CaZr
O3粉末20重量%、SrTiO3粉末17重量%およびAl
2O3粉末3重量%を使用し、この無機粉末100重量%に
対して、有機バインダとして表1に示すように、分子量
および酸価の異なるアクリル樹脂12重量%と、リン酸エ
ステル系分散剤0.5重量%と、有機溶剤としてα−テル
ピネオールとを加え、攪拌脱泡機により混合した後に、
さらに3本ロールを用いて混練し誘電体ペーストとし
た。
に、配線導体を覆うように、誘電体ペーストをドクター
ブレード法により塗布して膜厚が100μmの誘電体ペー
スト層を形成し、セラミックグリーンシート成形体とし
た。
る有機溶剤分の重量が減少するまで、60℃の温風により
乾燥した。
形体を形成し、誘電体ペーストの塗工性と、外観上の欠
陥として、溶剤乾燥後のセラミックグリーンシート成形
体の変形およびクラックの発生と、ハンドリングを想定
しセラミックグリーンシート成形体に振動と曲げを加え
た際の塗膜剥がれの発生とについて評価した。
評価の結果を表1に示す。
ースト中の溶剤量が30体積%未満の試料No.1では、
誘電体ペーストの粘度が高くなったため、塗膜への気泡
巻き込みや、膜厚のばらつきが大きくなるといった塗工
性の不良が生じた(表中に×で示す)。また、溶剤量が
50体積%を超える試料No.5および試料No.6で
は、セラミックグリーンシートに変形やクラックが生じ
た(表中に×で示す)。
欠陥について良好な結果が得られたが、有機バインダの
分子量が10000未満の試料No.7では、塗膜の強度が
弱くなって塗膜剥がれが生じやすくなる傾向があり(表
中に△で示す)、また、分子量が100000を超える試料N
o.10では誘電体ペーストの粘度が高くなり、塗工性の
不良が生じやすくなる傾向があった(表中に△で示
す)。
/g未満の試料No.11では被塗布物であるセラミック
グリーンシートとの接着強度が弱くなるために塗膜剥が
れが生じやすくなり、さらに誘電体ペーストの粘度が高
くなり、塗工性の不良が生じやすくなった(表中に△で
示す)。また、酸価が65mgKOH/gを超える試料N
o.14でも、誘電体ペーストの粘度が高くなり、塗工性
の不良が生じやすくなった(表中に△で示す)。
機バインダの平均分子量が10000以上100000以下であ
り、かつ酸価が1mgKOH/g以上65mgKOH/g
以下の試料では、いずれも、誘電体ペーストの塗工性が
良好であり、また、誘電体ペースト塗工後のセラミック
グリーンシート成形体に変形やクラックや塗膜ハガレが
発生しない優れたものであった。
によれば、セラミックグリーンシートの表面に形成した
配線導体上に塗布する誘電体ペーストにおける有機溶剤
の量を30体積%以上50体積%以下としたことにより、有
機溶剤のセラミックグリーンシートへの拡散量を減らす
とともに拡散速度を遅らせることができるので、セラミ
ックグリ−ンシートの膨潤・変形が生じる前に有機溶剤
を乾燥させることができ、セラミックグリーンシートに
クラックや破断等の欠陥が生じることを有効に防止する
ことが可能となる。
方法によれば、誘電体ペーストにおける有機バインダを
平均分子量(Mw)が10000以上100000以下であり、か
つ酸価が1mgKOH/g以上65mgKOH/g以下で
あるものとしたことにより、誘電体ペースト中の誘電体
粉末の分散性を良好なものとすることができ、誘電体ペ
ーストに含まれる有機溶剤の量が30体積%以上50体積%
以下と通常の誘電体ペーストにおける量より少ない場合
でも、誘電体ペーストの粘度を低くすることができるの
で、塗布時の空気の巻き込みによるボイドの発生を防ぐ
ことや、塗布形成した誘電体層の厚みを均一にすること
といった、塗工性を良好にすることが可能となる。ま
た、誘電体ペーストの粘度を低くすることができるの
で、塗布に際して、特に膜厚の均一性が高い誘電体膜を
形成するための工法、例えばダイコート法等を用いるこ
とが可能となる。
配線基板の製造方法によれば、誘電体層を形成するため
に誘電体ペーストを塗布したときのセラミックグリーン
シートの膨潤・変形を有効に抑えることができ、高容量
かつ低インダクタンスで高精度なコンデンサを内蔵した
セラミック配線基板を製造することが可能となる。
Claims (2)
- 【請求項1】 有機溶剤系バインダを含むセラミックグ
リーンシートの表面に配線導体を形成するとともに該配
線導体上に誘電体粉末と有機バインダと有機溶剤と分散
剤とから成る誘電体ペーストを塗布し乾燥して成るセラ
ミックグリーンシート成形体を作製し、該セラミックグ
リ−ンシート成形体と他の前記セラミックグリ−ンシー
トとを積層して積層体を作製した後、該積層体を焼成す
るセラミック配線基板の製造方法において、前記誘電体
ペーストにおける前記有機溶剤の量が30体積%以上5
0体積%以下であることを特徴とするセラミック配線基
板の製造方法。 - 【請求項2】 前記誘電体ペーストにおける前記有機バ
インダは、平均分子量が10000以上100000以
下であり、かつ酸価が1mgKOH/g以上65mgK
OH/g以下であることを特徴とする請求項1記載のセ
ラミック配線基板の製造方法。
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JPH056709A (ja) * | 1991-06-20 | 1993-01-14 | Hitachi Ltd | セラミツク多層配線基板製作用ペースト |
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JP2001097764A (ja) * | 1999-09-28 | 2001-04-10 | Kyocera Corp | 誘電体ペーストおよびセラミック回路基板の製法 |
-
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- 2002-02-14 JP JP2002037176A patent/JP3911424B2/ja not_active Expired - Fee Related
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