JP3630459B2 - 多層配線基板用ペースト - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、LSIやICなどの電子部品を搭載して電子回路を構成する多層配線基板の素材としてのペーストに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、低温焼結ガラス・セラミック基板が開発されたのに伴い、その配線用導体およびビア導体にAu、Ag、CuおよびPdの少なくとも一つを用いることが可能となった。これらの金属は、従来のセラミック多層配線基板に用いられてきたWやMo等に比べて導体抵抗および溶融温度がともに低いので、安全性のよい設備を用いて良質の多層配線基板を低コストで製造することができる。
【0003】
かかるセラミック多層配線基板の製造方法に、グリーンシート積層法と、厚膜印刷法とがある。前者は高積層に適し、微細な配線パターンを形成することができる反面、焼成時の基板収縮にばらつきを生じやすく、製造歩留まりがよくないという欠点がある。一方、後者は焼成時における基板の平面方向の収縮が少ないので、多層配線基板を歩留まりよく製造することができる反面、配線による段差が基板表面に生じるので、高積層や微細な配線パターンには適しないという欠点がある。
【0004】
配線用導体の印刷およびビア導体の形成は、一般に図2に示す要領によって行われている。すなわち、図2の(a)に示す事例では、ステージ1上に載置されたガラス・セラミックグリーンシート2をスクリーン版3で覆い、スクリーン版3上に支給した導電性ペースト4をスキージ5で展延させる。スクリーン版3には配線パターンに対応した形状の開口が設けられているので、ガラス・セラミックグリーンシート2上に配線用導体を厚膜印刷することができる。また、図2の(b)に示す事例でのスクリーン版3は、ガラス・セラミックグリーンシート2のスルーホールたるビア穴6に対応した開口7を有しているので、スキージ5を用いた導電性ペースト4の印刷によって、ビア穴6内にビア導体8を形成することができる。
【0005】
図2の(c)に示す事例では、ガラス・セラミックグリーンシート2自体が、その表面上にフィルム9を有し、このフィルム9にビア穴6に対応した穴が設けられているので、フィルム6を介して導電性ペースト4を印刷すると、ビア導体8を得ることができる。この場合、ビア穴6内に導電性ペースト4を効率よく充填させるために、ガラス・セラミックグリーンシート2の裏面側から真空吸引することが行われている。
【0006】
このような配線用導体の印刷およびビア導体の形成においては、導体抵抗に変化を生じたり、にじみを生じたりすることがないように、導電性ペーストの粘度や、チクソトロピーを管理することが重要となる。また、配線パターンの高微細化に伴い、導電性ペーストの凝集力を管理することも重要となってきた。図3に示すように、導電性ペースト4の粘性力が矢印10で示す方向に作用するのに対し、凝集力は矢印11で示す方向に作用する。つまり、導電性ペースト4の凝集力は、ペースト4自体をスクリーン版3から粘性力に抗して引き離す方向に作用する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ビア導体の形成においては、図4の(a)に示す印刷段階を経て図4の(b)に示す版離れ段階に入り、図4の(c)に示す状態に移行するのであるが、導電性ペースト4の凝集力が弱いと、スクリーン版3を通過する過程でのペースト4の凝集力が粘性力に打ち勝つことができなくなり、ペースト4の一部分4aがスクリーン版3上に残留してしまう。このため、引き続き行う印刷処理において、ペースト4の版裏まわりにおいて、だれ、にじみなどの問題が発生する。
【0008】
とくに、ビア導体用の導電性ペーストには、Al2 O3 等の収縮抑制材料を添加して、焼成時における収縮量をガラス・セラミックペーストの焼成時における収縮量に近づけることが多い。そのために、ペースト中に占める無機質材料の混合比率が大きくなり、配線用ペーストと同様の有機質ビークルを使用すると、ペーストの粘度が増して、ビア導体の充填印刷が困難になる。
【0009】
そこで、従来よりも重合度の低い樹脂を用いて有機質ビークルを調製しているのであるが、重合度の低い樹脂を用いると、ペースト自身の凝集力がさらに弱まるので、ビア導体の充墳印刷において版裏まわり、だれ、にじみなどの問題がさらに顕著に現れる。
【0010】
したがって本発明の目的は、ペーストの凝集力を強め、連続的に印刷処理を施しても、ペーストの印刷量および印刷形状を安定に維持できる多層配線基板用ペーストを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述した目的を達成するために、導体材料および絶縁材料の少なくとも一方からなる無機質材料と、高分子材料および溶剤を含む有機質ビークルとからなる組成物にして、高分子材料が低重合度樹脂と、高重合度樹脂との混合物からなる多層配線基板用ペーストにおいて、次の(1)〜(3)に示す特徴を備えたものである。
【0012】
(1)低重合度樹脂の重合度を数平均重合度で100以上500未満、高重合度樹脂の重合度を数平均重合度で500以上1000以下である。
【0013】
(2)高分子材料がエチルセルローズ、ポリビニルブチラールおよびアクリル樹脂のうちの少なくとも一つを含むものである。
【0014】
(3)組成物中の無機質材料が50〜90重量%、有機質ビークルが10〜50重量%であり、有機質ビークル中の高分子材料が5〜20重量%、溶剤が80〜95重量%であり、高分子材料中の低重合度樹脂が30〜70重量%、高重合度樹脂が30〜70重量%である。
【0016】
【作用】
本発明によれば、従来のペーストにおけると同様の粘度およびチクソ性を保ちながら、ペーストの凝集力を強めることが可能となる。
【0017】
【実施例】
本発明の一実施例における導電性ペーストは、平均粒径2.0μmのAg粉末41.7重量%、平均粒径1.8μmのガラス・セラミック粉末(日本電気硝子社製、MLS−25)41.7重量%、バインダとしての数平均重合度250のエチルセルローズ樹脂(日新化成製、エトセルN−10)0.32重量%、数平均重合度900のエチルセルローズ樹脂(日新化成製、エトセルN−100)0.48重量%および溶剤としてのテルピネオール15.8重量%を組成とする。
【0018】
これらの素材を3本ロールで混合・混練し、ビア導体用の導電性ペーストを調製する。
【0019】
前記混合にさいし、数平均重合度250のエチルセルローズ樹脂と、テルピネオールとの混合物(第1ビークル)および数平均重合度900のエチルセルローズ樹脂と、テルピネオールとの混合物(第2ビークル)をまず用意し、第1ビークル、Ag粉末およびガラス・セラミック粉末を混合したのち、第2ビークルを混合して混練すると、ペースト中の無機質粉末の分散性を良好ならしめ得ることが判明した。
【0020】
本実施例の導電性ペーストの粘度、チクソ指数および凝集力の指数となるタック値を表1に示す。本実施例におけるペーストは、従来のビア導体用ペーストと比較して、粘度およびチクソ指数の点でほぼ同等であり、しかも、タック値すなわちペースト凝集力が約1.5倍に強化されていることがわかる。
【0021】
【表1】
【0022】
絶縁層となるガラス・セラミックグリーンシートの原料としては、B2 O3 −SiO2 −PbOガラス粉末にAl2 O3 を重量比で45対55の割合で混合した組成物(日本硝子社製MLS−1000)、バインダとしてのポリビニルブチラール、可塑剤としてのブチルベンジルフタレートおよび溶剤としてのトルエンを用いた。これらを混合してスラリーとなし、ドクターブレード法を適用してフィルム上にガラス・セラミックグリーンシート(以下、グリーンシートと略称する)を形成した。
【0023】
このグリーンシートのビア導体形成位置に、パンチング加工を施してビア穴を形成したのち、当該グリーンシートの表面をメタルマスクで覆い、このメタルマスクを介してグリーンシートの表面上に前記導電性ペーストを印刷した。メタルマスクはビア穴に対応した位置に開口を有しているので、スキージによって展延された導電性ペーストの一部分がビア穴内に充填される。このとき、グリーンシートの裏面側から焼結金属およびろ紙を通じて真空吸引をした。
【0024】
次いで、配線用導体をグリーンシート上に形成するための印刷を施したのち、複数のグリーンシートを積層して熱プレスで積層体となし、これを加熱炉内に納めて大気中でバインダを除去し、ガラス・セラミックの焼成を行った。
【0025】
導電性ペーストの印刷工程では図1の(a)に示すように、グリーンシート12の表面をメタルマスク13で覆い、メタルマスク13上に支給した導電性ペースト14をスキージ15で展延させる。使用した導電性ペースト14が表1の上段に示すような特性を有していると、図1の(b)に示す版離れ段階を経て図1の(c)に示す状態に移行する過程で、導電性ペースト14のメタルマスク13からの離脱性が良好となる。
【0026】
これは、メタルマスク13を通過した導電性ペースト14の凝集力(矢印16で示す)が粘性力(矢印17で示す)に打ち勝った結果であり、グリーンシート12の表面上や、ビア穴内に所定量の導電性ペースト14を支給して所定形状の導体を繰り返し形成することが可能となる。
【0027】
上述した実施例で示した組成の導電性ペーストは、ビア導体用のみならず配線用にも使える。最小配線幅が0.75mmの多層配線基板におけるグリーンシート100枚に対して適用したところ、にじみや、配線切れなどの障害は全く認められなかった。また、ビア導体の形成においては0.05mm〜0.15mm径のビア穴に対し、連続的に乱れなく印刷することができた。
【0028】
本発明に係るペーストは、導電性ペーストに限定されず、グリーンシート形成用の絶縁性ペーストにも適用できる。
【0029】
ペースト組成物中の無機質材料は、50〜90重量%の範囲から選択するのが好ましい。また、有機質ビークル中の高分子材料は5〜20重量%の範囲から選択できる。さらに、高分子材料中の低重合度樹脂および高重合度樹脂はそれぞれ30〜70重量%の範囲から選択できる。低重合度樹脂が高重合度樹脂に比べて極端に少ないと、印刷処理がしにくくなり、逆に多すぎると、にじみや、だれ等が発生しやすくなる。
【0030】
【発明の効果】
以上のように本発明によると、従来におけると同様の粘度およびチクソ性を保持しながら、ペーストの凝集力を強めることができ、そのために、印刷時におけるペーストの版裏まわり、にじみ、だれ等の障害発生を抑え得て、多層配線基板を歩留まりよく製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る導電性ペーストを用いた印刷工程の模式図。
【図2】配線用導体およびビア導体を形成する印刷工程の模式図。
【図3】マスク版を通過する印刷用ペーストの粘性力と凝集力との関係を示す図。
【図4】従来の導電性ペーストを用いた印刷工程の模式図。
【符号の説明】
12 グリーンシート
13 メタルマスク
14 導電性ペースト
16 凝集力の方向
17 粘性力の方向
Claims (1)
- 導体材料および絶縁材料の少なくとも一方からなる無機質材料と、高分子材料および溶剤を含む有機質ビークルとからなる組成物にして、高分子材料が低重合度樹脂と、高重合度樹脂との混合物からなる多層配線基板用ペーストにおいて、
低重合度樹脂の重合度が数平均重合度で100以上500未満、高重合度樹脂の重合度が数平均重合度で500以上1000以下であり、
高分子材料がエチルセルローズ、ポリビニルブチラールおよびアクリル樹脂のうちの少なくとも一つを含むものであり、
組成物中の無機質材料が50〜90重量%、有機質ビークルが10〜50重量%であり、有機質ビークル中の高分子材料が5〜20重量%、溶剤が80〜95重量%であり、高分子材料中の低重合度樹脂が30〜70重量%、高重合度樹脂が30〜70重量%であることを特徴とする多層配線基板用ペースト。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP752595A JP3630459B2 (ja) | 1995-01-20 | 1995-01-20 | 多層配線基板用ペースト |
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JPH08204342A JPH08204342A (ja) | 1996-08-09 |
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ID=11668203
Family Applications (1)
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JP752595A Expired - Fee Related JP3630459B2 (ja) | 1995-01-20 | 1995-01-20 | 多層配線基板用ペースト |
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JP (1) | JP3630459B2 (ja) |
-
1995
- 1995-01-20 JP JP752595A patent/JP3630459B2/ja not_active Expired - Fee Related
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