JPH0563713U - 加工孔の両面取り装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 加工孔の孔径にある程度の大小があっても１
つのツールで所定深さの表面取り及び裏面取りが可能な
両面取り装置を提供せんとする。 【構成】 電子制御装置によりミソスリ運動が可能なマ
シニングセンタのスピンドル先端に、カッタホルダを介
して基部表面及び先端部裏面に各々表面取り刃、裏面取
り刃を形成した両面取りカッタを装着し、電子制御装置
によって、まず両面取りカッタの軸心を孔の中心に合せ
て表面取り刃で表面取りを行い、次にスピンドルをやや
上昇させ、裏面取り刃を加工孔の裏側端部と同一面とし
てスピンドルにミソスリ運動を与えて裏面取りを行う。
これにより、１つのツールにより１工程で表、裏の両面
取りができるとともに、スピンドルが電子制御装置で制
御されたミソスリ運動をするので、加工しうる孔径の範
囲が広くとれる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、マシニングセンタを用いて、加工穴の表側及び裏側の両端面の面取 り加工を行うことができる装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

ボール盤等によりフランジなどにあけられた加工穴の両端面、即ち表面取りと 裏面取りを行うための装置ないし工具としては、特開昭６２−８８５０４号公報 (以下先行例Ａという)、特開昭５２−１４４０５号公報(以下先行例Ｂという)、 実開昭５７−７３０１５号公報(以下先行例Ｃという)などがある。

【０００３】 先行例Ａは、つば出し先端部の先端に穴あけ部材を形成するとともに、それよ り根元側に穴あけ部材より偏心させて、水平にＶ字状をしたつば出し面を形成し たもので、穴あけのあとにつば出し先端部を偏心させて、直ちにつば出し（面取 り可）を可能としたものである。 先行例Ｂは、前部に表側面取り刃を、また案内部を挾んで先端に裏側面取り刃 を設けたシャンクと、ホルダ本体の前部軸心に、ラジアル方向に変位可能にフロ ート機構を介して連結されたツール保持体をもつホルダーとからなり、ツール保 持体の先端にシャンクを結合した際、ホルダ本体軸心と前記両刃及び案内部とが 所定量ラジアル方向に偏心しているものである。 先行例Ｃは、ツイストドリルのシャンク部にスリットとこれに続く長孔を形成 し、スリット内には先端に表面取り刃及び裏面取り刃を設けた切刃金具をピボッ トピンにより回動自在に支持するとともに、上記切刃金具の後端を長孔内に摺動 自在に配置したプッシュピンを介してバネにより押圧し、表面取り刃及び裏面取 り刃をスリットから常に突出させるようにしたものである。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記先行例Ａ、Ｂ、Ｃはともに固定された軸心をもつ回転軸に 取り付けられるツールであるため、１つのツールで、指定された深さに面取りし 得る加工孔の孔径はほぼ定まり、孔径が異なればその都度ツールを交換する必要 がある。 本考案は上記に鑑み、加工孔の孔径にある程度の大小があっても、所定深さの 表面取り及び裏面取りが可能な両面取り装置を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するための本考案加工孔の両面取り装置の構成は、スピンドル が電子制御装置によりミソスリ運動が可能なマシニングセンタの前記スピンドル 先端に、カッタホルダを介して基部表面及び先端部裏面に各々表面取り刃、裏面 取り刃を形成した両面取りカッタを装着することを特徴とする。

【０００６】

【作 用】

上記構成の本考案加工孔の両面取り装置では、マシニングセンタの電子制御装 置によって、まずスピンドル先端に装着した前記両面取りカッタの軸心を加工孔 の上方で該加工孔の中心に合致させる。次にスピンドルを降下させ、両面取りカ ッタの表面取り刃で加工孔の表面取りを行う。所定深さの表面取りが完了したら スピンドルをやや上昇し、両面取りカッタ先端部の裏面取り刃が加工孔の裏側端 部と同一面となったところで一旦停止する。ここでスピンドルを自転させるとと もに公転させる、いわゆるミソスリ運動を与え、両面取りカッタ先端部の裏面取 り切削部により所定深さの裏面取りを行う。裏面取りが完了したときは、スピン ドルを介して前記カッタをその軸心が加工孔の中心と合致するまで戻し、次にス ピンドルを上昇させて停止し、次の加工に備える。

【０００７】

【実施例】

本考案を実施例について、図により詳細に説明すると、図１において、１はマ シニングセンタで、スピンドル２を備えた駆動部３と、該駆動部３をテーブル４ 上のワークに対し垂直方向、水平方向（前後、左右方向）に移動し、また、前記 スピンドル２を自転させつつ公転せしめる、いわゆるミソスリ運動を行わせる数 値制御可能な電子制御装置５を備えている。 図２は前記マシニングセンタ１のスピンドル２先端に装着するカツタホルダ６ を示し、該ホルダ６の基端側にはスピンドル２先端に嵌着するためのテーパ部６ ａを、また、先端には両面取りカッタを取り付けるチャック部６ｂを備えている 。 上記カッタホルダ６は、図３に示すごとく、支持筒７内に軸受け８により軸支 されるスピンドル２の先端に形成したテーパ状穴２ａ内に前記テーパ部６ａを圧 入して装着され、スピンドル２とともに回転せしめられる。

【０００８】 ９は両面取りカッタで、図１に示すように、前記カッタホルダ６のチャック部 ６ｂに喰えられる基部９ａより支持棒９ｂを所定長さ突出し、先端部９ｃをそろ ばん玉のごとく形成するとともに、前記基部９ａ先端側及び前記先端部９ｃ裏側 には各々表面取り刃９ｄ、裏面取り刃９ｅが形成されている。なお、前記支持棒 ９ｂの長さは、加工孔１０ａをあけたワーク１０の厚さを考慮して決められてい る。

【０００９】 上記のように構成された本考案加工孔の両面取り装置では、マシニングセンタ １の電子制御装置５によって図１の如く、まずスピンドル２先端に装着した両面 取りカッタ９の軸心を加工孔１０ａの上方で該加工孔１０ａの中心に合致させる （図１ａ）。 次にスピンドル２を降下させ、両面取りカッタ９の表面取り刃９ｄで加工孔１ ０ａの表面取りを行う（図１ｂ）。所定深さの表面取りが完了したらスピンドル ２をやや上昇し、両面取りカッタ９先端部の裏面取り刃９ｅが加工孔１０ａの裏 側端部と同一面となったところで一旦停止する。ここでスピンドル２を自転させ るとともに加工孔１０ａの直径で公転させる、いわゆるミソスリ運動を与え、両 面取りカッタ９先端部の裏面取り刃９ｅにより所定深さの裏面取りを行う（図１ ｃ）。 裏面取りが完了したときは、スピンドル２を介して前記カッタ９をその軸心が 加工孔１０ａの中心と合致するまで戻し、次にスピンドル２を上昇させて停止し 、次の加工に備える。

【００１０】

【考案の効果】

本考案加工孔の両面取り装置は、スピンドルが電子制御装置によりミソスリ運 動が可能なマシニングセンタの前記スピンドル先端に、カッタホルダを介して基 部表面及び先端部裏面に各々表面取り刃、裏面取り刃を形成した両面取りカッタ を装着することを特徴とするので、加工孔の表面取り及び裏面取りが１本のツー ルで行えるばかりでなく、前記先行例の如く、１つのツールで、指定された深さ に面取りし得る加工孔の孔径の範囲が広く、孔径が異なってもその都度ツールを 交換する必要がなく、能率的であるという効果がある。

【００１１】

【図面の簡単な説明】

図１は本考案に係る両面取りカッタを加工孔と関係させ
て表した正面図、図２はカッタホルダの半裁図、図３は
本考案に係るマシニングセンタの正面図図４はマシニン
グセンタ要部の断面図 １；マシニングセンタ ２；スピンドル ３；駆動部 ５；電子制御装置 ６；カッタホルダ ９；両面取りカッタ ９ｄ；表面取り刃 ９ｅ；裏面取り刃 １０；ワーク １０ａ；加工孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】スピンドルが電子制御装置によりミソスリ
   運動が可能なマシニングセンタの前記スピンドル先端
   に、カッタホルダを介して基部表面及び先端部裏面に各
   々表面取り刃、裏面取り刃を形成した両面取りカッタを
   装着することを特徴とする加工孔の両面取り装置。