JPS588407Y2 - 工作物の加工装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は工作物の加工装置に関し、特に工作物の裏面を
切削加工するものである。

本考案の目的は、工作物にあけられたボルト穴の裏面さ
゛ぐり及び面取り加工を能率的に行うようにしたことで
ある。

例えばクラッチハウジングにはその開口部周囲の取付フ
ランジ部に多数のボルト穴があけられている。

そして、このボルト穴のクラッチハウジング内側の面、
すなわち裏面はカッターによって裏ざぐり加工を必要と
している。

従来、この裏ざぐり加工を行うにはボルト穴にざぐりア
ーバーを貫通した後に裏面よりカッターを取付け、回り
止めピンをセットし、加工後にはピンとカッターを外し
アーバーを穴より抜き出して次の加工へと移る動作の繰
り返しを行っていた。

従って多数の穴の一穴毎にカッターの着脱を手作業によ
って行っているために加工に要する時間が長く、また労
力負担も大であり加工コストが高くなっている等の不具
合があった。

本考案は上記従来の不具合を解消するために提案された
もので、その特長は、カッターをアーバーに対して通常
の加工操作によって自動的に着脱を可能とし、加工能率
を著しく向上したことである。

以下本考案の実施例を図面により説明する。

１はアーバー軸であり、図示省略しである加工機のスピ
ンドルに装着され正、逆転並びに軸方向に昇降移動する
。

このアーバー軸１にはコ字型のサドル２がブツシュ３
ａ 、３ ｂを介してアーバー軸１を回転並びに軸方向
の摺動を許容して保持されている。

サドル２の上部部材２ａにはアーバー軸１と平行軸線で
アーム５がピン６により揺動可能に枢着されている。

またサドル２の下部部材２ｂには第２図に示すように■
溝４が形成され、サドル２とアーム５とに固設したピン
７．８間に張設された引張スプリング９によってアーム
５を常に正位置に自動求心するようにしている。

前記アーム５の下端には該アーム５の軸線に対し直交す
る方向にカッター受は台１１が固設されアーバー軸１の
下端面と対向位置している。

このカッター受は台１１上にはアーバー軸１と同心位置
にカッター保持部材１２が固設されている。

そして、カッター保持部材１２の周囲にはスプリング１
５を介してカッター受は座１４が設けられている。

このカッター受は座１４上には筒状のカッター１６が支
持され且つカッター保持部材１２に嵌合している。

カッター１６は、その上端面に刃面１６ａを形威し、ま
た内径には係合ピン１７が突出している。

一方、アーバー軸１の下端部外周面には第３図に示すよ
うに正転では係合ピン１７と係合し、逆転では保合を解
除する傾斜溝２０が設けられ、また軸心にはガイド穴１
９が穿設され、前記カッター保持部材１２の上端に突設
したガイド細軸１３が挿入するようにしである。

さらに、アーバー軸１とアーム５には工作物Ｗの表面に
当接するストッパ１８．１０が位置調整可能に設けられ
ている。

尚第１図中の符号Ｗ１は工作物Ｗの裏ざぐりを行う切削
加工面を示す。

次に本考案装置の作用について説明する。

アーム５上のストッパ１０は工作物Ｗに応じてカッター
受は台１１が所定位置に位置するよう調整設定する。

またアーバー軸１上のストッパ１８はアーバー軸１の下
降端で傾斜溝２０と係合ピン１７とが対応位置するよう
調整設定する。

そして、ストッパ１０を工作物Ｗの表面に当接してアー
バー軸１が工作物Ｗのボルト穴と対応するよう位置決め
し、スピンドルによってアーバー軸１を正転すると共に
、ストッパ１８が工作物Ｗの表面に当接するまで下降動
する。

アーバー軸１の下降端ではカッター受は台１１上にある
カッター１６の内径に嵌合され傾斜溝２０が係合ピン１
７と係合してカッター１６はアーバー軸１の先端部に一
体的に結合して正転する。

従ってアーバー軸１を上昇するとカッター１６は正転し
ながらカッター保持部材１２より離脱し、刃面１６ａは
工作物Ｗのボルト穴裏面側の切削加工面に接解して切込
まれ所定の裏ざぐり加工が行われる。

加工後にはアーバー軸１を逆転に切換えると工作物Ｗに
当接しているカッター１６とアーバー軸１とは相対回転
し傾斜溝２０と係合ピン１７との係合が解除され、カッ
ター１６は自重によって落下しカッター保持部材１２に
沿ってカッター受は座１４上の定位置に戻る。

尚カッター１６がアーバー軸１の下端溝２０に係合する
時及びカッター受は座１４上に落下したときにはスプリ
ング１５によって衝撃を緩和して受は止めるのである。

斯くしてアーバー軸１からカッター１６が離脱するとア
ーバー軸１は工作物Ｗのボルト穴から自由に抜き取るこ
とができ、アーバー軸１を上昇端に戻すことによりスト
ッパ１８はサドル２を持ち上げてストッパ１０を工作物
Ｗの表面より離して次のボルト穴へと移動し、前記と同
様の加工操作を行うものである。

このように本考案装置によると、アーバー軸１の正転下
降動によってカッターと結合し、逆転によって離脱する
アーバー軸の単なる昇降動作で自動的に着脱するもので
あるから、工作物の裏面ざぐり加工において、ボルト穴
毎にカッターの取付、取外しを手動でその都度行う作業
が不要となり、多数のボルト穴の裏面さぐり加工を連続
的に短時間で行うことができ、作業の能率向上と労力軽
減を得る利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一部断面側面図、第２図は第１図ＩＩ
−ＩＩ線断面図、第３図はアーバー軸の平端部拡大図
である。 １・・・・・・アーバー軸、２・・・・・・サドル、５
・・・・・・アーム、１０・・・・・・ストッパ、１１
・・・・・・カッター受は台、１２・・・・・・カッタ
ー保持部材、１６・・・・・・カッター、１６ ａ・・
・・・・刃面、１７・・・・・・係合ピン、１８・・・
・・・ストッパ、２０・・・・・・傾斜溝。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 加工機のスピンドルに装着して正、逆回転するアーバー
   軸と、該アーバー軸にアーバー軸の回転と軸方向の摺動
   を許容して縦貫保持したサドルとを設け、該サドルには
   アームをアーバー軸と平行軸線で揺動可能に且つ自動求
   心可能に枢着し、該アームの下端に前記アーバー軸の下
   端面と対向するカッター受は台が固着され、カッター受
   は台上にカッター保持部材をアーバー軸と同心位置に設
   け、このカッター保持部材に刃面を上端に形成し且つア
   ーバー軸の下端部が嵌入する筒状のカッターを着脱可能
   に保持させ、該カッターの内径に保合ピンを突出し、前
   記アーバー軸の先端部外周に正転方向では前記係合ピン
   と係合してカッターを結合し、逆転方向では係合ピンと
   保合を解除してカッターを離脱する傾斜溝を設け、アー
   バー軸とアームとには工作物の表面に当接するストッパ
   をそれぞれ位置調整可能に設けたことを特徴とする工作
   物の加工装置。