JPH0562585U - 紡機における風綿堆積防止装置 - Google Patents

紡機における風綿堆積防止装置

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JPH0562585U
JPH0562585U JP164292U JP164292U JPH0562585U JP H0562585 U JPH0562585 U JP H0562585U JP 164292 U JP164292 U JP 164292U JP 164292 U JP164292 U JP 164292U JP H0562585 U JPH0562585 U JP H0562585U
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 部品点数及び組付けの手間を少なくし、コス
ト低下を図る。 【構成】 精紡機機台1の長手方向に沿って延設される
部材としてのダクト4と圧縮空気供給配管8,9とが押
出し成形により一体に形成されている。圧縮空気供給配
管8,9に噴射口8a,8b,9aが設けられている。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案はリング精紡機、リング撚糸機等の紡機における風綿堆積防止装置に関 するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、粗紡機、精紡機等の紡機においてはドラフト装置のローラパートで風 綿が発生し、この風綿が紡機機台の周囲に浮遊するとともに機台の各部材上等に 落下、堆積する。風綿の堆積を放置すると堆積した風綿が塊りとなって紡出中の 糸に連れ込まれて紡出糸の品質低下や糸切れの原因となる。又、スピンドル駆動 用のベルトと押圧ローラあるいはスピンドルワーブとの間に塊りとなった風綿が 食い込むことによりスピンドルの回転が円滑に行われなくなる等の問題がある。 そこで、従来、紡機機台の周囲に浮遊する風綿等を回収する清掃装置を設けたり (例えば、特開昭63−282322号公報等)、スピンドル駆動部の周囲をカ バーで覆ったり(例えば、実公昭52−31791号公報)、風綿の堆積し易い 部分に圧縮空気を噴射したり、人手による定期的な清掃を行ったりして紡出糸の 製造に支障となる部分への風綿の堆積を防止することが提案され、又、実施され ている。そして、風綿の堆積し易い部分に圧縮空気を噴射して風綿の堆積を防止 する装置では、適当な箇所に噴出口を有するエアダクト(パイプ)を機台長手方 向に沿って配置するとともに固定部材を用いて所定位置に固定したり、屈曲形成 した板材を溶接で固着するなどしていた。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
ところが、エアダクト(パイプ)を別装置として機台に取付ける構成では、部 品点数が多くなるとともに組付けにも手間が掛かり、コストアップとなる。又、 エアダクト(パイプ)を機台フレームあるいは他の部材に固定する固定部材の部 分に風綿が堆積し易くなり、その対策も必要となるという問題がある。
【0004】 本考案は前記の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は部品点数及 び組付けの手間を少なくでき、コスト低下を図ることができる紡機における風綿 堆積防止装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するため本考案においては、紡機機台の長手方向に沿って延 設される部材と圧縮空気供給配管とを押出し又は引抜き成形により一体に形成し 、圧縮空気供給配管に噴射口を設けた。
【0006】
【作用】
本考案の装置では圧縮空気供給配管に形成された噴射口から噴射される空気流 により、風綿の堆積が好ましくない箇所への風綿の堆積、成長が防止される。圧 縮空気供給配管は紡機機台の長手方向に沿って延設される部材と押出し又は引抜 き成形により一体に形成されているため、圧縮空気供給配管を別部材とした場合 に比較して部品点数が少なくなる。又、当該部材を所定位置に組付けることによ り圧縮空気供給配管も自動的に所定位置に組付けられ、圧縮空気供給配管を組付 ける手間がなくなる。
【0007】
【実施例】
(実施例1) 以下、本考案をリング精紡機に具体化した第1実施例を図1に従って説明する 。精紡機機台1には機台の長手方向(図の紙面と直交する方向)に沿って多数の クロスフローファン(回転羽根車)を配設し、クロスフローファンの回転により 発生する吸引気流を利用して風綿等を回収する公知の構成(例えば特開昭63− 282322号公報等に開示)の清掃装置が配設されている。すなわち、精紡機 機台1の左右両側に機台長手方向に沿って配設されたドラフティングロッド2上 にはドラフト装置3が配設され、その下方には、機台長手方向に沿って延設され る部材としてのダクト4が機台長手方向全長にわたって配設されている(いずれ も片側のみ図示)。ダクト4はスピンドルパートSと対応する側に吸気用開口部 5が機台長手方向全長にわたって形成されるとともに、その前側上部にはドラフ ト装置3のフロントローラ3a近傍位置まで延出されたガイド部4aが形成され ている。ダクト4とスピンドルパートSとの間には、前記ガイド部4aと協働し てフロントローラ3a近傍から吸気用開口部5を経て排気口へ向かう吸引気流F 1を形成するためのガイド板6がダクト4に沿って延設されている。ガイド板6 には吸気用開口部5と対向する位置に開口6aが形成されている。又、ダクト4 の下部後側には排気口7が形成されている。
【0008】 ダクト4の前側上部には圧縮空気供給配管8,9が一体に形成されている。ダ クト4の外側に形成された圧縮空気供給配管8にはドラフト装置3に向かって、 すなわち上方に向かって圧縮空気を噴射するための噴射口8aと、機台中央側へ 向かって圧縮空気を噴射するための噴射口8bとがそれぞれ多数設けられている 。ダクト4の内側に形成された圧縮空気供給配管9には後記するクロスフローフ ァン等に向かって圧縮空気を噴射するための噴射口8aが多数設けられている。
【0009】 ダクト4はアルミニウムを素材として押出し成形により形成され、その一部に 中空部を一体に形成することにより圧縮空気供給配管8,9がダクト4と一体的 に形成される。なお、噴射口8a,8b,9aは押出し成形後、穴開け加工によ り形成される。
【0010】 ダクト4内には機台長手方向に沿って延びるラインシャフト10が回転可能に 配設され、機台端部に配設された駆動モータからベルト伝動機構(いずれも図示 せず)を介して駆動されるようになっている。ラインシャフト10は複数に分割 されるとともにカップリングを介して連結されるとともに、軸受を介して支持さ れている。ラインシャフト10には前記吸気用開口部5からの吸引気流F1を発 生させるクロスフローファン11が多数取付けられている。又、ダクト4内には クロスフローファン11の回転に伴う吹出気流F2を排気口7へ円滑に案内する ガイド部4bが形成されている。
【0011】 ダクト4の吸気用開口部5は、精紡機機台1の長手方向に沿って延びるように 配設されるとともに、公知の機構により周回移動される無端状の吸着ネット12 により覆われている。吸着ネット12の周回端部には吸着ネット12上に吸着さ れた風綿等を吸着ネット12から取り除いて回収する回収装置(図示せず)が配 設されている。
【0012】 前記のように構成された装置では、機台が運転されるとラインシャフト10が 回転駆動されてクロスフローファン11がラインシャフト10と一体的に図1の 矢印方向に回転される。又、吸着ネット12も周回移動を開始する。その結果、 精紡機機台1の上部にはドラフト装置3のフロントローラ3a近傍あるいはスピ ンドルパートSから吸気用開口部5を経て排気口7へ向かう吸引気流F1が発生 する。そして、空気中に浮游する風綿や繊維くず等あるいは糸切れ時にフロント ローラから連続的に供給されるフリースがこの吸引気流F1に運ばれて吸着ネッ ト12上に吸着される。又、クロスフローファン11の回転により排気口7から は機台下方へ向かって吹出す吹出気流F2が発生し、この吹出気流F2の作用に より機台中央部への風綿等の堆積が防止される。
【0013】 吸引気流F1に乗って吸気用開口部5へ向かう繊維のうち、微細な繊維は吸着 ネット12に吸着されずにダクト4内に侵入するものがある。ダクト4内に侵入 した繊維がダクト4内に堆積したりクロスフローファン11に付着して成長する と、クロスフローファン11の吸引作用が低下する。この実施例の装置では図示 しない圧縮空気供給源から圧縮空気供給配管9に供給された圧縮空気が噴射口9 aから噴射されることにより、ダクト4内のラインシャフト10の連結部や軸受 に繊維が多く堆積したり、クロスフローファン11に繊維が多く付着する前に繊 維が吹き飛ばされて排気口7から排出される。従って、クロスフローファン11 の吸引作用が良好な状態に維持される。
【0014】 又、圧縮空気供給源から圧縮空気供給配管8に供給された圧縮空気が噴射口8 a,8bから噴射されることにより、ドラフト装置3上に付着した風綿が成長し たりあるいはダクト4の上面に風綿が堆積するのが防止される。従って、堆積繊 維や付着繊維が塊りとなって紡出糸に飛び込むことによる、糸切れ、糸品質の低 下が防止される。
【0015】 又、圧縮空気供給配管8,9がダクト4と押出し成形により一体に形成されて いるため、圧縮空気供給配管8,9を別部材とした場合に比較して部品点数が少 なくなる。そして、ダクト4を所定位置に組付けることにより圧縮空気供給配管 8,9も自動的に所定位置に組付けられ、圧縮空気供給配管8,9を組付ける手 間がなくなる。又、圧縮空気供給配管8,9を固定する固定部材が不要なため、 風綿等の溜まり易い箇所ができない。
【0016】 又、この実施例ではダクト4の素材がアルミニウムのため成形がし易いだけで なく、静電気が帯電し難い。従って、素材を樹脂とした場合と異なり、ダクト4 に帯電した静電気の作用によってダクト4に風綿等が付着し易くなることがない 。
【0017】 (実施例2) 次にニューマチッククリヤラを装備した精紡機に具体化した実施例を図2に従 って説明する。ニューマチッククリヤラは糸切れ時にドラフト装置から送出され るフリースが糸切れ錘以外の錘に悪影響を及ぼすのを防止するため、糸切れ時に フリースを確実に吸引するとともに、正常運転時にフロントボトムローラに付着 した風綿等を除去する作用をなす。ニューマダクト13はスプリングピース14 の載置部14a上に載置されるとともに、スプリングピース14に固定されたブ ラケット15によりパッキング16を介して所定位置に固定された状態で機台の 長手方向に延びるように配設されている。ニューマダクト13は一端が図示しな い吸気ボックスに接続されている。ニューマダクト13はドラフト装置3の前方 に配置されたフリュート17に、吸引管18を介して接続されている。そして、 ニューマダクト13の上部には圧縮空気供給配管8が一体に形成されている。圧 縮空気供給配管8にはドラフト装置3に向かってすなわち上方に向かって圧縮空 気を噴射するための噴射口8aと、機台中央側へ向かって圧縮空気を噴射するた めの噴射口8bとがそれぞれ多数設けられている。ニューマダクト13は前記実 施例のダクト4と同様にアルミニウム素材で、押出し成形により形成されている 。
【0018】 この実施例の装置でも圧縮空気供給源から圧縮空気供給配管8に供給された圧 縮空気が噴射口8a,8bから噴射されることにより、ドラフト装置3上に付着 した風綿が成長したりあるいはダクト4の上面に風綿が堆積するのが防止される 。従って、堆積繊維や付着繊維が塊りとなって紡出糸に飛び込むことによる、糸 切れ、糸品質の低下が確実に防止される。
【0019】 (実施例3) 次にスピンドルをタンゼンシャルベルトで駆動する精紡機のスピンドル駆動部 を覆うカバーに具体化した実施例を図3に従って説明する。紡機機台の長手方向 に沿って延設されたスピンドルレール19上にはスピンドル20が一定ピッチで 列設されている。スピンドル20を駆動する無端状のタンゼンシャルベルト21 は、スピンドルワーブ20aに対して接線方向に走行する状態で駆動プーリ及び ガイドプーリ(いずれも図示せず)間に巻掛けられている。タンゼンシャルベル ト21の内側にはタンゼンシャルベルト21とスピンドルワーブ20aとの接圧 を確保するためのコンタクトローラ(図示せず)が所定間隔で配設されている。
【0020】 スピンドルレール19上にはスピンドル駆動部を覆うカバー22がスピンドル レール19に沿って延びるように配設されている。カバー22はスピンドルレー ル19の前側(図3の左側)に配置されたフロントカバー22aと、スピンドル レール1の上方に配置されるトップカバー22bとから構成されている。トップ カバー22bはアルミニウム素材で、押出し成形により形成されている。トップ カバー22bの角部には圧縮空気供給配管23を構成する中空部が一体に形成さ れている。圧縮空気供給配管23には噴出口23aが多数形成されている。又、 フロントカバー22aには排気孔24が多数形成されている。
【0021】 スピンドル駆動部を密閉するようにカバーが設けられた従来装置では、タンゼ ンシャルベルトの走行とそれに伴うスピンドル及びコンタクトローラの回転によ りカバー内が負圧となり、シール部材を設けても風綿や微小なゴミががカバー内 に侵入するのを完全に防止することは難しい。そして、一旦カバー内に侵入した 風綿はカバー外へ脱出することはできず、カバー内に堆積する。そのため、定期 的にカバーを開けてカバー内部の清掃を行う必要があった。
【0022】 しかし、この実施例の装置ではタンゼンシャルベルト21が駆動されても、カ バー22の内部に配設された噴出口23aから噴射される圧縮空気の作用により 、カバー22内は負圧になり難い。従って、完全に密閉された従来のカバーと比 べて、カバー22内に送り込まれる風綿や微細なゴミの量が減少する。又、カバ ー22内に一旦入った風綿も排気口24から再びカバー22外に排出される機会 が多く、カバー22内に風綿が溜まり難い。従って、定期的に清掃を行わなくと も、従来と異なりカバー22内に多量の風綿が堆積することがなくなる。
【0023】 なお、本考案は前記両実施例に限定されるものではなく、例えば、ダクト4、 ニューマダクト13あるいはトップカバー22bを押出し成形に代えて引抜き成 形で形成したり、その素材としてアルミニウムに代えて他の金属や樹脂を使用し てもよい。又、圧縮空気供給配管の形状を変更したり、前記紡機機台の長手方向 に沿って延設される部材として前記実施例以外の部材に適用してもよい。
【0024】
【考案の効果】
以上詳述したように本考案によれば、風綿の堆積が好ましくない箇所へ向かっ て圧縮空気を噴射する噴射口形成される圧縮空気供給配管が、紡機機台の長手方 向に沿って延設される部材と押出し又は引抜き成形により一体に形成されている ため、圧縮空気供給配管を別部材とした場合に比較して部品点数が少なくなる。 又、当該部材を所定位置に組付けることにより圧縮空気供給配管も自動的に所定 位置に組付けられ、圧縮空気供給配管を組付ける手間がなくなる。又、精紡機は 同一のユニットが機台長手方向に並設されるという構造上、機台長手方向にわた って同一断面形状を有する部材が多いため、この考案を有効に実施することがで きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案を具体化した第1実施例の部分概略断面
図である。
【図2】第2実施例の部分概略断面図である。
【図3】第3実施例の部分概略断面図である。
【符号の説明】
1…精紡機機台、4…部材としてのダクト、5…吸気用
開口部、8,9,23…圧縮空気供給配管、8a,8
b,9a,23a…噴射口、13…部材としてのニュー
マダクト、22b…部材としてのトップカバー。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紡機機台の長手方向に沿って延設される
    部材と圧縮空気供給配管とを押出し又は引抜き成形によ
    り一体に形成し、圧縮空気供給配管に噴射口を設けた紡
    機における風綿堆積防止装置。
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Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4975838A (ja) * 1973-10-31 1974-07-22
JPS5369536U (ja) * 1976-10-28 1978-06-10

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