JPH0562019U - ピン端子付ボビン - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 角筒巻芯を有するピン端子付ボビンを用いた
コモンモードチョークコイルの１個当りの巻線の自動巻
回の所要時間を短縮し、安価なピン端子付ボビンとす
る。 【構成】 角筒巻芯１の外周に端部鍔２と中央鍔４で仕
切られた２個の巻回区劃を持つピン端子付ボビンの２個
を、角筒巻芯の軸方向に並べ同心に揃えて端部鍔２の下
部の両隅どうしを切り離し容易な連結片９で繋いで一体
に成形する。この二連ボビンを二頭の線材ノズルの巻線
材の巻軸に取り付ける。ピン端子付ボビンの片方の巻線
区劃に１個目の巻線を同時に巻き回す。続いて他方の巻
回区劃に２個目の巻線を同時に巻き回す。連結片９を切
断して２個のピン端子付ボビンを切り離す。夫々のピン
端子付ボビンにＵＵ形分割コアを閉磁路に組み付けると
２個のコモンモードチョークコイルが出来上がる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、電子装置の電磁雑音防止用のコモンモードチョークコイルに使用す るピン端子付ボビンに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来のコモンモードチョークコイル用ピン端子付ボビンは、角筒巻芯の両端に 端部鍔を設けて端部鍔の底面に２本のピン端子をそれぞれ垂設し、巻芯の外周中 央部に巻線間を絶縁する中央鍔を設けた構造である。図３に従来のピン端子付ボ ビン（以下ボビンと称す）の外観を上下を逆にして示す。このボビンを自動巻線 機の巻軸に角筒巻芯（以下巻芯と称す）１の中央孔１ａにはめて取り付けて、線 材ノズルから出ている巻始めを先ず片方（例えば図で左側）の端部鍔２のピン端 子３ａにからげてから矢印の向きにボビンを回転して片方（図で中央鍔４の左側 ）の巻回区劃に所要回数を巻回して、巻終わりをピン端子３ｂにからげて線材を 所定の箇所で切断して第１の巻線５（二点鎖線で示す）を施す。次に巻始めをピ ン端子３ｃにからげて矢印の向きに回転して他方（図で中央鍔４の右側）の巻回 区劃に巻回してからピン端子３ｄにからげて第２の巻線６を施していた。からげ 部を半田付けで固着し、ＵＵ形分割コアをその片方の磁脚を巻芯１の中央孔１ａ に挿入して突合せ締め付け金具で閉磁路に保持してコモンモードチョークコイル に仕上げていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従来のボビンの２個の巻回区劃に同時に巻回しすれば、巻回所要時間を半減で きる。そのためには互いに独立した動き（即ち中央鍔４に関して対称な動き）を する２個の線材ノズルを備えた自動巻線機が必要である。このような自動巻線機 はコイルが小型で（例えば巻芯の軸方向寸法が１３ｍｍ）あるので製作が難しく 高価でもある。同じ動作をする多頭の線材ノズルを備えた自動巻線機が製作され ているので、適合するピン端子付ボビンがあれば巻回所要時間を短縮することが 出来る。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案に係るピン端子付ボビンは、筒巻芯の両端と中央部に鍔を設け、端部鍔 の底面にピン端子を垂設したピン端子付ボビンの複数個を、巻芯の軸方向に同心 に揃え、端部鍔の外面で小さな断面積の連絡片で繋いで一体に成形した多連のピ ン端子付ボビンである。本考案の端子付ボビンに巻線後、前記連絡片より切断し て従来のコモンモードチョークコイルを形成するピン端子付ボビンとする。

【０００５】 即ち本考案は、筒形巻芯の両端部と中央部に鍔を設け、端部鍔の底面にピン端 子を垂設したピン端子付きボビンの複数個の筒状巻芯を同心に並べて互いの端部 鍔の外面で小さな断面積の連続片により繋いで一体に成形してなるピン端子付ボ ビンである。

【０００６】

【作用】

連絡片は、複数個のピン端子付ボビンを自動巻線機の巻軸に装着し易くすると 共に、装着間隔を一定に保ち巻線加工を容易にする。連絡片は中途で切断されて 巻線を施したボビンを個別にする。

【０００７】

【実施例】

本考案のピン端子付ボビンの一実施例を上下反転して図１に示している。角筒 巻芯１の外周に端部鍔２、中央鍔４を設け、端部鍔２の底面（図で上面）にスタ ンドオフ片を突設すると共に２本のピン端子３を垂設し、端部鍔２の外面に巻芯 １の内側壁に続く横溝７と、上部壁（図では下部壁）に続く縦溝８を形成してあ るピン端子付ボビンの２個を同心に若干間隔をおいて並べ、端部鍔２の外面の底 面（図では上面）側の両隅どうしを薄板の連絡片９で繋いだ二連のピン端子付ボ ビンである。

【０００８】 この二連ボビンを、ピン端子３ａどうしの間隔Ｌと同じ間隔の二頭の線材ノズ ルをもつ自動巻線機に装着する。二頭の線材ノズルは同じ動作である。巻線の巻 回しは、ピン端子３ａ２個に同時にからげて二連ボビンを矢印方向に回転して片 方の巻回区劃に同時に行いピン端子３ｂ２個にからげて第１の巻線を終え、続い て同様に他方の巻回区劃に第２の巻線を行う。からげ部を半田付けでピン端子と 接続した後、連結片９を鋏、ナイフ等で中途で切断して２個の巻回上がりピン端 子付ボビンに分割する。二連ボビンの巻回所要時間は、従来の単独ボビンの場合 と同じであるから、巻回上がりボビン１個当りの巻回所要時間は半分となる。

【０００９】 図２は、この分割した巻回上がりボビンにＵＵ形分割コア１０を締め付け金具 １１で組み付けたコモンモードチョークコイル（巻線５、６の端部を図示しない ）の外観を示す。図２では連絡片９の中央部で切断した場合であり、連絡片９の 残りがあっても不都合はない。仮にボビンの横溝７、縦溝８の深さとコア１０の 基部（ヨーク部）の高さが同程度であってもコイルの外寸の増加は僅小であり、 連絡片９の残りを付け根近傍から切り落とすことも容易である。

【００１０】 なほ本考案の実施例は二連のピン端子付ボビンの例を示したが巻線機の線材ノ ズルの数により複数個のピン端子付ボビンを連絡片により横に連ねたピン端子付 ボビンとし得ることは当然である。

【００１１】

【考案の効果】

本考案による従来のピン端子付ボビンを連絡片で角筒巻芯方向に多連に接続し たピン端子付ボビンは、複数の角筒巻芯が一列に配置されるので、多連ボビンに 対応する多頭の線材ノズルを備えた自動巻線材により巻回所要時間を、従来の半 分以下に短縮できて加工費を低減できる効果を得る。単独の線材ノズルの自動巻 線材を用いた場合もボビンの装着、取り外しの能率向上、整列や保管の容易さが あり、連絡片切断の手間を差し引いても相当の経済的効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のピン端子付ボビンの一実施例を示す外
観斜視図。

【図２】図１に示したボビンのコモンモードチョークコ
イル完成品を一部を省略して示す外観斜視図。

【図３】従来のピン端子付ボビンの例を示す外観斜視
図。

【符号の説明】

１ 角筒巻芯 １ａ 中央孔 ２ 端部鍔 ３、３ａ、３ｂ、３ｃ、３ｄ ピン端子 ４ 中央鍔 ５、６ 巻線 ７ 横溝 ８ 縦溝 ９ 連結片 １０ ＵＵ形分割コア １１ 締め付け金具

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 筒形巻芯の両端部と中央部に鍔を設け、
   端部鍔の底面にピン端子を垂設したピン端子付きボビン
   の複数個の筒形巻芯を同心に並べて、互いの端部鍔の外
   面で小さな断面積の連続片により繋いで一体に成形して
   なるピン端子付ボビン。