JPH0561897B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、キヤンデーの製造方法に関するもの
であるが、更に詳細には、従来未知の全く新規な
システムに基づく新しいキヤンデーの製造方法に
関するものである。

キヤンデー類は、原料に仕込水を加え混合、攪
拌、溶解し、この蜜を煮詰めて水分を除去した
後、冷却、成型して製品とするものである。

しかしながら、このような従来法においては、
溶解、煮詰といつた高温で長時間加熱処理する過
激な処理を必要とするため、各種原料が製造工程
中に変質したり、耐久性が低下することは避けら
れない。したがつて、従来法によれば、仕込水を
添加している為、短時間処理にも限度があり、原
料の添加時期をずらしたりする必要があつた。ま
た、このような欠点からのがれるために、やむを
得ず、使用原料の種類や使用量を制限せざるを得
ず、その結果、製品キヤンデーの種類、風味、食
感にバラエテイーをつけることができず、結局特
徴のない製品しか製造することができなかつたの
である。

本発明は、これらの欠点を一挙に解決するため
になされたものであつて、品質のすぐれたキヤン
デー、従来未知のないしは従来製造することがで
きなかつた新しいタイプのキヤンデーを効率的に
且つ工業的に製造するためになされたものであ
る。

このような目的達成のために、各種の方法につ
いて検討したけれども満足できる結果は得られな
かつた。そこで発想を転換して、キヤンデーにと
らわれることなく、各種の処理機械、処理装置の
面から総合的にキヤンデーの製造について検討
し、我が国のみならず欧米各国の装置類について
も広く試験研究を行つた結果、遂に、二軸エクス
トルーダーが所期の目的達成に使用できることを
つきとめ、この新知見を基礎にして更に研究を続
けて本発明を完成するに到つた。

本発明は、二軸エクストルーダーを用いてキヤ
ンデー原料を処理することを重要なポイントとす
る方法である。

本発明においては二軸エクストルーダーの使用
が必須要件となるのであるが、本発明で使用する
二軸エクストルーダーとしては、フイーダー、バ
レル、二軸スクリユー、ダイ、バレル及びダイの
加熱装置、冷却装置を備えたものであつて、混
合、圧縮、混練、粉砕、剪断、加熱、殺菌の各工
程をひとつのユニツトで瞬時に処理できる装置で
あれば、すべてのタイプのものが使用できる。二
軸エクストルーダーとしては、例えば、フイーダ
ー、バレル、二軸スクリユー、ダイ、バレル及び
ダイの加熱用ヒーター、冷却ジヤケツトからなる
株式会社、幸和工業製の二軸エクストルーダーが
好適である。

二軸エクストルーダーを用いると、従来法の仕
込水添加の必要もなく又独立して行つていた混
合、攪拌、溶解、煮詰の各工程を一挙に且つ極め
て短時間に行うことができ、省力化、省エネルギ
ー化が達成できる。しかも、品質の劣化、原料の
変質がなく、耐久性も確保されるので、キヤンデ
ー原料を必要量配合し、これをフイーダーから一
挙に供給するだけでよい。

原料としては、ハードキヤンデイ、ソフトキヤ
ンデイを問わず、すべてのキヤンデイ原料が使用
でき、例えば次のようなものが列挙される；砂
糖；酸糖化水飴、酵素糖化水飴、澱粉糖といつた
水飴；転化糖；蜂蜜；穀物粉、澱粉、化工澱粉；
全乳、練乳、粉乳、バター、ホエー、チーズ、ヨ
ーグルトといつた乳製品；油脂。

クエン酸、酒石酸、乳酸といつた有機酸；香
料；色素等は、従来、上記した砂糖類といつた主
原料と一緒に最初から処理することができず、煮
詰めた後に添加しなければならず、したがつて工
程が複雑である。しかしながら、本法によれば、
これらを主原料とは別個に煮詰めたキヤンデーに
添加する必要がなくなり、最初から主原料と同時
にフイーダに供給、又はバレル途中から供給する
ことが可能となり、工業的なキヤンデイ製造法と
しては極めて有利である。

また、上記以外の原料としては、フルーツ、果
汁、ナツツ類、ゼラチン、寒天、ペクチン、ガム
類、乳化剤、卵、アルブミン、ソルビトール、ミ
ネラル、ビタミン、アミノ酸、ペプタイド、蛋
白、チヨコレート、ココア、コーヒー等が適宜自
由に使用される。

本法によれば、従来法のように砂糖その他の原
料を予じめ水に溶解する必要がなく、またはその
代替法として水分含量の高い水飴類を単用又は併
用する必要がなく、粉末原料のみを原料として使
用することもできる。したがつて粉末原料のみを
使用するために、秤量するのに手間がかからない
し、原料を一度にフイーダから供給すればよいの
で、従来法のように有機酸、香料、色素その他一
部の原料を煮詰めた飴に別途供給する必要がな
く、操作が非常に簡素化され、省エネルギー型の
工業的大量生産方法として本法はきわめてすぐれ
ている。

これらの原料は、所定量を予じめ混合するか、
又は別々のホツパーから同時に一定割合になるよ
うに供給してもよい。また必要ある場合には、バ
レル途中から、これらの諸原料を注入することも
可能である。これらの諸原料のほかに、更に、調
味料、香辛料、増粘剤、品質改良剤その他の食品
添加物又は食品類を添加してもよい。これらの原
料をフイーダより50〜1000ｇ／分の割合、（必要
あれば水10〜200c.c.／分の割合）で供給し、スク
リユー回転速度40〜500rpm、バレル温度140〜
300℃で、好ましくは150〜150℃でエクストルー
ダーを運転すれば非常に品質のよいキヤンデー製
品が得られる。又、必要あればバレル後半に脱気
孔を設け、水蒸気を飛散させたり、エクストルー
ダー出口に真空室を設け、その中に煮詰めたキヤ
ンデーを噴出させることにより生産量を大巾にア
ツプすることが可能である。

本法によれば、材料の変質が従来のキヤンデー
クツカーを使用した場合に比して著しく低く、砂
糖の分解、褐変が大巾に抑制され、牛乳蛋白の変
質、脂肪の変質が大巾に抑制される。したがつ
て、これらの原料を自由に配合することができ、
例えば乳製品等を大量に使用できるので、従来未
知のマイルドなキヤンデー、新しい風味、食感を
有する変色、変質の少ない新規なキヤンデーが得
られる。ハードキヤンデーにあつては、特に各種
の有機酸を各種の用量で自由に使用することがで
きるし、常法のように円形冷却盤上で有機酸を混
合する場合も、すぐれた品質のキヤンデーが容易
に得られる。

本法によれば、二軸エクストルーダーの出口温
度を調節することによつて、最終製品の水分を自
由に調節することができるので、従来のクツカー
で煮詰める場合に比して手間がかからないし、正
確な水分調節が可能となり、品質のそろつた製品
が容易に且つ迅速、大量に製造できる。本法によ
れば、原料の配合、スクリユー回転速度、温度の
調節をするだけで、各種のハードキヤンデー、ソ
フトキヤンデーが自由に製造できるという著効も
併せ得られる。

実施例 １ グラニユー糖８Kg、粉末水飴３Kg、クエン酸
100ｇ、色素及び香料適宜量を予じめ秤量、混合
した。この原料混合物を600ｇ／分の割合で、二
軸エクストルーダー（株式会社 幸和工業製）の
フイーダーに供給し同時に水分含量５〜20％にな
る様に水を供給した。二軸スクリユーは150〜
250rpmで回転せしめ、バレル温度は最高140〜
250℃まで上昇せしめた。

このような条件で運転した結果得られる煮詰飴
を品温80℃にまで冷却し、これを常法にしたがつ
て圧延ロール、成型ロールを通し、次いでクーリ
ングトンネルを通して風冷し、成型された部分を
回収してドロツプ製品を得た。

得られたドロツプは、水分含量1.2％で透明、
口に含むとなめらかに口中でとけ、それでいてか
めば微小にかみ砕け、非常に品質のよいものであ
つた。

実施例 ２ 砂糖2.5Kg、練乳2.0Kg、水飴4.3Kg、油脂0.6Kg。
コーンスターチ0.3Kg、食塩、香料少量を、二軸
エクストルーダー（株式会社 幸和工業製）のフ
イーダーに500ｇ／分で供給した。二軸スクリユ
ーは150〜250rmpで回転せしめ、バレル温度は最
高120〜200℃まで上昇せしめた。

このようにして得られた水分含量８％の蜜を常
法にしたがつて冷却盤上に流して冷却し、これを
成型、切断してソフトキヤンデーを得た。

得られたソフトキヤンデー製品は、チユーイン
グ性、組織、特にミルク風味のすぐれた製品で、
従来のキヤラメル製品より大巾に改良された。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ キヤンデー製造用原料を２軸エクストルーダ
   ーで処理し、加熱、熔融、混合することを特徴と
   するキヤンデーの製造方法。