JPH10234302A - チョコレートおよびその製造方法 - Google Patents

チョコレートおよびその製造方法

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JPH10234302A
JPH10234302A JP9060175A JP6017597A JPH10234302A JP H10234302 A JPH10234302 A JP H10234302A JP 9060175 A JP9060175 A JP 9060175A JP 6017597 A JP6017597 A JP 6017597A JP H10234302 A JPH10234302 A JP H10234302A
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chocolate
fat
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Katsuaki Ohashi
且明 大橋
Hiroaki Koseki
宏明 小関
Chiharu Taki
千春 滝
Toru Kitajima
徹 北嶋
Naoki Okamoto
直記 岡本
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Towa Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 砂糖の代わりに甘味料として糖アルコールを
用いてチョコレートを調製する際に、通常より多くの脂
肪添加を必要としない手段を提供する。 【解決手段】 マルチトール純度が88重量%以上かつ
96.5重量%以下のマルチトール、ラクチトール及び
還元イソマルチュロースからなるA群糖質より選択され
た少なくとも一つの糖質と、マルチトール純度が96.
5重量%を越え、好ましくは98重量%以上のマルチト
ール、ポリデキストロース、キシリトール及びエリスリ
トールからなるB群糖質から選択された少なくとも一つ
の糖質の混合物を甘味料として使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
【0002】本発明は、チョコレートおよびその製造方
法に関する。
【0003】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
【0004】一般に、チョコレートはカカオマス、ココ
アバター、砂糖および粉乳を原料とし、他にレシチン、
香料などを加えて製造される。
【0005】チョコレートの分類方法はいろいろあり、
原料配合上、規約上、製造法上、形態上による分類など
多種多様である。
【0006】中でも原料配合上での分類は、最も基礎と
なり他の方法へも応用がきく分類方法である。
【0007】この原料配合上での分類に従うと、カカオ
マスを約40〜60%含むチョコレートをビターチョコ
レートというが、ダーク、ブラック、スイート、プレー
ンとも呼ばれている。本来は乳分を全く加えないものを
ビターチョコレートというが、特に5%の乳分を加えた
ものをビターチョコレートという場合もある。
【0008】カカオマスを約30%含むものをセミミル
クチョコレートというが、ミルクチョコレートとも呼ば
れている。
【0009】カカオマスを約10〜15%、乳分約20
%のものをミルクチョコレートという。乳分には全脂粉
乳、脱脂粉乳、クリーム粉乳が使用され、特にクリーム
粉乳を使用したものをクリームチョコレートという。
【0010】カカオマスを全く使わず、ココアバター、
砂糖および粉乳だけでつくられるものをホワイトチョコ
レートという。
【0011】また、製造法上での分類に従うと、型にチ
ョコレート生地を流し込み冷却して固めた後に型から離
したモールダーもの、チョコレートのセンターにクリー
ムやジャム等を入れたシェルモールダーもの、果実類、
ナッツ類、ビスケット等の菓子類の表面をチョコレート
の比較的薄い層で被覆したエンローバーもの、ナッツや
キャンデー等をレボルビングパンという回転容器の中で
チョコレートの比較的厚い層で被覆したパンワークもの
等がある。これらチョコレートの原料配合は採用される
製造方法の違いによって様々である。
【0012】チョコレートの製造は、基本的には混
合、微粒子化(レファイニング)、精練(コンチン
グ)、テンパリング、成型の順で行われる。
【0013】混合工程では、チョコレート原料であるカ
カオマス、ココアバターの一部、砂糖、粉乳などを混合
機で混合し、均一なチョコレートペーストが出来上がる
が、チョコレートペーストの脂肪含量は続く微粒子化工
程の作業性とのかね合いで決定され、通常30%以下で
ある。また、残りのココアバターは後の精練時に添加さ
れる。
【0014】微粒子化工程では、上記チョコレートペー
スト中のカカオマス、ココアバター、砂糖、粉乳などの
粒子をロールミル等で微粒子化し、フレーク状のチョコ
レートマスを得る。混合工程ではまだざらざらした食感
があるが、ここで約15〜25μmに押しつぶすこと
で、このざらつき感はなくなる。
【0015】ロールミルでの微粒子化では、ロール表面
の温度がロール間の摩擦および粒子の圧縮熱によって上
昇するために冷却しなければならない。この冷却が不十
分な場合はチョコレートマスがココアバターの融解によ
ってペースト状から液状になり、ロール間の隙間ですべ
り作業が不能となる。反対に、ロールを冷却しすぎると
チョコレートマスの送りが悪くなり、馬力を必要以上に
要するにもかかわらず能率が上がらない。従って、ロー
ル表面の温度調節は非常に重要である。
【0016】精練工程は、チョコレートマスを練り合わ
せて組織をさらに細かくし、均質化することでなめらか
にして、口当たりをよくする工程である。微粒子化工程
で調製した油脂分の少ないチョコレートマスをドライコ
ンチングした後、更にココアバターが加えられる。
【0017】この工程では、チョコレートマスは加温さ
れながら回転するので、余分な水は蒸発し、揮発性成分
も除去され、呈味の熟成が行われる。
【0018】この精練はチョコレート製造工程中で最も
時間のかかる工程である。
【0019】テンパリングは、ココアバターの安定結晶
を得るために温度調節を行う工程である。テンパリング
を行わない場合、ココアバターの結晶が粗大で不ぞろい
になり、チョコレートは表面の光沢が悪く、口当たりも
悪い商品価値の低いものになってしまう。
【0020】テンパリングされたチョコレートは、型に
充填された後に冷却工程を経て成型される。
【0021】チョコレートに限らず一般に菓子類の甘味
料にはその甘味質や物性の適性を理由に砂糖が広く使用
されるが、砂糖は虫歯発生の原因となり、血糖値を上
げ、高カロリーである等の理由で、ソルビトールやマル
チトール等の糖アルコールを砂糖の代替物として使用す
る方法が数多く報告されている。
【0022】特開平5−260894号公報には、全成
分に対して32重量%よりも少ない脂肪量を有し、甘味
料が結晶化マルチトール、ラクチトール、還元イソマル
チュロースおよび低カロリーサッカライドポリマーから
なる群より選択された少なくとも一つの物質に基づいた
低カロリーチョコレートが記載されている。
【0023】その実施例1では、純度99.3%のマル
チトール結晶を砂糖の代替物として使用して、砂糖を使
用した場合と同様の脂肪量32%のダークチョコレート
が調製されている。
【0024】更に、その実施例2では、純度99.3%
のマルチトール結晶を使用して、チョコレートの最終全
脂肪量を26.5〜27.5%まで減量できることが記
載されている。
【0025】しかし、当該特開平5−260894号公
報の実施例2では、純度88.5%のマルチトールで砂
糖を代替した場合には、精練工程で通常より多くの脂肪
が必要となり、最終的には、砂糖でチョコレートを調製
する場合よりも脂肪量を多く必要としている。
【0026】脂肪のカロリー値は9kcal/g、砂糖
は4kcal/gであり、高純度のマルチトールは砂糖
の約50%のカロリー値である。
【0027】従って、チョコレート中の砂糖を高純度の
マルチトールで代替する場合にはチョコレートのカロリ
ー値を低減することにつながるが、低純度のマルチトー
ルを使用した場合には、砂糖の2倍以上のカロリーを有
する脂肪を通常の配合より多く添加しなければならない
為に、チョコレートのカロリー値を低減する目的を達成
できないかまたは低い効果しか期待できない。
【0028】更に、上記特開平5−260894号公報
の実施例1及び実施例2では、ラクチトール無水物結晶
および1水和物結晶を使用した脂肪量29.1%及び2
9.5%のダークチョコレートが調製されている。
【0029】しかし、本発明者等は、砂糖を甘味料とし
て使用した場合の通常のチョコレートの配合割合で砂糖
のみをラクチトールで代替したチョコレートの調製を試
みたところ、特に混合工程で混合物が粘土様の耳たぶ程
度の硬さのペーストとならないために、通常より多くの
脂肪添加を必要とし、結果として得られたチョコレート
の脂肪量も砂糖使用の場合より多いものとなった。
【0030】これと同様の結果は、特表平6−5059
70号公報にも記載されている。該公報に記載の発明
は、ラクチトール無水物結晶およびその製法ならびに用
途に関するものであり、その実施例4にはラクチトール
無水物結晶を甘味料として用いたミルクチョコレートが
調製されている。
【0031】通常、砂糖を用いて調製するミルクチョコ
レートの脂肪量が33.3%であるのに対し、ここで調
製されたミルクチョコレートは35.6%であり、ラク
チトールで砂糖を代替したチョコレートを調製するの
に、脂肪が多く必要とされる結果になっている。
【0032】更に、特表平6−506586号公報に
は、砂糖の代替物としてラクチトールやマルチトールの
糖アルコールを使用した場合には、製造加工工程でチョ
コレートの粘度が増加するため、それを補うために脂肪
が追加使用され、従来の砂糖をベースとしたチョコレー
トよりも脂肪量が多くなることが指摘されている。
【0033】特表平6−506586号公報記載の発明
は、上記問題を解決することを目的に、カカオ成分をカ
カオバターと粉末カカオ、ミルク成分を低脂肪粉末ミル
クと乳脂肪に置き換えることで糖アルコールを使用した
場合の脂肪量の増加に伴うカロリー増加を防ぐ方法を提
供している。
【0034】
【課題を解決するための手段】
【0035】本発明者等は、前記課題を解決するために
鋭意検討した結果、チョコレート中の砂糖の代替物とし
て、単独で使用した場合には通常よりも多くの脂肪の追
加を必要とする糖質である低純度のマルチトール、ラク
チトール及び還元イソマルチュロースに、第二成分とし
て特定の糖質を選定し、混合して使用することで、製造
工程上の問題でこれまで必要とされてきた脂肪の追加を
減少できることを見出し、更に、その効果が本発明で第
二成分として選定したB群糖質では相乗的に得られるこ
とを見出し、本発明を完成するに至った。
【0036】即ち、本発明の課題を解決するための手段
は、下記の通りである。
【0037】第1に、マルチトール純度が88重量%以
上かつ96.5重量%以下のマルチトール、ラクチトー
ル及び還元イソマルチュロースからなるA群糖質より選
択された少なくとも一つの糖質と、マルチトール純度が
96.5重量%を越え、好ましくは98重量%以上のマ
ルチトール、ポリデキストロース、キシリトール及びエ
リスリトールからなるB群糖質から選択された少なくと
も一つの糖質の混合物を甘味料として使用するチョコレ
ートの製造方法。第2に、ラクチトールが、ラクチトー
ル無水物結晶またはラクチトール1水和物結晶である上
記第1に記載のチョコレートの製造方法。第3に、A群
糖質とB群糖質の混合比率が、95:5〜40:60の
混合物を甘味料として使用する、上記第1または2に記
載のチョコレートの製造方法。第4に、チョコレートが
ミルクチョコレートである、上記第1〜3の何れか一つ
に記載のチョコレートの製造方法。第5に、マルチトー
ル純度が88重量%以上かつ96.5重量%以下のマル
チトール、ラクチトール及び還元イソマルチュロースか
らなるA群糖質より選択された少なくとも一つの糖質
と、マルチトール純度が96.5重量%を越え、好まし
くは98重量%以上のマルチトール、ポリデキストロー
ス、キシリトール及びエリスリトールからなるB群糖質
から選択された少なくとも一つの糖質の混合物を甘味料
として使用したチョコレート。第6に、ラクチトール
が、ラクチトール無水物結晶またはラクチトール1水和
物結晶である上記第5に記載のチョコレート。第7に、
A群糖質とB群糖質の混合比率が、95:5〜40:6
0の混合物を甘味料として使用した、上記第5または6
に記載のチョコレート。第8に、チョコレートがミルク
チョコレートである、上記第5〜7の何れか一つに記載
のチョコレート。
【0038】本発明に係るチョコレートは、ビターチョ
コレート、ミルクチョコレート、ホワイトチョコレート
等全てのチョコレートを対象とする。
【0039】また、本発明に係るミルクチョコレート
は、カカオマスに乳分を添加して調製されるものが好ま
しく、乳分として全脂肪乳を使用した脂肪分32重量%
以上のものがさらに好ましい。
【0040】本発明に係るチョコレートの製造方法は、
一般的な製法である混合、微粒子化(レファイニン
グ)、精練(コンチング)、テンパリング、成型
の工程を経ることで実施でき、また、ビターチョコレー
ト、ミルクチョコレート、ホワイトチョコレート等全て
の原料配合に適応する。
【0041】なお、本発明に従って調製されたチョコレ
ートは、モールダーもの、シェルモールダーもの、エン
ローバーもの、パンワークもの等に加工可能である。
【0042】本発明のA群糖質のマルチトールは、固形
物中のマルチトール純度が88重量%以上かつ96.5
重量%以下の粉末マルチトールが使用される。
【0043】マルチトールは、通常、触媒の存在下でマ
ルトースを接触水素還元することにより得られるが、高
純度のマルチトールを得るには高純度のマルトースが原
料とされるため、商業的にはマルチトールの純度が高い
ほど高価格の商品となってしまう。
【0044】従って、マルチトールの純度が低いものほ
ど安価に砂糖の代替物として使用できるが、マルチトー
ル純度が88重量%より低い場合には、チョコレート中
の脂肪量を減量させるためにB群糖質の混合比率を高く
しなければならず、その結果調製されるチョコレートの
製造コストが高くなったり、時にはチョコレート本来の
風味が損なわれたりするので好ましくない。
【0045】本発明のA群糖質のラクチトールは、無水
物結晶または1水和物結晶が使用される。ラクチトール
結晶は、無水物および1水和物の他に2水和物および3
水和物が知られているが、ラクチトールの2水和物また
は3水和物は、チョコレートの他の原料と混合した時に
その結晶水が分離し、チョコレートペーストの生成を困
難とするので好ましくない。
【0046】本発明のA群糖質の還元イソマルチュロー
スは、高純度のイソマルチュロース(パラチノース)を
還元したものであり、6-o-α-glucopyranosyl-D-mannit
ol(GPM)と1-o-α-glucopyranosyl-D-sorbitol(GPS)の等
モルの混合物であり、通常約5重量%の結晶水を含有す
る。
【0047】本発明のB群糖質のマルチトールは、固形
物中のマルチトール純度が96.5重量%を越え、好ま
しくは98重量%以上のマルチトールが使用される。マ
ルチトール純度の高いものほど、A群糖質と混合してチ
ョコレートに配合した場合の脂肪必要量を減量する効果
が高い。
【0048】本発明のB群糖質のポリデキストロース
は、グルコース、ソルビトールおよびクエン酸を原料と
して調製された食物せんいであり、既に食品用素材とし
て広く使用されているものをそのまま使用することがで
きる。
【0049】本発明のB群糖質のキシリトールは、既に
医薬品向けに販売されている粉末結晶品を使用すること
ができる。
【0050】本発明のB群糖質のエリスリトールは、通
常、グルコースを原料に酵母の醗酵により産出される糖
アルコールであり、特に飲料の甘味付けとして販売され
ているものを使用することができる。
【0051】本発明のA群糖質から選択された少なくと
も一つの糖質とB群糖質から選択された少なくとも一つ
の糖質の混合物を甘味料として使用するチョコレート
は、通常実施されているチョコレートの基本的な製造工
程に従って調製することができる。
【0052】本発明の方法により調製されるチョコレー
トは、砂糖の代替に使用した糖質の混合物の甘味度が低
い場合には、アスパルテーム、アセスルファムK、ステ
ビア等の高甘味度甘味料を添加して総甘味度を調整する
ことができる。
【0053】
【実施例】
【0054】以下に実施例をあげて更に具体的に本発明
の方法を説明するが、本発明の技術的範囲は以下の例に
制限されるものではない。
【0055】また、以下の例において、%は特に断らな
い限り重量%を表わすものとする。
【0056】更に、以下の例において、A群糖質および
B群糖質として、以下のものを使用した。
【0057】(A群糖質)マルチトール純度が88重量
%以上かつ96.5重量%以下のマルチトールとして、
東和化成工業(株)より「アマルティ」の商標で販売され
ている粉末マルチトール、アマルティMR−50(マル
チトール純度95.9%)、アマルティMR−100
(マルチトール純度95.7%)を使用した。
【0058】尚、アマルティMR−50とアマルティM
R−100の粉末粒度分布は表1の通りであった。
【0059】
【表1】
【0060】ラクチトールとして、東和化成工業(株)よ
り「ミルヘン」の商標で販売されているラクチトール1
水和物結晶を使用した。
【0061】還元イソマルチュロースとして、三井製糖
(株)製「粉末パラチニットPNP」を使用した。
【0062】(B群糖質)マルチトール純度が96.5
重量%を越え、好ましくは98重量%以上のマルチトー
ルとして、東和化成工業(株)より「レシス」の商標で販
売されている粉末結晶マルチトール(マルチトール純度
99.8%)を使用した。
【0063】ポリデキストロースとして、カルターフー
ドサイエンス(株)より販売されている「ライテスII」を
使用した。
【0064】キシリトールとして、東和化成工業(株)製
「キシリットP」を使用した。
【0065】エリスリトールとして、日研化学(株)製の
エリスリトールを使用した。
【0066】以下の例において、カカオマス555g、
ココアバター740g(使用合計量換算)、全脂粉乳7
40g、砂糖1665g、カカオマス・ココアバター・
全脂粉乳・砂糖の重量合計(3700g)に対して、
0.4%の外割添加量のレシチンによる配合割合のミル
クチョコレートを標準とした。
【0067】該標準ミルクチョコレートの油脂量は、カ
カオマスの油脂量を55%、ココアバターの油脂量を1
00%、全脂粉乳の油脂量を25%とすると、33.3
%となる。
【0068】また、標準ミルクチョコレートにおける配
合に対して、ココアバターを追加し、該ココアバターの
使用合計量を変えることで、他の油脂量のミルクチョコ
レートを調製した。
【0069】標準ミルクチョコレートは、上記の標準の
配合割合の原料を用い、一般的なチョコレートの製法に
従い、混合、微粒子化、精練、テンパリング、成型の各
工程を経て、以下のように製造した。
【0070】まず、混合工程において、カカオマス55
5.0g、ココアバター544.3g、全脂粉乳74
0.0g、砂糖1665.0g、合計3504.3gの
原料を、約50〜60℃で20分間混合し、脂肪量2
9.5%、水分1.3%のチョコレートペーストを得
た。
【0071】該チョコレートペーストを、微粒子化工程
において、3本ローラーによる装置を用いて、1回目1
5分16秒、2回目3分39秒、合計18分55秒間微
粒子化し、チョコレートマスを得た。
【0072】次に、精練工程において、上記で得たチョ
コレートマス2800.0gについて、ココアバター1
60.6g、レシチン11.8g、バニリン1.5gを
追加し、55℃にて16時間精練した。
【0073】精練後に、テンパリングを行い、成型する
ことで、脂肪量33.3%の標準ミルクチョコレートを
製造した。
【0074】該標準ミルクチョコレートの物性は、粒度
20μm、粘度326.0pであり、色差はL値38.
3、a値12.5、b値21.6、WB値4.7であっ
た。
【0075】なお、チョコレート中の水分測定は、以下
の例中でも同様に、温度105℃で一晩減圧乾燥した後
の重量減少より算出した。
【0076】また、チョコレートの粒度は、以下の例中
でも同様に、クラインドゲージNo.3(ドイツ、エリ
クセン社製)を用いて測定し、チョコレートの粘度は、
以下の例中でも同様に、BH型粘度計((株)トキメック
製)により、温度40℃、No.6ローターを用いて1
0rpmで測定した。
【0077】さらに、チョコレートの色差測定は、以下
の例中でも同様に、測色色差計Z−1001DP(日本
電色工業(株)製)にて、L値(明るさ)、a値(赤色
度)、b値(黄色度)およびWB値(白度)を測定し
た。
【0078】脂肪量33.3%の標準ミルクチョコレー
トに加えて、脂肪量が34%、35%、36%、37
%、38%となるように精練工程においてココアバター
の量を各々調整して追加したものについても、上記と他
は同様の条件でミルクチョコレートを製造し、脂肪量3
3.3%のものを含めて基本区とした。
【0079】加えて製造した各ミルクチョコレートにつ
いて、粘度(単位:poise)を測定したところ、脂肪量34
%のものは280.0p、35%のものは224.0
p、36%のものは179.0p、37%のものは14
8.0p、38%のものは123.0pであった。
【0080】
【実施例1】
【0081】本発明区1として、A群糖質のマルチトー
ルにアマルティMR−50、B群糖質のマルチトールに
レシスを、50:50の配合割合で混合したものを甘味
料として使用し、該甘味料を基本区における砂糖の全量
と同量置き換えて、脂肪量33.3%のミルクチョコレ
ートを、基本区と同様に、一般的なチョコレートの製法
に従い、混合、微粒子化、精練、テンパリング、成型の
各工程を経て、以下のように製造した。
【0082】混合工程において、カカオマス555.0
g、ココアバター567.9g、全脂粉乳740.0
g、甘味料1665.0g、合計3527.9gの原料
を、約50〜60℃で20分間混合し、脂肪量30.0
%、水分1.3%のチョコレートペーストを得た。
【0083】そして、微粒子化工程において、3本ロー
ラーによる装置を用いて、1回目11分13秒、2回目
3分40秒、合計14分53秒間微粒子化し、チョコレ
ートマスを得た。
【0084】次に、精練工程において、上記で得たチョ
コレートマス2800.0gについて、ココアバター1
38.7g、レシチン11.8g、バニリン1.5gを
追加し、55℃にて16時間精練した。
【0085】精練後に、テンパリングを行い、成型する
ことで、脂肪量33.3%のミルクチョコレートを製造
した。
【0086】該ミルクチョコレートの物性は、粒度25
μm、粘度329.0pであり、色差はL値39.7、
a値12.6、b値21.6、WB値5.1であった。
【0087】本発明区1においては、脂肪量が34%、
35%、36%、37%、38%となるように、精練工
程においてココアバターの量を各々調整して追加したも
のについても、上記と他は同様の条件でミルクチョコレ
ートを製造した。
【0088】上記脂肪量の各ミルクチョコレートについ
て、粘度を測定したところ、脂肪量34%のものは27
3.0p、35%のものは217.0p、36%のもの
は172.0p、37%のものは138.0p、38%
のものは117.0pであった。
【0089】
【実施例2】
【0090】本発明区2として、A群糖質のマルチトー
ルにアマルティMR−50、B群糖質のマルチトールに
レシスを、80:20の配合割合で混合したものを甘味
料として使用し、該甘味料を基本区における砂糖の全量
と同量置き換えて、脂肪量34.0%のミルクチョコレ
ートを、基本区と同様に、一般的なチョコレートの製法
に従い、混合、微粒子化、精練、テンパリング、成型の
各工程を経て、以下のように製造した。
【0091】混合工程において、カカオマス555.0
g、ココアバター619.4g、全脂粉乳740.0
g、甘味料1665.0g、合計3579.4gの原料
を、約50〜60℃で20分間混合し、脂肪量31.0
%、水分1.3%のチョコレートペーストを得た。
【0092】そして、微粒子化工程において、3本ロー
ラーによる装置を用いて、1回目11分39秒、2回目
4分02秒、合計15分41秒間微粒子化し、チョコレ
ートマスを得た。
【0093】次に、精練工程において、上記で得たチョ
コレートマス2800.0gについて、ココアバター1
27.4g、レシチン11.7g、バニリン1.5gを
追加し、55℃にて16時間精練した。
【0094】精練後に、テンパリングを行い、成型する
ことで、脂肪量34.0%のミルクチョコレートを製造
した。
【0095】該ミルクチョコレートの物性は、粒度28
μm、粘度384.0pであり、色差はL値40.0、
a値12.6、b値22.9、WB値5.0であった。
【0096】本発明区2においては、脂肪量が35%、
36%、37%、38%、39%となるように、精練工
程においてココアバターの量を各々調整して追加したも
のについても、上記と他は同様の条件でミルクチョコレ
ートを製造した。
【0097】上記脂肪量の各ミルクチョコレートについ
て、粘度を測定したところ、脂肪量35%のものは29
9.0p、36%のものは226.0p、37%のもの
は181.0p、38%のものは148.0p、39%
のものは114.0pであった。
【0098】
【実施例3】
【0099】本発明区3として、A群糖質のマルチトー
ルにアマルティMR−50、B群糖質のポリデキストロ
ースにライテスIIを、70:30の配合割合で混合した
ものを甘味料として使用し、該甘味料を基本区における
砂糖の全量と同量置き換えて、脂肪量35.0%のミル
クチョコレートを、基本区と同様に、一般的なチョコレ
ートの製法に従い、混合、微粒子化、精練、テンパリン
グ、成型の各工程を経て、以下のように製造した。
【0100】混合工程において、カカオマス555.0
g、ココアバター619.1g、全脂粉乳740.0
g、甘味料1665.0g、合計3579.1gの原料
を、約50〜60℃で20分間混合し、脂肪量31.0
%、水分2.0%のチョコレートペーストを得た。
【0101】そして、微粒子化工程において、3本ロー
ラーによる装置を用いて、1回目12分19秒、2回目
4分13秒、合計16分32秒間微粒子化し、チョコレ
ートマスを得た。
【0102】次に、精練工程において、上記で得たチョ
コレートマス2800.0gについて、ココアバター1
72.3g、レシチン11.9g、バニリン1.5gを
追加し、55℃にて16時間精練した。
【0103】精練後に、テンパリングを行い、成型する
ことで、脂肪量35.0%のミルクチョコレートを製造
した。
【0104】該ミルクチョコレートの物性は、粒度24
μm、粘度312.0pであり、色差はL値38.3、
a値12.8、b値22.7、WB値4.5であった。
【0105】本発明区3においては、脂肪量が36%、
37%、38%、39%、40%となるように、精練工
程においてココアバターの量を各々調整して追加したも
のについても、上記と他は同様の条件でミルクチョコレ
ートを製造した。
【0106】上記脂肪量の各ミルクチョコレートについ
て、粘度を測定したところ、脂肪量36%のものは23
4.0p、37%のものは180.0p、38%のもの
は150.0p、39%のものは122.0p、40%
のものは100.0pであった。
【0107】
【実施例4】
【0108】本発明区4として、A群糖質のマルチトー
ルにアマルティMR−50、B群糖質のキシリトールに
キシリットPを、50:50の配合割合で混合したもの
を甘味料として使用し、該甘味料を基本区における砂糖
の全量と同量置き換えて、脂肪量33.3%のミルクチ
ョコレートを、基本区と同様に、一般的なチョコレート
の製法に従い、混合、微粒子化、精練、テンパリング、
成型の各工程を経て、以下のように製造した。
【0109】混合工程において、カカオマス555.0
g、ココアバター543.3g、全脂粉乳740.0
g、甘味料1665.0g、合計3503.3gの原料
を、約50〜60℃で20分間混合し、脂肪量29.5
%、水分1.1%のチョコレートペーストを得た。
【0110】そして、微粒子化工程において、3本ロー
ラーによる装置を用いて、1回目13分59秒、2回目
3分49秒、合計17分48秒間微粒子化し、チョコレ
ートマスを得た。
【0111】次に、精練工程において、上記で得たチョ
コレートマス2800.0gについて、ココアバター1
59.6g、レシチン11.8g、バニリン1.5gを
追加し、55℃にて16時間精練した。
【0112】精練後に、テンパリングを行い、成型する
ことで、脂肪量33.3%のミルクチョコレートを製造
した。
【0113】該ミルクチョコレートの物性は、粒度20
μm、粘度382.0pであり、色差はL値37.8、
a値12.5、b値22.7、WB値4.3であった。
【0114】本発明区4においては、脂肪量が34%、
35%、36%、37%、38%となるように、精練工
程においてココアバターの量を各々調整して追加したも
のについても、上記と他は同様の条件でミルクチョコレ
ートを製造した。
【0115】上記脂肪量の各ミルクチョコレートについ
て、粘度を測定したところ、脂肪量34%のものは31
1.0p、35%のものは239.0p、36%のもの
は188.0p、37%のものは138.0p、38%
のものは117.0pであった。
【0116】
【実施例5】
【0117】本発明区5として、A群糖質のマルチトー
ルにアマルティMR−50、B群糖質のキシリトールに
キシリットPを、80:20の配合割合で混合したもの
を甘味料として使用し、該甘味料を基本区における砂糖
の全量と同量置き換えて、脂肪量33.3%のミルクチ
ョコレートを、基本区と同様に、一般的なチョコレート
の製法に従い、混合、微粒子化、精練、テンパリング、
成型の各工程を経て、以下のように製造した。
【0118】混合工程において、カカオマス555.0
g、ココアバター619.2g、全脂粉乳740.0
g、甘味料1665.0g、合計3579.2gの原料
を、約50〜60℃で20分間混合し、脂肪量31.0
%、水分1.3%のチョコレートペーストを得た。
【0119】そして、微粒子化工程において、3本ロー
ラーによる装置を用いて、1回目12分29秒、2回目
4分07秒、合計16分36秒間微粒子化し、チョコレ
ートマスを得た。
【0120】次に、精練工程において、上記で得たチョ
コレートマス2800.0gについて、ココアバター9
6.6g、レシチン11.6g、バニリン1.5gを追
加し、55℃にて16時間精練した。
【0121】精練後に、テンパリングを行い、成型する
ことで、脂肪量33.3%のミルクチョコレートを製造
した。
【0122】該ミルクチョコレートの物性は、粒度30
μm、粘度354.0pであり、色差はL値37.7、
a値12.6、b値23.0、WB値4.2であった。
【0123】本発明区5においては、脂肪量が34%、
35%、36%、37%、38%となるように、精練工
程においてココアバターの量を各々調整して追加したも
のについても、上記と他は同様の条件でミルクチョコレ
ートを製造した。
【0124】上記脂肪量の各ミルクチョコレートについ
て、粘度を測定したところ、脂肪量34%のものは32
4.0p、35%のものは244.0p、36%のもの
は196.0p、37%のものは146.0p、38%
のものは116.0pであった。
【0125】
【実施例6】
【0126】本発明区6として、A群糖質のマルチトー
ルにアマルティMR−50、B群糖質のエリスリトール
に日研化学(株)のエリスリトールを、80:20の配合
割合で混合したものを甘味料として使用し、該甘味料を
基本区における砂糖の全量と同量置き換えて、脂肪量3
3.3%のミルクチョコレートを、基本区と同様に、一
般的なチョコレートの製法に従い、混合、微粒子化、精
練、テンパリング、成型の各工程を経て、以下のように
製造した。
【0127】混合工程において、カカオマス555.0
g、ココアバター620.0g、全脂粉乳740.0
g、甘味料1665.0g、合計3580.0gの原料
を、約50〜60℃で20分間混合し、脂肪量31.0
%、水分1.1%のチョコレートペーストを得た。
【0128】そして、微粒子化工程において、3本ロー
ラーによる装置を用いて、1回目11分44秒、2回目
4分26秒、合計16分10秒間微粒子化し、チョコレ
ートマスを得た。
【0129】次に、精練工程において、上記で得たチョ
コレートマス2800.0gについて、ココアバター9
6.5g、レシチン11.6g、バニリン1.4gを追
加し、55℃にて16時間精練した。
【0130】精練後に、テンパリングを行い、成型する
ことで、脂肪量33.3%のミルクチョコレートを製造
した。
【0131】該ミルクチョコレートの物性は、粒度33
μm、粘度294.0pであり、色差はL値38.8、
a値12.3、b値23.0、WB値4.3であった。
【0132】本発明区6においては、脂肪量が34%、
35%、36%、37%、38%となるように、精練工
程においてココアバターの量を各々調整して追加したも
のについても、上記と他は同様の条件でミルクチョコレ
ートを製造した。
【0133】上記脂肪量の各ミルクチョコレートについ
て、粘度を測定したところ、脂肪量34%のものは25
1.0p、35%のものは193.0p、36%のもの
は144.0p、37%のものは124.0p、38%
のものは109.0pであった。
【0134】
【実施例7】
【0135】本発明区7として、A群糖質のマルチトー
ルにアマルティMR−100、B群糖質のマルチトール
にレシスを、50:50の配合割合で混合したものを甘
味料として使用し、該甘味料を基本区における砂糖の全
量と同量置き換えて、脂肪量35.0%のミルクチョコ
レートを、基本区と同様に、一般的なチョコレートの製
法に従い、混合、微粒子化、精練、テンパリング、成型
の各工程を経て、以下のように製造した。
【0136】混合工程において、カカオマス555.0
g、ココアバター726.2g、全脂粉乳740.0
g、甘味料1665.0g、合計3586.2gの原料
を、約50〜60℃で20分間混合し、脂肪量33.0
%、水分1.1%のチョコレートペーストを得た。
【0137】そして、微粒子化工程において、3本ロー
ラーによる装置を用いて、1回目18分12秒、2回目
4分30秒、合計22分42秒間微粒子化し、チョコレ
ートマスを得た。
【0138】次に、精練工程において、上記で得たチョ
コレートマス2800.0gについて、ココアバター8
8.3g、レシチン11.5g、バニリン1.4gを追
加し、55℃にて16時間精練した。
【0139】精練後に、テンパリングを行い、成型する
ことで、脂肪量35.0%のミルクチョコレートを製造
した。
【0140】該ミルクチョコレートの物性は、粒度18
μm、粘度304.5pであり、色差はL値40.0、
a値12.8、b値22.6、WB値5.1であった。
【0141】本発明区7においては、脂肪量が36%、
37%、38%、39%、40%となるように、精練工
程においてココアバターの量を各々調整して追加したも
のについても、上記と他は同様の条件でミルクチョコレ
ートを製造した。
【0142】上記脂肪量の各ミルクチョコレートについ
て、粘度を測定したところ、脂肪量36%のものは24
8.0p、37%のものは194.0p、38%のもの
は160.0p、39%のものは128.0p、40%
のものは112.0pであった。
【0143】
【実施例8】
【0144】本発明区8として、A群糖質のマルチトー
ルにアマルティMR−100、B群糖質のマルチトール
にレシスを、80:20の配合割合で混合したものを甘
味料として使用し、該甘味料を基本区における砂糖の全
量と同量置き換えて、脂肪量36.0%のミルクチョコ
レートを、基本区と同様に、一般的なチョコレートの製
法に従い、混合、微粒子化、精練、テンパリング、成型
の各工程を経て、以下のように製造した。
【0145】混合工程において、カカオマス555.0
g、ココアバター844.6g、全脂粉乳740.0
g、甘味料1665.0g、合計3804.6gの原料
を、約50〜60℃で20分間混合し、脂肪量35.1
%、水分1.7%のチョコレートペーストを得た。
【0146】そして、微粒子化工程において、3本ロー
ラーによる装置を用いて、1回目18分04秒、2回目
5分38秒、合計23分42秒間微粒子化し、チョコレ
ートマスを得た。
【0147】次に、精練工程において、上記で得たチョ
コレートマス2800.0gについて、ココアバター3
9.4g、レシチン11.4g、バニリン1.4gを追
加し、55℃にて16時間精練した。
【0148】精練後に、テンパリングを行い、成型する
ことで、脂肪量36.0%のミルクチョコレートを製造
した。
【0149】該ミルクチョコレートの物性は、粒度24
μm、粘度284.0pであり、色差はL値40.6、
a値12.6、b値23.1、WB値5.2であった。
【0150】本発明区8においては、脂肪量が37%、
38%、39%、40%、41%となるように、精練工
程においてココアバターの量を各々調整して追加したも
のについても、上記と他は同様の条件でミルクチョコレ
ートを製造した。
【0151】上記脂肪量の各ミルクチョコレートについ
て、粘度を測定したところ、脂肪量37%のものは22
2.0p、38%のものは176.0p、39%のもの
は141.0p、40%のものは111.0p、41%
のものは93.0pであった。
【0152】
【実施例9】
【0153】本発明区9として、A群糖質のマルチトー
ルにアマルティMR−100、B群糖質のポリデキスト
ロースにライテスIIを、70:30の配合割合で混合し
たものを甘味料として使用し、該甘味料を基本区におけ
る砂糖の全量と同量置き換えて、脂肪量36.0%のミ
ルクチョコレートを、基本区と同様に、一般的なチョコ
レートの製法に従い、混合、微粒子化、精練、テンパリ
ング、成型の各工程を経て、以下のように製造した。
【0154】混合工程において、カカオマス555.0
g、ココアバター782.2g、全脂粉乳740.0
g、甘味料1665.0g、合計3742.2gの原料
を、約50〜60℃で20分間混合し、脂肪量34.0
%、水分2.1%のチョコレートペーストを得た。
【0155】そして、微粒子化工程において、3本ロー
ラーによる装置を用いて、1回目18分41秒、2回目
4分27秒、合計23分08秒間微粒子化し、チョコレ
ートマスを得た。
【0156】次に、精練工程において、上記で得たチョ
コレートマス2800.0gについて、ココアバター8
7.6g、レシチン11.6g、バニリン1.4gを追
加し、55℃にて16時間精練した。
【0157】精練後に、テンパリングを行い、成型する
ことで、脂肪量36.0%のミルクチョコレートを製造
した。
【0158】該ミルクチョコレートの物性は、粒度19
μm、粘度252.0pであり、色差はL値39.2、
a値12.8、b値22.6、WB値4.8であった。
【0159】本発明区9においては、脂肪量が37%、
38%、39%、40%となるように、精練工程におい
てココアバターの量を各々調整して追加したものについ
ても、上記と他は同様の条件でミルクチョコレートを製
造した。
【0160】上記脂肪量の各ミルクチョコレートについ
て、粘度を測定したところ、脂肪量37%のものは19
7.0p、38%のものは163.0p、39%のもの
は132.0p、40%のものは109.0pであっ
た。
【0161】
【実施例10】
【0162】本発明区10として、A群糖質のマルチト
ールにアマルティMR−100、B群糖質のキシリトー
ルにキシリットPを、50:50の配合割合で混合した
ものを甘味料として使用し、該甘味料を基本区における
砂糖の全量と同量置き換えて、脂肪量34.0%のミル
クチョコレートを、基本区と同様に、一般的なチョコレ
ートの製法に従い、混合、微粒子化、精練、テンパリン
グ、成型の各工程を経て、以下のように製造した。
【0163】混合工程において、カカオマス555.0
g、ココアバター698.8g、全脂粉乳740.0
g、甘味料1665.0g、合計3658.8gの原料
を、約50〜60℃で20分間混合し、脂肪量32.5
%、水分1.4%のチョコレートペーストを得た。
【0164】そして、微粒子化工程において、3本ロー
ラーによる装置を用いて、1回目15分36秒、2回目
4分56秒、合計20分32秒間微粒子化し、チョコレ
ートマスを得た。
【0165】次に、精練工程において、上記で得たチョ
コレートマス2800.0gについて、ココアバター6
3.6g、レシチン11.5g、バニリン1.4gを追
加し、55℃にて16時間精練した。
【0166】精練後に、テンパリングを行い、成型する
ことで、脂肪量34.0%のミルクチョコレートを製造
した。
【0167】該ミルクチョコレートの物性は、粒度24
μm、粘度276.0pであり、色差はL値35.7、
a値13.1、b値23.1、WB値3.6であった。
【0168】本発明区10においては、脂肪量が35
%、36%、37%、38%、39%となるように、精
練工程においてココアバターの量を各々調整して追加し
たものについても、上記と他は同様の条件でミルクチョ
コレートを製造した。
【0169】上記脂肪量の各ミルクチョコレートについ
て、粘度を測定したところ、脂肪量35%のものは22
3.0p、36%のものは172.0p、37%のもの
は136.0p、38%のものは109.0p、39%
のものは88.0pであった。
【0170】
【実施例11】
【0171】本発明区11として、A群糖質のマルチト
ールにアマルティMR−100、B群糖質のキシリトー
ルにキシリットPを、80:20の配合割合で混合した
ものを甘味料として使用し、該甘味料を基本区における
砂糖の全量と同量置き換えて、脂肪量36.0%のミル
クチョコレートを、基本区と同様に、一般的なチョコレ
ートの製法に従い、混合、微粒子化、精練、テンパリン
グ、成型の各工程を経て、以下のように製造した。
【0172】混合工程において、カカオマス555.0
g、ココアバター839.7g、全脂粉乳740.0
g、甘味料1665.0g、合計3799.7gの原料
を、約50〜60℃で20分間混合し、脂肪量35.0
%、水分1.2%のチョコレートペーストを得た。
【0173】そして、微粒子化工程において、3本ロー
ラーによる装置を用いて、1回目17分48秒、2回目
5分58秒、合計23分46秒間微粒子化し、チョコレ
ートマスを得た。
【0174】次に、精練工程において、上記で得たチョ
コレートマス2800.0gについて、ココアバター4
4.4g、レシチン11.4g、バニリン1.4gを追
加し、55℃にて16時間精練した。
【0175】精練後に、テンパリングを行い、成型する
ことで、脂肪量36.0%のミルクチョコレートを製造
した。
【0176】該ミルクチョコレートの物性は、粒度25
μm、粘度311.0pであり、色差はL値38.3、
a値12.5、b値23.7、WB値4.3であった。
【0177】本発明区11においては、脂肪量が37
%、38%、39%、40%となるように、精練工程に
おいてココアバターの量を各々調整して追加したものに
ついても、上記と他は同様の条件でミルクチョコレート
を製造した。
【0178】上記脂肪量の各ミルクチョコレートについ
て、粘度を測定したところ、脂肪量37%のものは23
7.0p、38%のものは183.0p、39%のもの
は141.0p、40%のものは109.0pであっ
た。
【0179】
【実施例12】
【0180】本発明区12として、A群糖質のラクチト
ールにラクチトール1水和物結晶であるミルヘン、B群
糖質のマルチトールにレシスを、50:50の配合割合
で混合したものを甘味料として使用し、該甘味料を基本
区における砂糖の全量と同量置き換えて、脂肪量33.
3%のミルクチョコレートを、基本区と同様に、一般的
なチョコレートの製法に従い、混合、微粒子化、精練、
テンパリング、成型の各工程を経て、以下のように製造
した。
【0181】混合工程において、カカオマス555.0
g、ココアバター594.7g、全脂粉乳740.0
g、甘味料1665.0g、合計3554.7gの原料
を、約50〜60℃で20分間混合し、脂肪量30.5
%、水分2.6%のチョコレートペーストを得た。
【0182】そして、微粒子化工程において、3本ロー
ラーによる装置を用いて、1回目19分04秒、2回目
3分47秒、合計22分51秒間微粒子化し、チョコレ
ートマスを得た。
【0183】次に、精練工程において、上記で得たチョ
コレートマス2800.0gについて、ココアバター1
16.8g、レシチン11.7g、バニリン1.5gを
追加し、55℃にて16時間精練した。
【0184】精練後に、テンパリングを行い、成型する
ことで、脂肪量33.3%のミルクチョコレートを製造
した。
【0185】該ミルクチョコレートの物性は、粒度14
μm、粘度428.0pであり、色差はL値38.8、
a値12.8、b値22.6、WB値4.7であった。
【0186】本発明区12においては、脂肪量が34
%、35%、36%、37%、38%となるように、精
練工程においてココアバターの量を各々調整して追加し
たものについても、上記と他は同様の条件でミルクチョ
コレートを製造した。
【0187】上記脂肪量の各ミルクチョコレートについ
て、粘度を測定したところ、脂肪量34%のものは34
1.0p、35%のものは270.0p、36%のもの
は217.0p、37%のものは175.0p、38%
のものは149.0pであった。
【0188】
【実施例13】
【0189】本発明区13として、A群糖質のラクチト
ールにラクチトール1水和物結晶であるミルヘン、B群
糖質のマルチトールにレシスを、80:20の配合割合
で混合したものを甘味料として使用し、該甘味料を基本
区における砂糖の全量と同量置き換えて、脂肪量33.
3%のミルクチョコレートを、基本区と同様に、一般的
なチョコレートの製法に従い、混合、微粒子化、精練、
テンパリング、成型の各工程を経て、以下のように製造
した。
【0190】混合工程において、カカオマス555.0
g、ココアバター619.4g、全脂粉乳740.0
g、甘味料1665.0g、合計3579.4gの原料
を、約50〜60℃で20分間混合し、脂肪量31.0
%、水分3.1%のチョコレートペーストを得た。
【0191】そして、微粒子化工程において、3本ロー
ラーによる装置を用いて、1回目17分22秒、2回目
3分58秒、合計21分20秒間微粒子化し、チョコレ
ートマスを得た。
【0192】次に、精練工程において、上記で得たチョ
コレートマス2800.0gについて、ココアバター9
6.8g、レシチン11.6g、バニリン1.5gを追
加し、55℃にて16時間精練した。
【0193】精練後に、テンパリングを行い、成型する
ことで、脂肪量33.3%のミルクチョコレートを製造
した。
【0194】該ミルクチョコレートの物性は、粒度16
μm、粘度401.0pであり、色差はL値37.5、
a値12.7、b値22.5、WB値4.3であった。
【0195】本発明区13においては、脂肪量が34
%、35%、36%、37%、38%となるように、精
練工程においてココアバターの量を各々調整して追加し
たものについても、上記と他は同様の条件でミルクチョ
コレートを製造した。
【0196】上記脂肪量の各ミルクチョコレートについ
て、粘度を測定したところ、脂肪量34%のものは33
9.0p、35%のものは267.0p、36%のもの
は213.0p、37%のものは177.0p、38%
のものは142.0pであった。
【0197】
【実施例14】
【0198】本発明区14として、A群糖質のラクチト
ールにラクチトール1水和物結晶であるミルヘン、B群
糖質のポリデキストロースにライテスIIを、70:30
の配合割合で混合したものを甘味料として使用し、該甘
味料を基本区における砂糖の全量と同量置き換えて、脂
肪量33.3%のミルクチョコレートを、基本区と同様
に、一般的なチョコレートの製法に従い、混合、微粒子
化、精練、テンパリング、成型の各工程を経て、以下の
ように製造した。
【0199】混合工程において、カカオマス555.0
g、ココアバター619.4g、全脂粉乳740.0
g、甘味料1665.0g、合計3579.4gの原料
を、約50〜60℃で20分間混合し、脂肪量31.0
%、水分3.2%のチョコレートペーストを得た。
【0200】そして、微粒子化工程において、3本ロー
ラーによる装置を用いて、1回目16分38秒、2回目
4分01秒、合計20分39秒間微粒子化し、チョコレ
ートマスを得た。
【0201】次に、精練工程において、上記で得たチョ
コレートマス2800.0gについて、ココアバター9
6.6g、レシチン11.6g、バニリン1.5gを追
加し、55℃にて16時間精練した。
【0202】精練後に、テンパリングを行い、成型する
ことで、脂肪量33.3%のミルクチョコレートを製造
した。
【0203】該ミルクチョコレートの物性は、粒度18
μm、粘度377.0pであり、色差はL値35.4、
a値12.9、b値22.5、WB値3.6であった。
【0204】本発明区14においては、脂肪量が34
%、35%、36%、37%、38%となるように、精
練工程においてココアバターの量を各々調整して追加し
たものについても、上記と他は同様の条件でミルクチョ
コレートを製造した。
【0205】上記脂肪量の各ミルクチョコレートについ
て、粘度を測定したところ、脂肪量34%のものは31
7.0p、35%のものは239.0p、36%のもの
は195.0p、37%のものは158.0p、38%
のものは128.0pであった。
【0206】
【実施例15】
【0207】本発明区15として、A群糖質の還元イソ
マルチュロースに粉末パラチニットPNP、B群糖質の
マルチトールにレシスを、80:20の配合割合で混合
したものを甘味料として使用し、該甘味料を基本区にお
ける砂糖の全量と同量置き換えて、脂肪量33.3%の
ミルクチョコレートを、基本区と同様に、一般的なチョ
コレートの製法に従い、混合、微粒子化、精練、テンパ
リング、成型の各工程を経て、以下のように製造した。
【0208】混合工程において、カカオマス555.0
g、ココアバター619.5g、全脂粉乳740.0
g、甘味料1665.0g、合計3579.5gの原料
を、約50〜60℃で20分間混合し、脂肪量31.0
%、水分3.0%のチョコレートペーストを得た。
【0209】そして、微粒子化工程において、3本ロー
ラーによる装置を用いて、1回目11分19秒、2回目
4分53秒、合計16分12秒間微粒子化し、チョコレ
ートマスを得た。
【0210】次に、精練工程において、上記で得たチョ
コレートマス2800.0gについて、ココアバター9
6.7g、レシチン11.6g、バニリン1.4gを追
加し、55℃にて16時間精練した。
【0211】精練後に、テンパリングを行い、成型する
ことで、脂肪量33.3%のミルクチョコレートを製造
した。
【0212】該ミルクチョコレートの物性は、粒度27
μm、粘度260.0pであり、色差はL値34.9、
a値12.6、b値22.3、WB値3.5であった。
【0213】本発明区15においては、脂肪量が34
%、35%、36%、37%、38%となるように、精
練工程においてココアバターの量を各々調整して追加し
たものについても、上記と他は同様の条件でミルクチョ
コレートを製造した。
【0214】上記脂肪量の各ミルクチョコレートについ
て、粘度を測定したところ、脂肪量34%のものは23
2.0p、35%のものは182.0p、36%のもの
は138.0p、37%のものは114.0p、38%
のものは102.0pであった。
【0215】
【比較例1】
【0216】対照区1として、アマルティMR−50を
単独で甘味料として使用し、該甘味料を基本区における
砂糖の全量と同量置き換えて、脂肪量37.0%のミル
クチョコレートを、基本区と同様に、一般的なチョコレ
ートの製法に従い、混合、微粒子化、精練、テンパリン
グ、成型の各工程を経て、以下のように製造した。
【0217】混合工程において、カカオマス555.0
g、ココアバター671.8g、全脂粉乳740.0
g、甘味料1665.0g、合計3631.8gの原料
を、約50〜60℃で20分間混合し、脂肪量32.0
%、水分1.9%のチョコレートペーストを得た。
【0218】そして、微粒子化工程において、3本ロー
ラーによる装置を用いて、1回目13分22秒、2回目
4分10秒、合計17分32秒間微粒子化し、チョコレ
ートマスを得た。
【0219】次に、精練工程において、上記で得たチョ
コレートマス2800.0gについて、ココアバター2
22.1g、レシチン12.1g、バニリン1.5gを
追加し、55℃にて16時間精練した。
【0220】精練後に、テンパリングを行い、成型する
ことで、脂肪量37.0%のミルクチョコレートを製造
した。
【0221】該ミルクチョコレートの物性は、粒度30
μm、粘度324.0pであり、色差はL値41.1、
a値12.5、b値23.3、WB値5.3であった。
【0222】本対照区1においては、脂肪量が38%、
39%、40%、41%、42%となるように、精練工
程においてココアバターの量を各々調整して追加したも
のについても、上記と他は同様の条件でミルクチョコレ
ートを製造した。
【0223】上記脂肪量の各ミルクチョコレートについ
て、粘度を測定したところ、脂肪量38%のものは24
6.0p、39%のものは191.0p、40%のもの
は153.0p、41%のものは119.0p、42%
のものは99.0pであった。
【0224】
【比較例2】
【0225】対照区2として、アマルティMR−100
を単独で甘味料として使用し、該甘味料を基本区におけ
る砂糖の全量と同量置き換えて、脂肪量38.0%のミ
ルクチョコレートを、基本区と同様に、一般的なチョコ
レートの製法に従い、混合、微粒子化、精練、テンパリ
ング、成型の各工程を経て、以下のように製造した。
【0226】混合工程において、カカオマス525.0
g、ココアバター687.9g、全脂粉乳700.0
g、甘味料1575.0g、合計3487.9gの原料
を、約50〜60℃で20分間混合し、脂肪量33.0
%、水分2.1%のチョコレートペーストを得た。
【0227】そして、微粒子化工程において、3本ロー
ラーによる装置を用いて、1回目21分31秒、2回目
4分49秒、合計26分20秒間微粒子化し、チョコレ
ートマスを得た。
【0228】次に、精練工程において、上記で得たチョ
コレートマス2800.0gについて、ココアバター2
26.0g、レシチン12.1g、バニリン1.5gを
追加し、55℃にて16時間精練した。
【0229】精練後に、テンパリングを行い、成型する
ことで、脂肪量38.0%のミルクチョコレートを製造
した。
【0230】該ミルクチョコレートの物性は、粒度30
μm、粘度272.0pであり、色差はL値42.4、
a値12.3、b値22.2、WB値6.1であった。
【0231】本対照区2においては、脂肪量が39%、
40%、41%、42%となるように、精練工程におい
てココアバターの量を各々調整して追加したものについ
ても、上記と他は同様の条件でミルクチョコレートを製
造した。
【0232】上記脂肪量の各ミルクチョコレートについ
て、粘度を測定したところ、脂肪量39%のものは21
5.0p、40%のものは163.0p、41%のもの
は137.0p、42%のものは114.0pであっ
た。
【0233】
【比較例3】
【0234】対照区3として、ラクチトール1水和物結
晶であるミルヘンを単独で甘味料として使用し、該甘味
料を基本区における砂糖の全量と同量置き換えて、脂肪
量35.0%のミルクチョコレートを、基本区と同様
に、一般的なチョコレートの製法に従い、混合、微粒子
化、精練、テンパリング、成型の各工程を経て、以下の
ように製造した。
【0235】混合工程において、カカオマス555.0
g、ココアバター726.1g、全脂粉乳740.0
g、甘味料1665.0g、合計3686.1gの原料
を、約50〜60℃で20分間混合し、脂肪量33.0
%、水分3.3%のチョコレートペーストを得た。
【0236】そして、微粒子化工程において、3本ロー
ラーによる装置を用いて、1回目19分00秒、2回目
4分14秒、合計23分14秒間微粒子化し、チョコレ
ートマスを得た。
【0237】次に、精練工程において、上記で得たチョ
コレートマス2800.0gについて、ココアバター8
7.3g、レシチン11.5g、バニリン1.4gを追
加し、55℃にて16時間精練した。
【0238】精練後に、テンパリングを行い、成型する
ことで、脂肪量35.0%のミルクチョコレートを製造
した。
【0239】該ミルクチョコレートの物性は、粒度16
μm、粘度332.0pであり、色差はL値37.0、
a値12.8、b値21.6、WB値4.3であった。
【0240】本対照区3においては、脂肪量が36%、
37%、38%、39%、40%となるように、精練工
程においてココアバターの量を各々調整して追加したも
のについても、上記と他は同様の条件でミルクチョコレ
ートを製造した。
【0241】上記脂肪量の各ミルクチョコレートについ
て、粘度を測定したところ、脂肪量36%のものは25
6.0p、37%のものは211.0p、38%のもの
は166.0p、39%のものは136.0p、40%
のものは117.0pであった。
【0242】
【比較例4】
【0243】対照区4として、ラクチトール1水和物結
晶であるミルヘンを乾燥して調製したラクチトール無水
物を単独で甘味料として使用し、該甘味料を基本区にお
ける砂糖の全量と同量置き換えて、脂肪量35.0%の
ミルクチョコレートを、基本区と同様に、一般的なチョ
コレートの製法に従い、混合、微粒子化、精練、テンパ
リング、成型の各工程を経て、以下のように製造した。
【0244】混合工程において、カカオマス555.0
g、ココアバター659.3g、全脂粉乳740.0
g、甘味料1665.0g、合計3619.3gの原料
を、約50〜60℃で20分間混合し、脂肪量31.8
%、水分1.3%のチョコレートペーストを得た。
【0245】そして、微粒子化工程において、3本ロー
ラーによる装置を用いて、1回目17分48秒、2回目
4分22秒、合計22分10秒間微粒子化し、チョコレ
ートマスを得た。
【0246】次に、精練工程において、上記で得たチョ
コレートマス2800.0gについて、ココアバター1
40.1g、レシチン11.7g、バニリン1.5gを
追加し、55℃にて16時間精練した。
【0247】精練後に、テンパリングを行い、成型する
ことで、脂肪量35.0%のミルクチョコレートを製造
した。
【0248】該ミルクチョコレートの物性は、粒度20
μm、粘度371.0pであり、色差はL値43.7、
a値11.8、b値21.7、WB値6.7であった。
【0249】
【比較例5】
【0250】対照区5として、粉末パラチニットPNP
を単独で甘味料として使用し、該甘味料を基本区におけ
る砂糖の全量と同量置き換えて、脂肪量34.0%のミ
ルクチョコレートを、基本区と同様に、一般的なチョコ
レートの製法に従い、混合、微粒子化、精練、テンパリ
ング、成型の各工程を経て、以下のように製造した。
【0251】混合工程において、カカオマス555.0
g、ココアバター698.7g、全脂粉乳740.0
g、甘味料1665.0g、合計3658.7gの原料
を、約50〜60℃で20分間混合し、脂肪量32.5
%、水分3.3%のチョコレートペーストを得た。
【0252】そして、微粒子化工程において、3本ロー
ラーによる装置を用いて、1回目11分38秒、2回目
5分05秒、合計16分43秒間微粒子化し、チョコレ
ートマスを得た。
【0253】次に、精練工程において、上記で得たチョ
コレートマス2800.0gについて、ココアバター6
3.7g、レシチン11.5g、バニリン1.4gを追
加し、55℃にて16時間精練した。
【0254】精練後に、テンパリングを行い、成型する
ことで、脂肪量34.0%のミルクチョコレートを製造
した。
【0255】該ミルクチョコレートの物性は、粒度26
μm、粘度282.0pであり、色差はL値34.6、
a値12.3、b値21.9、WB値3.5であった。
【0256】本対照区5においては、脂肪量が35%、
36%、37%、38%、39%となるように、精練工
程においてココアバターの量を各々調整して追加したも
のについても、上記と他は同様の条件でミルクチョコレ
ートを製造した。
【0257】上記脂肪量の各ミルクチョコレートについ
て、粘度を測定したところ、脂肪量35%のものは22
0.0p、36%のものは167.0p、37%のもの
は129.0p、38%のものは109.0p、39%
のものは89.0pであった。
【0258】
【結果の考察】
【0259】上記実施例及び比較例で測定した結果を、
下記の表2〜表5に示す。なお、表2及び表3は、各脂
肪量における粘度(p)を表したものであり、表4及び表
5は代表脂肪量における粒度(μm)、粘度(p)、色差
(L値,a値,b値,WB値)を表したものである。
【0260】
【表2】
【0261】
【表3】
【0262】
【表4】
【0263】
【表5】
【0264】上記表2〜表5を参照しながら、上記各例
中のデータ等について考察する。
【0265】ミルクチョコレート中の砂糖を同量のアマ
ルティMR−50、アマルティMR−100、ミルヘン
およびパラチニットに置き換えた対照区の場合には、砂
糖を使用した標準ミルクチョコレートと同程度の粘度を
得るには、ミルクチョコレート中の脂肪量を標準のミル
クチョコレートと比較して2〜4%も追加しなければな
らないことが確認された。
【0266】しかし、A群糖質とB群糖質の混合物で砂
糖を代替した本発明区の場合には、この脂肪量の追加を
減少させるかまたは砂糖使用の場合と同程度の粘度に調
整することができることが確認された。しかも、A群糖
質とB群糖質の混合物を使用する効果は相乗的であるこ
とが確認された。
【0267】特に、アマルティMR−50とキシリット
Pとの混合物を甘味料とした発明区は、本発明の効果が
顕著であり、アマルティMR−50の20%をキシリト
ールで置き換えるのみで、砂糖を使用したミルクチョコ
レートと同等の脂肪含量のミルクチョコレートを調製す
ることができた。
【0268】また、A群糖質としてアマルティMR−5
0を使用した場合、微粒子化の所要時間を短縮すること
ができた。その効果は、アマルティMR−50とレシス
の混合物を使用したときに顕著であった。
【0269】甘味料中のアマルティMR−50の比率が
高いほどチョコレートはやや白いものとなったが、B群
糖質を混合することにより標準の砂糖使用ミルクチョコ
レートの色に近づいた。
【0270】甘味料としてアマルティMR−100を単
独で使用した場合は、微粒子化工程でチョコレートマス
がロール上で滑ってしまい、通常より長い微粒子化工程
時間が必要であったが、B群糖質を混合して用いること
で、その時間を短縮することができた。
【0271】甘味料としてラクチトールを単独で使用し
た場合も、アマルティMR−100を単独で使用した場
合と同様に、通常より長い微粒子化工程時間が必要であ
ったが、B群糖質を混合して用いることで、その時間を
短縮することができた。
【0272】また、甘味料としてラクチトール1水和物
を使用した場合とラクチトール無水物を使用した場合の
ミルクチョコレートに何ら差はみとめられなかった。
【0273】甘味料としてパラチニットを単独で使用し
た場合は、混合工程で多くの脂肪量を必要とした。しか
し、パラチニットに20%のレシスを混合することによ
り、砂糖を使用した標準ミルクチョコレートとほぼ同様
の製造条件でミルクチョコレートを製造することができ
た。
【0274】
【発明の効果】
【0275】本発明によると、砂糖の代わりに甘味料と
して糖アルコールを用いてチョコレートを調製する際で
も、通常より多くの脂肪添加を必要としない。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マルチトール純度が88重量%以上かつ
    96.5重量%以下のマルチトール、ラクチトール及び
    還元イソマルチュロースからなるA群糖質より選択され
    た少なくとも一つの糖質と、マルチトール純度が96.
    5重量%を越え、好ましくは98重量%以上のマルチト
    ール、ポリデキストロース、キシリトール及びエリスリ
    トールからなるB群糖質から選択された少なくとも一つ
    の糖質の混合物を甘味料として使用するチョコレートの
    製造方法。
  2. 【請求項2】 ラクチトールが、ラクチトール無水物結
    晶またはラクチトール1水和物結晶である請求項1に記
    載のチョコレートの製造方法。
  3. 【請求項3】 A群糖質とB群糖質の混合比率が、9
    5:5〜40:60の混合物を甘味料として使用する、
    請求項1または2に記載のチョコレートの製造方法。
  4. 【請求項4】 チョコレートがミルクチョコレートであ
    る、請求項1〜3の何れか一つに記載のチョコレートの
    製造方法。
  5. 【請求項5】 マルチトール純度が88重量%以上かつ
    96.5重量%以下のマルチトール、ラクチトール及び
    還元イソマルチュロースからなるA群糖質より選択され
    た少なくとも一つの糖質と、マルチトール純度が96.
    5重量%を越え、好ましくは98重量%以上のマルチト
    ール、ポリデキストロース、キシリトール及びエリスリ
    トールからなるB群糖質から選択された少なくとも一つ
    の糖質の混合物を甘味料として使用したチョコレート。
  6. 【請求項6】 ラクチトールが、ラクチトール無水物結
    晶またはラクチトール1水和物結晶である請求項5に記
    載のチョコレート。
  7. 【請求項7】 A群糖質とB群糖質の混合比率が、9
    5:5〜40:60の混合物を甘味料として使用した、
    請求項5または6に記載のチョコレート。
  8. 【請求項8】 チョコレートがミルクチョコレートであ
    る、請求項5〜7の何れか一つに記載のチョコレート。
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