JPH056004B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明はオーバーヘツドバルブ内燃機関に用
いる油圧式弁間隙調整装置に関する。

オーバーヘツドバルブ内燃機関に用いられる油
圧式弁間隙調整装置において、該装置の組立時あ
るいはエンジン始動転時に該装置の高圧室に空気
がはいり込んだ場合間隙調整機能が阻害されるこ
とは良く知られている。

この発明はこのような従来の問題点に着目して
なされたもので、油圧式弁間隙調整装置の外部よ
りリザーバ室を通つて高圧室のチエツク弁に達す
る心棒を備えることにより、高圧室に空気が入り
込んだ場合、前記心棒を手動で押してチエツク弁
を開くことにより、速かに高圧室の空気を排出さ
せることができるようにした油圧式弁間隙調整装
置を提供するにある。

以下、この発明の実施例を図面に基づいて説明
する。まず第１図に示すこの発明の実施例では、
油圧式弁間調整装置はロツカーアーム２に嵌入取
付られた下端開放の円筒形ボデイ５、ボデイ内に
摺動自在に嵌入された上端開放の円筒形プランジ
ヤ６およびプランジヤ内周に嵌入された底壁にオ
リフイス７′をもつ円筒形インナプランジヤ７を
包含する。インナプランジヤにはその底壁の下
に、オリフイス７′と協働するチエツクボール１
０、リリーフスプリング１１、リテーナ１２より
なるチエツク弁が取付られ、インナプランジヤ７
とプランジヤ６とで高圧室１５が形成されこの高
圧室１５内で両プランジヤ間にリターンスプリン
グ１３が備えられる。インナプランジヤ７とボデ
イ５の頂壁との間にリザーバ室１４が形成され、
ボデイ５の頂壁に設けられた穴１８と協働する平
板１７が固定された芯棒１６がリザーバ室１４内
でオリフイス７′に向つて下方に延び又、穴１８
を通して上方に延びている。

リザーバ室には、ロツカーアームの湯通路３、
ボデイ５の油供給穴８、インナプランジヤ７の上
端の油供給スリツト９を通つて油が供給される。

第２図は本発明の他の実施例を示し、この例で
は、端子開放の円筒形プランジヤ６と底壁にオリ
フイス７′をもつ円筒形インナプランジヤ７とを
円筒形ボデイ５内に対向して摺動自在に嵌入させ
て成る。平板１７を備えた芯棒１６は、チエツク
弁のチエツクボール１０に隣接する下方部分に、
インナプランジヤ７の底壁の傾斜上面に相応する
傾斜下面をもつ十字形ウトツパ１９を備えてい
る。他の構成は実質的に第１図に示す態様の場合
と同様である。

次に本発明による油圧式弁間隙調整装置の作用
について説明する。

カム１の回転に従つて今高圧室１５およびリザ
ーバ室１４が油で満されているものと仮定する
と、ロツカーアームを介してバルブ４が開くと、
バルブスプリングよりプランジヤ６に力が伝わ
り、高圧室１５に高圧が発生する。この際プラン
ジヤとインナプランジヤとの間の隙間（第１図の
場合）より、或はボデイとプランジヤとの間の隙
間（第２図の場合）によりわずかに油が流れその
分プランジヤ６はボデイ５およびインナプランジ
ヤ７に対してわずかに変位する。次にバルブが閉
じられると、リターンスプリング１３によつてプ
ランジヤ６はバルブに押しつけられ、動弁系のク
リアランスは常に零に保たれる。この際高圧室１
５はリザーバ室１４に対し負圧になり、油はチエ
ツク弁を通つて高圧室１５へ流れ込む。

エンジンが始動すると同時に油回路に油圧が発
生し、油通路３，８，９を通つてリザーバ室１４
へ油が供給される。この際芯棒１６に取付られた
平板１７は圧力によつてリザーバ室の上方へボデ
イ５の頂壁に向つて押し付けられ穴１８よりの油
のもれ量を制限する。リザーバ室には何らかの原
因により、空気が入り込む場合があるが、この空
気は、平板とボデイの頂壁との隙間、および穴１
８と芯棒との隙間を通つて外部へ排出されるの
で、リザーバ室内空気の増加を防ぐことができ
る。この芯棒の動きにより芯棒の先端はチエツク
弁より離される。

高圧室１５に何らかの原因で気泡がはいり込む
と弁間隙調整機能が阻害される。この時プランジ
ヤ６に荷重を加えながら外部より芯棒１６を押す
とチエツク弁は開き、気泡はチエツク弁を流れる
油とともに高圧室の外部へ抜け出てリザーバ室１
４の上部へ浮上する。第２図の態様において、十
字形ストツパ１９は、芯棒１６を押してチエツク
弁を開放するとき、プランジヤの底壁の傾斜面に
当つてチエツク弁の押し量を制限する。

而して本発明によれば、外部からチエツク弁を
操作してこれを開放することができるため、弁間
隙調整機能を阻害する高圧室内の気泡を容易に流
出させることができる特長がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による油圧式弁間隙調整装置の
一実施例を示す断面図である。第２図は他の実施
例を示す第１図と同様な断面図である。 ５……ボデイ、６……プランジヤ、７……イン
ナプランジヤ、１４……リザーバ室、１５……高
圧室、７′……オリフイス、１６……芯棒、１７
……平板、１８……穴。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ オーバーヘツドバルブ内燃機関に用いられる
   油圧式弁間隙調整装置において、インナプランジ
   ヤとともにリザーバ室を構成するボデイの頂壁に
   外部へ導通する穴を設け、インナプランジヤおよ
   びプランジヤ間に構成された高圧室内にあつて、
   前記インナプランジヤの底壁に設けられたオリフ
   イスと協働するチエツク弁を備え、前記導通穴を
   貫いてリザーバ室、オリフイスを通つてチエツク
   弁に達し、ボデイの頂壁に近い所に、前記穴と協
   働する平板を取付けた芯棒を設け、これをリザー
   バ室に対し軸方向に移動させてチエツク弁を開閉
   し得るようにしたことを特徴とする油圧式弁間隙
   調整装置。 ２ 下端開放の円筒形ボデイの内周に上端開放の
   円筒形プランジヤを摺動自在に嵌入し、該プラン
   ジヤに、底壁にオリフイスを備えた上端開放のイ
   ンナプランジヤを嵌入し、該インナプランジヤと
   前記ボデイの頂壁とでリザーバ室を形成したこと
   を特徴とする特許請求の範囲第１項に記載の油圧
   式弁間隙調整装置。 ３ 下端開放の円筒形ボデイの内周に上端開放の
   円筒形インナプランジヤを嵌入し、上端開放のプ
   ランジヤをインナプランジヤと対向させて前記ボ
   デイの内周に摺動自在に嵌入し、前記ボデイの頂
   壁と前記インナプランジヤとでリザーバ室を形成
   する特許請求の範囲第１項に記載の油圧式弁間隙
   調整装置。 ４ 芯棒はチエツク弁に近い部分にチエツク弁を
   押す量を制限するストツパを備えている特許請求
   の範囲第１項に記載の油圧式弁間隙調整装置。