JPH0415926Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、ダイレクトタイプの油圧式バルブラ
ツシユアジヤスタに関する。

従来の技術 油圧式バルブラツシユアジヤスタは、動弁系の
隙間を補正するためにソリツドタイプのタペツト
に代わつて用いられている。この種の油圧式バル
ブラツシユアジヤスタは、シリンダヘツドに嵌入
され、頂部がカム３に接し、カムの作用を油圧的
にバルブに伝達するようになつている。

考案が解決しようとする問題点 この油圧式バルブラツシユアジヤスタは機能的
には優れているが、ソリツドタイプのペツトと比
較して、構造が複雑であり、動弁系の重量が増加
するという欠点があり、この欠点の改善に向けら
れた要望が強い。

本考案は、部品点数の少ない、構造の単純な軽
量のダイレクトタイプの油圧式バルブラツシユア
ジヤスタを提供することを目的としている。

問題点を解決するための手段 本考案はこの目的を達成するために、エンジン
のシリンダヘツドのボアに摺動自在に嵌入された
有底円筒のアジヤスタボデイと、内部がオリフイ
ス付壁で仕切られ、頂端面がアジヤスタボデイの
頂壁の下面に当接するようになつた円筒状のアジ
ヤスタ要素と、アジヤスタ要素の下内部に摺動自
在に嵌入されたバルブの軸とからなり、アジヤス
タ要素の上内部にはアジヤスタボデイの頂壁の下
面と共にリザーバ室が形成され、アジヤスタ要素
の下内部にはバルブの軸端とともに高圧室が形成
され、かつリザーバ室から高圧室の方にのみ油の
流れを許すチエツク弁が配置され、アジヤスタ要
素のオリイス付壁とバルブの軸端との間にリター
ンスプリングを配してなることを特徴とする。

実施例 今本考案の実施例を添付図面を参照して一層詳
細に説明する。

添付図面において、本考案の油圧式バルブラツ
シユアジヤスタは、シリンダヘツド１のボアに摺
動自在に嵌入された有底円筒のアジヤスタボデイ
２を有し、アジヤスタボデイ２は、頂部がカム３
に接し、カム３の回転に従つて上下に作動する。
円筒状アジヤスタ要素４がアジヤスタボデイ２内
に位置してその頂壁下面に当接するようになつて
いる。アジヤスタ要素４の内部はオリフイス付壁
で上内部と下内部とに仕切られ、下内部にはバル
ブの軸５が摺動自在に嵌入されている。アジヤス
タ要素の上内部はアジヤスタボデイ２の頂壁の下
面と共にリザーバ室６を形成し、リザーバ室６は
アジヤスタボデイの壁内に形成された油通路７，
８を介して、アジヤスタボデイの外周面に形成さ
れた環状油溝９と連通し、この環状油溝はシリン
ダヘツドの油回路１０と連通している。アジヤス
タ要素の上端面には、リザーバ室６に供給された
油のうち不要な分を排出するために、極浅い油排
出溝１１が１つまたは複数個設けられている。ア
ジヤスタ要素の下内部には、オリフイス付壁とバ
ルブ軸端との間に高圧室１２が形成され、リザー
バ室６と高圧室１２とはチエツク弁１３を介して
互いに連通している。オリフイス付壁とバルブ軸
端との間には、またリターンスプリング１４が配
置されている。バルブスプリング１５が、バルブ
の軸５にコツタで固定されたスプリング受け１６
と当接している。

この油圧式バルブラツシユアジヤスタは次のよ
うに作動する。カム３の回転に従つて油圧式バル
ブラツシユアジヤスタを介してエンジンのバルブ
が開かれる。バルブの開放中、バルブは圧縮され
たバルブスプリング１５の荷重による反力を受け
るから、バルブの軸端により高圧室１２に高圧が
発生し、この高圧室１２の油の一部は、アジヤス
タ要素４とバルブの軸５との間に隙間より漏れ出
し、その分、アジヤスタ要素４とバルブとの間に
僅かな相対的変位が生じる。

次いで、バルブが閉じると、リターンスプリン
グ１４の働きにより、アジヤスタ要素４に復帰力
が作用してアジヤスタ要素４は上方へ変位し、高
圧室１２に負圧が発生してチエツク弁が開き、リ
ザーバ室６より高圧室１２に油が流れ込み、リザ
ーバ室６には、油通路７，８より油が供給され
る。リザーバ室６に流入する油の一部は油排出溝
１１から外部へ流出する。この時リザーバ室内で
蓄積しそうになる油中気泡が油と一緒に排出され
るので、空気が高圧室１２に吸い込まれることが
ない。

考案の効果 本考案により油圧式バルブラツシユアジヤスタ
では、バルブの軸部をアジヤスタ要素の下内部に
嵌入させてアジヤスタのプランジヤとして利用す
るものであるから、構造が頗る簡単になり、重量
も著しく軽減される。

【図面の簡単な説明】

添付図面は本考案による油圧式バルブラツシユ
アジヤスタの断面図である。 １……シリンダヘツド、２……アジヤスタボデ
イ、４……アジヤスタ要素、５……バルブの軸、
６……リザーバ室、１２……高圧室、１３……チ
エツク弁、１４……リターンスブリング。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. エンジンのシリンダヘツドのボアに摺動自在に
   嵌入された有底円筒のアジヤスタボデイと、内部
   がオリフイス付壁で仕切られ、頂端面がアジヤス
   タボデイの頂壁の下面に当接するようになつた円
   筒状のアジヤスタ要素と、アジヤスタ要素の下内
   部に摺動自在に嵌入されたバルブの軸とからな
   り、アジヤスタ要素の上内部にはアジヤスタボデ
   イの頂壁の下面と共にリザーバ室が形成され、ア
   ジヤスタ要素の下内部にはバルブの軸端とともに
   高圧室が形成され、かつリザーバ室から高圧室の
   方にのみ油の流れを許すチエツク弁が配置され、
   アジヤスタ要素のオリイス付壁とバルブの軸端と
   の間にリターンスプリングを配してなることを特
   徴とするダイレクトタイプの油圧式バルブラツシ
   ユアジヤスタ。