JPH0415927Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、ダイレクトタイプの油圧式バルブラ
ツシユアジヤスタに関する。

従来の技術 油圧式バルブラツシユアジヤスタは、動弁系の
隙間を補正するためにソリツドタイプのタペツト
に代わつて用いられている。この種の油圧式バル
ブラツシユアジヤスタにおいては、第１図に示す
ように、有底円筒のアジヤスタボデイ１がシリン
ダヘツド２に嵌入され、頂部がカム３に接する。
アジヤスタボデイ１はその内周面から水平にのび
る壁４に形成されたシリンダ部材５を有し、シリ
ンダ部材５にはアウタプランジヤ６が摺動自在に
嵌入されており、このアウタプランジヤ６には更
にインナプランジヤ７が嵌入されている。アウタ
プランジヤ６にはシリンダ部材５からの抜け出し
を防ぐためにＯリング８が設けてある。アジヤス
タボデイ１内の油導入室９は、アジヤスタボデイ
１の外周面に形成された環状油供給溝１０および
油供給孔１１を介してシリンダヘツド２の油回路
１２と連通している。

インナプランジヤ７の内部に形成されたリザー
バ室１３はアジヤスタボデイ１の頂壁内面に形成
された油供給溝１４を介して油導入室９と連通
し、またチエツク弁１５を介して、アウタプラン
ジヤ６とインナプランジヤ７とで構成された高圧
室１６と連通している。高圧室１６内においてア
ウタプランジヤ６とインナプランジヤ７との間に
はリターンスプリング１７が設けられている。１
８はバルブの軸であつて、軸端がアウタプランジ
ヤ６の下面に当接している。１９はコツタでバル
ブの軸１８に固定されたスプリング受けであり、
バルブスプリング２０はこのスプリング受け１９
に当接してバルブを上方に押している。

考案が解決しようとする問題点 この油圧式バルブラツシユアジヤスタでは、内
部に油導入室を形成する構成であるために、全体
として重量が増加し、またバルブスプリングの設
置位置との関係から動弁系の高さ、ひいてはエン
ジン全体の高さが高くなるという欠点があつた。

本考案は、これらの問題点を解決し、しかも従
来のものよりももつと構造が簡単なダイレクトタ
イプの油圧式バルブラツシユアジヤスタを提供す
ることを目的としている。

問題点を解決するための手段 本考案はこの目的を達成するために、エンジン
のシリンダヘツドのボアに摺動自在に嵌入された
アジヤスタボデイと、バブルの軸にコツタで固定
されかつバルブスプリングを受けるフランジを備
えたシリンダ部材と、このシリンダ部材のシリン
ダボアに摺動自在に嵌入され、上端面がアジヤス
タボデイの頂壁下面に当接して内部にリザーバ室
を形成しているプランジヤと、シリンダボアの下
部においてシリンダ部材に固定された底板とプラ
ンジヤとの間に形成された高圧室と、リザーバ室
から高圧室へ油の流れを許すチエツク弁と、高圧
室内においてプランジヤと底板との間に配置され
たリターンスプリングとからなることを特徴とす
るダイレクトタイプの油圧式バルブラツシユアジ
ヤスタを提供する。この構成では、バルブスプリ
ングの上端をカムシヤフトに近い位置に設置でき
るから、その分、動弁系の高さ、ひいてはエンジ
ンの全体の高さを低くすることができ、しかも構
造が簡単になり、重量も大幅に軽減される。

実施例 今、本考案の実施例を添付図面を参照して一層
詳細に説明する。

図面の第２図は、本考案に従つて構成された油
圧式バルブラツシユアジヤスタを示している。ア
ジヤスタボデイ１はシリンダヘツド２のボアに嵌
入され、頂部がカム３に接し、カム３の回転に従
つて上下に作動する。バルブの軸４には、内部に
シリンダボア５を有するシリンダ部材６がコツタ
で固定されており、シリンダ部材６はバルブスプ
リング７を受ける外方に水平に延びたフランジ８
を備えている。シリンダ部材６のシリンダボア５
にはプランジヤ９が摺動自在に嵌入されており、
このプランジヤ９はその上端面がアジヤスタボデ
イ１の頂壁下面に当接して内部にリザーバ室１０
を形成している。リザーバ室１０は、アジヤスタ
ボデイ１の周壁および頂壁内に形成されている油
通路１１，１２を介してアジヤスタボデイ１の外
周面に形成された環状油供給溝１３と連通し、こ
の環状油供給溝１３はシリンダヘツド２の油回路
１４と連通している。プランジヤ９がアジヤスタ
ボデイ１の頂壁下面に当接している結果、油通路
１１，１２を通してリザーバ室１０に供給された
油のうち不要な分を外部に排出するために、極浅
い油排出溝１５がプランジヤ９の頂端面に１つ乃
至複数個設けてある。シリンダボア５の下部にお
いて、シリンダ部材６には底板１６が液密に固定
され、この底板１６とプランジヤ９との間には高
圧室１７が形成される。高圧室１７はプランジヤ
９の内部に形成されたリザーバ室１０と、プラン
ジヤ９の下面に位置したチエツク弁１８を介して
連通している。高圧室１７内においてプランジヤ
９と底板１６との間にはリターンスプリング１９
が設けられている。

この油圧式バルブラツシユアジヤスタは次のよ
うに作動する。エンジンのバルブはカム３の回転
に従つて油圧式バルブラツシユアジヤスタを介し
て開かれる。バルブの開放中、圧縮されたバルブ
スプリング７の荷重によりその反力がシリンダ部
材６に伝えられ、高圧室１７に高圧が発生する。
高圧室１７内の油の一部はシリンダボア５とプラ
ンジヤ９との間の隙間より漏れだし、その分シリ
ンダ部材６はプランジヤ９に対して僅かに変位
（図面で見て上方に）する。次いで、バルブが閉
じると、リターンスプリング１９の働きにより、
シリンダ部材６に戻り力が加わつて下方に変位
し、高圧室１７に負圧が生じてチエツク弁１８が
開き、リザーバ室１０より高圧室１５に油が流れ
込み、一方リザーバ室には油通路１１，１２より
油が補給される。リザーバ室１０に流入する油の
一部は油排出溝１５から外部へ流出する。この時
リザーバ室内で蓄積しそうになる油中気泡が油と
一緒に排出されるので、空気が高圧室１７に吸い
込まれることがない。

考案の効果 本考案によれば、プランジヤを受け入れるシリ
ンダ部材をバルブの軸に固定されたから、在来の
ものに較べてアジヤスタの構造が著しく単純にな
り更に、油導入室が形成されないため重量の軽減
をはかることができる。また、バルブスプリング
の上端をカムシヤフトに近い位置に設定できるの
で、その分動弁系の高さ、ひいてはエンジンの全
体の高さを低くすることが可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の油圧式バルブラツシユアジヤス
タの断面図、第２図は本考案による油圧式バルブ
ラツシユアジヤスタの断面図である。 １……アジヤスタボデイ、２……シリンダヘツ
ド、４……バルブの軸、５……シリンダボア、６
……シリンダ部材、７……バルブスプリング、８
……フランジ、９……プランジヤ、１０……リザ
ーバ室、１７……高圧室、１８……チエツク弁、
１９……リターンスプリング。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. エンジンのシリンダヘツドのボアに摺動自在に
   嵌入されたアジヤスタボデイと、バルブの軸にコ
   ツタで固定されかつバルブスプリングを受けるフ
   ランジを備えたシリンダ部材と、このシリンダ部
   材のシリンダボアに摺動自在に嵌入され、上端面
   がアジヤスタボデイの頂壁下面に当接して内部に
   リザーバ室を形成しているプランジヤと、シリン
   ダボアの下部においてシリンダ部材に固定された
   底板とプランジヤとの間に形成された高圧室と、
   リザーバ室から高圧室へ油の流れを許すチエツク
   弁と、高圧室内においてプランジヤと底板との間
   に配置されたリターンスプリングとからなること
   を特徴とするダイレクトタイプの油圧式バルブラ
   ツシユアジヤスタ。