JPH0555085B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、田植機等に取り付けて使用する施
肥装置に関するものである。

田植と同時に施肥を行なう場合があるので、田
植機等に容易に着脱することのできる施肥装置が
あれば便利である。

本発明は、構造が簡単で田植機等への取付け、
取外しが容易な施肥装置を提供することを目的と
するもので、本発明にかかる施肥装置は、一端部
が圃場の施肥位置に臨む搬送管内へ肥料を適宜繰
り出す複数個の繰出装置と、送風機からのエアを
一時的に貯めて前記各搬送管内へ肥料圧送用のエ
アを供給するエアタンクを一体に組み付けてな
る。

以下、図面にあらわされた実施例について説明
する。第１図は本発明にかかる施肥装置を装着し
た乗用田植機の側面図、第２図はその平面図、第
３図はその部分図、第４図は施肥装置の側面図、
第５図はその背面図、および第６図はその一部省
略の平面図である。施肥装置１は、田植機２の機
体前下部から前方に突設した施肥装置支持材３に
取り付けられている。田植機２は、ミツシヨンケ
ース５の前部にエンジンが設置され、ミツシヨン
ケース５の左右両側には後方へ突出するチエーン
ケース６が設けられている。チエーンケース６の
後端部には駆動軸７よりチエーンケースによつて
駆動される後輪８が軸支されており、機体の前部
には前輪９が変向可能に設けられている。エンジ
ンはボンネツト１０によつて覆われ、機体の外周
部にはステツプ部材１１が設けられている。運転
座席１２は平面視コ型のシートフレーム１３によ
つて後輪８の上方で支持されている。この座席１
２の両側には、同じくシートフレーム１３に支持
された２段式の予備苗載置台１４が設けられてい
る。

機体の後部には平行リンク装置１５が設けられ
ている。平行リンク装置１５は、第３図に示すよ
うに前後の縦部材１６，１７と１本の上リン１９
および左右１対の下リンク２０，２０からなり、
それぞれの部材が互いにピンで連結されている。
上リンク１９には下向きの突起２１が設けられ、
この突起２１が昇降装置２２の油圧シリンダ２３
によつてミツシヨンケース５と連結されている。
前縦部材１６の下端部は、左右のチエーンケース
６，６を連結する連結パイプ２５に枢着されてい
る。平行リンク装置１５の後端部には、ローリン
グ軸２７を介して４条植えの田植装置３０が連結
されている。昇降装置２２の油圧シリンダ２３を
伸縮することにより、この田植装置３０を上下に
移動させることができる。また、田植装置３０は
ローリング軸の回転によつて左右に自在に回動す
ることができる。

田植装置３０は、田植機枠を兼ねる伝動ケース
３１をそなえ、該伝動ケース３１の上方に苗載置
台３２が前側が上位となるように傾斜させた状態
で左右に往復動自在に取り付けられている。３３
は支柱３３ａによつて支持されたガイドレールで
あり、苗載置台３２はこのガイドレール３３に沿
つて左右に移動する。伝動ケース３１の後部に
は、先端に苗植付爪３４を固着した苗植付杆３５
と、該植付杆３５をその先端部が楕円軌道を描い
て上下に揺動するように駆動する揺動クランク３
６をそなえた植付装置３７が設けられている。ま
た、伝動ケース３１の下方には、中央フロート４
０と左右１対の側部フロート４１，４１がそれぞ
れ上下方向に回動可能に設けられている。４２は
中央フロート４０の上下位置を検知する検知油圧
バルブであつて、中央フロート４０が上動して、
この油圧バルブ４２のスプールを押し上げると、
前記油圧シリンダ２３のピストンロツド２３ａが
突出し、逆に中央フロート４０が下向きに回動す
ると、上記ピストンロツド２３ａが引込むように
構成されている。

田植装置３０の動力は、前記ミツシヨンケース
５から自在継手を介して伝動ケース３１内の伝動
装置に伝えられ、苗載置台３２の横移動装置４４
と植付装置３７を駆動する。苗載置台３２は、４
個の植付杆３５に対応して４区に区分されてい
る。作業中はそれぞれの区分に土付平板状の苗マ
ツトが載置され、苗載置台３２の横移動とともに
植付杆３５が苗マツトの下端部から１株分づつ苗
を受け取り、圃場に植え付けてゆく。苗載置台３
２が左右の移動範囲の端部に達したときは、縦送
り装置によつて苗マツトが下方へ送られ、引続き
植付けが行なわれる。

作溝器４５は、２枚の側板４５ａ，４５ｂと底
板４５ｃによつて舟型に形成され、前部に一体に
立設した支持板４６によつて上下位置調節可能に
伝動ケース３１に取り付けられている。この作溝
器４５は、その底部がフロート４０，４１の底面
よりも下位となるように支持され、機体の進行と
ともに圃場に施肥用の溝を成形してゆく。

施肥装置１は、中空円筒状のエアタンク５０と
送風機５２および繰出装置５８をそなえ、これら
が一体となつてエアタンク５０の下部で、前記の
施肥装置支持材３に取付ボルト５１によつて装着
される。上記エアタンク５０は、施肥装置１フレ
ームを兼ねている。エアタンク５０の前方には送
風機５２が設けられ、送風機５２の支持パイプを
兼ねる通風管５３で、両５０，５２の内部が連結
されている。送風機５２としては、図示例ではタ
ーボフアンが使用されており、田植機２の電源か
ら配電されるモータ５５によつてフアン５６が回
転して通風管５３を通しエアをエアタンク５０に
供給するように構成されているが、フアン５６の
回転動力を田植機２のPTO軸から取つてもよい。
また、送風機５２の機種は、適量のエアが得られ
るものならどのようなものでもよい。

繰出装置５８は、肥料を貯えておく貯蔵室５
９、貯蔵室５９内の肥料を下方に送り出す繰出し
部６０、および該繰出し部６０から送り込まれた
肥料を下方搬送管内に導くホツパ６１から構成さ
れ、繰出し部６０の前部下面が前記エアタンク５
０の上面に固着されている。貯蔵室５９は、下部
が４個の漏斗部６３に分かれた容器で、上蓋６４
を外して肥料を補給できるようになつている。繰
出し部６０はその上面に上記漏斗部６３の下端を
嵌合する長方形の縁付き穴６６をそなえており、
この縁付き穴６６の下端開口部は外周面上に溝６
７が形成された繰出しロール６８が縁付き穴６６
の縁６９の下端部に殆んど接するようにして回転
している。繰出しロール６８の回転軸７０は、田
植機２の駆動軸７からフレキシブル伝動軸７２に
よつて回転動力が伝えられる伝動軸７３と、傘歯
車７４，７５を介して接続されており、これらに
よつて伝達される動力によつて回転する。伝動軸
７３と回転軸７０とは互いに直角設けられてお
り、伝動軸７３から回転軸７０への伝達手段とし
て、図示例では傘歯車７４，７５が使用されてい
るが、この傘歯車のかわりにウオームと歯車を用
いてもよい。繰出しロール６８の回転軸７０と反
対側には、繰出しロール６８の各溝６７に摺動自
在に嵌合する溝６７と同数の爪７７を周縁部に突
設したかご状のスペーサ７８が配設されている。
このスペーサ７８の軸部７９に円周方向に沿つて
設けた溝状凹部には、シフタ８０の爪部が係合し
ており、シフタ８０の反対側の端部には、繰出し
部６０のケース６０ａに設けたねじ筒６０ｂに螺
合する調節ねじ８２が一体に設けられている。こ
の調節ねじ８２を回すことによつて、爪７７が溝
６７に嵌合した状態で軸方向にスライドし、繰出
しロール６８の溝６７の長さを変化させるので、
これによつて肥料の繰込み量を自在に調節するこ
とができる。この調節操作は、調節ねじ８２のノ
ブ８２ａが繰出し部６０の外側へ突出しているの
で簡単である。８３は調節ねじ固定用のロツクナ
ツトである。

エアタンク５０の吐出口には繰出し装置５８と
同数（図示例では４本）の搬送管８５が接続さ
れ、この搬送管８５の下端部は前記作溝器４５の
内側に固定した、圃場の施肥位置に臨む排出口８
６に接続されている。搬送管８５のエアタンク５
０に対する接続部付近には、上記繰出し部６０の
下側に一体に設けられているホツパ６１の吐出口
８７が接続されており、該吐出口８７から搬送管
８５内に肥料が供給されるようになつている。搬
送管８５内に供給された肥料は、エアタンク５０
からのエアによつて排出口８６まで強制的に搬送
される。ホツパ６１の吐出口８７がエアタンク５
０直後に設けられているため、風圧および風量の
損失が少なく、確実に肥料を送ることができる。
また、１個のエアタンク５０から各搬送管８５へ
エアが供給されるので、各搬送管８５の風圧およ
び風量がほぼ均等になり、圃場の各施肥位置へ均
等に施肥することができる。

この施肥装置１は、田植機２に取付けた施肥装
置支持材３に取付ボルト５１によつて装着し、送
風機５２のモータ５５を田植機２の電源に接続す
るとともに、フレキシブル伝動軸７２の両端を繰
出装置５８の伝動軸７３と田植機２の駆動軸７に
それぞれ接続して使用される。その使用に際して
は、肥料貯蔵室５９に肥料を投入し、エンジンを
起動して駆動輪である後輪８、田植装置３０、繰
出しロール６８、送風機５２等を駆動する。貯蔵
室５９内の肥料は、繰出しロール６８によつて適
量づつホツパ６１内に繰り出され、吐出口８７か
ら搬送管８５内に供給される。搬送管８５には前
述の如くエアタンク５０からエアが供給されてい
るので、搬送管８５内に繰り込まれた肥料は風力
によつて排出口８６まで運ばれ、作溝器４５によ
つて圃場に形成された溝内へ確実に落し込まれ
る。施肥後の溝は、フロート４０，４１によつて
埋められ、その近傍に植付杆３５によつて苗が植
えられてゆく。

この施肥装置１は、施肥に必要なエアタンク５
０、肥料繰出装置５８等の主要構成部品が一体化
され、全体を一つのユニツトとして田植機、トラ
クタ等の走行農機に着脱することができるように
構成されているので、構造が簡単でコンパクトな
ものとなるとともに、不要時には取り外しておく
ことができるので実用上きわめて便利なものとな
つた。また、田植機等に対する着脱は容易であ
る。この施肥装置を播種装置や薬剤散布装置とし
て利用することができることは明らかである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明にかかる施肥装置を装着した乗
用田植機の側面図、第２図はその平面図、第３図
はその部分図、第４図は施肥装置の側面図、第５
図はその背面図、および第６図はその一部を省略
した平面図である。図はいずれも実施例をあらわ
す。 １……施肥装置、２……田植機、３……施肥装
置支持材、５……ミツシヨンケース、６……チエ
ーンケース、８……後輪、９……前輪、１２……
座席、３０……田植装置、４０，４１……フロー
ト、４５……作溝器、５０……エアタンク、５１
……取付ボルト、５２……送風機、５５……モー
タ、５６……フアン、５８……繰出装置、５９…
…貯蔵室、６０……繰出し部、６１……ホツパ、
６８……繰出しロール、７０……回転軸、７２…
…フレキシブル伝動軸、７３……伝動軸、７４，
７５……傘歯車、７８……スペーサ、８０……シ
フタ、８２……調節ねじ、８５……搬送管、８７
……吐出口。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 一端部が圃場の施肥位置に臨む複数の搬送管
   と、該搬送管の基部が接続され該搬送管内へ肥料
   を適宜繰り出す適数の繰出装置と、別設の送風機
   からエアを受け入れ、前記各搬送管内へ肥料圧送
   用のエアを供給するエアタンクとを一体に組み付
   けてなる施肥装置。