JPH0552342U - ボールベアリング - Google Patents

ボールベアリング

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JPH0552342U
JPH0552342U JP106367U JP10636791U JPH0552342U JP H0552342 U JPH0552342 U JP H0552342U JP 106367 U JP106367 U JP 106367U JP 10636791 U JP10636791 U JP 10636791U JP H0552342 U JPH0552342 U JP H0552342U
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大八郎 高須
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案は、潤滑用のグリースが長期間保持さ
れ、寿命の長いスラスト荷重用のボールベアリングを提
供することを目的とする。 【構成】 リテーナ12に複数のボール保持孔12aを
設ける。互いに隣接したボール保持孔12aの間にコの
字状の溝部12bを設ける。ボール保持孔12aにボー
ル9を組み込み、潤滑用グリースを溝部12aに充填し
てリテーナ12の両側にプレート7,10を配置してボ
ールベアリング13を構成する。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案はボールベアリングに係り、特に2枚のプレートの間に挟まれてリテー ナによってボールが保持される構造のスラスト荷重用のボールベアリングに関す る。
【0002】
【従来の技術】
図5は従来のFDD(フロッピーディスクドライブ)装置におけるディスク駆 動モータ部の拡大断面図であり、図6はそのベアリング部分の分解斜視図である 。
【0003】 シャーシ1にはスピンドルシャフト受6が固定され、その周囲にはモータの構 成部品であるコイル4が配設されている。
【0004】 ターンテーブル3にはスピンドルシャフト2が圧入固定され前記コイル4に対 応する部分にマグネット5が配設されている。
【0005】 前記スピンドルシャフト2の一端はスピンドルシャフト受6に挿嵌され、ター ンテーブル3は回転可能に軸支されている。
【0006】 ターンテーブル3のスピンドルシャフト2の軸方向に加わるスラスト荷重は、 プレート7,10、リテーナ8、ボール9より構成するボールベアリングによっ て受けるようになっている。
【0007】
【考案が解決しようとする課題】
図5及び図6に示した従来のボールベアリング11では摩擦を軽減し、寿命を 長くするためにボール9に潤滑用のグリースが塗布されている。
【0008】 しかしこのグリースはボール9の回転に伴ってリテーナ8と、プレート7,1 0との間に溜まり、ボールベアリングの回転する遠心力によって外側に押し出さ れることとなる。そして次第にボール9とプレート7,10との接触部付近から グリースは径方向外側に押し出され、ボールの潤滑が少なくなってしまう。
【0009】 したがってボールベアリング11の寿命が短かいという問題があった。
【0010】 本考案は上記課題に鑑みなされたもので、グリースが保持されて潤滑が長期間 保たれ、寿命の長いスラスト荷重用のボールベアリングを提供することを目的と する。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1の考案は、複数の同径のボールと、該ボールの径より小なる厚みを有 して該ボールを円環状に配列し、該ボールを回転自在に保持する円環状のリテー ナと、該リテーナの両側に各々位置し、該ボールを挟んで互いに相対的に回転自 在な2枚の円環状のプレートとより構成するボールベアリングにおいて、 前記リテーナは、前記ボールを各々保持する貫通孔と、少なくとも隣接する該 貫通孔間を互いに連設するグリース保持用の溝部とを有する構成とする。
【0012】 請求項2の考案は、前記溝部の幅は、前記貫通孔との連設部の少なくとも一方 が前記リテーナの半径方向外側に広くなるよう構成する。
【0013】 請求項3の考案は、前記溝部は前記リテーナの両面に設けられ、前記溝部の幅 の広い側が、前記リテーナの両面において円周方向上夫々反対となるよう配置さ れた構成とする。
【0014】
【作用】
請求項1の考案において、溝部はグリースが溝部内に溜って径方向外側に押し 出されないよう作用する。
【0015】 請求項2の考案において、溝部の幅がリテーナの半径方向外側に広くなるよう にした構成は、ボールに付着しているグリースを掻き集めるよう作用する。
【0016】 請求項3の考案において、溝部の幅が広い側をリテーナの表側と裏側で反対と なるよう配設した構成は、リテーナの両面でグリースが溝部に掻き集められる。
【0017】
【実施例】
図1は本考案の第1実施例を示す分解斜視図であり、図2(A)はその要部で あるリテーナ12の平面図、(B)は側面図である。
【0018】 円環状の板よりなるリテーナ12には球状のボール保持孔12aが円周上に等 分して12か所に配設されている。
【0019】 そして各々の隣接したボール保持孔12aの間には断面がコの字状でボール9 より小なる幅を有した円弧状の溝部12bが設けられている。
【0020】 本実施例のボールベアリング13は、ボール保持孔12aにボール9が組み込 まれ、両側にプレート7,10が配置され、プレート7とプレート10がボール 9を間に挟むことによりスラスト荷重を受けながら回転するよう構成されている 。
【0021】 ボールベアリング13を組立る際にはボール9の潤滑用のグリースがボール9 の表面に塗布され、且つ、溝部12bに充填される。
【0022】 プレート10がプレート7に対して回転すると、リテーナ12により保持され ているボール9は、プレート10の回転円周接線方向に回転しようとするが、リ テーナ12によって半径方向外側には動けないようになっているため、円運動と なり、リテーナ12はこのボール9の運動に伴ってプレート10と同方向に回転 する。この回転速度はプレート10の回転速度のほぼ1/2となる。
【0023】 よってリテーナ12及びボール9に付着しているグリースはその回転による遠 心力を受けることになるが、溝部12aの内側に充填されたグリースは、溝部1 2a内に保持されることとなり、ボールベアリングの運動に伴って除々にボール の摺動面に供給される。
【0024】 したがって本実施例によるボールベアリング13は、長期間潤滑が保たれ、長 期間の使用に耐える耐久性を有する。
【0025】 図3は本考案の第2実施例の分解斜視図であり、図4(A)はその要部である リテーナ14の平面図、(B)はその側面断面図である。
【0026】 上述の第1実施例と同様に、ボール保持孔14aは12か所リテーナ14に配 設され、互いに隣接したボール保持孔14aの間に溝部14bが配設されている 。ただし、溝部14aはリテーナ14の片面に6か所、反対側の面に6か所ずつ 交互に設けられている。すなわち同じ2ケ所のボール保持孔14aの間にはリテ ーナ14の面のどちらか一方にしか溝部14aは設けられていない。
【0027】 そして溝部14bの一端の幅は、リテーナ14の半径方向外側に次第に広くな り、ボール保持孔14aに繋がる部分では略ボール保持孔14aの最外部までの 寸法を有している(図4(A)参照)。
【0028】 この溝部14bの幅の広くなった部分の方向は、リテーナ14の片面に設けら れた6か所の溝部14bでは、リテーナ14の円周上同一方向となっている。そ して、リテーナ14の反対側の面に設けられている6か所の溝部14bは、その 方向が反対に設けられている。
【0029】 ここで図3においてプレート10が矢印A方向に回転した場合、ボール9は矢 印B方向に回転し、これに伴ってリテーナ14は矢印C方向に回転する。
【0030】 リテーナ14の回転速度はプレート10の回転速度の1/2である。
【0031】 この時ボール9に付着してボール9とともに回転するグリースは溝部14bの 幅の広くなった側の端部14c(図4(A)参照)によって掻き落とされ溝部1 4b内に集められる。ここで溝部14a及び14bはリテーナ14の両面に設け られておりリテーナ14の両面でグリースを掻き集めることができる。
【0032】 したがって、グリースは、リテーナ14の回転による遠心力により外側に出て 行くこと無く、長期間リテーナ14の溝部14b内に保持され、ボール9を潤滑 することができる。
【0033】
【考案の効果】
請求項1の考案によれば、グリースをリテーナの溝部に保持することができ、 長期間ボールを潤滑してボールベアリングの耐久性が向上する。
【0034】 請求項2の考案によれば、ボールに付着したグリースを掻き集めて再び溝部に 戻すことにより、グリースの消耗が少なくなりさらに耐久性が向上する。
【0035】 請求項3の考案によれば、リテーナの両面でグリースを掻き集め、溝部に収集 することができ、さらに耐久性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の第1実施例の分解斜視図である。
【図2】第1実施例の要部を示す図である。
【図3】本考案の第2実施例の分解斜視図である。
【図4】第2実施例の要部を示す図である。
【図5】従来のFDD装置の駆動モータ部の断面図であ
る。
【図6】図5のボールベアリングの分解斜視図である。
【符号の説明】
1 シャーシ 2 スピンドルシャフト 3 ターンテーブル 4 コイル 5 マグネット 6 スピンドルシャフト受 7 プレート 8 リテーナ 9 ボール 10 プレート 11 ボールベアリング 12 リテーナ 12a ボール保持孔 12b 溝部 13 ボールベアリング 14 リテーナ 14a ボール保持孔 14b 溝部 14c 端部 15 ボールベアリング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 簀河原 洋 東京都武蔵野市中町3丁目7番3号 ティ アック株式会社内

Claims (3)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の同径のボールと、該ボールの径よ
    り小なる厚みを有して該ボールを円環状に配列し、該ボ
    ールを回転自在に保持する円環状のリテーナと、該リテ
    ーナの両側に各々位置し、該ボールを挟んで互いに相対
    的に回転自在な2枚の円環状のプレートとより構成する
    ボールベアリングにおいて、 前記リテーナは、前記ボールを各々保持する貫通孔と、
    少なくとも隣接する該貫通孔間を互いに連設するグリー
    ス保持用の溝部とを有する構成としたボールベアリン
    グ。
  2. 【請求項2】 前記溝部の幅は、前記貫通孔との連設部
    の少なくとも一方が前記リテーナの半径方向外側に広く
    なるよう構成した請求項1記載のボールベアリング。
  3. 【請求項3】 前記溝部は前記リテーナの両面に設けら
    れ、前記溝部の幅の広い側が、前記リテーナの両面にお
    いて円周方向上夫々反対となるよう配置された構成とし
    た請求項2記載のボールベアリング。
JP1991106367U 1991-12-24 1991-12-24 ボールベアリング Expired - Lifetime JP2519605Y2 (ja)

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JP2519605Y2 JP2519605Y2 (ja) 1996-12-11

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