JP2004211870A - 玉軸受用保持器及び玉軸受 - Google Patents
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- F16C19/06—Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows for radial load mainly with a single row or balls
Abstract
【課題】低騒音、低振動、低トルクな玉軸受を実現する。
【解決手段】玉軸受に組み込む保持器6aを構成するポケット7aの内面の、このポケット7aの周方向に関する曲率半径r1 と、同じく幅方向に関する曲率半径r2 との比r2 /r1 を、0.80以上0.95以下とする。この構成を採用する事により、上記保持器6aと玉5との滑り接触部分に作用する摩擦を低減し、この滑り接触部分で発生する摩擦振動を低減して、上記課題を解決する。
【選択図】 図2
【解決手段】玉軸受に組み込む保持器6aを構成するポケット7aの内面の、このポケット7aの周方向に関する曲率半径r1 と、同じく幅方向に関する曲率半径r2 との比r2 /r1 を、0.80以上0.95以下とする。この構成を採用する事により、上記保持器6aと玉5との滑り接触部分に作用する摩擦を低減し、この滑り接触部分で発生する摩擦振動を低減して、上記課題を解決する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明に係る玉軸受用保持器及び玉軸受は、工作機械、一般機械、自動車用ファンモータ、エアコン用モータ、各種機械装置の冷却用ファンモータ等、低騒音、低振動、低トルクを要求される各種回転機械の回転支持部分に組み込んだ状態で使用する。
【0002】
【従来の技術】
各種機械装置の回転支持部分に組み込む玉軸受として、図7〜9に示す様な玉軸受が広く使用されている(例えば、特許文献1、2参照)。この玉軸受は、外周面に内輪軌道1を有する内輪2と内周面に外輪軌道3を有する外輪4とを同心に配置し、上記内輪軌道1と外輪軌道3との間に、複数個の玉5、5を転動自在に設けて成る。図示の例の場合、上記内輪軌道1と外輪軌道3とは、共に深溝型としている。又、上記複数個の玉5、5は、保持器6に設けたポケット7、7内に、転動自在に保持している。
【0003】
上記図7に示した玉軸受を構成する保持器6は、波形プレス保持器と呼ばれるもので、それぞれが金属板材をプレス成形する事により造られる、波形で円環状に形成された1対の素子8、8を組み合わせて成る。これら両素子8、8は、それぞれの円周方向複数個所に、上記各ポケット7、7を構成する為の、略半円筒状の凹部9、9を形成している。そして、この1対の素子8、8同士をこれら各凹部9、9から外れた部分で突き合わせ、これら各部分を複数のリベット10により結合固定して、円環状で円周方向複数個所にポケット7、7を有する保持器6としている。これら各ポケット7、7の内面は、図8〜9に斜格子で示す様に、上記各凹部9、9の両端部を除く大部分が、上記各玉5、5の転動面の曲率半径よりも僅かに大きな曲率半径を有する保持案内面として機能する球面部14、14になっている。
【0004】
又、玉軸受用の保持器としては、上述した波形プレス保持器の他、図10〜12に示す様な冠型保持器と呼ばれる保持器11も広く使用されている(例えば、特許文献1、2参照)。この保持器11は、全体が合成樹脂製で、円環状の主部12の円周方向複数個所に、玉5を転動自在に保持するポケット7、7を設けている。この様な冠型の保持器11の場合、上記各ポケット7、7は、上記主部12に互いに間隔をあけて配置された1対の弾性片13、13の片側面と、上記主部12の軸方向片面とに囲まれた部分に設けている。これら各ポケット7、7の内面は、図11〜12に斜格子で示す様に、全体が上記玉5の転動面の曲率半径よりも僅かに大きな曲率半径を有する保持案内面として機能する球面部14になっている。
【0005】
玉軸受を組み立てる場合には上記各玉5を、上記各ポケット7、7を構成する1対ずつの弾性片13、13の先端縁同士の間隔を弾性的に押し広げつつ、これら1対の弾性片13、13の間に押し込む。上記保持器11は、この様にして上記各ポケット7、7内に玉5を抱き込む事により、これら各玉5を、前記内輪軌道1と外輪軌道3(図7)との間に、転動自在に保持する。
【0006】
前述した保持器6或は上述した保持器11を備えた玉軸受の使用時には、上記複数個の玉5、5の転動に伴って、上記内輪2と外輪4との相対回転を自在とする。この際、上記複数の玉5、5は、自転しつつ上記内輪2の周囲を公転する。又、上記保持器6、11は、上記各玉5、5の公転速度と同じ速度で、上記内輪2の周囲を回転する。
【0007】
上記内輪2の外周面と上記外輪4の内周面との間部分には、グリース、潤滑油等の潤滑剤を充填若しくは供給して、上記相対回転が円滑に行なわれる様にする。そして、玉軸受に振動や騒音が生じるのを抑制すると共に、焼き付き等の故障を防止する。特に、低振動、低騒音、低トルクの要求が厳しい場合には、潤滑剤として低粘度のものを使用し、転がり・滑り接触部に於ける摩擦係数を十分に小さくする。尚、一部の玉軸受では、シール板やシールド板等の密封部材により、内輪2外周面と外輪4内周面との間の空間の両端開口を塞ぎ、この空間から潤滑剤が漏洩したり、或はこの空間内に塵芥等の異物が進入するのを防止する場合もある。但し、前記図7にはこの様な密封部材を持たない玉軸受を示している。
【0008】
【特許文献1】
特開平11−125256号公報
【特許文献2】
特開2000−39024号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上述した様な保持器6、11を組み込んだ玉軸受の場合、低粘度の潤滑剤を必要量充填若しくは供給しても、この保持器6、11に振動が誘発され、当該玉軸受に保持器音と呼ばれる騒音や振動が発生する場合がある。この理由は、次の通りである。即ち、上述した従来構造の場合、上記保持器6、11に設けたポケット7、7の内面のうち、上記各玉5、5の転動面と接触する部分を、これら各玉5、5の転動面の曲率半径よりも僅かに大きな曲率半径を有する単一の球面部14としている。言い換えれば、上記各ポケット7、7の内面の、これら各ポケット7、7の周方向に関する曲率半径r1 (後述する図2、5参照)と、同じく幅方向に関する曲率半径r2 (後述する図1、4、6参照)とを、互いに等しく(r1 =r2 )している。この為、上記各ポケット7、7の内面と上記各玉5、5の転動面との摩擦面積が広くなり、これら両面同士の滑り接触部分で発生する摩擦振動が大きくなる。この結果、上述した様に、低粘度の潤滑剤を必要量充填若しくは供給しても、上記保持器6、11を組み込んだ玉軸受に保持器音と呼ばれる騒音や振動が発生する場合がある。
本発明の玉軸受用保持器及び玉軸受は、この様な不都合を解消すべく考えたものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の玉軸受用保持器及び玉軸受のうち、請求項1に記載した玉軸受用保持器は、全体を円環状に形成すると共に、円周方向複数個所にポケットを設けている。
特に、請求項1に記載した玉軸受用保持器に於いては、これら各ポケットの内面の、これら各ポケットの周方向に関する曲率半径r1 と、同じく幅方向に関する曲率半径r2 との比r2 /r1 を、0.80以上0.95以下としている。
【0011】
又、請求項2に記載した玉軸受は、内輪と、外輪と、玉軸受用保持器と、複数の玉とを備える。このうちの内輪は、外周面に内輪軌道を形成している。又、上記外輪は、内周面に外輪軌道を形成している。又、上記玉軸受用保持器は、全体を円環状に形成すると共に、円周方向複数個所にポケットを設けて成る。そして、上記内輪の外周面と上記外輪の内周面との間に、これら内輪及び外輪に対する相対回転自在に配置されている。又、上記各玉は、上記各ポケット内にそれぞれ転動自在に保持しつつ、上記内輪軌道と上記外輪軌道との間に配置されている。
特に、請求項2に記載した玉軸受に於いては、上記各ポケットの内面の、これら各ポケットの幅方向に関する曲率半径r2 が、上記各玉の転動面の曲率半径rb よりも小さい。
【0012】
更に、請求項3に記載した玉軸受の場合には、上記請求項2に記載した玉軸受で、曲率半径r1 と曲率半径r2 との比r2 /r1 を、0.80以上0.95以下としている。
尚、上記請求項2、3に記載した発明を実施する場合に、好ましくは、各ポケットの内面の幅方向に関する曲率半径r2 と各玉の転動面の曲率半径rb との比r2 /rb を、0.82以上0.98以下(より好ましくは、0.842以上0.967以下)とする。
【0013】
【作用】
上述の様に構成する本発明の玉軸受用保持器及び玉軸受の場合、ポケットの内面の周方向に関する曲率半径r1 と幅方向に関する曲率半径r2 との比r2 /r1 を0.80以上0.95以下にする構成と、この幅方向に関する曲率半径r2 を玉の転動面の曲率半径よりも小さくする構成とのうちの、少なくとも一方の構成を採用している。この為、ポケットの内面と玉の転動面との摩擦面積を小さくできる。又、必要とすれば、これらポケットの内面と玉の転動面との接触部への潤滑剤の取り込みを円滑にできる。そして、これらの作用により、保持器と玉との滑り接触部分に作用する摩擦を低減し、この滑り接触部分で発生する摩擦振動を低減して、振動や騒音の減少と低トルク化とを図れる。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1〜2は、請求項1に対応する、本発明の実施の形態の第1例を示している。尚、本例の特徴は、保持器6aを構成するポケット7aの内面の形状を工夫した点にある。その他の部分の構造及び作用は、前述の図7〜9に示した従来構造と同様であるから、同等部分に関する図示並びに説明は、省略若しくは簡略にし、以下、本例の特徴部分を中心に説明する。
【0015】
本例の場合、上記保持器6aを構成するポケット7aの内面のうち、保持案内面として機能する部分(前述の図8〜9に斜格子で示した部分に対応する部分)を、単なる球面部にしていない。即ち、この保持案内面として機能する部分の、上記ポケット7aの周方向に関する曲率半径r1 と、同じく幅方向に関する曲率半径r2 とを、互いに異ならせている(r1 ≠r2 )。本例の場合には、これら各曲率半径r1 、r2 同士の比r2 /r1 を、0.80以上0.95以下としている。但し、本例の場合には、これら各曲率半径r1 、r2 はそれぞれ、上記ポケット7a内に保持する玉5の転動面の曲率半径rb よりも僅かに大きく(r1 、r2 >rb )している。
【0016】
上述の様に構成する本例の玉軸受用保持器及び玉軸受の場合、ポケット7aの内面の形状を上述の様に規制している為、このポケット7aの内面を単なる球面部とした従来構造に比べて、このポケット7aの内面と玉5の転動面との摩擦面積を減少させる事ができる。この作用により、上記保持器6aと上記玉5との滑り接触部分に作用する摩擦を低減し、この滑り接触部分で発生する摩擦振動を低減して、振動や騒音の減少と低トルク化とを図れる。
【0017】
ここで、上述した様な効果が得られる事を確かめるべく、本発明者が行なった実験に就いて説明する。実験では、それぞれが上述した曲率半径r1 、r2 同士の比r2 /r1 に就いて種々の値を持つ、複数の玉軸受用保持器を用意した。そして、これら各玉軸受用保持器を深溝型玉軸受(外径22mm、内径8mm、幅7mm)に組み込んだものを、それぞれ試料とした。そして、これら各深溝型玉軸受に予圧(19.6N)を付与した状態で、内輪を回転(回転速度:1800min−1 )させ、この回転に伴って発生する騒音を測定した。尚、上記各深溝型玉軸受の潤滑剤としては、エステル系合成油を使用した。実験の結果を図3に示す。
【0018】
この図3に示した実験結果より、上記比(r2 /r1 )が0.80以上0.95以下の範囲(図3に斜格子を付した範囲)にある場合に、騒音を十分に小さくする事ができ、同じく0.80より小さくなる場合及び0.95より大きくなって1に近づく場合に、騒音が大きくなる事が分かる。従って、この様な実験結果からも明らかな様に、図1〜2に示した第1例の場合には、保持器6aと玉5との滑り接触部分に作用する摩擦を低減し、この滑り接触部分で発生する摩擦振動を低減して、振動や騒音の減少と低トルク化とを図れる。
【0019】
次に、図4〜5は、やはり請求項1に対応する、本発明の実施の形態の第2例を示している。尚、本例の特徴は、保持器11aを構成するポケット7bの内面の形状を工夫した点にある。その他の部分の構造及び作用は、前述の図10〜12に示した従来構造及びこれを組み込んだ玉軸受と同様であるから、同等部分に関する図示並びに説明は、省略若しくは簡略にし、以下、本例の特徴部分を中心に説明する。
【0020】
本例の場合も、上述した第1例の場合と同様、上記保持器11aを構成するポケット7bの、このポケット7bの周方向に関する曲率半径r1 と、同じく幅方向に関する曲率半径r2 との比r2 /r1 を、0.80以上0.95以下としている。又、これら各曲率半径r1 、r2 をそれぞれ、上記ポケット7b内に保持する玉5の転動面の曲率半径rb よりも大きく(r1 、r2 >rb )している。この様な構成を採用する本例の場合も、上述した第1例の場合と同様、振動や騒音の減少と低トルク化とを図れる。
【0021】
次に、図6(A)は、請求項2に対応する、本発明の実施の形態の第3例を示している。本例は、請求項2に記載した発明を、波形プレス保持器に適用した例である。本例の場合、保持器6bを構成するポケット7cの内面の、このポケット7cの周方向に関する曲率半径r1 (図2参照)を、このポケット7cに保持する玉5の転動面の曲率半径rb よりも僅かに大きく(r1 >rb )している。これに対し、上記ポケット7cの内面の、このポケット7cの幅方向に関する曲率半径r2 を、上記玉5の転動面の曲率半径rb よりも僅かに小さく(r2 <rb )している。
【0022】
上述の様に構成する本例の場合、上記玉5の転動面は、上記ポケット7cの内面のうち、このポケット7cの幅方向に関する両端縁部分のみと滑り接触する。この為、このポケット7cの内面と上記玉5の転動面との摩擦面積を小さくできる。又、本例の場合には、上記玉5が上記ポケット7cの内面と接触した状態で、これら玉5の転動面とポケット7cの内面の幅方向中間部との間に、断面三日月状の微小隙間15が形成される。玉軸受の運転時、この微小隙間15内には、上記ポケット7cの円周方向に関するこの微小隙間15の両端開口を通じて、周囲空間から潤滑剤が供給される。そして、この微小隙間15内に供給された潤滑剤は更に、上記玉5の転動面と上記ポケット7cの内面との接触部に効率良く供給される。尚、本例の構造との比較の為、図6(B)に、ポケット7の内面の曲率半径r2 を玉5の転動面の曲率半径rb よりも僅かに大きく(r2 >rb )した構造を示す。この様な構造では、上記玉5の転動面と上記ポケット7の内面の幅方向中央部との間に、上述した様な断面三日月状の微小隙間15は形成されない。
【0023】
上述した様な作用により、本例の場合には、上記保持器6bと上記玉5との滑り接触部分に作用する摩擦を低減し、この滑り接触部分で発生する摩擦振動を低減して、振動や騒音の減少と低トルク化とを図れる。尚、本例の場合、上記玉5の転動面と接触する、上記ポケット7cの内面の幅方向両端縁部分に凸曲面状の面取りを施せば、これら両端縁部分で潤滑剤が掻き取られるのを防止できると共に、当該接触部にエッジロードが加わるのを防止できる。
【0024】
尚、上述の図6(A)に示した第3例を実施する場合には、曲率半径r2 と曲率半径rb との比r2 /rb を、0.82以上0.98以下(より好ましくは、0.842以上0.967以下)とするのが好ましい。この様な寸法規制を行なえば、上記各ポケット7c内での上記各玉5の変位量を小さく抑えて保持器音を低減できると共に、これら各玉5の転動を円滑に行なわせる事ができる為である。
この様な玉軸受は、例えば、上記玉5の直径を3.969mmとする(即ち、この玉5の転動面の曲率半径rb を1.985mm程度とする)場合に、上記曲率半径r2 を1.627mm以上1.946mm以下(より好ましくは、1.67mm以上1.92mm以下)とすれば実現できる。又、この場合に、前記曲率半径r1 は、例えば、2.02mm以上2.09mm以下とする。
【0025】
尚、図示は省略するが、請求項3に記載した発明の様に、ポケットの内面の周方向に関する曲率半径r1 と幅方向に関する曲率半径r2 との比r2 /r1 を0.80以上0.95以下にする構成と、この幅方向に関する曲率半径r2 を玉の転動面の曲率半径よりも小さくする構成とを、双方同時に採用する事もできる。そして、この様な構造を採用した場合も、保持器を組み付けた玉軸受の振動や騒音の減少と低トルク化とを図れる。
【0026】
【発明の効果】
本発明の玉軸受用保持器及び玉軸受は、以上に述べた様に構成され作用する為、低騒音、低振動、低トルクの玉軸受を実現できる。この結果、この玉軸受を組み込んだ各種回転機械の性能向上を図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の第1例を示す、図9の上半部に相当する図。
【図2】図1のA−A断面図。
【図3】本発明の効果を確かめる為に行なった実験により得られた、保持器の内面の曲率半径の比r2 /r1 と騒音との関係を示す図。
【図4】本発明の実施の形態の第2例を示す、図12と同様の図。
【図5】図4のB−B断面図。
【図6】(A)は本発明の実施の形態の第3例を、(B)はこの第3例の構造と異なる構造を、それぞれ示す、図9の下半部に相当する図。
【図7】本発明の対象となる保持器を組み込んだ玉軸受の1例を示す、部分切断斜視図。
【図8】従来の保持器の第1例を示す、部分拡大分解斜視図。
【図9】組み立てた状態で示す、図8のC−C断面図。
【図10】従来の保持器の第2例を示す斜視図。
【図11】同じく、部分拡大斜視図。
【図12】図11のD−D断面図。
【符号の説明】
1 内輪軌道
2 内輪
3 外輪軌道
4 外輪
5 玉
6、6a、6b 保持器
7、7a、7b、7c ポケット
8 素子
9 凹部
10 リベット
11、11a 保持器
12 主部
13 弾性片
14 球面部
15 微小隙間
【発明の属する技術分野】
この発明に係る玉軸受用保持器及び玉軸受は、工作機械、一般機械、自動車用ファンモータ、エアコン用モータ、各種機械装置の冷却用ファンモータ等、低騒音、低振動、低トルクを要求される各種回転機械の回転支持部分に組み込んだ状態で使用する。
【0002】
【従来の技術】
各種機械装置の回転支持部分に組み込む玉軸受として、図7〜9に示す様な玉軸受が広く使用されている(例えば、特許文献1、2参照)。この玉軸受は、外周面に内輪軌道1を有する内輪2と内周面に外輪軌道3を有する外輪4とを同心に配置し、上記内輪軌道1と外輪軌道3との間に、複数個の玉5、5を転動自在に設けて成る。図示の例の場合、上記内輪軌道1と外輪軌道3とは、共に深溝型としている。又、上記複数個の玉5、5は、保持器6に設けたポケット7、7内に、転動自在に保持している。
【0003】
上記図7に示した玉軸受を構成する保持器6は、波形プレス保持器と呼ばれるもので、それぞれが金属板材をプレス成形する事により造られる、波形で円環状に形成された1対の素子8、8を組み合わせて成る。これら両素子8、8は、それぞれの円周方向複数個所に、上記各ポケット7、7を構成する為の、略半円筒状の凹部9、9を形成している。そして、この1対の素子8、8同士をこれら各凹部9、9から外れた部分で突き合わせ、これら各部分を複数のリベット10により結合固定して、円環状で円周方向複数個所にポケット7、7を有する保持器6としている。これら各ポケット7、7の内面は、図8〜9に斜格子で示す様に、上記各凹部9、9の両端部を除く大部分が、上記各玉5、5の転動面の曲率半径よりも僅かに大きな曲率半径を有する保持案内面として機能する球面部14、14になっている。
【0004】
又、玉軸受用の保持器としては、上述した波形プレス保持器の他、図10〜12に示す様な冠型保持器と呼ばれる保持器11も広く使用されている(例えば、特許文献1、2参照)。この保持器11は、全体が合成樹脂製で、円環状の主部12の円周方向複数個所に、玉5を転動自在に保持するポケット7、7を設けている。この様な冠型の保持器11の場合、上記各ポケット7、7は、上記主部12に互いに間隔をあけて配置された1対の弾性片13、13の片側面と、上記主部12の軸方向片面とに囲まれた部分に設けている。これら各ポケット7、7の内面は、図11〜12に斜格子で示す様に、全体が上記玉5の転動面の曲率半径よりも僅かに大きな曲率半径を有する保持案内面として機能する球面部14になっている。
【0005】
玉軸受を組み立てる場合には上記各玉5を、上記各ポケット7、7を構成する1対ずつの弾性片13、13の先端縁同士の間隔を弾性的に押し広げつつ、これら1対の弾性片13、13の間に押し込む。上記保持器11は、この様にして上記各ポケット7、7内に玉5を抱き込む事により、これら各玉5を、前記内輪軌道1と外輪軌道3(図7)との間に、転動自在に保持する。
【0006】
前述した保持器6或は上述した保持器11を備えた玉軸受の使用時には、上記複数個の玉5、5の転動に伴って、上記内輪2と外輪4との相対回転を自在とする。この際、上記複数の玉5、5は、自転しつつ上記内輪2の周囲を公転する。又、上記保持器6、11は、上記各玉5、5の公転速度と同じ速度で、上記内輪2の周囲を回転する。
【0007】
上記内輪2の外周面と上記外輪4の内周面との間部分には、グリース、潤滑油等の潤滑剤を充填若しくは供給して、上記相対回転が円滑に行なわれる様にする。そして、玉軸受に振動や騒音が生じるのを抑制すると共に、焼き付き等の故障を防止する。特に、低振動、低騒音、低トルクの要求が厳しい場合には、潤滑剤として低粘度のものを使用し、転がり・滑り接触部に於ける摩擦係数を十分に小さくする。尚、一部の玉軸受では、シール板やシールド板等の密封部材により、内輪2外周面と外輪4内周面との間の空間の両端開口を塞ぎ、この空間から潤滑剤が漏洩したり、或はこの空間内に塵芥等の異物が進入するのを防止する場合もある。但し、前記図7にはこの様な密封部材を持たない玉軸受を示している。
【0008】
【特許文献1】
特開平11−125256号公報
【特許文献2】
特開2000−39024号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上述した様な保持器6、11を組み込んだ玉軸受の場合、低粘度の潤滑剤を必要量充填若しくは供給しても、この保持器6、11に振動が誘発され、当該玉軸受に保持器音と呼ばれる騒音や振動が発生する場合がある。この理由は、次の通りである。即ち、上述した従来構造の場合、上記保持器6、11に設けたポケット7、7の内面のうち、上記各玉5、5の転動面と接触する部分を、これら各玉5、5の転動面の曲率半径よりも僅かに大きな曲率半径を有する単一の球面部14としている。言い換えれば、上記各ポケット7、7の内面の、これら各ポケット7、7の周方向に関する曲率半径r1 (後述する図2、5参照)と、同じく幅方向に関する曲率半径r2 (後述する図1、4、6参照)とを、互いに等しく(r1 =r2 )している。この為、上記各ポケット7、7の内面と上記各玉5、5の転動面との摩擦面積が広くなり、これら両面同士の滑り接触部分で発生する摩擦振動が大きくなる。この結果、上述した様に、低粘度の潤滑剤を必要量充填若しくは供給しても、上記保持器6、11を組み込んだ玉軸受に保持器音と呼ばれる騒音や振動が発生する場合がある。
本発明の玉軸受用保持器及び玉軸受は、この様な不都合を解消すべく考えたものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の玉軸受用保持器及び玉軸受のうち、請求項1に記載した玉軸受用保持器は、全体を円環状に形成すると共に、円周方向複数個所にポケットを設けている。
特に、請求項1に記載した玉軸受用保持器に於いては、これら各ポケットの内面の、これら各ポケットの周方向に関する曲率半径r1 と、同じく幅方向に関する曲率半径r2 との比r2 /r1 を、0.80以上0.95以下としている。
【0011】
又、請求項2に記載した玉軸受は、内輪と、外輪と、玉軸受用保持器と、複数の玉とを備える。このうちの内輪は、外周面に内輪軌道を形成している。又、上記外輪は、内周面に外輪軌道を形成している。又、上記玉軸受用保持器は、全体を円環状に形成すると共に、円周方向複数個所にポケットを設けて成る。そして、上記内輪の外周面と上記外輪の内周面との間に、これら内輪及び外輪に対する相対回転自在に配置されている。又、上記各玉は、上記各ポケット内にそれぞれ転動自在に保持しつつ、上記内輪軌道と上記外輪軌道との間に配置されている。
特に、請求項2に記載した玉軸受に於いては、上記各ポケットの内面の、これら各ポケットの幅方向に関する曲率半径r2 が、上記各玉の転動面の曲率半径rb よりも小さい。
【0012】
更に、請求項3に記載した玉軸受の場合には、上記請求項2に記載した玉軸受で、曲率半径r1 と曲率半径r2 との比r2 /r1 を、0.80以上0.95以下としている。
尚、上記請求項2、3に記載した発明を実施する場合に、好ましくは、各ポケットの内面の幅方向に関する曲率半径r2 と各玉の転動面の曲率半径rb との比r2 /rb を、0.82以上0.98以下(より好ましくは、0.842以上0.967以下)とする。
【0013】
【作用】
上述の様に構成する本発明の玉軸受用保持器及び玉軸受の場合、ポケットの内面の周方向に関する曲率半径r1 と幅方向に関する曲率半径r2 との比r2 /r1 を0.80以上0.95以下にする構成と、この幅方向に関する曲率半径r2 を玉の転動面の曲率半径よりも小さくする構成とのうちの、少なくとも一方の構成を採用している。この為、ポケットの内面と玉の転動面との摩擦面積を小さくできる。又、必要とすれば、これらポケットの内面と玉の転動面との接触部への潤滑剤の取り込みを円滑にできる。そして、これらの作用により、保持器と玉との滑り接触部分に作用する摩擦を低減し、この滑り接触部分で発生する摩擦振動を低減して、振動や騒音の減少と低トルク化とを図れる。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1〜2は、請求項1に対応する、本発明の実施の形態の第1例を示している。尚、本例の特徴は、保持器6aを構成するポケット7aの内面の形状を工夫した点にある。その他の部分の構造及び作用は、前述の図7〜9に示した従来構造と同様であるから、同等部分に関する図示並びに説明は、省略若しくは簡略にし、以下、本例の特徴部分を中心に説明する。
【0015】
本例の場合、上記保持器6aを構成するポケット7aの内面のうち、保持案内面として機能する部分(前述の図8〜9に斜格子で示した部分に対応する部分)を、単なる球面部にしていない。即ち、この保持案内面として機能する部分の、上記ポケット7aの周方向に関する曲率半径r1 と、同じく幅方向に関する曲率半径r2 とを、互いに異ならせている(r1 ≠r2 )。本例の場合には、これら各曲率半径r1 、r2 同士の比r2 /r1 を、0.80以上0.95以下としている。但し、本例の場合には、これら各曲率半径r1 、r2 はそれぞれ、上記ポケット7a内に保持する玉5の転動面の曲率半径rb よりも僅かに大きく(r1 、r2 >rb )している。
【0016】
上述の様に構成する本例の玉軸受用保持器及び玉軸受の場合、ポケット7aの内面の形状を上述の様に規制している為、このポケット7aの内面を単なる球面部とした従来構造に比べて、このポケット7aの内面と玉5の転動面との摩擦面積を減少させる事ができる。この作用により、上記保持器6aと上記玉5との滑り接触部分に作用する摩擦を低減し、この滑り接触部分で発生する摩擦振動を低減して、振動や騒音の減少と低トルク化とを図れる。
【0017】
ここで、上述した様な効果が得られる事を確かめるべく、本発明者が行なった実験に就いて説明する。実験では、それぞれが上述した曲率半径r1 、r2 同士の比r2 /r1 に就いて種々の値を持つ、複数の玉軸受用保持器を用意した。そして、これら各玉軸受用保持器を深溝型玉軸受(外径22mm、内径8mm、幅7mm)に組み込んだものを、それぞれ試料とした。そして、これら各深溝型玉軸受に予圧(19.6N)を付与した状態で、内輪を回転(回転速度:1800min−1 )させ、この回転に伴って発生する騒音を測定した。尚、上記各深溝型玉軸受の潤滑剤としては、エステル系合成油を使用した。実験の結果を図3に示す。
【0018】
この図3に示した実験結果より、上記比(r2 /r1 )が0.80以上0.95以下の範囲(図3に斜格子を付した範囲)にある場合に、騒音を十分に小さくする事ができ、同じく0.80より小さくなる場合及び0.95より大きくなって1に近づく場合に、騒音が大きくなる事が分かる。従って、この様な実験結果からも明らかな様に、図1〜2に示した第1例の場合には、保持器6aと玉5との滑り接触部分に作用する摩擦を低減し、この滑り接触部分で発生する摩擦振動を低減して、振動や騒音の減少と低トルク化とを図れる。
【0019】
次に、図4〜5は、やはり請求項1に対応する、本発明の実施の形態の第2例を示している。尚、本例の特徴は、保持器11aを構成するポケット7bの内面の形状を工夫した点にある。その他の部分の構造及び作用は、前述の図10〜12に示した従来構造及びこれを組み込んだ玉軸受と同様であるから、同等部分に関する図示並びに説明は、省略若しくは簡略にし、以下、本例の特徴部分を中心に説明する。
【0020】
本例の場合も、上述した第1例の場合と同様、上記保持器11aを構成するポケット7bの、このポケット7bの周方向に関する曲率半径r1 と、同じく幅方向に関する曲率半径r2 との比r2 /r1 を、0.80以上0.95以下としている。又、これら各曲率半径r1 、r2 をそれぞれ、上記ポケット7b内に保持する玉5の転動面の曲率半径rb よりも大きく(r1 、r2 >rb )している。この様な構成を採用する本例の場合も、上述した第1例の場合と同様、振動や騒音の減少と低トルク化とを図れる。
【0021】
次に、図6(A)は、請求項2に対応する、本発明の実施の形態の第3例を示している。本例は、請求項2に記載した発明を、波形プレス保持器に適用した例である。本例の場合、保持器6bを構成するポケット7cの内面の、このポケット7cの周方向に関する曲率半径r1 (図2参照)を、このポケット7cに保持する玉5の転動面の曲率半径rb よりも僅かに大きく(r1 >rb )している。これに対し、上記ポケット7cの内面の、このポケット7cの幅方向に関する曲率半径r2 を、上記玉5の転動面の曲率半径rb よりも僅かに小さく(r2 <rb )している。
【0022】
上述の様に構成する本例の場合、上記玉5の転動面は、上記ポケット7cの内面のうち、このポケット7cの幅方向に関する両端縁部分のみと滑り接触する。この為、このポケット7cの内面と上記玉5の転動面との摩擦面積を小さくできる。又、本例の場合には、上記玉5が上記ポケット7cの内面と接触した状態で、これら玉5の転動面とポケット7cの内面の幅方向中間部との間に、断面三日月状の微小隙間15が形成される。玉軸受の運転時、この微小隙間15内には、上記ポケット7cの円周方向に関するこの微小隙間15の両端開口を通じて、周囲空間から潤滑剤が供給される。そして、この微小隙間15内に供給された潤滑剤は更に、上記玉5の転動面と上記ポケット7cの内面との接触部に効率良く供給される。尚、本例の構造との比較の為、図6(B)に、ポケット7の内面の曲率半径r2 を玉5の転動面の曲率半径rb よりも僅かに大きく(r2 >rb )した構造を示す。この様な構造では、上記玉5の転動面と上記ポケット7の内面の幅方向中央部との間に、上述した様な断面三日月状の微小隙間15は形成されない。
【0023】
上述した様な作用により、本例の場合には、上記保持器6bと上記玉5との滑り接触部分に作用する摩擦を低減し、この滑り接触部分で発生する摩擦振動を低減して、振動や騒音の減少と低トルク化とを図れる。尚、本例の場合、上記玉5の転動面と接触する、上記ポケット7cの内面の幅方向両端縁部分に凸曲面状の面取りを施せば、これら両端縁部分で潤滑剤が掻き取られるのを防止できると共に、当該接触部にエッジロードが加わるのを防止できる。
【0024】
尚、上述の図6(A)に示した第3例を実施する場合には、曲率半径r2 と曲率半径rb との比r2 /rb を、0.82以上0.98以下(より好ましくは、0.842以上0.967以下)とするのが好ましい。この様な寸法規制を行なえば、上記各ポケット7c内での上記各玉5の変位量を小さく抑えて保持器音を低減できると共に、これら各玉5の転動を円滑に行なわせる事ができる為である。
この様な玉軸受は、例えば、上記玉5の直径を3.969mmとする(即ち、この玉5の転動面の曲率半径rb を1.985mm程度とする)場合に、上記曲率半径r2 を1.627mm以上1.946mm以下(より好ましくは、1.67mm以上1.92mm以下)とすれば実現できる。又、この場合に、前記曲率半径r1 は、例えば、2.02mm以上2.09mm以下とする。
【0025】
尚、図示は省略するが、請求項3に記載した発明の様に、ポケットの内面の周方向に関する曲率半径r1 と幅方向に関する曲率半径r2 との比r2 /r1 を0.80以上0.95以下にする構成と、この幅方向に関する曲率半径r2 を玉の転動面の曲率半径よりも小さくする構成とを、双方同時に採用する事もできる。そして、この様な構造を採用した場合も、保持器を組み付けた玉軸受の振動や騒音の減少と低トルク化とを図れる。
【0026】
【発明の効果】
本発明の玉軸受用保持器及び玉軸受は、以上に述べた様に構成され作用する為、低騒音、低振動、低トルクの玉軸受を実現できる。この結果、この玉軸受を組み込んだ各種回転機械の性能向上を図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の第1例を示す、図9の上半部に相当する図。
【図2】図1のA−A断面図。
【図3】本発明の効果を確かめる為に行なった実験により得られた、保持器の内面の曲率半径の比r2 /r1 と騒音との関係を示す図。
【図4】本発明の実施の形態の第2例を示す、図12と同様の図。
【図5】図4のB−B断面図。
【図6】(A)は本発明の実施の形態の第3例を、(B)はこの第3例の構造と異なる構造を、それぞれ示す、図9の下半部に相当する図。
【図7】本発明の対象となる保持器を組み込んだ玉軸受の1例を示す、部分切断斜視図。
【図8】従来の保持器の第1例を示す、部分拡大分解斜視図。
【図9】組み立てた状態で示す、図8のC−C断面図。
【図10】従来の保持器の第2例を示す斜視図。
【図11】同じく、部分拡大斜視図。
【図12】図11のD−D断面図。
【符号の説明】
1 内輪軌道
2 内輪
3 外輪軌道
4 外輪
5 玉
6、6a、6b 保持器
7、7a、7b、7c ポケット
8 素子
9 凹部
10 リベット
11、11a 保持器
12 主部
13 弾性片
14 球面部
15 微小隙間
Claims (3)
- 全体を円環状に形成すると共に、円周方向複数個所にポケットを設けた玉軸受用保持器に於いて、これら各ポケットの内面の、これら各ポケットの周方向に関する曲率半径r1 と、同じく幅方向に関する曲率半径r2 との比r2 /r1 を、0.80以上0.95以下とした事を特徴とする玉軸受用保持器。
- 外周面に内輪軌道を形成した内輪と、内周面に外輪軌道を形成した外輪と、全体を円環状に形成すると共に円周方向複数個所にポケットを設けて成り、上記内輪の外周面と上記外輪の内周面との間にこれら内輪及び外輪に対する相対回転自在に配置された玉軸受用保持器と、上記各ポケット内にそれぞれ転動自在に保持しつつ、上記内輪軌道と上記外輪軌道との間に配置された複数の玉とを備えた玉軸受に於いて、上記各ポケットの内面の、これら各ポケットの幅方向に関する曲率半径r2 が、上記各玉の転動面の曲率半径rb よりも小さい事を特徴とする玉軸受。
- 各ポケットの内面の、これら各ポケットの周方向に関する曲率半径r1 と、同じく幅方向に関する曲率半径r2 との比r2 /r1 を、0.80以上0.95以下とした、請求項2に記載した玉軸受。
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JP2009537773A (ja) * | 2006-05-24 | 2009-10-29 | シエフレル・コマンデイトゲゼルシヤフト | 異なる案内ポケットを持つ転がり軸受 |
-
2003
- 2003-01-08 JP JP2003002177A patent/JP2004211870A/ja active Pending
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