JPH0552170B2 - - Google Patents

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JPH0552170B2
JPH0552170B2 JP60211866A JP21186685A JPH0552170B2 JP H0552170 B2 JPH0552170 B2 JP H0552170B2 JP 60211866 A JP60211866 A JP 60211866A JP 21186685 A JP21186685 A JP 21186685A JP H0552170 B2 JPH0552170 B2 JP H0552170B2
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JP
Japan
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coffee
milk
retort
sodium
salts
Prior art date
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JP60211866A
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Hiromi Kawamoto
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Kracie Foods Ltd
Original Assignee
Kanebo Foods Ltd
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Publication of JPH0552170B2 publication Critical patent/JPH0552170B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 この発明は、缶や紙パツク等の保存容器に充填
されて市場を流通するレトルト殺菌ミルク入りコ
ーヒに関するものである。 〔従来の技術〕 従来、レトルト殺菌ミルク入りコーヒは、コー
ヒ抽出液(コーヒ液)、乳類、グラニユー糖、乳
化剤等の原料をよく混合溶解し、これを均質機
(Homogenizer)にかけ、加熱したのち缶あるい
は紙パツク等の保存容器に充填して密封し、さら
にレトルト釜内において高温加圧下でレトルト殺
菌することにより製造されている。 ところが上記レトルト殺菌工程においては、
100℃を超える高温のため、水素イオンを触媒と
してコーヒ液中のクロロゲン酸1モルがコーヒ酸
1モルとキナ酸1モルに分解する分解反応が生
じ、コーヒ液のPHが低下する。このようにPHが低
下して溶液がPH6.0以下の酸性になると、コーヒ
液に分散含有されている乳類の乳蛋白が変性して
凝集するため商品価値がなくなる。そこで、上記
乳蛋白の酸変性を防止するために、コーヒ液に予
め炭酸水素ナトリウムや水酸化ナトリウムを添加
し、レトルト殺菌工程においてコーヒ液がPH6.0
より低くならないようPH調節することが行われて
いる。 〔発明が解決しようとする問題点〕 しかしながら、コーヒは、本来PH6以下の酸性
PH領域でコーヒ独特の香りと酸味を発揮するもの
であり、上記のように、コーヒ液のPHを調節して
PH6.0〜7.0程度の中性域に保つようにすると、上
記コーヒ独特の香りと酸味は消失してしまい、レ
トルト殺菌して得られるミルク入りコーヒは本来
のコーヒに比べて風味が大幅に劣下している。し
たがつて、乳成分が安定していて、しかも風味の
優れたレトルト殺菌ミルク入りコーヒの開発が強
く望まれている。 この発明は、このような事情に鑑みなされたも
ので、乳成分が安定していて、しかもコーヒ独特
の香りと酸味を維持していて風味のよいレトルト
殺菌ミルク入りコーヒの提供をその目的としてい
る。 〔問題点を解決するための手段〕 上記の目的を達成するため、この発明のレトル
ト殺菌ミルク入りコーヒは、PH5.0〜6.0のレトル
ト殺菌済みのミルク入りコーヒであつて、乳成分
安定剤として、クエン酸ナトリウム、酒石酸ナト
リウム、リンゴ酸ナトリウムおよび乳酸ナトリウ
ムからなる群から選ばれた少なくとも一つの有機
酸の塩類が含有されているという構成をとる。 すなわち、本発明者らは、レトルト殺菌ミルク
入りコーヒにコーヒ本来の香りと酸味を発揮させ
るためそのPHを5.0〜6.0に調節することを前提と
し、上記PH5.0〜6.0の酸性領域において乳蛋白の
酸変性を生じさせない乳成分安定剤を見いだすべ
く鋭意研究を重ねた結果、上記所定の有機酸の塩
類が好成績を収めることを見いだし、この発明に
到達した。 この発明のレトルト殺菌ミルク入りコーヒは例
えばつぎのようにして製造することができる。す
なわち、コーヒ液と乳類と糖類と所定の有機酸の
塩類等とを充分に混合溶解し、水を加えて調整し
た後、均質機で均質化を行う。ついでこれをプレ
ートヒータ上で加温したのち200c.c.の空缶に注入
し、充填巻締めする。そして得られるコーヒ缶を
レトルト釜でレトルト殺菌するという一連の工程
により目的とするレトルト殺菌ミルク入りコーヒ
を製造することができる。ただし、上記レトルト
殺菌を経た最終製品であるコーヒのPHは、5.0〜
6.0となるよう調整しなければならない。この範
囲内でのみ、コーヒ独特の香りと酸味が発揮され
るからである。 なお、この発明のレトルト殺菌ミルク入りコー
ヒは上記のように缶コーヒとして製造してもよい
し、紙パツク等、他の保存容器入りコーヒとして
製造してもよい。 上記コーヒ液としては、コーヒ豆を従来公知の
方法により熱水抽出して得られる抽出液等が用い
られ、乳類としては、全脂粉乳、脱脂粉乳等が用
いられる。また糖類としては、砂糖、麦芽糖等各
種の糖類があげられいずれも使用可能であるが、
通常は上記糖類として、純度の高い糖であるグラ
ニユー糖が用いられる。 上記所定の有機酸の塩類としては、クエン酸ナ
トリウム、酒石酸ナトリウム、リンゴ酸ナトリウ
ム、乳酸ナトリウムをあげることができ、これら
は単独で、もしくは2種以上を併用して用いるこ
とができる。また、これらの塩類と、従来から用
いられている乳化剤である蔗糖脂肪酸エステル等
とを併用してもよい。上記有機酸の塩類は、その
使用量が少なすぎると効果が不充分となり、逆に
多すぎると塩類自体の味によりミルク入りコーヒ
の風味が低下する。この観点から上記所定の有機
酸の塩類が全体中に0.02〜2.5%含有するように
調節することが好適である。 上記のような有機酸の塩類を用いると、レトル
ト殺菌時におけるコーヒ酸の分解反応によつてコ
ーヒ液のPHが5.0〜6.0になつても乳類の乳蛋白が
酸変性することなく、安定状態を維持するのであ
り、これが、この発明の特徴である。 上記のような有機酸の塩類が配合されたこの発
明のミルク入りコーヒは、レトルト殺菌工程を経
てコーヒ液のPHが5.0〜6.0となつても乳成分の酸
変性が生じず商品価値が失われることがない。す
なわち、このミルク入りコーヒは、乳成分が安定
であつて、しかもPH5.0〜6.0であるからコーヒ本
来の香りと酸味が活きており、優れた風味を呈す
るのである。 なお、この発明において、上記の原料の他に、
従来から広く用いられている香料やPH調整剤を併
用しても何ら支障はない。 つぎに、実施例について比較例と併せて説明す
る。 〔実施例 1〜7〕 中炒りのコロンビアコーヒ豆粉砕品40Kg(全体
中の4%に相当)を熱湯でドリツプ抽出し、コー
ヒ豆粉砕品の10倍量の抽出液を400Kg得た。そし
て、この抽出液400Kgに、グラニユー糖、全脂粉
乳、脱脂粉乳、蔗糖脂肪酸エステル(菱糖社製、
S−1570)、クエン酸ナトリウムを、それぞれが
全体中に次表に示す割合になるよう配合し、つい
で、水を加えてよく混合溶解して全体を1000に
調整した。そして、得られた溶液を均質機にか
け、65℃,150Kg/cm2の条件下で均質化したのち、
プレートヒータ上で95℃まで加熱した。ついで溶
液を200c.c.の空缶に小分けして巻締めをし、得ら
れた缶入りコーヒをレトルト釜に入れ122℃,30
分間の条件でレトルト殺菌し目的とするミルク入
りコーヒを得た。 〔比較例 1,2〕 クエン酸ナトリウム、d−酒石酸ナトリウムの
使用をとりやめ、炭酸水素ナトリウムを用いた。
それ以外は実施例1と同様にしてミルク入りコー
ヒを得た。 このようにして得られた実施例品および比較例
品について、官能検査等の品質評価試験を行つ
た。その結果を下記の表に併せて示した。
【表】 上記の表から、比較例1では、PH調整剤である
炭酸水素ナトリウムの使用量が少なく、PHが5.8
の酸性域になつており、乳成分の分離現象がみら
れる。比較例2では、炭酸水素ナトリウムの量が
多くなつていてPHが6.30の中性領域にあり、乳成
分の分離は生じないがコーヒ本来の酸味と香りが
失せ風味が著しく悪くなつている。これに対して
実施例品ではPH5.0〜6.0の酸性域であつても乳成
分が安定であり、しかも酸味、香りとも良好で風
味が優れていることがわかる。 〔発明の効果〕 以上のように、この発明のレトルト殺菌ミルク
入りコーヒは、乳成分安定剤として特定の有機酸
の塩類を用いているため、PHが5.0〜6.0の酸性域
になつても乳成分が安定であつて変性せず、しか
も、コーヒ本来の香りと酸味を呈し風味に優れて
いる。すなわち、この発明によれば、コーヒ独特
の香りと酸味が殆ど期待できなかつたレトルト殺
菌ミルク入りコーヒに、コーヒ本来の風味を付与
することができ、缶入りコーヒやパツク入りコー
ヒであつても本格派のコーヒの風味を楽しませう
るようになるのである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 PH5.0〜6.0のレトルト殺菌済みのミルク入り
    コーヒであつて、乳成分安定剤として、クエン酸
    ナトリウム、酒石酸ナトリウム、リンゴ酸ナトリ
    ウムおよび乳酸ナトリウムからなる群から選ばれ
    た少なくとも一つの有機酸の塩類が含有されてい
    ることを特徴とするレトルト殺菌ミルク入りコー
    ヒ。
JP60211866A 1985-09-25 1985-09-25 レトルト殺菌ミルク入りコ−ヒ Granted JPS6274241A (ja)

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JP60211866A JPS6274241A (ja) 1985-09-25 1985-09-25 レトルト殺菌ミルク入りコ−ヒ

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JP60211866A JPS6274241A (ja) 1985-09-25 1985-09-25 レトルト殺菌ミルク入りコ−ヒ

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JPS6274241A JPS6274241A (ja) 1987-04-06
JPH0552170B2 true JPH0552170B2 (ja) 1993-08-04

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